業務の説明は現在の話とは限らない

業務の経緯には、終わった作業と今も続く作業が混ざります。説明が指す時期を分けると、現在の提案で扱う作業が明確になります。

  • 現在の作業を見分ける 時期が不明な説明を見つけ、続いている作業と終わった作業、形を変えた作業を分けます。
  • 変更の扱いを決める 変わった理由と移行の状況を確かめ、担当者ごとの時期の認識の違いや、業務の変更予定を提案でどう扱うか決めます。
  • 提案の前提を記録する 聞き分けた内容を相手に確かめ、現在の業務と未確認の事項を確認表に残します。

経緯の中に出た作業は現行の業務とは限らない

業務が変わった経緯を聞いていると、説明の途中で過去と現在が入れ替わります。説明に出てきた作業が、今も続いているとは限りません。

  • 経緯と現状を分ける 変更の背景として登場した作業には、現在も行っているかが確認できていなければ、未確認と付記します。
  • 切替の境目を拾う 以前の話から現在の話へ移った箇所を見つけ、前後の作業を分けて整理します。
  • 不明な時期を残す 時期の言葉がなく、話の流れからも判断できない説明は、時期が不明な説明として残します。

時期が不明になる場面

場面起きていること注意
経緯の説明変更前の作業が背景として語られます。詳しい説明でも、現在の作業とは限りません。
以前と今が混在説明の途中で対象の時期が変わります。どの作業から現在の話になったかが不明なら、その旨を残します。
時期の言葉がない作業内容だけが説明されています。現在形の表現だけで継続中と決めません。
表は編集部作成の例です。

作業が続いているかは、名称ではなく現在の実施内容で分かれる

名称が同じでも、実際の手順や対象が変わっていることがあります。以前と現在の実施内容を比べて、継続、終了、形を変えた継続を分けます。

  • 続く範囲を見つける 以前の作業が、現在もどの対象に行われているかを整理します。一部の継続も見落とさないようにします。
  • 終了の範囲を分ける 作業全体が終わったのか、特定の対象だけ終わったのかを区別します。
  • 変化した部分を分ける 目的が同じでも、手順や担当が変わった部分は、現在の内容に置き換えて記録します。

作業の状態を分ける基準

区分見分け方注意
続いている現在も同じ内容を実施しています。継続している対象の範囲を添えます。
終わった対象の範囲では実施を終えています。一時的な休止を終了と扱いません。
形を変えて継続目的を保ち、手順や担当を変えています。以前の手順の手間を、現在の手間とみなしません。
表は編集部作成の例です。

変更の理由と現在の課題は、同じとは限らない

変更のきっかけになった困りごとが、今も残っているとは限りません。変えた理由と変えた結果を分け、現在の課題を捉えます。

  • きっかけを特定する 何が起きて変更を決めたのかを整理します。以前の困りごとを、そのまま現在の課題にしません。
  • 変更後の結果を見る 変更でなくなった作業と、新たに必要になった作業を分けます。変更の目的と実際の結果を比べます。
  • 変わらない部分を見る 変更の対象外だった手順や条件を残します。現在の提案で扱う必要があるかを判断します。

理由と結果を分ける整理

確かめること方法注意
変更のきっかけ変更を決めた出来事と対象の作業を結び付けます。当時の事情が今も続くとは決めません。
変えた結果変更の前後で増減した作業を比べます。予定した効果と実際の変化を分けます。
変わらない部分維持した手順と、その理由を整理します。残った作業をすべて問題とみなしません。
表は編集部作成の例です。

新しいやり方を始めても、以前の作業が終わったとは限らない

新しいやり方を始めても、対象によっては以前の作業が残ります。移行中の業務は、切替済みの範囲と残っている範囲に分けて捉えます。

  • 並行する条件を分ける 新旧それぞれの作業を使う対象や条件を整理します。両方を行う場合は、その理由も残します。
  • 切替済みの範囲を示す 部署や案件など、切替の単位を明らかにします。一部の変更を全体の変更として扱いません。
  • 予定と開始を分ける 決定や周知だけでなく、実際に作業を始めた範囲を確認します。未着手の部分は予定として残します。

移行中の作業の見分け方

場面すること注意
新旧が並行使い分ける条件と旧作業の終了条件を整理します。新作業の開始を全体の切替完了と扱いません。
一部だけ変更切替済みと未切替の対象を分けます。全体に同じ手順を当てはめません。
予定だけある実際に始めたかを確かめ、未着手なら開始に必要な条件を記します。決定済みでも現行の作業には含めません。
表は編集部作成の例です。

時期の食い違いには切替範囲の確認が必要だ

変更を決めた時点と、現場で切り替えた時点は、同じとは限りません。時期の説明が食い違う場合は、何を切替と呼んでいるかを分けて確認します。

  • 時点の意味を分ける 決定、周知、実際の開始、旧作業の終了を区別します。同じ変更でも指す出来事が異なります。
  • 対象の範囲を合わせる 同じ部署や作業範囲について比較します。切替時期が異なる対象は、それぞれの時期を残します。
  • 採用する前提を決める 提案対象の作業を実際に行う側へ実施状況を確かめます。食い違いが解けない作業は、両方の説明を記録し、前提には含めません。

時期の食い違いを確かめる型

場面すること避けること
現場と管理側変更の決定時点と実際の切替時点を分けます。役職だけで現在の作業を決めません。
部署ごとの差部署別に実際の開始と旧作業の終了を記します。別部署の切替時期を転用しません。
前提を選ぶ提案対象の範囲で実施状況を確認します。不一致を残したまま全体の前提にしません。
表は編集部作成の例です。

提案の前提にできるのは、確認時点で行っている作業に限られる

以前の手間が詳しく語られていても、すでに解消している手間は、提案で減らせる手間にはできません。確認した時点で実施している作業を、提案の前提に置きます。

  • 扱う作業を絞る 現在も行っている作業を、対象や条件とともに示します。移行中なら、残っている範囲を明記します。
  • 終了した作業を外す 終わった作業の手間を、提案で減らせる手間に含めません。過去の経緯として別に記録します。
  • 前提の範囲を示す 提案で扱う作業と扱わない作業を示します。時期が不明な作業には、追加確認が必要な旨を添えます。

現在の業務を提案に反映する型

すること方法注意
前提に置く現在の作業と実施範囲を提案に記します。移行中の負担を恒常的な負担と決めません。
前提から外す終了した作業を背景説明へ移します。終了済みの手間を削減効果に含めません。
相手に示す採用した前提と未確認の範囲を併記します。確認できていない作業を断定しません。
表は編集部作成の例です。

変更予定を提案に含めるかは、確定の状況と実施条件で分かれる

変更予定があっても、開始条件や対象が未確定なら、その予定に依存する提案は変わり得ます。現在の業務と変更後の想定を分けて扱います。

  • 確定状況を見分ける 検討中か決定済みかに加え、開始時期、対象、実施条件のうち何が確定しているかを整理します。
  • 条件付きで扱う 予定を含める場合は、実現を前提とする部分を明示します。予定が未確定なら、現在の業務を基準にし、予定は別に記します。
  • 再確認の契機を決める 決定や切替の予定時点で確認する事項を残します。延期や対象変更があれば、提案の前提を見直します。

変更予定の扱いを決める型

場面すること注意
検討中の変更現在の業務を基準にし、変更案は別に記します。検討案の実現を提案の必須条件にしません。
決定済みの変更実施条件と提案への影響を明記します。決定済みでも実施済みとは扱いません。
切替の予定時点開始の有無と対象範囲を改めて確認します。予定時点の到来だけで前提を更新しません。
表は編集部作成の例です。

時期別に整理した内容は、相手に確かめる必要がある

聞いた内容を時期別に整理しても、その区分が相手の認識と一致するとは限りません。提案へ反映する前に、作業の状態と切替の範囲を確かめます。

  • 区分ごとに示す 終了、継続、移行中、変更予定ありに分け、対象範囲を添えて示します。時期が不明な作業は別に残します。
  • ずれた箇所を特定する 認識が異なる場合は、作業の内容、対象範囲、切替時点のどこに違いがあるかを分けます。
  • 訂正を提案へ反映する 訂正後の区分を記録し、関連する提案の前提も直します。修正した範囲を再び相手に示します。

整理した内容を確認する型

確かめること方法ずれていたとき
時期の区分作業を状態別に並べて確認を受けます。該当する作業の区分を直します。
切替の範囲切替済みと未切替の対象を示します。対象を分け直して実施状況を記します。
提案への反映前提に採用する作業を示します。前提と、その前提に依存する提案内容を直します。
表は編集部作成の例です。

変更時期と確認日を分けて記すと、いつの状況かが分かる

現在の作業という記録だけでは、後からいつの状況か分からなくなります。業務が変わった時点と、その状況を確認した時点を分けて残します。

  • 作業と対象を残す 作業名に加えて、対象となる部署や案件の範囲を記します。範囲が異なる作業は分けて記録します。
  • 時期と確認日を分ける 開始や終了の時期と、相手に確かめた日を別に記します。不明な時期を確認日で埋めません。
  • 判断の根拠を添える 区分の根拠となる発言の要旨と発言者を残します。こちらの推測は、確認できた内容と分けます。

後から時期を追える記録項目

記録項目書くこと理由
作業と対象実施内容と対象の範囲を書きます。別の範囲の作業と区別できます。
状態と変更時期継続などの区分と開始・終了の時期を書きます。どの時期の業務かを判断できます。
相手への確認日実施状況を相手に確かめた日を書きます。いつ把握した状況かが分かります。
根拠となる発言発言の要旨と発言者を書きます。区分の判断根拠をたどれます。
未確認の事項時期が不明な箇所と次の確認事項を書きます。推測と確定した情報を区別できます。
表は編集部作成の例です。

確認表には、未確認の事項も残す必要がある

確認表には、分かった内容だけでなく、判断を保留した理由も残します。提案の前提にする作業を選ぶ前に、時期の不明点が残っていないかを確認します。

  • 作業ごとに記入する 同じ作業でも、部署や対象で状態が違えば行を分けます。現在も行う範囲が読める形で記入します。
  • 未終了と未確認を書き分ける 終了していなければ未終了、分からなければ未確認と記します。空欄のままにしません。
  • 保留の理由と記録先を記す 前提にできない作業は、保留の理由を記します。根拠となる発言と次の確認事項を書いた場所を記録先に記します。

業務の時期の確認表

相手の作業現在も行っているか終わった時期変わった理由変わる予定認識が違う担当者提案の前提にするか相手に確かめた日記録先
注文内容の転記未切替の対象で続いています。未終了です。入力の重複が多かったためです。未切替の対象も切り替える予定です。時期は未確認です。現場の担当者は未切替、管理側の担当者は切替済みと説明しています。対象範囲が未確認のため保留します。確認前のため未記入商談記録の業務変更欄に根拠と次の確認事項を記します。
確認表は編集部作成の例です。1行目は記入例です。自社の記録様式に合わせて使えます。