同じ案件でも、自社への依頼は同じとは限らない

別々の会社から似た相談を受けても、似ているという理由だけで同じ案件だと決めつけないようにします。相談ごとの依頼と会社同士の関係を確かめ、自社の進め方を決めます。

  • 案件を判断する 似ている点と確認できた事実を分け、同じ案件と判断できるかを整理します。
  • 相談別に回答を決める それぞれから求められる仕事を整理し、他方の相談内容を伝えずに回答を組み立てます。
  • 対応方針を決める 両方に対応できるかを社内で確かめ、相談元への説明と相談別の記録を進めます。

似た依頼でも、同じ案件とは限らない

最終顧客や依頼の概要が似ていても、それだけでは同じ案件と判断できません。それぞれの相談で示された情報から、対象となる仕事を確かめます。

  • 似ている点を抜き出す 最終顧客、対象の業務、実施場所、時期など、似ている点を書き出します。一致だけで結論を出しません。
  • 示された事実を残す 相談元が明示した内容を、その相談の記録に残します。自社の推測を混ぜません。
  • 未確認を区別する 確かでない点は未確認と記し、各相談元に自社への依頼の範囲で確認します。

同じ案件かを判断する前の確認

確かめること方法注意
似ている点対象業務や実施場所、時期を社内で照合します。似ている点だけでは、同じ案件と判断しません。
示された情報各相談で明示された依頼の対象を確認します。他方から聞いた内容を確認材料として伝えません。
未確認の点判断に必要な不足事項を相談別に書きます。返答がない部分を推測で埋めません。
表は編集部作成の例です。確認できない間は、同じ案件かどうかの判断を保留します。

自社が担う仕事は、依頼内容と引き受けた範囲で分かれる

同じ案件と分かっても、自社に求められている仕事まで同じとは限りません。相談元が自社の回答を使って何を行うかまで確認すると、回答すべき範囲が見えてきます。

  • 依頼を具体的にする 求められている作業と成果物を整理します。検討のための相談か、実施を求める依頼かも区別します。
  • 自社の役割を記す 自社が引き受ける部分と、相談元が担う部分を書き分けます。期待だけで引き受けた扱いにしません。
  • 相談元の仕事を知る 相談元が自社の回答を使って何を行うのかを確かめ、必要な回答の範囲を決めます。

相談ごとに整理する仕事

整理すること方法注意
依頼の内容求める作業、成果物、回答の用途を整理します。案件全体の説明と、自社への依頼を区別します。
自社の役割引き受ける仕事と判断を求められる範囲を記します。他方の相談で決めた役割を当てはめません。
相談元の仕事回答後に相談元が行う提案や実施を確認します。最終顧客と直接やり取りすると決めつけません。
表は編集部作成の例です。相談元が期待する仕事と、自社が引き受けた仕事を区別します。

同じ案件でも、他方の相談内容を伝えてよいとは限らない

案件が同じでも、一方から聞いた内容を他方への説明に使いません。回答に使う材料を相談別に分け、自社が公開している情報とは区別して扱います。

  • 聞いた内容を分ける 相談で聞いた計画、検討状況、依頼内容は、その相談への対応に使います。他方には伝えません。
  • 公開内容を区別する 自社の公開資料は説明に使えます。ただし、他方の相談内容を付け加えません。
  • 回答の材料を点検する 今回の相談内容と自社の提供内容だけで説明できるかを確認し、判断に迷う部分は社内で確認します。

回答に使う材料の分け方

区分扱い注意
相談で聞いた内容その相談への対応に使います。他方の回答や説明には使いません。
自社の公開情報公開している範囲で説明に使います。公開資料に他方の事情を付け加えません。
伝える範囲今回の依頼に答えるために必要な内容を選びます。他方の相談内容を含む場合は、その部分を除きます。
表は編集部作成の例です。回答文だけでなく、添付資料にも他方の相談内容を入れません。

関係が未確認なら、回答を分ける必要がある

相談元同士の関係が分からない間は、それぞれの依頼に対して個別に回答します。一方から関係を聞けても、回答をまとめてよいとは判断しません。

  • 不明な間は個別に返す 相談元ごとに、答えられる範囲と確認が必要な点を整理します。相手同士の連携を前提にしません。
  • 聞けた関係を記す 誰から、どのような関係だと聞いたかを残します。一方の説明だけで確認済みにしません。
  • 回答先を分けて保つ 双方から関係と回答先の指定を確認できるまでは、宛先と資料を相談別に用意します。

確認段階に応じた回答の扱い

段階すること注意
関係が不明それぞれの依頼に対して回答します。共同で進めていると推測しません。
一方から聞けた説明した相談元と、聞いた関係を記録します。他方も同じ認識だと扱いません。
関係を確認中各相談元の役割と連絡方法を個別に確認します。宛先を追加したり、資料をまとめたりしません。
表は編集部作成の例です。関係の確認状況と、回答を進められる範囲は別に記録します。

両方への条件提示には、社内での確認が必要だ

同じ条件を示す場合でも、両方の依頼を引き受けられるかは別に確認が必要です。すでに約束した内容と対応できる範囲を確認してから回答します。

  • 提示の前提を確認する 同じ条件を示せるかを、依頼された仕事と自社の提供方針に照らして社内で確認します。
  • 対応できるかを調べる 両方の仕事を引き受けることになった場合に、必要な作業と体制を確保できるかを確認します。
  • 先の約束を確認する 先に受けた相談で何を約束したかを確認します。相談が早かったことだけで優先を決めません。

条件を提示する前の社内確認

確かめること方法注意
提供条件両方に同じ条件を示せるか、社内の判断者に確認します。確認が済む前に確定した回答をしません。
対応できる範囲両方の仕事を引き受ける場合の作業と体制を確認します。条件を示せることと、引き受けられることを分けます。
先の相談の扱いすでに伝えた内容と約束を確認します。相談を受けた順番だけで扱いを決めません。
表は編集部作成の例です。社内で判断できていない事項は、未確定として扱います。

同じ案件でも、相談元を絞る必要があるとは限らない

同じ案件と分かっただけで、どちらかの相談を断る必要はありません。両方の依頼を進めた場合に、約束や作業の実施に支障が出るかを確認します。

  • 絞る必要を検討する 両方への対応を続けられない具体的な理由があるかを確認します。理由が未確認なら判断を急ぎません。
  • 判断基準を決める 絞る場合は、すでに引き受けた仕事、約束、対応できる体制を基に、社内で理由を記録します。
  • 個別の対応を続ける 絞らない場合も、回答と作業を相談別に進めます。支障が生じたときは判断を見直します。

相談元を絞るかの判断

場面すること避けること
必要性が不明両方への対応で生じる支障を確認します。同じ案件という理由だけで断りません。
絞る必要がある約束と対応可能な仕事を基に判断します。先に相談したという理由だけで決めません。
両方に対応する相談別に回答と作業を進めます。両方への約束を果たせるかの確認を省きません。
表は編集部作成の例です。対応先を絞るかの判断と、その理由を社内に残します。

対応方針の説明は、引き受ける仕事と確認中の事項で変わる

相談元には、自社が回答できる範囲と次の進め方を伝えます。他社からの相談の有無を知らせるかは、方針の説明に必要かどうかを別に判断します。

  • 知らせる必要を判断する 他社からも相談があると伝える必要があるかを社内で判断します。同じ案件という理由だけでは伝えません。
  • 知らせる範囲を限る 伝える場合は、相談がある事実を伝えてよいと他方から了承を得て、社内でも確認した範囲に限ります。内容は伝えません。
  • 自社の進め方を伝える 他社の相談に触れない場合も、引き受ける仕事、回答の予定、未確定の事項を伝えます。

相談元に示す対応方針の型

場面伝えること注意
有無を伝える他方が伝えてよいとした範囲で、他にも相談がある事実を伝えます。他方の社名や依頼内容は伝えません。
有無を伝えない自社が引き受ける仕事と回答の予定を伝えます。他社の存在をほのめかして説明しません。
判断が残る回答できる部分と、社内で確認中の部分を伝えます。未確定の対応を約束しません。
表は編集部作成の例です。他社の相談の有無を伝えることと、自社の方針を伝えることを分けます。

関係が分かっても、回答をまとめられるとは限らない

関係が判明したら、それぞれの立場に照らして自社の進め方を見直します。関係が分かっただけでは回答先や資料をまとめず、双方から回答先の指定を確認します。

  • 元請けと下請けの場合 各社から依頼されている仕事と、回答を受け取る窓口を確認します。回答を渡してよい相手は推測しません。
  • 競合する提案者の場合 両方への対応を続けられるかを社内で再確認し、回答と作業は相談別に進めます。
  • 同じ会社と分かった場合 別会社と思っていた相談元が同じ会社の別部署なら、窓口の指定を確認します。同じ会社という理由だけで回答をまとめません。

判明した関係に応じた進め方

関係進め方注意
元請けと下請け依頼された仕事と回答先を各社に確認します。会社同士の関係だけで資料を渡しません。
競合する提案者対応の継続を社内で判断し、個別に回答します。他方の相談を提案の材料に使いません。
同じ会社の別部署窓口と回答の扱いについて指定を確認します。同じ会社と分かっただけで記録をまとめません。
表は編集部作成の例です。進め方を変える場合は、変更後の窓口と対応範囲を相談元に伝えます。

相談別の記録で、誰から何を頼まれたかが分かる

最終顧客の名前だけで記録をまとめると、誰から何を頼まれたかが分かりにくくなります。相談元ごとに記録先を分け、確認と回答の経緯を残します。

  • 相談元を起点に残す 会社名、窓口、相談を受けた日を記録します。最終顧客が同じでも、相談元別に記録先を設けます。
  • 依頼と役割を残す 依頼された内容と引き受けた仕事を記録します。回答した内容や示した条件も、その相談の記録に残します。
  • 関係の確認状況を残す 確認できた関係と未確認の点を分けます。確認した相手と日付を添え、変化があれば更新します。

相談ごとに残す記録

記録項目書くこと理由
相談元会社名、窓口、相談を受けた日を書きます。依頼を受けた相手を特定できます。
依頼内容求められた作業と成果物を書きます。案件全体と自社への依頼を区別できます。
自社の役割引き受けた仕事と未確定の範囲を書きます。期待と約束を区別できます。
関係の確認状況判明した関係、確認相手、日付、未確認事項を書きます。推測と確認済みの事項を区別できます。
回答と提示条件回答の内容、示した条件、回答日を残します。誰に何を伝えたかを確認できます。
表は編集部作成の例です。社内で相談を照合するときも、元の記録は相談別に残します。

相談元別の整理表で、判断に足りない事実が分かる

社内で相談を照合するときは、相談元ごとに記入した整理表を使います。埋まっていない項目から、次に確認することと回答を保留する部分を決めます。

  • 相談ごとに記入する 同じ案件と思われても、行を分けて記入します。他方の記録をそのまま写さず、各相談の事実を書きます。
  • 不明な点を明記する 分からない項目には未確認と記します。同じ案件と判断していない場合は、その旨と不足する根拠を残します。
  • 回答前に更新する 回答の状況と方針を伝えた記録を更新します。詳しい経緯は、相談別の記録先で確認できるようにします。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

相談元依頼内容自社に求められている仕事相談元が回答を使って行うこと同じ案件と判断した根拠他方との関係の確認状況回答の状況示した条件対応方針の伝達記録先
相談元A
相談元B
表は編集部作成の例です。記入後は社内で使い、相談元への送付には使いません。