架電リストの管理方法は、共有のルールから決める

表計算ソフトでの共有が煩雑になったら、記録と確認のルールを見直します。この資料を読みながら、自社の管理方法を書き出してください。

  • 会社と架電結果を記録する 会社を識別する方法と、全員が同じ意味で使う結果の区分を決めます。
  • 今日かける先を決める 再コールの日付の決め方、連絡不要をリストに反映する手順、担当の割り当てを決めます。
  • 共有する内容を決める 日別の集計と引き継ぎに残す項目を決め、資料末尾のルールメモに記入します。

人が増えると、各自の記録だけでは管理が行き詰まりやすい

同じファイルを使っていても、書き方や更新のタイミングが違うと判断が食い違います。共有するルールがないまま人が増えると、重複架電や見落としが起きやすくなります。

  • 同時編集で行き違う 複数人が同時に編集すると、更新に気づかず同じ会社にかけたり、記録を上書きしたりすることがあります。
  • 結果の言葉がばらつく 同じ結果でも書き方が違うと、次にかけてよいか判断できず、集計にも手間がかかります。
  • 必要な情報が埋もれる 再コールの予定日が備考の中に紛れ、連絡不要が別の担当に伝わらないと、相手との約束や申し出を守れなくなります。

共有のルールがないまま人が増えた場合

  1. 一人で記録を始める
  2. 人が増え、同時に編集する
  3. 結果の書き方がばらつく
  4. 重複架電や期限の見落としが起きる
図は編集部作成の例です。

会社は法人番号で識別し、1社1行で管理する

会社の基本情報は、同じ会社が複数行にならないように管理します。架電の履歴は別の表に残し、法人番号で会社の行と結びます。

  • 法人番号で照合する 会社を追加する前に法人番号で検索します。社名の表記が違っても、同じ番号なら既存の行を使います。
  • 現在の状態をまとめる 会社の行には、現在の担当、最新の結果、再コールの期限、連絡不要の印を残します。
  • 履歴は上書きしない 架電するたびに履歴の行を追加します。過去の会話や約束を消さず、会社の行にも最新の状態を反映します。

会社の表と架電履歴の表を分ける

表1行の単位主な列
会社会社ごと法人番号、社名、電話番号、担当、最新結果、再コール期限、連絡不要
架電履歴架電ごと法人番号、架電日時、架電者、結果の区分、相手の言葉、約束、次の予定
表は編集部作成の例です。法人番号を確認できない会社は、社名と所在地で重複を確認してから追加し、番号が分かり次第入れます。

結果の区分は、次の行動が変わる単位で決める

結果は決めた区分から選び、詳しい事情は備考欄に書きます。複数の区分に当てはまるときは、次の行動につながる区分を選び、連絡不要の申し出があれば連絡不要を優先します。

  • 区分の意味を決める 不在と受付止まり、断りと連絡不要を区別します。同じ言葉を見て、全員が同じ対応を選べるようにします。
  • 自由記述は備考に残す 相手の言葉や個別の事情は備考欄に残します。結果欄に独自の略語や似た区分を追加しないようにします。
  • 約束した行動を優先する 相手の担当者と会話して資料送付を約束した場合は、資料送付を選びます。送付後の連絡予定も別欄に記録します。

結果の区分と次の行動を定義する

区分意味次の行動
不在/受付止まり不在は応答なし、または担当者が席にいない。受付止まりは受付が取り次がない不在は再コール期限を決める。受付止まりは理由を確認し、再連絡の可否を決める
相手の担当者と会話営業先の担当者と話したが、具体的な約束はない会話内容を残し、次の行動を決める
資料送付資料を送る約束をした資料名、送付期限、送付状況を残す
アポ面談の日時が決まった日時、方法、参加者、約束を残す
断り今回の提案を断られた理由を残す。再コールは自動設定しない
連絡不要今後の連絡を望まない意思が示された会社の行に反映し、架電対象から外す
表は編集部作成の例です。不在と受付止まりは、記録時には別の区分として選びます。

今日かける先は、期限と担当で決める

今日かける先は、会社の表から決めた条件で抽出します。連絡不要を先に除外し、同じ会社に複数の担当を割り当てていないことを確認してから架電を始めます。

  • 対象の条件を決める まだ誰も架電していない会社と、再コールの予定日が来た会社を対象にします。
  • 約束した日時を守る 相手が指定した日時にかけられるよう予定を確保します。その合間に、期限超過、期限到来、未着手の順で進めます。
  • 架電前に担当を確定する 会社ごとに担当を割り当てます。かける直前にも、最新の結果と連絡不要の有無を確認します。

今日かける先の抽出条件と順番を決める

出す条件順番注意
指定日時が今日約束した時刻にかける指定時刻より前にかけない
期限を過ぎた約束した時刻の対応を優先し、その合間に先に確認する経緯と最新の予定を確認する
期限が今日期限超過の確認後にかける前回不在でも期限を条件にする
未着手期限のある会社の合間にかける担当を決め、他の手段の履歴があれば確認する
表は編集部作成の例です。連絡不要は、すべての抽出条件より優先して除外します。

再コールの予定は、日付と、指定があれば時刻で記録する

「後で」「来月ごろ」だけでは、今日かけるべきか判断できません。再コールが必要な会社には日付を入れ、時刻の指定があれば一緒に残します。

  • 相手の指定を優先する 相手が指定した日時を最優先にします。日付だけの約束なら、日付を入れて時刻は空欄にします。
  • 未指定なら基準で決める 指定がなければ、不在などの状況別に社内で決めた間隔で日付を入れます。その日付が相手との約束か社内の予定かも記録します。
  • 期限を抽出条件に使う 期限が来た会社と期限を過ぎた会社を、今日かける先に出します。架電後は次の期限を更新するか、予定を外します。

再コールの状況に合わせて期限を残す

状況期限の決め方記録
日時の指定あり指定された日時を使う日付、時刻、相手の指定内容
日付の指定あり指定された日付を使う日付、時刻指定なし
不在・指定なし社内で決めた間隔で日付を入れる日付、社内予定、不在の状況
時期が曖昧相手に時期を確認し、分からなければ社内で仮の日付を決める日付、相手の言葉、社内予定
期限を過ぎた経緯を確認し、次の行動を決める元の期限、未対応の理由、新しい予定
表は編集部作成の例です。連絡不要の会社は再コール対象から外します。断りには再コール日を自動で入れません。

連絡不要は、受けた人がその場で反映する

連絡不要を備考欄だけに書くと、他の担当者が見落とすことがあります。会社の行に印を付け、全員の架電対象から外れたことまで確認します。

  • その場で会社の行に反映する 連絡不要を受けた人が、会社の行に印を付けます。受けた日時と相手の言葉も履歴に残します。
  • 全員の対象から外す 履歴は残し、今日かける先からは除外します。配布済みのリストにも反映し、架電直前に最新状態を確認します。
  • 別手段の担当にも伝える 手紙やフォームの担当にも、相手が望まない連絡の範囲を伝えます。別手段で連絡してよいと自己判断しません。

連絡不要を受けてから除外を確認する

手順担当確認すること
会社に印を付ける連絡不要を受けた人該当する法人番号の会社に反映したか
履歴を残す連絡不要を受けた人受けた日時、相手の言葉、対象範囲を残したか
架電対象から外す各担当と管理責任者全員の対象と配布済みリストに反映したか
別手段にも伝える受けた人と各手段の担当手紙やフォームの予定も確認したか
除外を確認する管理責任者未反映のリストや連絡予定が残っていないか
表は編集部作成の例です。手紙やフォームの担当への共有は、別の資料『「連絡しないでほしい」と言われた会社を、どう管理する?』で扱っています。

日別の集計は、数える対象を先に決める

日別の集計は、架電履歴をもとに担当別と全体で確認します。項目の意味と集計する日付を決めておくと、毎回数え直す手間を減らせます。

  • 件数の定義を決める 架電数は発信した回数、通話数は人と会話できた回数など、何を数えるかを決めます。留守番電話は分けて扱います。
  • 同じ履歴から集計する 担当別と全体を同じ架電履歴から集計します。アポ数は結果別の数の一部なので、合計に重ねて足しません。
  • 架電の結果と予定を区別する 架電結果は架電日で、再コール予定は期限の日付で集計します。期限を過ぎた未対応分も別に確認します。

日別に確認する項目と目的を決める

集計項目何のために見るか
架電数その日に発信した量と担当ごとの偏りを確認する
通話数人と会話できた架電を確認する
結果別の数不在、受付止まり、担当と会話、資料送付、アポ、断り、連絡不要の内訳を確認する
アポ数その日の架電で面談日時が決まった結果を確認する
再コール予定数予定日ごとに、再コールが必要な会社の数を確認する
期限超過の数期限を過ぎても対応できていない会社を確認する
表は編集部作成の例です。各項目は、担当別と全体で同じ定義を使います。

引き継ぎには、相手の言葉と次の予定を残す

担当が休んでも、履歴を読めば次の対応を判断できる状態にします。感想だけで済ませず、会話で確認した事実と約束を残します。

  • 発言と判断を分ける 相手の言葉と、こちらの判断を分けて書きます。「興味あり」だけで済ませず、判断のもとになった発言を残します。
  • 約束と対応状況を残す 約束した内容と期限、送った資料、未対応の作業を残します。資料を送る予定と、送付済みの状態を区別します。
  • 次に行うことを明記する 次に誰が、いつ、何をするかを書きます。担当を変えたら会社の行も更新し、引き継いだ側が内容を確認します。

次の対応に必要な情報を残す

項目書くこと
相手の言葉再連絡の条件や断りの理由など、対応の判断に必要な発言
約束したこと何をいつまでに対応するか、完了したかどうかを書く
送付する資料資料名、送付先、送付済みか未送付か、送付日を書く
次の予定再コールや面談の日時と目的、誰が対応するかを書く
会話の相手氏名、部署、役職など、確認できた情報
確認が必要なこと未確認の事項と、次の対応前に確認する内容
表は編集部作成の例です。引き継ぎには、業務に必要な情報を残します。

管理方法は、ルールを守れるかで決める

人数だけで、表計算ソフトを使い続けられるかは決まりません。同時編集、期限の見落とし、集計にかかる時間を確認し、ルールを守れる方法を選びます。

  • 困っている場面を確かめる 上書きが起きる場面や、再コールを見落とす理由を確認します。集計や修正にどんな作業が必要かも書き出します。
  • 管理のルールを先に決める 会社の識別、結果の区分、期限、連絡不要の扱いを先に決めます。管理方法を変えても、この判断は必要です。
  • 必要な操作を確認する 別の管理方法に変える場合は、担当の割り当て・抽出・除外の操作で決めたルールを実行できるか確かめます。列や区分が決まっていれば、移行の準備も進めやすくなります。

表計算のまま続けるかを判断する

状況表計算のまま仕組みを変える
人数と分担担当と更新箇所を全員が把握できる担当の重複や更新漏れが続くなら検討する
同時編集編集範囲や時間の調整で行き違いを防げる調整しても上書きや重複架電が続くなら検討する
再コール期限日々の抽出と確認で期限を守れる確認しても期限が埋もれるなら検討する
集計の時間決めた時刻までに集計を終えられる集計や修正が架電の時間を圧迫するなら検討する
連絡不要の共有全員の対象からすぐに除外できる配布先への反映漏れが続くなら検討する
表は編集部作成の例です。管理方法を変えた後も、ルールの運用を確認します。

架電リスト管理のルールをメモに残す

ここまでに決めた内容を記入し、架電に関わる全員で確認します。詳しい一覧が別にある場合は、その保存先も書いてください。

  • 迷わず動けるように書く 「適宜対応」ではなく、今日かける会社を抽出する条件や、連絡不要をリストに反映する人を書きます。読んだ人が同じ判断をできる内容にします。
  • 運用前に確認する 会社の重複、再コールが必要な会社の予定日の入力漏れ、連絡不要の未反映がないか確認します。結果の区分も全員で読み合わせます。
  • 見直す日を決める 運用中に判断に迷った場面とそのときの対応を書き残し、見直し日に確認します。ルールを変えたら、リストの設定と共有メモも更新します。

架電リスト管理のルールメモ

決める項目記入欄決める項目記入欄
会社の識別結果の区分の一覧
今日かける先の条件再コール期限の決め方
連絡不要の反映担当日別の集計項目
引き継ぎの項目見直し日
記入シートは編集部作成の例です。自社の運用に合わせて記入してください。