遮る癖を直すには場面ごとに次の行動を決める必要がある

商談後に、相手の話を十分に聞けなかったと感じたら、自分が話し始めた場面を振り返ります。なぜ遮ったのかを振り返り、次に試す行動を決め、聞けなかった内容も確かめます。

  • 見つける場面を決める 質問した直後や沈黙の間など、遮りやすい場面と、そのときの理由をどう分けて捉えるかを決めます。
  • 話し始める条件を決める 質問の後にどこまで待つか、続きを促す合図、自分の考えを伝える時機を決めます。
  • 商談後の確認を決める 同席者の観察も使い、聞けなかった内容を確かめる方法と、次に試す行動を観察票に残すと決めます。

遮る癖を見直すには起きた場面を特定する必要がある

遮ったことに気づいても、場面が曖昧なままでは次の商談で同じ行動に気づきにくくなります。相手の話の途中で自分が話し始めた箇所や、答える前に補足を足した箇所から見つけます。

  • 質問直後を見直す 答えが始まる前に、質問の説明を足していないか見直します。
  • 考えている間を見直す 言葉を探している途中で、こちらから答えの候補を出していないか確かめます。
  • 得意な話題を見直す 知っている話題が出た途端に、相手の説明から自分の解説へ移っていないか見直します。

遮りやすい場面の整理

場面起きていること注意
質問した直後答えを待たずに質問の説明を足しています。相手が答え始める機会を奪っていないか見ます。
考えている間言葉が途切れると別の問いを重ねています。沈黙だけで話の終了と判断しません。
得意な話題知っている内容から自分の解説を始めています。話題が同じでも、相手の結論はまだ不明です。
表は編集部作成の例です。遮ったか迷う場面も候補に残し、同席者の観察と照らして見直します。

同じ遮り方でも、理由が同じとは限らない

話に割り込む行動が同じでも、その直前に気になったことは異なります。理由を分けると、次に変える行動を具体的に選べます。

  • 分かったつもりを疑う 相手が述べた内容と、自分が予想した結論を分けます。予想だけなら返答を保留します。
  • 沈黙への不安を見分ける 説明が必要だったのか、無言のままでいることが気になったのかを振り返ります。
  • 時間への焦りを見分ける 残り時間への焦りから話を遮っていなかったかを振り返ります。時間が気になる場合は、話を途中で奪わず、区切りで残りの議題を相談します。

理由に応じた対応

理由確かめること対応
分かったつもり結論は相手が述べたものか、自分の予想かを分けます。まだ述べられていない結論への返答を控えます。
沈黙が不安相手から説明を求められていたかを振り返ります。説明を求められておらず、質問も伝わっているなら、補足せずに待ちます。
時間が気になる残り時間と、まだ扱っていない議題を確かめます。話の区切りで、続ける内容と後日にする内容を相談します。
表は編集部作成の例です。理由は自分の振り返りとして記し、相手や同席者の気持ちは推測で決めません。

質問後の沈黙は、説明を求める合図とは限らない

質問した後は、相手が考えて答え始める余地を残します。待つ間は数で区切らず、相手が答え始めるか、聞き返すか、補足を求めるまでは説明を足さないと決めます。

  • 質問を言い直さない 返答がすぐになくても、同じ質問を別の言葉で重ねません。聞き返されたり、質問が伝わっていない様子なら言い直します。
  • 説明を足さずに待つ 答えやすくするつもりの補足も控えます。相手が答え始めたら、その発言を優先します。
  • 視線が戻るのも待つ 資料や手元から視線が戻るのも待ちます。ただし、目が合うことを返答が始まる条件にはしません。

質問後に待つ間の決め方

すること理由注意
言い直しを控える考えている途中で問いが変わるのを防ぎます。質問が聞こえなかった場合は、言い直します。
補足を控えるこちらの説明で答え始めを遮るのを防ぎます。説明を求められた場合は、必要な内容を伝えます。
視線の戻りを待つ資料を見ながら考えている可能性があります。視線だけで、考え終えたかどうかを決めません。
表は編集部作成の例です。相手が考えているのか、こちらの補足を待っているのか迷ったら、説明を増やす前に、質問の補足が必要か短く確かめます。

相手の結論は、話の途中で分かるとは限らない

聞き覚えのある話でも、その後に条件や例外が続くかもしれません。予想した結論への返答を控え、相手が自分の言葉で話し終えるまで聞きます。

  • 言葉を補って終えない 言いよどんだ箇所を、自分の予想で完成させません。続きの言葉が出るのを待ちます。
  • 要約は話の後に置く 要約を始めるのは、話し終えたことを確かめた後です。途中の整理で発言を終わらせません。
  • 確認を短く区切る 意味の確認が必要なときは、曖昧な箇所だけを短く尋ね、すぐに話を返します。

先回りを控える行動

場面すること避けること
言葉が途切れた相手が自分の言葉で続きを話すのを待ちます。予想した言葉を補い、話を終わらせません。
結論を予想した条件や例外も含めて最後まで聞きます。まだ述べられていない結論に返答しません。
意味が曖昧だった必要なら曖昧な箇所だけ短く確認します。確認に自分の解説や提案を続けません。
表は編集部作成の例です。確認のために口を挟んだ場合も、確認が済んだら元の話の続きを促します。

続きを促す合図の後は相手が話す間を残す必要がある

口を挟みそうになった場面で使う合図を、商談前に決めておきます。合図の後は自分の説明を続けず、相手が話を再開するのを待ちます。

  • うなずいて待つ 話が続いている間は、声を重ねずにうなずきます。うなずいた後も発言を急ぎません。
  • 相手の言葉を返す 言葉を繰り返す場合は、話の切れ目で短く返します。意味を付け足して解説を始めません。
  • 短い言葉で続きを促す 続きがありそうな場面では、それでと促す、続きを伺いたいと添えるなど、短い言葉で続きを求めます。別の話題へ誘導しません。

合図を選ぶ場面

合図向く場面注意
うなずく相手が話し続けていて、口を挟みそうなときに使います。内容への賛否を伝える必要がある場合は、後で言葉にします。
言葉を繰り返す話の切れ目で、その言葉について詳しく聞きたいときに使います。発言に重ねたり、自分の解釈へ置き換えたりしません。
短く続きを促す言いかけた内容が残っていそうなときに使います。話したくない様子なら、続きを無理に求めません。
表は編集部作成の例です。合図を出すこと自体を目的にせず、その後に相手が話せる間を残します。

自分の考えは相手の話の区切りを確かめてから伝える必要がある

返答を思いついたことだけでは、話し始める理由になりません。話が終わったときや意見を求められたときを区切りにし、迷えば続きを確認します。

  • 話し終えた後に伝える 言葉が途切れただけで説明を始めません。続きがあるかを見てから、自分の考えを伝えます。
  • 求められた範囲で答える 途中で意見を求められたら、その内容に答えます。返答後は、元の話に続きがあるか確かめます。
  • 迷ったら確認を挟む 話し終えたか判断できないときは、続きを短く確認します。続きがあれば発言を待ちます。

自分の考えを伝える時機

時機すること注意
話し終えた後聞いた内容に対する自分の考えを伝えます。息継ぎや資料を見る間を、話の終了と決めません。
相手から意見を求められたとき求められた内容に絞って答えます。関連する解説を長く続けず、返答後に相手が元の話を再開できるようにします。
続きを確認した後続きがないことを確かめてから話します。確認の返答を待たずに説明を始めません。
表は編集部作成の例です。自分が話し始めた直後に相手が続きを話したら、説明を止めて発言を譲ります。

同席者の観察と自分の気づきはそろうとは限らない

商談中は、自分が口を挟んだことに気づかない場合があります。同席者には聞き方全体の評価ではなく、話し始めが重なった場面の観察を頼みます。

  • 見る場面を事前に頼む 質問直後の補足や先回りの返答など、自分が見直したい行動を伝えておきます。
  • 前後の動きを残してもらう 相手が話していた内容と、自分が話し始めた箇所を、分かる範囲で残してもらいます。
  • 観察と理由を分けて話す まず見えた行動を聞き、その後で自分の理由を振り返ります。理由の推測を頼みません。

同席者への観察依頼

頼むこと方法注意
場面を見てもらう質問直後や得意な話題など、注目する場面を伝えます。商談への参加に支障がない範囲で頼みます。
前後を残してもらう相手の発言から自分の発言へ移った箇所を残してもらいます。相手の気持ちや、遮った理由を推測で書きません。
認識を比べる商談後に、自分が気づいた場面と照らし合わせます。食い違った場面は、無理に結論を合わせません。
表は編集部作成の例です。相手から返答を求められた場面も含め、前後の流れを見て遮ったかどうかを判断します。

聞けなかった内容の確認には、箇所の特定が必要だ

遮った後に話題が変わると、言いかけた内容が未確認のまま残ります。商談後は話題と途切れた箇所を示し、続きを確かめるための連絡をします。

  • 遮った箇所を絞る どの話題で自分が話し始めたかを整理します。商談全体の説明をやり直してもらいません。
  • 言いかけた内容を分ける 相手の言葉をどこまで聞き取れたかを記録し、その先は聞けていないと明記します。不明な内容は自分の予想で埋めません。
  • 確認の目的を伝える 話を遮って聞けなかった旨と、確かめたい箇所を伝えます。回答しやすい方法も相談します。

聞けなかった内容への対応

場面すること注意
遮った箇所が分かる話題と途切れた箇所を示して、続きを確かめます。自分に都合のよい答えを、確認の形で相手に選ばせません。
言いかけが曖昧覚えている話題を示し、補足があるか尋ねます。曖昧な記憶を、相手の発言として断定しません。
その場で確認できず確認の目的を伝え、返答の方法や時機を相談します。返信がないことを、予想した内容への賛同と扱いません。
表は編集部作成の例です。確認できた内容と、まだ聞けていない内容を分け、未確認のまま判断に使わないようにします。

次に試す行動は遮った場面と理由によって変わる

反省だけで終えると、似た場面で何を変えるかが曖昧になります。遮った場面と理由を結び付け、その場面で試す行動を記録します。

  • 場面を具体的に残す 話題だけでなく、相手の発言の途中だったか、質問直後だったかも残します。
  • 理由は仮の判断で残す 直前に何が気になったかを振り返ります。理由が分からない場合は、不明のまま残します。
  • 次の行動を書く 次に同じ場面が来たとき、どの発言を控え、代わりに黙って待つのか、合図を使うのか、議題を相談するのかまで書きます。

遮り方に絞った振り返り

記録項目書くこと理由
遮った場面話題と、自分が話し始めた前後の動きを書きます。次の商談で似た場面に気づくためです。
遮った理由結論の予想、沈黙への不安、時間への焦りなどを振り返ります。理由に応じて、変える行動を選ぶためです。
次に試すことその場面で控える発言と、代わりにする行動を書きます。気をつけるだけで終えず、行動を決めるためです。
表は編集部作成の例です。次の商談後は、決めた行動を試せたかと、話の続きを聞けたかを振り返ります。

観察票を書くと遮った場面ごとに次の行動が分かる

この観察票は、遮った場面と次に試す行動を対応させるために使います。思い出せない発言は補わず、自分の記憶、同席者の観察、商談後に確かめた内容をそれぞれの欄に分けて記入します。

  • 直前から振り返る 自分の発言が相手の話を止めた流れを、覚えている範囲で書きます。
  • 事実と推測を分ける 聞いた言葉、同席者が見た行動、自分が考えた理由を、それぞれの欄に書きます。
  • 確認後に書き足す 商談後に分かった内容を追記します。次の商談前に見返せるよう、観察票の保存場所も書きます。

相手の話を遮らないための観察票

項目記入欄項目記入欄
商談遮った場面
遮ったときの自分の発言相手の言葉で聞き取れた範囲
遮った理由の振り返り次に試すこと
同席者の観察商談後に確かめたこと
観察票の保存場所
表は編集部作成の例です。不明な箇所は不明と記入します。同席者がいない場合は、観察欄を空欄にして使えます。