成果物の変更には別の用途の確認が必要だ

作る仕事だけを聞くと、その成果物が別の仕事でどう使われるかを見落とすおそれがあります。同じ成果物が別の仕事でどう使われるかをたどり、変更を提案する前に確認する範囲を決めます。

  • この資料で決めること 用途を聞き取る成果物を選び、最初の用途と別の仕事での用途を聞きます。
  • 変更前に聞く範囲 使う人、補う作業、受け渡しをたどり、変更の影響を聞く範囲を決めます。
  • 提案に含める範囲 商品で支援できる範囲と、人の判断を残す範囲を分けて記録します。

用途の聞き取りには成果物の特定が必要だ

同じ名前の資料でも、作る人や最初の使い道が異なる場合があります。対象の成果物を特定してから、その先の用途をたどります。

  • 対象を特定する 名称だけで済ませず、どの仕事から生まれる成果物かを聞き取ります。
  • 作る人を押さえる 作る人と、最初に使う人を分けて記録します。同じ人が担う場合も確認します。
  • 最初の用途を押さえる 最初に何の仕事で使うかを聞き、別の用途をたどる出発点にします。

聞き取りの対象を決める

確かめること方法注意
対象の成果物名称と、その成果物が生まれる仕事を聞きます。同じ名称だけで同じ成果物と扱いません。
作る人作る人の役割と、完成後に渡す相手を聞きます。作る人と使う人を分けて記録します。
最初の用途最初に使う人と、その仕事での使い道を聞きます。別の仕事での使い道を混ぜずに記録します。
表は編集部作成の例です。成果物の作り方ではなく、用途をたどる出発点を記録します。

受け取った人が使う人とは限らない

成果物を受け取った後、別の人へ渡している場合があります。社内と社外の行き先をたどり、使用を確認できていない相手も分けて残します。

  • 社内の行き先をたどる 最初に使う人から、別の仕事へ渡る先を聞きます。部署名に加えて役割を記録します。
  • 社外の行き先をたどる 社外へ渡る場合も、受け取る窓口と実際に使う人を分けて聞きます。
  • 不明な相手を残す 渡した事実だけでは、相手が使ったとは判断しません。使ったかを確かめられる相手を記録します。

渡る先と使う人を分ける

区分聞くこと注意
社内で使う人別の仕事で使う人の役割と、渡る経路を聞きます。受け取るだけの人と区別します。
社外で使う人窓口の先で使う人と、その仕事を聞きます。窓口の説明だけで使用を断定しません。
使用が不明な人渡した先と、使用の有無を確認できる相手を聞きます。分からないことを未確認として残します。
表は編集部作成の例です。社内か社外かだけで、使い道を決めつけません。

同じ成果物でも、用途ごとに使う部分は同じとは限らない

別の仕事で使っていると分かっても、成果物全体を使うとは限りません。使う部分、加工の有無、仕事のどの段階で使うかを分けて聞き取ります。

  • 使う部分を絞る 参照する項目や箇所を聞きます。成果物全体が必要なのか、一部だけなのかを分けます。
  • 加工の有無を分ける そのまま参照する場合と、抜き出したり並べ替えたりして使う場合を分けて記録します。
  • 使う段階を押さえる 別の仕事の着手前、作業中、判断時など、必要になる段階を聞きます。

用途ごとの使い方を記録する

区分確かめること注意
使う部分参照する箇所と、その箇所を使う目的を聞きます。受け取る範囲と使う範囲を混同しません。
使う状態そのまま使うか、抜き出しや加工をするかを聞きます。加工の有無から作り方の提案へ飛躍しません。
使う時点別の仕事のどの段階で必要になるかを聞きます。受け取った時点と使う時点を分けます。
表は編集部作成の例です。加工の手順ではなく、別の仕事で使う状態を聞き取ります。

最初の用途を満たしても別の用途に足りるとは限らない

最初の用途で使える成果物でも、別の仕事では内容を補っている場合があります。不足する内容と、それを誰がどのように補っているかを聞き取ります。

  • 不足を用途別に聞く 別の仕事で必要になる内容を聞きます。元の成果物の不備と決めつけずに記録します。
  • 補う人をたどる 使う人が補うのか、作る人や別の人に頼むのかを聞きます。頼む先も残します。
  • 手間の中身を聞く 探す、照会する、追記するなどの作業を聞き、待ちや差し戻しがあるかも確認します。

別の用途で補っている内容を記録する

区分聞くこと注意
足りない内容別の仕事で必要になり、成果物に含まれない内容を聞きます。最初の用途でも必要かを分けて扱います。
補う人補う人と、内容を照会する相手を聞きます。使う人が補うと決めつけません。
補う作業の手間補う作業と、途中で待つ相手や差し戻される場面を聞きます。負担の大小だけで済ませず、作業を記録します。
表は編集部作成の例です。補い方の改善案を作る前に、現在の作業を聞き取ります。

成果物の変更が影響する仕事は、作る仕事だけとは限らない

項目や形、作る時期を変えると、別の用途で使う作業も変わる場合があります。変更する内容ごとに、作業が変わる仕事と確認が必要な相手を分けます。

  • 項目の変更をたどる 変える項目を別の仕事でどう使っているかを聞き、変更で追加の確認や追記が要るかを確かめます。
  • 形の変更をたどる 配置やまとまりが変わると、探す、抜き出す、加工する作業に影響するかを聞きます。
  • 時期の変更をたどる 作る時期を変えた場合に、別の仕事で必要な時点に間に合うかを確認します。

変更内容から影響する仕事をたどる

区分見分け方扱い
項目を変える変更する項目を使う仕事と使い方を照合します。使う人に、従来の用途で使えるかを確認します。
形を変える配置やまとまりを頼りに行う作業があるかを聞きます。影響する作業と、確認する相手を記録します。
作る時期を変える変更後に渡せる時点と、使う仕事で必要な時点を照合します。間に合わない仕事と、調整する相手を残します。
表は編集部作成の例です。変更内容が未定なら、影響も未確認として残します。

受け渡しの確認には経路と時点の区別が必要だ

直接渡す場合も、別の人を介して届く場合もあります。経路、渡す時点、受け取りを確かめる方法を、用途ごとに分けて聞き取ります。

  • 途中の受け渡しも聞く 作る人から使う人までの間に入る人を、途中の受け渡しも含めて聞きます。途中で別の相手へ渡る経路も残します。
  • 渡すきっかけを聞く 完成時に渡すのか、依頼を受けて渡すのかを聞き、渡す時点を記録します。
  • 受け取りの確認を聞く 渡した後、届いたことを何で確かめるかを聞きます。使用の確認とは分けて扱います。

用途ごとの受け渡しを記録する

区分聞くこと注意
渡す経路渡す相手と、使う人までに経由する相手を聞きます。窓口で経路の確認を止めません。
渡す時点何をきっかけに、仕事のどの段階で渡すかを聞きます。使う人が必要とする時点と分けて記録します。
受け取りの確認届いたことを確かめる方法と、確認する人を聞きます。受け取りだけで、使われたと扱いません。
表は編集部作成の例です。用途によって経路や時点が異なる場合は、分けて記録します。

成果物が相手に届いても、その相手が使ったとは限らない

成果物が届いたことと、別の仕事で使われたことを分けて聞きます。作る人へ使用の知らせや要望が戻る経路をたどります。

  • 使用を知る経路を聞く 使った人からの知らせや、その後の相談など、使用を知るきっかけを聞きます。
  • 知らない場合を残す 作る人に知らせず使う場合も確認します。知らせがないことを、使っていない根拠にしません。
  • 戻る要望をたどる 要望の伝え手と、元になった用途を聞きます。間に人が入る場合も経路を残します。

使用の知らせと要望が戻る経路を記録する

場面確かめること注意
使用を知る何を通じて、どの用途で使われたと知るかを聞きます。受け取りの知らせと区別します。
知らずに使われる使用を知らせる決まりの有無と、確認できる相手を聞きます。作る人が知らない用途を、存在しないと扱いません。
要望が戻る伝えた人、要望の元になった用途、戻る経路を聞きます。伝えた人が実際に使った人かを分けて記録します。
表は編集部作成の例です。使用の知らせがない場合は、その事実を記録します。

用途が増えても成果物の変更が必要とは限らない

新しい使い道が生まれたとき、元の成果物を変える場合も、使う側で補う場合もあります。増えた用途を知る経路と、扱いを決める人を聞き取ります。

  • 増えた用途を知る 成果物を新たに使い始めた人やその要望を、作る人が誰から知るのかを聞きます。記録に加えるきっかけも確認します。
  • 変更の扱いを聞く 元を変えるか、使う側で補うかを、どの用途への影響を踏まえて決めるか聞きます。
  • 判断する人を分ける 要望を伝える人、影響を確認する人、変更を決める人を分けて記録します。

増えた用途の扱いを記録する

区分聞くこと注意
増加を知る方法新しい用途が誰から伝わり、どこに記録されるかを聞きます。作る人に伝わらない場合も残します。
変更するかの判断成果物を変える場合と、使う側で補う場合の扱いを聞きます。新しい用途だけで変更を決めると考えません。
判断する人影響の確認先と、変更するかを決める人を聞きます。要望を伝える人と決める人を混同しません。
表は編集部作成の例です。扱いが決まっていない場合は、判断を待つ内容と相手を残します。

支援を約束するには、機能の確認が要る

用途や受け渡しを記録できても、成果物を変えてよいかまで決められるとは限りません。商品の機能を確認し、記録を支える範囲と人が判断する範囲を分けます。

  • 用途の記録を照合する 成果物ごとに、使う人と用途を関連付けて残せるかを、確認できた機能と照合します。
  • 受け渡しの記録を分ける 渡したこと、届いたこと、使われたことを区別して残せるかを確認します。
  • 変更の判断を残す 用途への影響を誰が確認し、誰が変更を決めるかを残します。記録の機能があることだけを根拠に、変更の判断まで商品でできるとは考えません。

支援できる作業と人の判断を分ける

区分扱い注意
成果物と用途の記録使う人と用途を記録できる機能があるかを確認します。未確認の機能を提案に含めません。
受け渡しの記録経路や時点、受け取りを残せる範囲を確認します。受け渡しの記録だけで使用を判断しません。
成果物を変える判断影響を確認する人と、変更を決める人を明記します。記録できることと、判断できることを分けます。
表は編集部作成の例です。特定の商品の機能を示す表ではありません。

用途ごとの記録で変更前の確認先が分かる

聞き取った内容を成果物と用途ごとに記録し、変更の影響を誰に確認するかを決めます。分からない点も残し、次に聞く相手と記録先を決めます。

  • 用途ごとに記入する 同じ成果物でも、使う人や使い方が異なる用途を分けて記入します。
  • 未確認の点を残す 空欄のままにせず、分からない内容と確認する相手を記入します。
  • 変更前に表を見返す 変更する内容から、影響する用途と確認先を探します。増えた用途も記録に加えます。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認すること記入欄確認すること記入欄
成果物と最初の用途成果物、作る人、最初に使う人と目的を記入します。別の仕事で使う人社内・社外の使う人と、使用が未確認の相手を記入します。
使い方使う部分、加工の有無、使う時点を記入します。足りない内容と補い方足りない内容、補う人、補う作業を記入します。
変更の影響変更内容、影響する仕事、確認する相手を記入します。受け渡し経路、渡す時点、受け取りの確認方法を記入します。
作る人が知る方法使用や要望が戻る経路と、知らせがない場合を記入します。用途が増えたとき増加を知る方法、変更の扱い、判断する人を記入します。
支援できる範囲確認できた機能で支える作業と、人に残る判断を記入します。未確認の点と記録先未確認の内容、次に聞く相手、記録を置く先を記入します。
表は編集部作成の例です。用途が異なる場合は、記入欄を分けて使います。