理解したことと賛成することは違う

相手の考えを理解できても、同じ結論になるとは限りません。賛成できる範囲を明らかにし、異なる考えとその理由を説明します。

  • 賛成する範囲を決める 相手に合わせて賛成しやすい場面を見つけ、理解したことと賛成できることを分けます。
  • 考えと理由を整理する 賛成できない点を特定し、確認済みの商品仕様や提供条件を根拠に、自分の考えを説明できるようにします。
  • 違いが残るときの進め方を決める 意見が一致しない場合に進める事項と保留する事項を決め、残った違いと提案への影響を確認表に記録します。

振り返ると相手に合わせて賛成した場面が分かる

相づちやその場の返答が、意見への賛成として伝わる場合があります。自分の考えを決める前に賛成していないか、商談を振り返ります。

  • 相づちを重ねた箇所を見る 相手の結論に相づちを重ねた箇所を探し、どこまで賛成したと伝わり得るかを整理します。
  • 雰囲気による賛成を探す 異なる考えを出しにくく、内容を検討せずに相手に合わせた場面を見つけます。
  • 未判断の返答を見直す 考えが固まっていない段階の返答を見直し、判断を保留すべきだった点を特定します。

賛成してしまう場面の整理

場面起こり得ること注意
相づちを重ねた相手の結論まで賛成したと伝わる場合があります。理解した範囲と賛成した範囲を分けます。
断りにくかったその場の賛成と後の説明が食い違う場合があります。内容に賛成した理由があるかを振り返ります。
考えが未確定だった決めていないことが決定済みと受け取られる場合があります。判断を保留する点を明らかにします。
表は編集部作成の例です。

相手の意見を理解したことは賛成したこととは限らない

理解を示すときは、把握した内容を明らかにします。賛成するかどうかは別に判断し、決めていない場合もその状態を伝えます。

  • 理解した内容を示す 相手が重視する条件と、その条件から導いた結論を把握したことを伝えます。
  • 賛成する対象を示す 賛成するときは、意見全体か特定の部分かを示し、必要な条件も添えます。
  • 未判断の点を示す 判断できていない点と、判断に必要な確認事項を伝え、賛成したと受け取られる余地を減らします。

伝える内容の区別

伝えること中身注意
理解を示す意見の内容と理由を把握したことを伝えます。理解を伝えるときは、賛成の判断と分けて伝えます。
賛成を示す支持する結論と、その範囲を伝えます。一部への賛成を全体へ広げません。
未判断と伝える判断していない点と確認事項を伝えます。まだ判断していない点を相手に伝えます。
表は編集部作成の例です。

賛成できない点は前提の違いか結論の違いかで分かれる

相手の意見と自分の考えは、一部だけが異なる場合もあります。賛成できる部分を残し、前提と結論のどこで考えが分かれるかを特定します。

  • 意見を部分に分ける 目的、条件、結論に分けて整理し、賛成できない対象が意見全体か一部かを見極めます。
  • 前提の違いを探す 想定する利用条件や必要な機能を比べ、判断の出発点が違っていないかを調べます。
  • 結論の違いを探す 前提が共通でも、重視する条件によって結論が分かれることがあります。違いの理由まで整理します。

賛成できない点の分け方

特定すること方法注意
全体か一部か意見を構成する内容ごとに賛否を整理します。一部の違いを意見全体に広げません。
前提の違い想定する用途や利用条件を比較します。省略された条件を推測で補いません。
結論の違い共通の前提から導いた判断を比較します。何を重視した判断かも整理します。
表は編集部作成の例です。

自分の考えには根拠と根拠が当てはまる範囲が要る

賛成できない理由だけでは、自分がどの案を支持するかは伝わりません。考えを示したうえで、確認済みの商品仕様や提供条件との関係を説明します。

  • 自分の考えを示す 採用したい案や慎重に判断したい点を明らかにし、どの条件を重視したかを示します。
  • 理由を根拠で説明する 確認済みの商品仕様や提供条件を挙げ、それが自分の判断にどう関係するかを説明します。
  • 根拠の範囲を添える 根拠が当てはまる用途や条件を添え、未確認の範囲まで結論を広げないようにします。

考えと根拠の組み立て方

すること方法注意
考えを述べる支持する案と重視する条件を示します。賛成できないという説明だけで終えません。
理由を示す確認済みの商品仕様や提供条件と判断の関係を示します。個人の好みを商品仕様として扱いません。
範囲を添える根拠が当てはまる条件を明記します。別の用途にも当てはまると断定しません。
表は編集部作成の例です。

意見の違いは事実の認識の違いか考え方の違いかで分かれる

事実の認識が違うのか、重視する条件が違うのかで、必要な対応が変わります。未確認の情報も分けて整理します。

  • 確認できる事実を分ける 仕様書や提供条件などで確認できる事項を抜き出し、判断の根拠として参照する箇所を示します。
  • 未確認の事実を分ける その場で確認できない事項は未確認とし、確かめる方法と、それまで保留する判断を決めます。
  • 考え方の違いを分ける 同じ事実を踏まえても、提供条件や運用の負担をどれだけ重く見るかは人によって異なります。何を優先するかが違う点を、違いとして記録します。

違いの種類と必要な対応

区分すること注意
確認できる事実参照資料と対象の条件を明らかにします。資料の記載と自分の判断を分けます。
その場で確認できない事実未確認事項と確認方法を記録します。推測を確定した根拠にしません。
考え方の違い重視する条件とその理由を比較します。資料を増やせば一致するとは考えません。
表は編集部作成の例です。

意見が違ってもどちらが正しいかを決める必要があるとは限らない

異なる考えは、それぞれの前提と理由を並べて説明できます。自分と相手の意見を同じ論点で並べ、自分が賛成できない範囲を示します。

  • 相手の意見を要約する 相手の前提と結論を短く言い換え、意図とずれていないかを確かめます。賛否の評価は加えません。
  • 自分の考えを並べる 相手の考えと自分の考えを、同じ論点で比較します。異なる条件や判断理由を明らかにします。
  • 判断の違いとして示す 考え方の違いは、優先する条件や見通しの違いとして説明します。相手の判断能力や姿勢の評価に広げません。

意見の違いを説明する方法

場面すること避けること
意見を要約する前提と結論を言い換えて確認します。相手が述べていない理由を付け加えます。
考えを比較する同じ論点に対する考えと理由を並べます。別の論点を持ち出して優劣を決めます。
優先条件が異なるそれぞれが重視する条件を示します。どちらの考え方が正しいかを決めようとします。
表は編集部作成の例です。

意見の違いが残っても影響しない事項は進めることができる

意見が一致しなくても、確認済みの条件で検討を続けられる場合があります。残る違いが提案内容や提供条件にどう影響するかを判断します。

  • 進められる範囲を決める 残った違いを明らかにしたうえで、影響を受けない検討事項から進めます。保留する事項も示します。
  • 選択を相手に委ねる 自分の考えと各案の条件を説明し、相手が選ぶ余地を残します。相手が案を選んでも、自分の説明や考えすべてに賛成したとは扱いません。
  • 提案に関わる違いを記録する 提供範囲や実施条件に関わる違いは、提案書でも確認できるように記録し、解決済みとして扱いません。

違いが残る場合の進め方

場面すること注意
次の検討へ進む違いの影響を受けない事項を進めます。商談の継続を賛成の表明と扱いません。
相手が案を選ぶ選べる案と各案の条件を示します。提供できる範囲を超える案は含めません。
提案条件に関わる違いが残る条件は、条件付きの案か保留事項として提案書に示します。未解決の条件を確定済みにしません。
表は編集部作成の例です。

賛成を求められても内容と根拠で判断するしかない

賛成を求められたときも、判断は内容と根拠に基づいて示します。賛成が商談を進める条件になった場合は、何への賛成が必要かを特定します。

  • 求められた範囲を絞る 意見全体への賛成か、提案条件への了承かを区別し、賛成できる点とできない点を示します。
  • 継続条件を整理する その点への賛成が商談の継続に不可欠かを確かめます。別の条件でも進められない場合は保留します。
  • 自社の方針と分ける 個人の考えと自社として対応できる範囲を区別します。判断権限を超える事項は社内で確認します。

賛成を求められた場合の対応

場面すること避けること
賛成を求められた対象と範囲を特定して判断を示します。関係を保つためだけに賛成します。
賛成が継続条件代わりの条件か保留かを検討します。進行を優先して判断を曖昧にします。
自社の方針と違う対応範囲と社内確認事項を示します。自分の判断だけで例外を約束します。
表は編集部作成の例です。

相手の意見と自分の考えは分けて記録する必要がある

商談の記録では、相手の意見と自分の考えを混ぜずに残します。提案書には、残った違いのうち提案条件に関わる事項を反映します。

  • 相手の意見を記録する 相手が示した結論と理由、重視する条件を記録します。確認できていない解釈は分けて記載します。
  • 自分の考えを記録する 説明した考えと根拠、賛成した範囲を残します。社内で考えただけの案は説明済みと区別します。
  • 提案への影響を記載する 未解決の違いを提案条件や保留事項に反映し、次に判断するための確認事項を記載します。

商談記録から提案書へ残す内容

記録項目書くこと理由
相手の意見結論、理由、重視する条件を記します。相手の意図と自分の解釈を区別できます。
自分の考え説明した判断、根拠、賛成の範囲を記します。次回の説明と照らし合わせて確認できます。
残った違い未解決事項と提案条件への影響を記します。提案書で解決済みと扱わずに済みます。
表は編集部作成の例です。

意見の違いを記録して提案前に見返すと説明の抜けが分かる

商談後は、意見が分かれた論点ごとに確認表へ記入します。未確認の事項を残し、次の提案で説明が必要な点を明らかにします。

  • 理解と賛成を分けて書く 理解した内容、賛成した範囲、賛成できない点を別の欄に書き、相手の意見全体に賛成した記録になっていないかを見ます。
  • 違いの種類を記す 事実の認識の違いか考え方の違いかを記します。両方が重なる場合や、まだ区分できない場合は、必要な確認事項を書きます。
  • 提案への影響を残す 違いによって変わる提案条件と保留事項を記し、商談記録や提案書の保存先も記入します。

商談後に記入する意見の違いの確認表

確認項目記入欄確認項目記入欄
商談日と論点相手の意見
理解したこと賛成した範囲
賛成できない点自分の考えと理由
事実の認識の違いか考え方の違いか残った違い
提案への影響記録先
確認表は編集部作成の記入欄です。論点が複数ある場合は、表を分けて記入します。