試行中の方法がそのまま続くとは限らない

商談先が業務のやり方を変えていても、採用が決まったとは限りません。変更の範囲と判断の条件を聞き、提案に使える前提を決めます。

  • 変更の対象を定める 変えた作業と対象業務を特定し、試す理由と関わる人を整理します。
  • 判断の条件を整理する 観察する点、採用と取りやめの条件、結果を判断する人を明らかにします。
  • 提案に使う範囲を決める 従来の方法を前提に提案する部分、試行中の方法を前提に提案する部分、結果を待ってから提案する部分を記録します。

変更の説明だけでは、対象業務が分かるとは限らない

業務を改善中という説明だけでは、どの作業が変わったか分かりません。変更前後の手順を比べ、対象業務と試す期間を把握します。

  • 変えた作業を分ける 作業の順番、役割、受け渡し方のうち、実際に変えた部分を特定します。
  • 対象業務を定める 業務の始まりと終わりを聞き、変更が及ぶ作業と従来どおりの作業を分けます。
  • 開始と終了を押さえる 試し始めた時点と終了予定を聞き、終了が未定なら、何を確かめられた段階で終えるのかを記録します。

変更と対象業務の整理

確かめること方法注意
変更した作業変更前と試行中の手順を並べます。改善したい内容と実際の変更を分けます。
対象業務作業の開始から完了までをたどります。業務名だけで対象を判断しません。
変えていない作業従来の手順が残る部分を記します。業務全体が変わったと扱いません。
開始と終了開始時点と終了予定を記します。未定なら、何を確かめられた段階で終えるのかを残します。
表は編集部作成の例です。試す期間が途中で変わった場合は、当初の予定と現在の予定を分けて残します。

試行に関わっていても、困りごとが共有されているとは限らない

同じ変更に取り組んでいても、解消したい困りごとが共通とは限りません。発案した人と実施を認めた人を分け、開始に至った理由を聞きます。

  • 困る場面を特定する 誰のどの作業で支障が出ていたかを聞き、今回の変更で解消したい点を記します。
  • 発案の経緯をたどる 変更を言い出した人と、その人が見ていた問題を結び付けて記録します。
  • 実施の承認を分ける 試すことを認めた人と認めた範囲を聞き、正式な採用の承認と区別します。

試行を始めた経緯

聞くこと方法注意
元の困りごと支障が出る作業と場面を記します。改善への期待だけで説明を終えません。
言い出した人発案者と発案のきっかけを記します。実際に作業する人と同じとは限りません。
認めた人実施を承認した人と条件を記します。試行の承認を採用の承認と扱いません。
理由の共有関係者に伝わっている目的を整理します。異なる目的があれば別々に残します。
表は編集部作成の例です。提案したい内容に合わせて、試行を始めた理由を読み替えないようにします。

一部で試した結果が業務全体に使えるとは限らない

限られた人や案件で試した結果を、そのまま全体の前提にはできません。対象の選び方と周囲の関わりを聞き、結果をどの業務や条件まで当てはめられるかを見定めます。

  • 対象の選び方を聞く 担当者や案件を選んだ理由を聞き、試しやすい条件に限っていないか整理します。
  • 周囲の作業を含める 変更した作業の前後で、受け渡しや確認を担う人にも変更が及ぶかを聞きます。
  • 対象外を記録する 試していない担当者、案件、工程を残し、結果を当てはめる範囲を広げすぎません。

試す範囲の切り分け

区分確かめること注意
一部の担当者参加者の役割と選定理由を聞きます。慣れた人だけの結果を全員に当てはめません。
一部の案件対象案件の条件と除外条件を聞きます。扱いやすい案件に偏っていないかを見ます。
業務全体対象となる部署や工程を整理します。例外として残る作業も記します。
周囲の関係者前後の工程で変わった作業を聞きます。試す本人以外の負担を見落としません。
表は編集部作成の例です。対象が途中で増減した場合は、どの範囲で得られた結果かを分けて残します。

改善の判断には、観察内容と記録の対応が要る

作業が楽になったという印象だけでは、何が変わったかを追えません。見ている点と記録の残し方を聞き、結果の根拠をたどれるか確かめます。

  • 見る点を具体化する 手戻り、待ち、確認の負担など、試行の目的に沿って見ている変化を整理します。
  • 記録の担当を押さえる 誰がどの場面で何を残すかを聞き、観察した内容と記録先を対応させます。
  • 記録がない場合の扱いを残す 記録がなければ、本人の記憶に基づく説明として残し、記録で確認できた事実と分けます。

観察と記録の対応

確かめること方法注意
観察する点目的に対して見ている変化を記します。作業の速さだけで改善と決めません。
比較する状態元の方法での状態と比べ方を聞きます。案件や担当者の違いも残します。
記録する人記録担当と記録する場面を聞きます。作業する人と記録する人を混同しません。
記録の残し方残す内容と後で参照する場所を聞きます。記録があるだけで根拠が十分とはしません。
記録がない場合記憶に基づく説明と確認元を記します。印象から業務全体の変化を断定しません。
表は編集部作成の例です。観察する点が途中で変わった場合は、変更前後の記録を同じ条件として扱いません。

試行が続いていても、採用に向かうとは限らない

試し続けている理由が、判断材料の不足である場合もあります。採用と取りやめの条件を別々に聞き、決まっていない条件を明らかにします。

  • 採用の条件を聞く どの変化が確認できれば採用するかに加え、残っていても許容する問題を聞きます。
  • 取りやめる条件を聞く 採用する条件とは別に、続けられない負担や支障など、改善が見られても取りやめる条件を整理します。
  • 未定の扱いを決める 条件が未定なら、決める人と時点を残します。継続中という事実から採用を見込みません。

採用と取りやめの整理

区分聞くこと注意
採用する条件必要な改善と許容できる問題を聞きます。期待している効果と決定条件を分けます。
取りやめる条件続けられない負担や支障を聞きます。採用条件を満たさない場合だけでなく、改善が見られても取りやめる条件も聞きます。
判断を延ばす条件不足する材料と追加で見る点を聞きます。継続を採用の内定と扱いません。
決まっていない条件を決める人と時点を聞きます。営業側の基準で条件を補いません。
表は編集部作成の例です。途中で条件が変わった場合は、変更した理由と承認した人も記録します。

元に戻した事実だけでは試行の失敗とは限らない

忙しい場面や担当交代の際に、元の方法を使うことがあります。一時的に戻す運用と試行の取りやめを分け、使い分けの条件を聞きます。

  • 戻すきっかけを聞く 支障、作業の集中、担当交代など、試行中の方法を使えなくなる場面を整理します。
  • 戻す判断を押さえる 誰の判断で戻せるかと、どの作業まで元に戻すかを聞きます。
  • 戻した後まで追う 試行を再開する条件と、元の方法を使った作業を結果の記録でどう区別するかを聞きます。

元の方法へ戻す条件

場面聞くこと注意
うまくいかない時支障の内容と戻す作業の範囲を聞きます。一時的な対応と取りやめを分けます。
忙しい時作業が集中した際の使い分けを聞きます。余裕がある時だけの結果かを残します。
人が替わった時引き継ぎと元の方法を使う条件を聞きます。特定の人の経験に頼る部分を残します。
試行を再開する時再開の条件と判断する人を聞きます。元の方法で処理した結果と、試行中の方法の結果を分けて記録します。
表は編集部作成の例です。元の方法へ戻した場面も、試行中の方法を使える条件を知る材料になります。

試した本人の判断だけで採用が決まるとは限らない

作業を試した人と、採用を決める人が異なることがあります。結果を伝える人、影響を確認する人、最終的に判断する人の役割を分けます。

  • 本人の役割を分ける 作業の変化を報告する役割と、方法の採用を決める権限を区別します。
  • 利用する側も含める 作業の成果を受け取る人について、確認する影響と判断への関わり方を聞きます。
  • 決定までをたどる 誰が結果をまとめ、誰に渡し、どの確認を経て採用や取りやめを決めるかを整理します。

判断に関わる役割

区分確かめること注意
試した本人報告する内容と決められる範囲を聞きます。実施経験があるだけで決定者と扱いません。
管理する人業務への影響と判断権限を聞きます。管理していても最終決定者とは限りません。
業務の利用者受け取る成果への影響と確認事項を聞きます。意見を伝える役割と承認する役割を分けます。
最終判断する人必要な報告と決定までの手順を聞きます。試行開始を認めた人と同じかを確かめます。
表は編集部作成の例です。業務の利用者とは、試した作業の成果を受け取り、次の作業で使う人を指します。

提案の前提は、結果を待たずに出せる部分と待つ部分で分かれる

試行中でも、その結果に左右されない部分の提案は進められます。結果によって提案内容が変わる部分を分け、使う方法と保留する範囲を決めます。

  • 元の方法を使う 従来の運用が続く部分を前提にします。採用後に変わる可能性がある箇所を記します。
  • 試行中の方法を使う 採用された場合という条件を付け、確認できた対象業務と実施条件の範囲で扱います。
  • 結果を待つ部分を絞る 結果で内容が変わる部分を保留し、再開に必要な判断や記録を明記します。

提案の前提の選び方

区分扱い注意
元の方法を前提従来の運用が続く部分に使います。採用後に見直す箇所を明記します。
試行の方法を前提採用された場合の条件付きで使います。対象外の業務へ結果を広げません。
結果を待つ結果で内容が変わる部分を保留します。再開に必要な判断と確認先を残します。
表は編集部作成の例です。採用が決まった場合も、実際に切り替える範囲と時点を提案の前提に反映します。

根拠と提案内容を照らせば、前提の取り違えが分かる

試行の説明を要約するだけでは、後から確定事項と見込みを区別できません。確認元と確認時点を添え、提案に使う範囲まで同じ記録に残します。

  • 事実と予定を分ける 実際に変えた作業、今後変える予定、まだ決まっていないことを区別して記します。
  • 根拠をたどれる形にする 聞いた相手、確認した時点、参照する記録を添え、説明の根拠を追えるようにします。
  • 提案での扱いを残す 前提に使う部分と保留する部分を記し、次に確認する内容と確認先を残します。

聞き取り記録の項目

記録項目書くこと理由
変更と対象変更前後の作業、対象、期間を記します。試行した範囲を特定するため。
理由と決めた人困りごと、発案者、承認者を記します。試行の目的と認められた範囲を残すため。
観察点と記録見る変化、記録担当、記録先を記します。結果の根拠をたどるため。
採用と中止の条件採用、取りやめ、元に戻す条件を記します。継続中という事実だけで判断しないため。
判断する人最終判断者と必要な報告を記します。決定の確認先を明らかにするため。
提案での扱い使う前提、保留箇所、未確認点を記します。次の提案で条件を取り違えないため。
表は編集部作成の例です。条件が変わったときは、変更前の内容と変更理由も後からたどれる形で残します。

確認表には、未確認の点と次の確認先の記載が要る

確認できた内容と未確認の点を分けて記入します。提案の前提に使う範囲も添え、次の商談で何を更新するか分かる状態にします。

  • 聞けた内容を記入する 確認できた事実、商談先の予定、未定の事項を区別して書き、確認元と確認時点を添えます。
  • 空欄の理由を残す まだ聞いていない項目と、商談先でも決まっていない項目を分けます。
  • 次の確認を決める 未確認の点ごとに確認先を記し、提案の保留を解くために必要な内容を示します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入する内容確認項目記入する内容
試している変更変更前と試行中の手順を記します。対象業務業務の始まりと終わり、試す期間を記します。
理由と決めた人困りごと、発案者、承認者を記します。試す範囲と関わる人対象と対象外、前後の工程の関係者を記します。
観察している点見る変化と比較する状態を記します。記録の残し方記録担当、記録する場面、参照先を記します。
採用と取りやめの条件採用と取りやめの条件を分けて記します。元に戻す場面戻す条件、判断者、再開の条件を記します。
結果を判断する人最終判断者と必要な報告を記します。未確認の点と記録先未確認点、確認先、記録先、提案での扱いを記します。
表は編集部作成の例です。聞いていない内容を推測で埋めず、未確認または未定と記して残します。