代案の判断には作業と結果の比較が必要だ
商品の用途が合っていても、指定された方法を使えず商談が止まることがあります。代案を提案できるかは、相手の目的と、変わる作業や残る制約から判断します。
- 使えない理由を整理する 指定された方法を使えない理由と、その方法で実現したいことを明らかにします。
- 代案との差を示す 提供できる条件を確かめ、代案で変わる相手の作業、結果、満たせない点を示します。
- 判断後の対応を決める 試せる範囲と社内説明の材料を用意し、断られた場合の対応と比較の記録先を決めます。
方法が使えない理由によって次の確認先が違う
使えないという結論だけでは、代案を探す出発点が定まりません。提供しているか、利用条件があるか、相手の環境で使えるかの順に確かめると、何を誰に確認すべきかが分かります。
- 提供しているかを確かめる 指定された方法そのものを提供しているか、提供条件を確認できる窓口で確かめます。
- 必要な条件を調べる 条件付きで使える場合は、必要な条件と、現状で満たせていない条件を書き出します。
- 相手の環境を調べる 提供は可能でも、相手の設備や利用権限、社内手順によって使えない場合があります。
理由による確認先の違い
| 場面 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 提供していない | 提供条件を確認できる窓口で、対応の有無を確認します。 | 似た方法の提供を、指定方法への対応と扱いません。 |
| 条件がある | 利用に必要な条件と、その条件を相手が満たせるかを確認します。 | 条件を満たせると確認するまでは、使えると伝えません。 |
| 環境が合わない | 実際に使う人に、どの作業で止まるかを確認します。 | 相手が環境を変更できるとは限りません。 |
方法の指定だけでは、実現したいことが分かるとは限らない
方法の指定には、作業を減らしたい、結果を確認しやすくしたいなどの理由がある場合があります。方法を置き換える前に、求める結果と、その方法でなければならない理由があるかを分けて確かめます。
- 実現したいことを聞く その方法を使うと、どの作業がどう変わり、どのような結果を得られるのかを確かめます。
- 方法の変更可否を聞く 結果が同じなら別の方法でもよいのか、指定方法を使うこと自体が必要なのかを分けます。
- 指定者と利用者を知る 指定した人の理由と、実際に使う人の事情を確かめます。説明が食い違う点は未確認として残します。
目的を確認する型
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 求める結果 | 方法を使う前後で、何が変わるかを聞きます。 | 方法の名前だけで目的を推測しません。 |
| 指定の必須性 | 同じ結果なら別の方法でもよいか、方法自体が必要かを聞きます。 | 方法自体が必須なら、置き換えられない場合があります。 |
| 関係者の事情 | 指定した人と使う人、それぞれに確認する内容を分けます。 | 窓口の説明だけで、全員が変更を承諾したと扱いません。 |
代案の候補は実際に提供できる方法に限られる
目的を満たせそうでも、提供できる条件が未確認なら、相手に示す候補にはできません。利用条件と相手の環境を照合し、使える根拠がある方法を残します。
- 目的から候補を探す 指定方法と手順が似ているかではなく、相手が必要とする結果を得られるかで候補を探します。
- 条件を照合する 提供条件と相手の環境を照合します。条件付きの方法には、利用前に必要な対応を添えます。
- 未確認の案を分ける 提供の可否や必要条件が分からない方法は、相手が選べる候補として提示しません。
候補として扱う基準
| 区分 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 別の方法 | 目的と提供条件の両方を満たすか確認します。 | 結果が近くても、相手の作業は変わる場合があります。 |
| 条件付きの方法 | 必要な準備と、準備を担える人を確認します。 | 相手が対応できない条件があれば、利用できません。 |
| 候補にできない | 提供できない理由や未確認の条件を記録します。 | 今後対応するという見込みだけで候補に含めません。 |
代案を比べるには、相手の作業と結果を並べる必要がある
同じ目的に向かう方法でも、入力、確認、受け渡しなどの作業は変わります。元の方法なら不要だった作業と、得られる結果の差を同じ項目で比べます。
- 相手の作業を並べる 準備から結果の利用までをたどり、増える作業、減る作業、担当が変わる作業を書きます。
- 結果の差を並べる 受け取れる内容と、受け取った後にできることを比べます。確認できない結果は断定しません。
- 元の方法を基準にする 指定方法との差を各案に添えます。作業の負担を相手が受け入れられるかは、別に確認します。
作業と結果の比較項目
| 比べること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 相手側の作業 | 準備・入力・確認・受け渡しの変更点を書きます。 | 営業側で減る作業だけを説明しません。 |
| 得られる結果 | 受け取れる内容と、その後に使える範囲を書きます。 | 作業を終えられることと、必要な結果を得られることを分けます。 |
| 元の方法との差 | 追加作業、不要になる作業、結果の不足を書きます。 | 元の方法でできることも、確認した内容を基準にします。 |
代案でも、元の方法で得られたことがすべて得られるとは限らない
目的の一部を満たせても、指定方法でできたことのすべてが、代案でもできるとは限りません。満たせない点を先に示し、回避できるか、業務にどんな影響があるかを伝えます。
- 満たせない点を先に示す 代案の利点を説明する前に、できない作業や得られない結果を具体的に示します。
- 回避策の有無を示す 別の作業で補える場合は、必要な作業と担う人を示します。補えない場合は、そのまま伝えます。
- 業務への影響を示す 満たせない点によって、相手のどの作業や判断が止まるかを確かめます。
制約を伝える順序
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 結果が不足する | 得られない内容と、使えなくなる場面を示します。 | 近い結果が出ることだけを強調しません。 |
| 補う作業が必要 | 追加作業と、それを誰が担うかの取り決めが必要だと示します。 | 相手が補うことを前提に、解決済みと扱いません。 |
| 回避できない | 残る制約と、目的への影響を示します。 | 試せば解消するという期待を持たせません。 |
試行で分かることは試した条件と範囲に限られる
代案を試せる場合でも、試行だけで日常の業務すべてを確認できるとは限りません。実施できる範囲と必要な準備を示し、何を判断する試行なのかを決めます。
- 試せる内容を区切る 提供条件を確認したうえで、対象の作業と使える機能を示します。試せない範囲も併記します。
- 準備と担当を決める 試行に必要な情報、利用権限、参加する人を確認し、誰が準備するかを決めます。
- 判断する項目を決める 作業を実行できるか、必要な結果を得られるかを確認します。試せなかった項目は判断を保留します。
試行範囲の示し方
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 試行できる | 対象の作業、条件、確認する結果を示します。 | 実際の業務と条件が異なる点も示します。 |
| 準備が必要 | 必要な情報や権限と、準備する人を決めます。 | 準備が済むまでは、試行できる状態と扱いません。 |
| 試行できない | 実施できない理由と、別に確認できる内容を示します。 | 説明で確認した内容を、試行結果として記録しません。 |
相手の社内の判断には、指定理由への答えと変更点が要る
商談の窓口が理解しても、方法を指定した人や作業を担う人が判断できるとは限りません。指定の理由に対する説明と、担当ごとの作業の変更点を、窓口を通して指定した人と作業を担う人に渡します。
- 指定の理由に答える 元の指定理由に対して、代案で満たせる点と満たせない点を対応させて示します。
- 作業を担う人を示す 変わる作業ごとに担当と必要な準備を示します。未確認の担当は、決定済みと扱いません。
- 比較表で説明を支える 作業、結果、制約、試行範囲を比較表にまとめます。口頭説明なしでも違いが読める形にします。
社内説明に必要な内容
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 指定者への説明 | 指定理由ごとに、代案で満たせるかを記載します。 | 指定を変更できる人が誰かも確認します。 |
| 担当者への説明 | 変更する作業と、必要な準備を記載します。 | 窓口の了承だけで、作業担当の了承と扱いません。 |
| 比較表の共有 | 確認済みの内容と未確認の内容を区別して渡します。 | 代案の利点だけを抜き出した資料にしません。 |
代案を断られた理由によって、次の対応は分かれる
代案を断られても、商品そのものが不要と判断されたとは限りません。追加作業、結果の不足、指定方法の必須性など、受け入れられなかった点から次の対応を決めます。
- 受け入れられない点を知る どの作業や制約が理由だったかを記録します。理由が分からない場合は、推測で別案を出しません。
- 別案の根拠を調べる 断られた理由を避けられる方法があるか、提供条件から調べます。断られた理由と同じ制約が残る案は提案しません。
- 継続の条件を決める 提示できる候補がなければ継続を前提にしません。保留する場合は、再検討できる条件を確認します。
拒否理由による対応
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 理由が不明 | 受け入れられなかった作業や結果を確認します。 | 説明不足が原因だと決めつけません。 |
| 別案がある | 拒否理由を避けられる根拠と、別に残る制約を示します。 | 条件を確認してから再提案します。 |
| 候補がない | 終了するか、条件の変化を待って保留するかを確認します。 | 再検討の条件がないまま提案を繰り返しません。 |
比較の記録を残すと、見送った理由が分かる
採用した案だけを残すと、元の指定理由や見送った理由が分からなくなります。比較した条件と相手の判断を残し、引き継ぎや再検討で同じ確認を繰り返さないようにします。
- 指定の背景を残す 指定方法、使えない理由、実現したいことを記録します。確認した相手と未確認の点も添えます。
- 案ごとの差を残す 代案ごとに提供条件、相手の作業、結果の差、残る制約を記録します。試行結果も区別して残します。
- 判断と理由を残す 採用、見送り、保留の判断と理由を記録します。再検討する場合の条件と次の対応も添えます。
比較の記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 指定方法と理由 | 方法、使えない理由、目的、確認した相手を書きます。 | 代案を検討した背景が分かります。 |
| 代案と違い | 提供条件、作業、結果、制約、試行で分かったことを書きます。 | 何を根拠に比べたかを確認できます。 |
| 相手の判断 | 判断した人、判断の内容と理由、次の対応を書きます。 | 見送った案と保留の条件を、後から確かめられます。 |
同じ項目で記入すれば代案ごとの差が分かる
代案ごとに同じ欄を埋めて並べると、作業と結果の差を比較できます。未確認の欄は未確認と記し、確認済みの内容と区別して使います。
- 共通の前提を記入する 指定方法、使えない理由、相手の目的を先に記入します。各案で比較の前提が変わらないようにします。
- 候補ごとに記入する 代案の欄に方法と提供条件を書き、相手の作業、結果の差、満たせない点を具体的に記入します。
- 試せる範囲と記録先を記す 試せる範囲と、試して確かめる項目を記入します。記録先には、相手の判断と理由を残す場所を記します。
代案の比較表
| 確認項目 | 記入欄 | 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 相手が指定した方法 | 使えない理由 | ||
| 相手の目的 | 代案 | ||
| 代案での相手の作業 | 指定方法と比べた結果の差 | ||
| 満たせない点 | 試せる範囲 | ||
| 記録先 |
