対応できる業務が現在の業務とは限らない

対応の可否と現在の作業を分けると、提案で何を前提にできるかが分かります。この資料で決めることは、次のとおりです。

  • 返答の意味を分ける 自分の質問と照らし合わせ、対応できるという返答から分かる範囲を判断できます。
  • 実際の作業を捉える 現在の実施状況と具体的な進め方を確認し、行っていない作業の評価を急がずに済みます。
  • 提案の前提を決める 対応できることと行っていることを別々に記録し、提案の根拠に使う内容を選べます。

できるという返答だけでは実施状況は分からない

対応できる範囲を説明していても、現在行っているとは限りません。返答だけで、日々の作業や負担まで推測しないことが必要です。

  • 答えの範囲を捉える 可否を尋ねた後の返答は、対応できる範囲を示している場合があります。
  • 進め方を推測で補わない 対応できると分かっても、作業のきっかけや手順、作業する人までは分かりません。
  • 確認するまで前提にしない 実施状況が未確認なら、現在の業務を説明する事実として提案に使わず、確認事項に残します。

返答から分かる範囲

場面起きていること注意
可否への返答対応できる範囲が示されています。現在の実施状況は別に確認します。
手順の説明なし実際の進め方は示されていません。慣れた作業だと推測しません。
提案を考える場面未確認の作業を前提にしてしまうことがあります。返答にない内容を補いません。
表は編集部作成の例です。

返答の読み取りには自分の質問の点検が必要だ

可否を尋ねれば、可否だけの返答でも質問には答えています。知りたい内容が現在の運用なら、尋ねる対象を切り替える必要があります。

  • 可否の質問を見分ける 対応可能な範囲や条件を尋ねたのなら、返答もその範囲で読み取ります。
  • 運用の質問を見分ける 実施の有無や作業の流れを尋ねたのなら、実際の動きが答えに含まれるかを見ます。
  • 不足した内容を尋ねる 可否しか分からなければ、同じ尋ね方を繰り返さず、現在の実施状況へ確認を進めます。

質問の対象と答えの範囲

質問の種類得られる答え注意
可否を尋ねる対応できる範囲や条件が分かります。実施している証拠にはなりません。
実施を尋ねる現在行っているかの回答が得られます。具体的な手順は別に確認が要ります。
進め方を尋ねる作業のきっかけや流れが分かります。想定した手順か実際の手順かを分けます。
表は編集部作成の例です。質問文ではなく、尋ねる対象を示しています。

できるという言葉は指す状態によって意味が違う

設備があることも、日常的に作業していることも、できるという言葉で説明されます。どの状態を指すかによって、追加で必要な確認が変わります。

  • 設備と技能を分ける 機能や設備の有無と、それを使って作業できる人の有無を分けて捉えます。
  • 条件付き対応を分ける 依頼がある場合の対応なら、作業が始まる条件と、実際に行っているかを分けます。
  • 実施を別に捉える 日常的な実施は独立して確認します。設備、技能、条件付き対応は重なる場合もあります。

できるという言葉が指す状態

指す状態確かめること注意
機能・設備がある対象業務に使える状態かを確認します。保有だけで使用中とは判断しません。
作業できる人がいるどの作業まで対応できるかを確認します。作業できる人がいることだけで、その人が担当していると判断しません。
依頼時に対応する対応条件と実施状況を確認します。条件があることと実施は別です。
日常的に行う実際の作業場面と流れを確認します。どの頻度や場面を日常的と呼んでいるかも確認します。
表は編集部作成の例です。各状態は重なる場合があります。

現在の実施状況には可否とは別の確認が必要だ

対応できると分かった後も、現在行っているかは確認が必要です。実施している場合と、していない場合で、その後に聞く内容を分けます。

  • 対象を同じにする 自分と相手が同じ業務の範囲を指しているかを確かめてから、現在の実施状況を確認します。
  • 行っている場合の流れを聞く 行っている場合は、始まるきっかけから完了まで、実際の進め方を確認します。
  • 理由を推測しない 行っていない場合は、その事実を記録します。必要性や実施しない理由は、別に確認します。

実施状況から分ける確認

確かめること方法注意
対象の業務作業の範囲を示して確認します。業務全体と一部の作業を混ぜません。
現在の実施対象業務を行っているか確認します。対応可能という返答で代えません。
行う場合の流れ実際の場面に沿って確認します。想定上の手順で埋めません。
行わない理由説明された理由と確認状況を残します。返答がなければ未確認とします。
表は編集部作成の例です。

行っていない作業が業務上の問題とは限らない

作業を行っていなくても、必要な場面がない場合や、別の方法で目的を果たしている場合があります。実施の有無と、困っているかどうかは別の確認です。

  • 必要な場面を捉える その作業が必要になる場面があるかを確認します。使う場面がなければ、未実施だけで問題にしません。
  • 別の方法を捉える 同じ目的を別の方法で果たしている場合は、その方法で支障があるかを確認します。
  • 事実と評価を分ける 未実施は事実として残し、改善が必要かは相手が説明した支障や希望を基に判断します。

未実施を評価する前の確認

場面すること避けること
必要な場面がない必要となる条件があるかを確認します。作業を増やす前提で提案しません。
別の方法で済む目的を果たせているかを確認します。自社の方法への変更を急ぎません。
支障がある困る場面と影響を確認します。未実施が原因だと決めつけません。
理由が分からない理由を未確認として残します。人手や能力の不足と決めつけません。
表は編集部作成の例です。

具体的な場面をたどると実際の作業が分かる

業務全体の説明だけでは、実際に何をしているかが見えない場合があります。実際にあった場面を相手に選んでもらい、作業の流れをたどります。

  • 実際の場面を選ぶ 現在の運用が分かる、実際にあった場面を選んでもらいます。仮定の事例で不足を埋めません。
  • 始まりと終わりを聞く 作業のきっかけ、途中の処理、完了の判断を順に聞き、実際に行った動きを捉えます。
  • 日常との関係を聞く 選んだ場面が日常的な進め方か、特別な対応かを確認し、その進め方がほかの場面にも共通するかを決めます。

場面に沿って作業を捉える型

聞くこと方法注意
場面の選択実際にあった場面を選んでもらいます。用意した筋書きに当てはめません。
作業の始まり何を受けて作業が始まったかを整理します。開始の条件を省きません。
途中から完了行った処理と完了の判断を順に整理します。説明のない工程を補いません。
日常との関係通常と同じ部分と特別な部分を分けます。その場面だけで全体を判断しません。
表は編集部作成の例です。

作業と役割を対応させると誰の業務かが分かる

依頼を受けた人と、実際に作業した人が同じとは限りません。作業ごとに役割を記録すると、どの役割の人が何を行ったかを読み取れます。

  • 依頼を受けた人を分ける 依頼を受けた役割と、その後に作業した役割を分けます。受付だけで実行まで担うとは判断しません。
  • 動作ごとに役割を付ける 受付、処理、完了確認など、説明された動作に作業した人の役割を対応させます。
  • 必要な詳しさで残す 担当者名が不要なら役割で記録します。同じ役割の人を区別する必要がある場合だけ補足します。

作業と役割を対応させる記録

聞くこと記録の仕方注意
依頼の受付受付した役割と受けた内容を組にします。実際の作業者と同じ人とは決めつけません。
作業の実行行った動作ごとに役割を付けます。説明している人の作業と決めません。
完了の確認完了を確認した役割を付けます。作業した人と確認した人が同じかも確認します。
役割の区別必要な場合に部署や担当範囲を添えます。役割が不明なら推測で埋めません。
表は編集部作成の例です。

提案の前提は可否と実施のどちらに置くかで分かれる

対応できることと、現在行っていることでは、提案で扱える内容が違います。記録を分け、提案がどちらの事実に基づくかを明示します。

  • 可否を基に考える 対応できる範囲を根拠にする提案では、開始条件や実施する意向を確認し、現在の作業負担を推測しません。
  • 実施を基に考える 現在の業務を変える提案では、確認した手順や支障を使います。実施しているだけで改善を勧めません。
  • 未確認を前提にしない 可否か実施のどちらかでも分からない内容は確認事項に残し、提案の理由として使わないようにします。

記録の区分と提案での扱い

区分記録すること提案での扱い
対応できること対応範囲と条件を記録します。実施する意向や開始条件を確認します。
行っていること現在の作業と進め方を記録します。変更したい点を確認して根拠にします。
未確認のこと足りない確認を記録します。確認前は提案の前提にしません。
採用する前提提案に使う事実と確認範囲を記録します。対応の開始か現在の業務の変更かを示します。
表は編集部作成の例です。

相手の言葉と自分の解釈を分けると混同を防げる

相手の説明を要約する途中で、対応可能という意味が実施中に変わることがあります。相手の言葉、自分の解釈、確認結果を分けて残します。

  • 相手の言葉を残す 可否や実施を表す言葉と、その条件を残します。短くする場合も、断定の強さを変えません。
  • 解釈を別に書く 自分がどう理解したかは別欄に書きます。相手に確かめていない理解を、確認済みの事実にしません。
  • 確認結果を更新する 確認できた内容を結果欄に記し、残った不明点を明示します。解釈と違った場合はその違いも残します。

言葉から確認結果までの記録

記録項目書くこと理由
相手の言葉返答の意味と条件が分かる形で残します。後から解釈の根拠を見直せます。
自分の解釈何を指すと理解したかを書きます。説明された事実と混ざるのを防げます。
確認した結果可否、実施状況、確認できた範囲を書きます。提案に使える事実を判断できます。
残った不明点何が分からないままかを書きます。次に必要な確認を特定できます。
表は編集部作成の例です。

可否と実施の欄を分けると未確認の点が分かる

同じ業務について、対応できるかと現在行っているかを別々に記入します。空欄の意味が曖昧にならないよう、分からない内容には未確認と記します。

  • 業務ごとに記入する 可否と実施で同じ作業範囲を扱える単位に分けます。異なる業務をまとめて記入しません。
  • 確認状況を残す 未実施の理由には確認済みかを添えます。自分の解釈は解釈だと分かる書き方にして、事実と分けます。
  • 前提と記録先を残す 提案に採用する事実と、詳細を保存した場所を記します。前提が決まらなければ未定とします。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

業務の項目相手の言葉対応できるか現在行っているか行っている場合の進め方行っていない理由(確認済みか)作業する人の役割未確認の点提案の前提記録先
記録表は編集部作成の例です。必要な業務の項目ごとに複製して使えます。