すべてが指す範囲は、対象の種類によって変わる
すべて対応できると伝えても、何を含むかまで伝わるとは限りません。対象の種類と、その内側・外側を示すための資料です。
- 説明する範囲を決める すべて・一部が指す対象の種類を定め、含む対象と含まない対象を示せます。
- 相手と確かめることを決める 相手の状況を範囲の条件と照らし合わせ、判定に足りない情報を洗い出せます。
- 記録に残す項目を決める 資料と口頭の説明を照合し、判断の根拠を確認表に残せます。
ほとんど・基本的にという言葉にも、範囲の説明が要る
すべて・一部だけでなく、ほとんど・基本的にも範囲の説明が必要です。商品資料と説明用のメモから、対象の名前が書かれていない箇所を拾います。
- すべてが指す対象を探す すべてが何にかかるかを読み、対象の名前と条件が近くにあるかを確認します。
- 一部の中身を探す 一部に含まれる対象を特定できるかを確認し、対象が書かれていない箇所に印を付けます。
- ぼかした表現も拾う ほとんど・基本的にで省かれた例外が、別の箇所に書かれていないかを探します。
範囲を指す言葉の点検
| 場面 | 起きていること | 注意 |
|---|---|---|
| すべてと説明 | 何のすべてなのかが書かれていません。 | すべての直前・直後を読みます。 |
| 一部と説明 | 含む対象や除く対象が書かれていません。 | 具体的な対象の記載を探します。 |
| 基本的にと説明 | 例外の条件が書かれていません。 | ほとんどなどの表現も拾います。 |
同じすべてでも想定する対象の種類が違う
説明側が指定形式のファイルを想定していても、相手は保有する全ファイルを思い浮かべることがあります。範囲を判断する前に、対象の種類の区切り方を示します。
- 対象の種類を示す ファイル・機器・利用者など、何についての範囲なのかを明記します。
- 区切る条件を書く 形式や種類など、その対象の種類に入るための条件を添えます。
- 相手の想定と比べる 相手が含めて考えている対象を挙げてもらい、説明側の対象の種類との差を確認します。
対象の種類の定め方
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 対象の名前 | 何のすべてなのかを書きます。 | 対応できるものすべて、という説明にしません。 |
| 区切る条件 | 形式や種類などで境目を示します。 | 区切る条件の省略を避けます。 |
| 想定の差 | 相手が想定する対象と照合します。 | 同じ名前でも中身が同じとは限りません。 |
すべてと言えるのは根拠のある範囲に限られる
一部の対象で確認できても、その種類の対象すべてに対応できる根拠にはなりません。社内資料で裏付けられる範囲と、条件付き・未確認の範囲を分けます。
- 全体の根拠を確かめる 社内資料がその種類の対象すべてを対象としているかを読み、例外の記載まで確認します。
- 条件を言葉に含める 条件が成立するときだけ対応できる場合は、すべての前提として条件を添えます。
- 未確認を分けて残す 対応できる根拠を確認していない対象は未確認とし、確認先と回答時期を決めます。
根拠に応じた範囲の示し方
| 区分 | 伝え方 | 注意 |
|---|---|---|
| すべてと確認済み | 根拠が示す対象の種類と範囲を明記します。 | 確認した例だけで全体を判断しません。 |
| 条件付きで対応できる | 対応範囲と成立条件を併記します。 | 条件を外してすべてと言い切りません。 |
| 未確認 | 未確認の対象と確認予定を示します。 | 対象外と決まったものとは分けます。 |
一部の説明には対象を分ける基準が必要だ
一部という言葉だけでは、どれが含まれるかを判断できません。含む対象と含まない対象を挙げ、挙げたものが対応できる対象のすべてなのか例なのかも示します。
- 含む対象を挙げる 対象の名前を具体的に記し、同じ種類の中で何が含まれるかを示します。
- 含まない対象を挙げる 対象外の名前を記し、含む対象との違いが分かる条件を添えます。
- 列挙の限界を示す 挙げきれない場合は例であると明記し、判断基準と、対応できる対象の一覧の確認先を示します。
一部を具体化する方法
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 含む対象を示す | 対象の名前と共通する条件を書きます。 | 例を対応できる対象のすべてのように扱いません。 |
| 除く対象を示す | 対象外の名前と除外条件を書きます。 | 一部対象外だけで説明を終えません。 |
| 挙げきれない | 判断基準と対象一覧の参照先を示します。 | 一覧にも判断基準にも当たらない対象は未確認として扱います。 |
対象外は、対応範囲と同じ箇所で示す必要がある
対象外を説明の最後だけに置くと、対応できる範囲が広く伝わるおそれがあります。相手の判断に関わる対象外は、対応範囲と同じ箇所で示します。
- 対象外を同じ箇所に置く 相手が含むと考えそうな対象外を、対応できる内容と同じ箇所で示します。
- 対象外の理由を添える 仕様や利用条件など、範囲から外れる理由を確認できた事実に沿って伝えます。
- 代わりの案内を分ける 別の方法を案内する場合は、その方法の対象範囲を示し、元の説明と区別します。
対象外の置き方
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 範囲を説明 | 含む対象と対象外を同じ箇所に置きます。 | 対象外を脚注だけに置くことを避けます。 |
| 理由を説明 | 除外条件と確認済みの理由を示します。 | 推測した理由で説明しません。 |
| 別の方法を案内 | 別の方法で扱える範囲を示します。 | 別の方法で対象外がなくなるとは断定しません。 |
相手の状況が範囲に入るかは、条件との照合で分かれる
商品全体の説明だけでは、相手の状況が範囲に入るかは判断できません。実際の業務や設備の条件を聞き取り、含む・含まない・未確認を一緒に整理します。
- 実際の条件を聞く 対象の名前だけで判断せず、利用方法や設備の仕様を範囲の条件と照合します。
- 境目の条件を調べる 判断が分かれる条件を特定し、相手の状況がどちらに当たるかを確認します。
- 保留の理由を示す その場で判定できない場合は、不足情報と確認先、回答時期を記録します。
相手の状況の照合
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 業務や設備 | 実際の利用条件を聞き取ります。 | 名称が同じだけで範囲内と判断しません。 |
| 境目の条件 | 範囲が分かれる条件と照合します。 | 似た事例から結論を出しません。 |
| 不足する情報 | 必要な情報と確認方法を示します。 | 未確認を対応可能として扱いません。 |
利用条件が変われば、対応範囲も同じとは限らない
今の条件で範囲に入っていても、使い方や時期、組み合わせが変われば再確認が必要です。範囲の説明には、判断が成り立つ条件を添えます。
- 利用方法の条件を示す 操作方法や設定によって範囲が変わる場合は、対応できる使い方を明記します。
- 時期の条件を示す 提供状況が変わる場合は、現在の範囲と今後の予定を分けて示します。
- 組み合わせを確かめる 機器やサービスを個別に対応できても、組み合わせて使う場合に対応できるかは別に確認します。
範囲が変わる条件
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 使い方が変わる | 変更後の操作や設定を条件と照合します。 | 以前の判定をそのまま使いません。 |
| 時期が変わる | 適用時点と提供状況を確認します。 | 提供予定を現在の対応範囲に含めません。 |
| 併用条件が変わる | 組み合わせて使う場合に対応できる根拠を確認します。 | 個別の対応可否だけで判断しません。 |
資料と口頭で説明する範囲が違うと、相手に迷いが残る
資料では条件付きでも、口頭ですべて対応できると伝えると説明が食い違います。対象の種類、対象外、成立条件を同じ項目で照合します。
- 記載の範囲を読む 見出しと本文、注記を読み、範囲の言葉と条件の対応を確認します。
- 口頭での省略を点検する 説明用のメモを見直し、条件や対象外を省いて範囲を広げていないかを調べます。
- 根拠に合わせて直す 現行の根拠を確認して記載と説明を修正し、説明済みの相手には訂正を伝えます。
記載と口頭の照合
| 確かめること | 方法 | ずれていたとき |
|---|---|---|
| 資料の表記 | 見出し・本文・注記に書かれた範囲を比べます。 | 条件が伝わる位置と表現に直します。 |
| 口頭の説明 | 説明用メモと資料の条件を比べます。 | 省かれた条件を説明用メモに戻します。 |
| 説明済みの内容 | 相手に渡した資料と記録を確認します。 | 変更箇所と相手への影響を伝えます。 |
範囲の説明記録には言葉と判定の根拠が必要だ
対応可能とだけ記録しても、何を確認した結論なのかが残りません。使った言葉、確認した対象の種類と条件、相手の状況で対応できるかの判定を結び付けて残します。
- 説明した言葉を残す すべて・一部などの表現と、その場で添えた対象や条件を記録します。
- 確認した根拠を残す 参照資料の名称・版・該当箇所と確認日を記し、後から根拠をたどれるようにします。
- 相手ごとの判定を残す 相手の条件と判定を記し、未確認なら不足情報・確認先・回答時期も残します。
説明記録の項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 使った言葉 | 範囲の表現と添えた条件を書きます。 | 実際に伝えた範囲を振り返れます。 |
| 確認した範囲 | 対象の種類・含む対象・対象外・根拠を書きます。 | 判断が成り立つ範囲をたどれます。 |
| 相手の状況の判定 | 相手の条件と判定、不足情報を書きます。 | 再確認が必要な点を引き継げます。 |
確認表と説明を照らすと、範囲の抜けが分かる
商品説明の項目ごとに、範囲の言葉から判定の根拠までを記入します。書けない欄は推測で埋めず、未確認として次に調べる内容を残します。
- 説明項目ごとに書く 異なる種類の対象や条件を同じ行に混ぜず、説明する項目ごとに記入します。
- 未確認を見える形にする 分からない欄には未確認と書き、必要な情報と確認先を判定の欄に残します。
- 説明前後に見直す 説明前に空欄を点検し、説明後に相手の状況の判定と伝えた条件を更新します。
範囲の確認表
| 商品の説明の項目 | 範囲を指す言葉 | 何の中の範囲か | 含む対象 | 含まない対象 | 範囲が変わる条件 | 相手の状況で対応できるか | 確認した根拠 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 説明項目を書く | 使用する表現を書きます。 | 対象の名前と区切る条件を書きます。 | 対象の名前と共通条件を書きます。 | 対象外の名前と除外条件を書きます。 | 利用方法・時期・組み合わせの条件を書きます。 | 相手の条件と、対応できる・できない・未確認のどれかを書きます。 | 資料名・版・該当箇所・確認日を書きます。 | 説明記録の保存場所を書きます。 |
