会場の会話だけでは全員に伝わったとは限らない

会議室で話が進んでも、離れた参加者には発言者や相談の経緯が分からないことがあります。参加場所による違いを補う進め方を決めます。

  • 説明前に決めること 誰がどこから参加するかを把握し、発言者の示し方と資料の見え方を確認する方法を決めます。
  • 説明中に決めること 会場内の会話を伝える範囲、質問の順番、離れた参加者の反応を確かめる時点を決めます。
  • 決定前後に決めること 全員への確認方法と商談後の共有内容を決め、参加形態別の確認表に残します。

説明の進め方は、参加場所と役割と発言の予定で変わる

参加者の名前だけでは、会場にいるのか離れた場所にいるのか分かりません。説明前に参加場所と役割を確認し、発言を求める場面を決めます。

  • 会場の参加者を把握する 会場にいる人を名前で確認します。会場の映像に映っている人だけで参加者を判断しません。
  • 離れた参加者を把握する 離れた場所から参加する人も名前で確認します。同じ場所から複数人が参加している場合も記録します。
  • 発言の予定を決める 役割と説明中に発言する予定を聞き、どの話題で誰に確認するかを決めます。

説明前に確認する参加状況

確かめること方法注意
会場の参加者会場にいる人の名前を確認します。映像に映る範囲だけで判断しません。
離れた参加者名前と参加場所を確認します。同じ場所にいる他の参加者も確認します。
役割と発言役割と発言する話題を確認します。参加場所だけで役割を推測しません。
途中の変更入退室や参加場所の変更を記録します。変更があった後は、誰に確認するかを見直します。
編集部作成の例

会場で分かる発言者も遠隔では分かるとは限らない

会場では視線や座る位置で分かる発言者も、離れた場所からは特定できないことがあります。発言者と説明の宛先を言葉で示します。

  • 発言者の名前を示す 話す人が替わるたびに名前を示します。声だけで誰の発言か判断してもらう進め方を避けます。
  • 説明の宛先を示す 全員への説明か、特定の人への回答かを先に示します。視線だけで宛先を伝えないようにします。
  • 対象を名前で示す 資料名や項目名を使って対象を示します。会場での指差しだけでは分からない位置を言葉で補います。

発言の前に補う情報

場面すること避けること
発言者の交代名前を示してから発言します。名前を示さず会場で話し続けます。
個別の回答質問した人の名前と回答の対象を示します。相手を見るだけで回答を始めます。
全員への説明全員が確認する内容だと示します。会場の人だけに向けて話します。
対象の指定資料名と項目名で対象を示します。指差しや指示語だけで説明します。
編集部作成の例

会場内で進んだ会話には言葉による補足が必要だ

会場内の質問や短い相談が聞こえないと、その後の説明が変わった理由も分かりません。議論に必要な内容を言葉で補ってから説明を再開します。

  • 質問の内容を伝える 会場で出た質問は、質問者と対象の話題を示して要旨を伝えます。離れた参加者にも伝えてから回答します。
  • 相談の経緯を伝える 会場内の相談で説明の前提が変わったら、相談の論点と変更した理由を伝えます。
  • 伝える範囲を判断する 議論に必要な内容を選びます。相手側の内々の相談は、共有できる範囲を確認してから伝えます。

会場内の会話を補足する範囲

場面伝えること注意
会場の質問質問者と質問の要旨を伝えます。回答だけを突然始めません。
短い相談何について相談したかを伝えます。聞こえていたと決めつけません。
前提の変更変わった前提と理由を伝えます。変更後の説明だけを続けません。
内々の相談共有が認められた内容を伝えます。推測で相談内容を補いません。
編集部作成の例

同じ資料でも参加場所によって見え方が違う

会場の配布資料と画面で示す資料では、読める文字や見ている箇所が異なることがあります。資料の内容と現在の説明箇所を両方で確認します。

  • 資料の内容を照合する 配布資料と画面の資料で、見出しや内容が一致しているか確認します。差があれば説明前に伝えます。
  • 読めるかを両方で聞く 説明に使う文字や図が読めるか、会場と離れた場所の両方で確認します。読めない箇所は言葉でも補います。
  • 現在の箇所を示す 資料を移るときは資料名と見出しを示します。会場で紙をめくっただけで説明を進めないようにします。

参加場所ごとの資料確認

確かめること方法注意
配布資料資料名と見出しを照合します。会場だけの追加資料を見落としません。
画面の資料説明に使う文字や図が読めるか聞きます。会場で読めれば十分と判断しません。
説明中の箇所資料名と項目名を言葉で示します。指差しだけで位置を示しません。
資料の差異なる内容を説明前に伝えます。判断に必要な内容を全員が確認できるまで、判断を求めません。
編集部作成の例

質問の機会は、参加場所ごとに順番と区切りを決めることになる

会場の質問に答え続けると、離れた参加者が質問する区切りを失うことがあります。参加場所ごとに質問を募る順番と、後で答える質問の伝え方を決めます。

  • 場所ごとの順番を示す 会場と離れた参加者のどちらから質問を募るか示します。会場から声が上がった順だけでは進めません。
  • 次の質問機会を守る 会場で追加質問が出ても、離れた参加者に予定した質問の機会を設けてから続けます。
  • 後で答える質問を全員に伝える 後で答える質問は内容と回答予定を全員に伝えます。質問した人にだけ伝えて回答を終えないようにします。

参加場所を踏まえた質問の扱い

区分すること注意
会場の質問予告した区切りで質問を募ります。会場の追加質問だけを続けません。
遠隔の質問予定した順番で質問の有無を聞きます。発言がないことを質問なしと扱いません。
前提の確認説明を追えない原因を先に解消します。順番を変える理由を全員に伝えます。
後で答える質問質問内容と回答予定を共有します。質問者だけに伝えて完了にしません。
編集部作成の例

離れた参加者の理解は、会場の反応からは分からず、確認が要る

会場でうなずきがあっても、離れた参加者が同じ説明を追えているとは限りません。説明の区切り、決定の前、終了の前に確認する内容を決めます。

  • 説明の区切りで聞く 会場での補足を含めて説明を追えたか確認します。聞き取れなかった箇所があれば、その内容を補います。
  • 決定の前で聞く 判断に必要な説明が届いたか確認します。追加の説明が必要な状態では、賛否を急いで求めません。
  • 終了の前で聞く 取り上げていない疑問や、会場の会話で分からなかった点を確認します。残った内容は共有事項に加えます。

離れた参加者への確認時点

時点確かめること注意
説明の区切り会場での補足も含めて説明を追えたか理解の確認と賛否の確認を分けます。
決定の前判断に必要な説明が届いているか不足する説明を補ってから判断を求めます。
終了の前聞けなかった疑問が残っていないか終了直前まで確認を先延ばしにしません。
編集部作成の例

会場の賛同だけでは全員の合意とは限らない

会場で賛同が得られても、離れた参加者が同じ条件を確認できているとは限りません。決める内容を全員に伝え、必要な賛否を確認して記録します。

  • 決める内容を示す 何を、どの条件で決めるのかを言葉で示します。会場内の相談を前提に内容を省略しません。
  • 賛否と条件を確認する 会場と離れた場所の双方で、判断が必要な人の賛否と条件を確認します。返答がない場合は未確認とします。
  • 決定と未決定を分ける 決まった内容と残った条件を全員に伝えます。異論が出た場合は論点を示し、決定できる範囲を見直します。

決定前後に全員へ伝える内容

場面すること避けること
内容の確認決める対象と条件を言葉で示します。会場だけで共有した前提を省きます。
賛否の確認判断が必要な人の返答を確認します。会場の賛同を全員の合意と扱います。
異論がある場合異論の対象と必要な再確認を示します。聞こえにくい発言を取り上げず進めます。
決定の共有決定事項と未決定事項を分けて伝えます。返答がない人を賛成として記録します。
編集部作成の例

会場側の相談の結論は、案か決定かで扱いが分かれる

会場側の相談で結論が出ても、それが会場側の案か、権限のある人による決定かは別です。相談の結果と決定できる範囲を確認してから全員に伝えます。

  • 相談中の扱いを示す 会場で相談が始まったら説明を止め、相談中であることを伝えます。再開時に共有する内容を確認します。
  • 結論の位置づけを聞く 会場側の案なのか、その場で決定できる内容なのかを確認します。別の参加者の確認が必要かも聞きます。
  • 離れた参加者に伝える 共有してよい範囲を確認したうえで、結論とその理由、未確認の条件を伝えます。追加確認が必要な場合は、完了するまで保留として扱います。

会場側の相談結果の扱い

場面すること注意
相談の開始説明を止めて相談中だと伝えます。離れた参加者を無言で待たせません。
結論の確認案か決定か、誰の確認が必要か聞きます。会場で出た結論を自動的に決定としません。
全員への共有理由と結論、残る条件を伝えます。共有できる範囲を事前に確認します。
追加確認必要な人の確認後に扱いを確定します。確認前に合意済みとして進めません。
編集部作成の例

商談後の共有は、決定・保留・説明の補足に分けることになる

決まったことだけを送ると、会場内の相談や補足を聞けなかった人には理由が伝わりません。決定、保留、参加場所による説明の抜けを分けて記録します。

  • 決定事項を残す 決まった内容と条件、確認した相手を記録します。会場側だけで決められる範囲だった場合も明記します。
  • 保留の対応を残す 保留の理由と、誰が何を確認していつ回答するかを記録します。未回答の質問も共有内容に含めます。
  • 説明の抜けを補う 会場だけの資料や相談、離れた場所で聞けなかった説明を補います。共有先と記録先は終了前に決めます。

商談後に共有する記録

記録項目書くこと理由
決めたこと決定内容、条件、確認した相手を書きます。合意した範囲を後から確認できます。
保留理由、確認する人、回答予定を書きます。次に必要な対応が分かります。
未回答の質問質問内容と回答する人を書きます。商談中に答えなかった質問が残せます。
説明の補足会場だけの会話や聞けなかった説明を書きます。結論に至った経緯が分かります。
資料の差追加資料や説明中に変更した箇所を書きます。参照する内容の違いを確認できます。
共有先と記録先届ける相手と記録を確認する場所を書きます。各参加者が記録を参照できるかを確かめられます。
編集部作成の例

参加者別の記録で説明と確認の抜けが分かる

会場全体の反応だけを記録すると、誰への説明や確認が残っているか分かりません。参加者ごとに記入し、確認できていない欄には未確認と残します。

  • 説明前に記入する 参加者、参加形態、役割を記入します。資料の見え方は、実際に説明する資料を示した時点で記録します。
  • 説明中に更新する 取り上げた質問と補足した会場の会話を記入します。反応は、いつ何を確認し、どう答えたかを対応させて残します。
  • 終了前に見直す 決定への賛否と未確認の内容を見直します。商談後に共有する内容と記録先を記入してから終了します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

参加者参加形態役割資料の見え方取り上げた質問会場内の会話で伝えた内容確認した時点と反応決定への賛否商談後に共有する内容記録先
氏名を記入会場役割を記入読めた範囲と不足を記入質問と回答状況を記入全員に伝えた要旨を記入確認した時点と返答を記入対象事項と賛否・条件を記入決定・保留・補足を記入確認できる場所を記入
氏名を記入オンライン役割を記入読めた範囲と不足を記入質問と回答状況を記入補足を聞けたかも記入確認した時点と返答を記入対象事項と賛否・条件を記入決定・保留・補足を記入確認できる場所を記入
表は編集部作成の例です。確認できていない欄は未確認、該当しない欄は対象外と記入します。