メモと会話を両立するには書く場面を分ける必要がある
聞きながらすべてを書こうとすると、次の話を聞き逃すことがあります。先に書ける情報を準備し、会話中に書く内容と確認する場面を決めます。
- 先に書く内容を決める 商談前に分かっている情報を書き、会話を聞いて埋める欄を分けます。
- 会話中の書き方を決める 相手の回答と自分の説明を分け、相手が話した作業と条件、意味を確かめたい言葉を残します。
- 確認する場面を決める 書き切れないときは会話を区切って確認し、商談後に補う内容も決めます。
聞き逃しの原因は書く速さだけとは限らない
書き終わらないうちに話が進むときは、書く内容や資料を探す動作も見直します。どの場面で聞くことより書くことに意識が向くかを見つけます。
- 話の進み方を見る 前の話を書いている間に次の話が始まるなら、文章を完成させようとしていないか見直します。
- 探す動作に気づく 資料を探すことと書くことが重なると、相手が話題を変えたことにも気づきにくくなります。
- 書き取る癖を見る 相手の発言を一言残らず書こうとしているときは、何を残すために書いているのかを見直します。
書くことに集中する場面
| 場面 | 起きていること | 注意 |
|---|---|---|
| 次の話が始まる | 前の話の文章を完成させようとしています。 | 抜けた部分を考え続けると、続きも聞き逃すことがあります。 |
| 資料を探す | 資料の場所とメモの内容を同時に考えています。 | 探しながら聞いた内容を、理解できたと決めつけません。 |
| すべて書き取る | 言い回しまで書こうとしています。 | 作業や条件より、言い回しを書くことが優先されやすくなります。 |
商談前に書ける情報は会話を聞いて書く情報とは違う
すでに分かっている情報は、商談前に書いておけます。確認済みの情報と当日の質問を分ければ、会話を聞いて埋める場所が分かります。
- 確認済みの情報を書く 商談相手や面談の目的など、分かっている情報を先に書きます。情報の出所も添えます。
- 当日の確認を分ける 以前に聞いた内容でも、現在の状況が不明なら当日に確かめる欄へ入れます。
- 不明な欄を空けておく 回答を聞いてから書く欄は空けておきます。予想した答えで埋めないようにします。
商談前に分ける情報
| 区分 | 書く時機 | 注意 |
|---|---|---|
| 確認済みの情報 | 商談前に、出所とともに書きます。 | 過去の情報が現在も同じとは決めつけません。 |
| 当日の確認 | 商談前に、確かめたい内容を書きます。 | 質問と予想した答えを混ぜません。 |
| 会話中に書くこと | 会話中に回答を聞いてから書きます。 | 空欄を、該当なしや回答済みの意味で使いません。 |
相手の回答と自分の説明は別の欄に分ける必要がある
自分が説明した内容は、相手が認めた内容とは限りません。相手の回答、自分の説明、自分の考えを分けて書きます。
- 回答を独立させる 相手から聞いた内容は回答欄に書きます。こちらの提案を、相手の希望として書かないようにします。
- 説明した範囲を残す 自分が説明した内容は説明欄に残します。説明しただけで、了承されたとは扱いません。
- 考えを別の欄に置く 会話から感じたことや推測は、自分の考えの欄に書きます。相手の発言と区別します。
発言と考えの書き分け
| 区分 | 書き方 | 混ざると起きること |
|---|---|---|
| 相手の回答 | 聞いた内容を、条件も含めて回答欄に書きます。 | こちらの提案が、相手の要望に見えてしまいます。 |
| 自分の説明 | 説明した項目を説明欄に残します。 | 説明済みの内容が、合意済みに見えてしまいます。 |
| 自分の考え | 推測や解釈だと分かる欄に書きます。 | 自分の見立てが、確認できた事実に見えてしまいます。 |
作業の名前だけでは進め方は分かるとは限らない
長い説明では、作業の名前だけを書いても実際の進め方を捉えられません。誰が何を行い、どの条件で進め方が変わるのかを拾います。
- 誰が行うかを拾う 作業を行う部署や役割を、作業の内容と一緒に書きます。依頼する人と実行する人も区別します。
- 何を行うかを拾う 扱う対象と行う作業を書きます。背景説明が続いても、実際に何をしているかに注意を向けます。
- 条件を添える 作業が発生する条件や例外を添えます。条件を聞き取れなかった部分は、推測で埋めず確認します。
説明から拾う内容
| 拾うこと | 書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 誰が | 作業を担う部署や役割を書きます。 | その場で説明している人が作業者とは限りません。 |
| 何を | 作業の対象と、行う動作を書きます。 | 対象だけを書いて、作業の内容を省きません。 |
| どの条件で | 作業が始まる条件や例外を添えます。 | 一部の場合の説明を、すべての場合に広げません。 |
聞き慣れた言葉でも指す範囲は同じとは限らない
聞き慣れた言葉でも、相手が指す範囲は自分の理解と同じとは限りません。意味が分からない言葉は残し、続く自分の説明に影響するなら確認します。
- 元の言葉を残す 意味が分からない言葉は、聞こえた形で残します。聞き取れなかった場合は、そのことも記します。
- 推測で置き換えない 似た言葉を知っていても、同じ意味だと決めつけません。思いついた解釈は自分の考えに分けます。
- 説明への影響を見る その言葉の意味で自分の提案や説明が変わるなら、先に確認します。不明なまま話の前提にしません。
意味を確認する場面
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 意味が分からない | 言葉を残し、何を指すか確認します。 | 聞き取れたことと、意味を理解したことを分けます。 |
| 似た言葉を知る | 元の言葉を残し、解釈を別に書きます。 | 自分に馴染みのある言葉へ置き換えません。 |
| 次の説明に関わる | 説明を進める前に意味を確認します。 | 未確認の意味を前提に提案を組み立てません。 |
書き切れなくなったら確認の区切りが要る
抜けた内容を思い出しながら書くと、続く話も聞き逃すことがあります。確認したい箇所を示し、理解を確かめてから会話に戻ります。
- 確認の必要を伝える 書くことが会話に追いつかなくなったら、内容を確認したいと伝えます。黙って書き続けないようにします。
- 不明な箇所を示す どの話のどの部分から分からなくなったかを示します。理解できている部分と分けて確認します。
- 確認後に会話へ戻る 聞き直した内容を記し、疑問が解けたかを確認します。解けていない部分は、未確認として残します。
会話に戻るまでの手順
| 手順 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 確認を申し出る | 内容を確認したいと伝え、会話に区切りを作ります。 | 聞けていないまま相づちを続けます。 |
| 箇所を示す | どの話題のどこから聞き取れていないかを示します。 | 何が不明かを示さず、説明全体の繰り返しを求めます。 |
| 会話へ戻る | 確認結果を記し、元の話題へ戻ります。 | 疑問が残っているのに、理解できた扱いにします。 |
自分が説明する間はメモを整えずに相手を見る必要がある
自分が話す間も、相手の表情や質問に注意が必要です。説明中はメモの文章を整えず、説明済みの項目は話の区切りで印を付けます。
- 説明しながら整えない 自分の説明中は、文章の書き足しや言い換えを控えます。相手が疑問を示していないかを見ます。
- 説明済みに印を付ける 用意した説明項目には、話の区切りで印を付けます。説明した文章を改めて書き起こしません。
- 新しい情報を残す 相手から新しい情報が出たら説明を止めます。内容を聞いてから回答欄に書き、説明を再開します。
説明と記入の切り替え
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 説明している | 手を止め、相手の反応を見ながら話します。 | 話しながらメモの文章を整えません。 |
| 説明が区切れる | 説明した項目に印を付けます。 | 印は説明済みを示し、了承を意味しません。 |
| 新しい情報が出る | 説明を止め、聞いてから回答欄に書きます。 | 自分の説明欄に相手の回答を書き足しません。 |
メモを見せるときは確認する箇所を先に示す必要がある
メモを見せるだけでは、どこを確認してほしいか伝わらないことがあります。確認対象を先に示し、その文章について相手の訂正の有無を確かめます。
- 確認する箇所を示す 作業の担当や条件など、確認してほしい箇所を先に示します。何について確かめたいかを明確にします。
- 対象の文章だけ見せる 確認に必要な文章だけを見せます。自分の考えや、別の商談の情報が見える状態を避けます。
- 訂正をその場で反映する 訂正された内容をその場で直し、修正後の意味を確かめます。見せた範囲すべてが確認済みとは扱いません。
メモを見せる手順
| 手順 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 対象を示す | 確かめたい文章と、確認したい点を示します。 | メモ全体を漠然と確認してもらいません。 |
| 文章を見せる | 対象の文章だけが読める状態にします。 | 自分の推測や別の商談の情報を見せません。 |
| 訂正を反映する | 訂正を書き入れ、直した内容を確認します。 | 反応がなかった箇所を、確認済みと決めつけません。 |
商談後に補えることと相手に聞くことは分かれる
商談後に整えられる表記と、相手への確認が必要な内容は別です。商談が終わる前に、何を補い、何が未確認かをメモ上で分けます。
- その場の記録を残す 会話中に書いた内容を残し、表記を整えたい箇所に目印を付けます。聞き取れなかった内容とは分けます。
- 確認した言葉を残す 意味を確認した言葉には、分かった意味を添えます。説明の前提となった条件も一緒に残します。
- 補う内容を指定する 資料で補える内容と、相手に聞かないと分からない内容を分けます。重要な不明点はその場で確認します。
終了前に区別する内容
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| その場の記録 | 聞いて書いた内容と、表記を整えたい箇所を残します。 | 記録済みの内容と、聞き取れなかった内容を区別できます。 |
| 確認した言葉 | 元の言葉と、確認できた意味や条件を書きます。 | 後から自分の解釈に置き換えずに済みます。 |
| 補うこと | 不足内容と、資料で補えるか相手への確認が必要かを書きます。 | 後で書けることと、まだ分からないことを分けられます。 |
メモのひな型は欄を分けると記入先に迷わずに済む
書く場所を先に決めておくと、会話中に記入先を考える負担を減らせます。事前情報、発言、考え、確認する内容を別の欄に置きます。
- 事前の欄を埋める 商談の情報と、すでに分かっていることを書きます。当日に確かめることも先に置いておきます。
- 会話の欄を使い分ける 相手の回答と自分の説明を分けます。思いついた解釈は、自分の考えの欄に書きます。
- 確認の状態を残す 意味を確かめる言葉、確認した箇所、未確認の点、商談後に補うことを分けます。空欄は確認済みを意味しません。
商談メモのひな型
| 区分 | 記入欄 |
|---|---|
| 商談前 | 商談の日時・相手の会社名・出席者:/事前に分かっている情報:/当日に確かめること: |
| 会話の内容 | 相手の回答:/自分が説明したこと: |
| 自分の考え | 自分の考え: |
| 確認する内容 | 意味を確かめる言葉:/相手に確認した箇所:/未確認の点: |
| 商談後 | 商談後に補うこと: |
