自分の使用経験が相手にも当てはまるとは限らない

自分で使った経験を話すときは、使った条件と説明できる範囲を示す必要があります。この資料では、経験を伝える準備から、相手との確認、商談後の記録までを整理します。

  • 話せる範囲を決める 使った条件と感じたことを書き出し、自分の経験として話せる範囲を決めます。
  • 相手との確認点を決める 自分との条件の違いを整理し、相手が実演や資料で確かめたい点を決めます。
  • 掲載と記録の形を決める 資料に添える条件と、話した内容を商談記録に残す方法を決めます。

経験を説明できる範囲は使った条件と記録で決まる

感想を話す前に、用途・期間・環境・自分の役割を示します。どの条件で得た経験かが分かれば、相手の使い方と比べるための手掛かりになります。

  • 用途と期間を書く 何のために、いつからいつまで使ったかを整理します。試用と日常業務での使用も分けます。
  • 環境と役割を書く 使った環境と、自分が担った作業を示します。周囲の支援があった場合も添えます。
  • 条件を話の先に置く 条件を伝えてから経験を話します。条件が不明な部分は、記憶で補わず不明とします。

経験の前に示す使用条件

条件示すこと示さないと起こり得ること
用途何の業務で、何のために使ったかを示します。相手の用途でも同じように使えると受け取られることがあります。
期間使用時期と期間、継続使用かどうかを示します。短期間の経験が、継続使用の評価と受け取られることがあります。
環境利用環境や設定、周囲の支援を示します。支援や設定が異なる場面にも当てはまると受け取られることがあります。
自分の役割自分が操作した範囲と担当した作業を示します。関わっていない作業まで経験したと受け取られることがあります。
表は編集部作成の例です。実際に使った条件だけを記入します。

感想と仕様には誰の何に基づくかの明示が要る

自分が感じたことと、資料で確認できる仕様は、誰の何に基づく説明かが違います。話題を切り替える際に、どちらを説明しているかを明らかにします。

  • 感想の持ち主を示す 感じたことは、自分の使用条件で得た個人の感想として扱います。商品全体の評価へ広げません。
  • 仕様の出典を示す 仕様は、対象のプランや版に対応する資料で確認します。自分の記憶だけで断定しません。
  • 説明の切り替えを示す 感想から仕様へ移るときは説明を区切ります。自分の感想を、仕様で裏付けられた事実のように言いません。

根拠に合わせた説明の分け方

説明の種類根拠言い方
感じたこと自分が使った際の記憶や記録に基づきます。使用条件を添え、自分の感想であると明示します。
商品の仕様対象のプランや版に対応する資料に基づきます。資料の該当箇所を示し、記載の範囲で説明します。
両方を扱う説明感想と仕様で、それぞれの根拠を示します。文や段落を分け、自分の感想が商品の仕様として伝わらないようにします。
表は編集部作成の例です。言い方の欄は説明方針であり、使用感の例文ではありません。

自分に起きたことが相手にも起きるとは限らない

自分に起きたことを正確に話しても、相手の結果を約束する根拠にはなりません。条件の違いが結果にどう影響するかを確かめないまま結論を出さず、相手が確かめる方法を示します。

  • 経験と予測を分ける 自分に起きた事実を述べる範囲にとどめます。相手にも起きるという予測を付け足しません。
  • 同じ結果を約束しない 似た使い方でも、人や環境が違います。条件の一部が同じことを理由に、結果を約束しません。
  • 確認方法を決める 相手が何を確かめたいかを聞きます。試用や実演で確認できる範囲と、残る不明点を分けます。

相手の結果を約束しない説明方針

避ける説明起こり得ること代わりにすること
結果の約束自分の経験が、相手への約束として伝わります。自分の経験の範囲と、相手の結果は未確認であることを伝えます。
条件の同一視似ている条件だけで、違う条件が見落とされます。共通する条件、異なる条件、まだ確認していない条件を分けて伝えます。
感想での断定営業担当者の評価が、相手自身の判断の代わりになります。相手が判断に必要とする確認項目と、その確認方法を示します。
表は編集部作成の例です。各欄は発言の分類と説明方針であり、トーク例ではありません。

経験として答えられるのは自分で使った範囲に限られる

商品を使っていても、すべての機能や場面を経験しているわけではありません。質問の範囲を確認し、自分の経験と、ほかの人や資料から得た情報を分けます。

  • 質問の範囲を見定める どの機能を、どの場面で使う話かを確認します。使ったことのある機能でも、質問された場面での使用経験がなければ、その場面は未経験として分けます。
  • 未経験だと明らかにする 使っていない範囲は、経験がないと伝えます。見学や同席だけの場合も、自分の操作経験と分けます。
  • 確認した情報源を添える 社内で使った人に聞く際は、その人の使用条件も確認します。回答時には誰の経験かを示します。

質問の範囲に応じた答え方

質問された範囲答え方確認先
使った機能と場面使用条件を添え、自分が経験した範囲で答えます。自分の使用記録を確認します。
未使用の機能その機能の使用経験がないことを伝えます。社内の使用者に聞き、仕様資料を確認します。
未経験の場面機能の使用歴があっても、その場面は未経験と伝えます。その場面を経験した社内の使用者に聞きます。
見学した作業見た範囲だけを説明し、操作したとは言いません。実際に操作した人に確認します。
表は編集部作成の例です。他の人の経験を、自分の経験として説明しません。

経験を相手の検討に使うには条件の比較が必要だ

同じ商品でも、業務や使う人、量や頻度によって使用条件が変わります。自分の条件を基準に決めつけず、相手の条件と並べて違いを確認します。

  • 業務の前後まで聞く 商品を使う作業だけでなく、その前後の作業も聞きます。自分の使い方と異なる部分を記します。
  • 使う人と支援を比べる 操作する人の役割や経験、困ったときの支援を確認します。自分が受けた支援も比較に含めます。
  • 違いを確認事項として残す 条件が違う部分は、経験だけでは判断できない点として残します。次に何で確かめるかを決めます。

自分の使用条件と相手の使用予定の条件を並べる

違いの種類確かめること違うときの扱い
業務作業の目的と、前後の手順を聞きます。異なる手順でも使えるかを別途確認します。
使う人役割や操作経験、支援の有無を聞きます。実際に使う人が確認できる機会を検討します。
量や頻度扱う量と使用頻度、作業の集中する時期を聞きます。自分の経験から推測せず、確認条件に含めます。
利用環境端末や設定、併用する仕組みを聞きます。対応する仕様や確認できる環境を調べます。
表は編集部作成の例です。相手の条件が分からない欄は、推測で埋めません。

実演か資料かは相手が確かめたい点と環境で決まる

経験談を詳しくしても、相手の疑問に答えられない場合があります。確認したい内容を聞き、操作を見る必要があるのか、仕様を読む必要があるのかを分けます。

  • 知りたい点を絞る 何が分かれば判断できるかを聞きます。感想を求める質問か、操作や条件の確認かを整理します。
  • 操作は実演で示す 手順を見たい場合は実演を用意します。実演の環境が相手の環境と異なる場合は、その違いも示します。
  • 仕様は資料で答える 対応範囲や利用条件は資料の該当箇所で答えます。資料でも不明な点は、確認先と回答時期を決めます。

関心に合わせて選ぶ確認方法

相手の関心経験談で答えられるか代わりの示し方
営業担当者の使用経験自分が使った条件の範囲で答えられます。使用条件を添え、必要に応じて記録を示します。
操作の手順経験談だけでは、実際の操作を確認できません。関心のある手順を実演します。
対応する条件自分が使えたことだけでは断定できません。対象条件に対応する仕様資料を示します。
相手の業務での使用自分の経験だけでは判断できません。相手の条件を聞き取り、その条件で確認できる試用や実演を検討します。
表は編集部作成の例です。実演で確認できた範囲と、未確認の範囲を分けます。

経験談は相手の質問に合う場面に限られる

自分の経験があっても、毎回話す必要はありません。相手が知りたいことへの補足になるか、判断を急かす話にならないかで、持ち出す場面を分けます。

  • 使う場面を思い描く補足に使う 相手が使う場面を思い描きにくいときは、経験を話してよいか確認します。相手の業務との違いも添えます。
  • 質問に直接答える 仕様や利用条件を聞かれたときは、その質問に答えます。経験談を先に置いて回答を遅らせません。
  • 決断の催促に使わない 検討中の相手に、自分の経験を理由として決断を迫りません。残っている疑問の確認を優先します。

経験談を持ち出す場面の判断

場面持ち出すか理由
使う場面を思い描けない相手の希望を確認してから持ち出します。使い方を考える補足になる場合があります。
経験を聞かれた条件と経験の範囲を添えて持ち出します。自分の経験が質問の対象になっています。
仕様を聞かれた先に仕様資料で答えます。個人の経験では対応範囲を説明しきれません。
判断に迷っている決断を促す理由としては持ち出しません。経験談で決断を促すと、相手の未確認事項が残ることがあります。
表は編集部作成の例です。話したい内容より、相手が今知りたい内容を優先します。

資料に載せる経験談には使用条件の併記が必要だ

営業資料は、口頭で補足できない場面でも読まれます。誰の、どの条件での感想かを本文の近くに置き、経験談だけが切り離されない形にします。

  • 条件を本文の近くに置く 使用者の役割と用途・期間・環境を添えます。感想を抜き出す場合も、条件を一緒に載せます。
  • 感想と分かる形にする 個人の感想であることを明記します。見出しで商品全体の評価や相手への約束に広げません。
  • 掲載前に仕様の違いを確認する 使用当時の仕様と、紹介する仕様に違いがないかを確認します。違いがある場合は明記し、不明なら掲載を保留します。

経験談と一緒に掲載する情報

載せる内容添えること載せないもの
使用者誰の経験か分かる情報と、使用時の役割を添えます。本人に確認していない発言は載せません。
使用条件用途・期間・環境と、関わった範囲を添えます。確認できない条件を補って載せません。
個人の感想本人の感想であることを本文の近くに明記します。相手にも同じ結果が出るという表現は載せません。
仕様の違い使用時の版やプランと、参照資料を添えます。未使用の範囲を経験したかのように載せません。
表は編集部作成の例です。掲載する経験談は、本人の実際の経験と記録で確認します。

話した経験と条件を記録すれば次の商談で説明の範囲が分かる

話した内容を残さないと、どの条件まで伝えたかが曖昧になります。経験談の内容、相手の発言、次に確認すると決めた点を分けて記録します。

  • 話した範囲を残す どの経験を、どの条件付きで伝えたかを書きます。使った資料があれば、該当箇所も残します。
  • 発言と解釈を分ける 相手の発言と、自分の解釈を分けます。うなずきだけを、理解や賛同が得られた記録にしません。
  • 次の確認を引き継ぐ 確認する内容と方法、担当、時期を記します。次の商談では未確認の点から確認を再開します。

経験談を話した後の記録項目

記録項目書くこと次の商談での使い方
話した経験伝えた内容と、添えた使用条件を書きます。前回説明した範囲を確認します。
参照した資料使用した資料と該当箇所を書きます。前回使った資料を示し、資料に変更があれば変更点を伝えます。
相手の反応発言や質問を、自分の解釈と分けて書きます。関心や疑問を本人に確かめます。
条件の違い判明した違いと、まだ聞けていない点を書きます。不明な条件を追加で確認します。
次の確認確認内容・方法・担当・時期を書きます。合意した確認を実施し、結果を残します。
表は編集部作成の例です。相手と決めたことと、社内で考えている対応を分けます。

確認表の未確認の欄で商談で聞くことが分かる

商談で使う予定の経験を選び、各欄を自分の言葉で埋めます。相手の条件など、まだ分からない欄は未確認と記し、商談で聞く内容にします。

  • 実際の経験から埋める 使った条件と感じたことを分けて書きます。説明する仕様には、参照する資料の場所も記します。
  • 話さない範囲も書く 未経験の範囲と、経験談を持ち出さない場面を書きます。相手に確認する条件も整理します。
  • 商談後に書き足す 実演や資料で確かめる点を更新します。実際に話した内容と相手の反応を、決めた記録先に残します。

自分の経験を商談で使う前の確認表

確認項目記入欄確認項目記入欄
使った条件用途:/期間:/環境:/役割:感じたこと自分の感想として伝える内容:
説明する仕様説明する仕様と参照資料:経験のない範囲未使用の機能・場面と確認先:
相手との条件の違い分かった違い:/未確認の条件:実演や資料で示す点経験談の代わりに示す内容:/確認方法:
持ち出さない場面経験談を使わない質問や検討状況:記録先話した内容・相手の反応・次の確認を残す場所:
表は編集部作成の例です。実演や資料で示す点の欄には、経験談では答えられない質問と、その代わりに示す内容を書きます。