営業先の業種は、提案の説明が変わるかで分ける

業種を細かく分けても、提案の説明が同じなら、区分ごとの資料や記録の手間だけが増えることがあります。この資料では、提案の説明が変わるかと、自社が対応できる営業先の数から、分け方を決める手順を説明します。

  • 使う階層を決める 営業リストの業種分類のどの階層(大分類・中分類・小分類)で選ぶかを決め、分けすぎと分け不足を直します。
  • 共通点でまとめる 業種をまたぐ業務の共通点を探し、提案の切り口で営業先をまとめます。
  • 実行できる範囲を決める 条件に合う営業先の数と、自社が期間内に対応できる営業先の数を比べ、分け方と見直し日をシートに記入します。

業種の分け方は、提案の切り口で決める

業種名が違っても、同じ課題に同じ説明で応えられる場合があります。分類の細かさではなく、提案の説明を変える必要があるかで判断します。

  • 同じ説明ならまとめる 困っている業務と、提案で改善できることが共通するなら、業種名が違っても同じまとまりで扱います。
  • 説明が変われば分ける 相手の業務や利用場面が異なり、説明や具体例を変える必要があれば分けます。
  • 細かさを目的にしない 分ける理由を提案の違いで説明できなければ、その区分が必要か見直します。

提案の違いから分け方を判断する

  1. 解決したい業務上の困りごとを定める
  2. 提案の説明や具体例を変える必要があるか確かめる
  3. 同じ説明で通じるならまとめ、変える必要があれば分ける

業種欄の階層を確かめてから使う

日本標準産業分類などの公的な業種分類は、大分類・中分類・小分類の階層に分かれています。営業リストを絞る前に、業種欄がどの階層に対応するかを確かめます。

  • 階層を確認する リストの説明や分類の定義を読み、どの階層で営業先を選んでいるかを確認します。
  • 目的に合わせて選ぶ 広く候補を探すか、近い業務に絞るかによって、使う階層を変えます。
  • 会社の実態も確かめる 複数の事業を営むなど、分類だけでは実態を捉えきれない場合があります。公式サイトで事業内容も確認します。

階層ごとの使い方を整理する

階層向く使い方注意
大分類候補となる範囲を広く探す。異なる業務の会社も含まれる。
中分類提案が通じる業務の範囲を探る。同じ分類でも利用場面は異なりうる。
小分類対象企業の事業内容を細かく指定して絞る。営業先が限られ、試しにくくなる場合がある。
表は編集部作成の例です。分類の階層だけで提案の適合性は決まりません。

分けすぎた区分は、提案の共通点でまとめ直す

業種を細かく分けると、区分ごとの営業先が限られ、提案を試しにくくなる場合があります。同じ提案を別々に管理していないかも確認します。

  • 試せる余地を確かめる 営業先が少なく、説明を見直した後に試す相手が残らないなら、区分を広げる余地を探します。
  • 作り分けの必要を問う 業種別の説明を作っても内容がほぼ同じなら、共通の提案にまとめて管理します。
  • 比較できる条件をそろえる 区分ごとに接触手段や時期まで違うと、返答の違いが業種によるものか分かりません。手段と時期をそろえて試します。

分けすぎの兆候から対応を考える

起きること気づき方対応
試す相手が減る提案を直しても試す相手が残らない。共通する業務を持つ会社まで広げる。
作成の手間が増す業種別の説明で同じ修正を繰り返す。説明の共通部分をまとめる。
管理が分かれる同じ提案の記録が別々に残る。共通の提案単位で記録をまとめる。
返答を比べにくい区分ごとに接触手段や時期が異なる。接触手段と時期をそろえて試す。
表は編集部作成の例です。

提案がぼやけたら、業務の違いで分ける

広い業種区分に合わせようとすると、何の業務に役立つ提案なのかが曖昧になる場合があります。相手の利用場面を具体的に説明できるかで、分け不足を確かめます。

  • 対象の業務を示す 誰のどの業務がどう変わるのかを説明できなければ、対象とする業務を絞ります。
  • 具体例のずれを探す 紹介した利用場面が相手に当てはまらないなら、業務の有無や進め方で分けます。
  • 断られた理由を分ける 対象の業務がない場合と、業務はあるが相手が不要と答えた場合を、別の理由として記録します。

提案の曖昧さから分け方を見直す

起きること気づき方対応
提案がぼやける役立つ業務を具体的に説明できない。解決する業務上の課題で分ける。
具体例がずれる相手には説明した利用場面がない。業務の有無や進め方で分ける。
断りの理由が混ざる断られた理由をすべて「不要」と記録している。業務が無いのか、あるが不要と答えたのかを分けて残す。
表は編集部作成の例です。

業種名より、提案が通じる共通点でまとめる

同じ業種でも業務は異なり、違う業種でも似た困りごとを抱える場合があります。「どんな業務があるか」「何を扱うか」で、提案が通じる範囲を考えます。

  • 業務でまとめる 受発注や予約管理など、提案が役立つ業務の有無から営業先をまとめます。
  • 扱うものでまとめる 商品や情報の扱い方に共通の負担があれば、業種をまたいで候補を探します。
  • 提案との関係を確かめる 共通点があるだけでは不十分です。その共通点によって、同じ改善を説明できるかを確かめます。

業務や扱うものから候補をまとめる

まとめ方例向く場合
業務でまとめる例:受発注の業務がある会社をまとめる。確認や入力の負担に関する提案をする。
扱うものでまとめる例:使用期限のある商品を扱う会社をまとめる。期限の確認や在庫管理を支援する。
運営方法でまとめる例:複数の拠点を運営する会社をまとめる。拠点間の情報共有を支援する。
取引方法でまとめる例:継続契約を扱う会社をまとめる。契約の更新管理を支援する。
表は編集部作成の例です。特定の業種への注力を勧めるものではありません。

既存顧客から共通点を探し、公開情報で業務を確かめる

今の顧客がどの業務で困り、何をきっかけに購入したかを振り返ります。そこで見つけた共通点を仮説にして、候補企業に同じ業務があるかを公式サイトや求人情報で確かめます。

  • 顧客の業務を振り返る 業種名だけでなく、購入前に負担が生じていた業務と、検討したきっかけに分けて整理します。
  • 道具や制度も調べる 使うソフトウェアや、法令・許認可への対応が共通すると、似た作業が生じることがあります。
  • 推測と確認を分ける 公開情報で確認できた事実と、推測している課題を分けます。情報が無いだけで対象外にはしません。

共通点の仮説を公開情報で確かめる

探す共通点顧客から振り返ること公開情報で確かめること
業務を調べる負担を感じていた作業を整理する。公式サイトのサービス内容や求人の仕事内容を見る。
きっかけを探す検討を始めた出来事を整理する。拠点開設などの公式発表を確認する。
道具を調べる利用する道具と周辺の作業を整理する。求人に記載された使用ツールを確認する。
制度を調べる法令や許認可への対応で生じた作業を整理する。公式サイトに掲載された対応方針を確認する。
表は編集部作成の例です。公開情報の掲載日と現在の状況にも注意します。

営業先の範囲は、対応できる量で調整する

提案が通じる範囲を決めたら、条件に合う営業先の数を確認します。新規の接触だけでなく、返信や折り返しへの対応まで含めて、扱える量と比べます。

  • 対応できる量を見積もる 活動期間と担当人数を決め、調査・初回の連絡・返答後の対応に使える時間から、期間内に対応できる営業先の数を考えます。
  • 少なければ範囲を広げる 候補が対応できる数より大きく少なければ、分類の階層を上げて候補を広げ、広げた先でも同じ提案が通じるかを確かめます。
  • 多ければ条件を加える 候補が対応できる数を大きく超えるなら、地域や規模で絞ります。提案が通じるという条件は維持します。

営業先の量に応じて条件を調整する

状況調整の仕方
候補が少ない分類の階層を上げ、同じ提案が通じる候補を探す。
候補が多い地域や規模の条件を加え、対応できる範囲に絞る。
相手への返信が遅れる新たに連絡する数を減らし、返信の時間を確保する。
提案が合わない数の調整を進める前に、まとめる共通点を見直す。
表は編集部作成の例です。営業先の数に一律の目安は設けません。

分け方の条件・提案・結果をセットで記録する

結果だけを残しても、どの分け方が適していたかは振り返れません。分類の階層、共通点、提案、営業先の数を、結果と一緒に記録します。

  • 条件を再現できるようにする 使った分類の出典と階層、含めた範囲を残します。地域や規模の条件を加えた場合も記録します。
  • まとめた理由を残す 共通する業務と、そこで提案が改善することを書きます。業種名だけの記録で終わらせません。
  • 数と結果を残す 抽出時点の営業先の数と確認日を記録します。結果には接触手段と相手の返答も添えます。

分け方を振り返るための記録項目を決める

記録する項目残す内容
分類の階層分類の出典、使った階層、対象範囲を記す。
まとめた共通点共通する業務や扱うものを記す。
提案の切り口解決する課題と、改善することを記す。
営業先の数抽出した数、確認日、追加した絞り込み条件を記す。
結果接触日、接触手段、提案内容、相手の返答を記す。
表は編集部作成の例です。確認できない情報は、未確認として残します。

業種と接触手段の違いを分けて見直す

「業種が違う」と断られたら、分類と提案のどこが合わなかったかを確かめます。反応の違いは業種だけで判断せず、接触手段や説明の違いも確認します。

  • 断りの意味を確かめる 対象の業務が無いのか、説明した利用場面が違うのかを確認し、分け方と提案のどちらを直すか考えます。
  • 比較の条件を確認する 業種による差を見るときは、接触手段や提案内容が同じ記録を比べます。条件が違えば判断を保留します。
  • 変更前後の記録を分ける 分け方を変えた日と理由を残し、変更前後の結果は別々に記録します。

結果から次に確かめることを決める

見直すきっかけ確かめること次の対応
相手が「業種が違う」と答える相手に対象の業務や利用場面があるかを確かめる。対象範囲か説明の具体例を見直す。
業種ごとに返答が違う接触手段や提案内容が同じかを確認する。条件が同じ記録で比較する。
接触手段ごとに返答が違う対象の業種や提案内容も違っていないかを確認する。手段以外の条件を合わせて確かめる。
分け方を変える変更日、条件、理由を確認する。変更後の結果を別の記録に残す。
表は編集部作成の例です。反応の違いだけで原因を断定しません。

提案から見直し日までをシートに記入する

まず提案の切り口と共通点を書き、その後に分類の階層と対象範囲を決めます。営業先の数と対応できる数を記入し、見直す日まで決めたら実行に移します。

  • 提案から書き始める どの業務の何を改善するかを書きます。その提案が通じる共通点を、業種名とは別に記入します。
  • 含める範囲を決める 使う階層と、対象に含める条件・除く条件を記入します。除く場合は、その理由を提案との関係で説明できるか確かめます。
  • 数と見直し日を埋める 活動期間と、その期間に対応できる営業先の数を書き、条件に合う営業先の数と比べます。結果を確認する見直し日も記入します。

業種の分け方シート

記入項目記入欄記入項目記入欄
提案の切り口まとめる共通点
分類の出典と階層含める条件
除く条件と理由営業先の数と確認日
活動期間対応できる営業先の数
見直し日補足
シートは編集部作成の例です。補足欄には地域や規模などの追加条件を記入します。