相談があるだけでは手順書が必要とは限らない

詳しい人への相談には、事実の確認や選び方の助言など、異なる目的があります。迷った場面から回答後までを聞き取り、何を支援すべきか考えます。

  • 迷った対象を特定する 作業のどこで判断が止まり、相談によって何を得たかったのかを整理します。
  • 本人の判断範囲を捉える 相談前に確かめたことと、回答後も自分で決める必要があったことを区別します。
  • 支援する範囲を見定める 答えが得られない場合の対応と、得られた回答を別の場面で使える条件まで記録し、商品で支援できる範囲を検討します。

相談の中身は、迷った作業と場面から拾うことになる

業務名だけでは、どの判断に迷ったのかが分かりません。実際に相談した場面を取り上げ、作業と決められなかった内容を分けて聞き取ります。

  • 本人の作業を捉える 相談した本人が、その場面で何を進めようとしていたのかを記録します。
  • 決められない点を絞る 作業全体を難しいとまとめず、選択や判定が止まった部分を特定します。
  • 迷いが生じた条件を拾う 通常と異なった条件や、判断が必要になったきっかけを聞き取ります。

作業と判断の迷いを分ける

確かめること方法注意
本人の作業相談時に進めていた作業を記します。部署全体の仕事と混同しません。
未決の内容その時点で選べなかった内容を記します。作業名だけで終えません。
迷った場面判断が必要になった条件を記します。普段も同じ条件だと決めつけません。
表は編集部作成の例です。実際の作業と場面に合わせて記入します。

相談で得たかったものは、事実・選び方・許可で分かれる

同じ相談でも、情報が欲しい場合と選び方を知りたい場合では、必要な答えが異なります。実行の許可が必要だった場合も分けて扱います。

  • 事実の確認を分ける 知らなかった事実が分かれば、自分で判断できる状態だったかを整理します。
  • 選び方の助言を分ける 情報はあっても、何を基準に選ぶかが決まらなかった場合を区別します。
  • 実行の許可を分ける 進め方が分かっていても、許可がなければ実行できなかった場合を区別します。

相談で得たかったものを分ける

区分見分け方扱い
事実を知りたい不足していた事実を特定します。事実が分かれば決められたかを記します。
選び方を知りたい選択肢を比べる基準を特定します。助言で補われた基準を記します。
実行の許可が要る実行に許可が必要だったかを整理します。情報や助言の不足と分けて記します。
表は編集部作成の例です。目的が重なる場合は、それぞれに必要だった答えを記録します。

資料を読めば判断できるとは限らない

資料を参照していても、目の前の条件に当てはめられず迷う場合があります。読んだ資料だけでなく、分かったことと残った迷いを聞き取ります。

  • 参照した箇所まで聞く 資料名に加え、判断の手掛かりとして読んだ箇所を記録します。
  • 分かったことを残す 資料によって確認できた事実や、判断に使えた説明を整理します。
  • 決められない理由を分ける 記載の不足と、今回の条件に当てはまるか分からない状態を区別します。

資料で分かった範囲を残す

聞くこと方法注意
参照した資料資料と参照箇所を記します。参照していない場合も、そのまま記します。
分かったこと資料から得た事実や基準を記します。読んだだけで理解したと推測しません。
残った迷い決めるために足りなかった内容を記します。資料の追加だけで解消すると決めません。
表は編集部作成の例です。相談後に得た知識を、相談前から分かっていたことに含めません。

相談先を選んだ理由は、役職に加えて聞くことになる

相談相手の名前や役職だけでは、その人に何を期待していたのかが分かりません。答えを知っていると考えた根拠と、相談のしやすさを分けて聞き取ります。

  • 実際の相談先を記す 決められた窓口だけでなく、その場面で実際に相談した相手を記録します。
  • 期待した答えを捉える 経験や担当業務などを手掛かりに、何が分かる相手だと考えたかを整理します。
  • 相談のしやすさも分ける 連絡しやすさが選択理由なら、答えを知っていると考えた理由とは別に記録します。

相談相手と選んだ理由を対応させる

確かめること方法注意
相談した相手実際の相手と業務上の関わりを記します。役職から相談内容を推測しません。
期待した答え相手なら分かると考えた内容を記します。詳しい人という説明だけで終えません。
選んだ理由知識への期待と相談のしやすさを分けます。相談できる相手が常に同じとは限りません。
表は編集部作成の例です。相手が実際に答えられたかは、選んだ理由と分けて記録します。

回答に必要な情報は、迷った場面の条件で変わる

相談時の説明だけでは、答えを出すための条件が分からない場合があります。最初に伝えた内容と追加で求められた内容を分け、必要だった理由を聞き取ります。

  • 最初の説明を整理する 作業の状況や迷っていた点など、相談した本人が最初に伝えた内容を記録します。
  • 追加された情報を拾う 聞き返された内容と、その後に伝えた事実や条件を対応させます。
  • 必要だった理由を捉える 追加情報の違いによって、答えのどの部分が変わり得たのかを整理します。

追加情報が答えに必要だった理由を残す

聞くこと方法注意
最初の説明最初に伝えた状況と迷いを記します。後から補った情報を混ぜません。
聞き返された内容求められた情報と追加した内容を記します。聞き返しの有無だけで終えません。
必要だった理由情報が答えの選択にどう関わったかを記します。理由が不明なら推測で埋めません。
表は編集部作成の例です。商談先で起きた相談の経過を記録するための表です。

回答を得ても本人の判断が終わるとは限らない

回答によって選び方が分かっても、実際に何を選ぶかを決める判断は本人に残る場合があります。返ってきた答えと、それをもとに本人が決めた内容を分けて聞き取ります。

  • 答えの内容を捉える 事実、選択の基準、条件付きの助言など、回答で示された内容を記録します。
  • 本人が決めた内容を残す 答えをどの条件に当てはめ、どの選択をしたのかを整理します。
  • 回答と判断の時点を分ける 回答を受け取った時点と、作業を進められると判断した時点を分けて捉えます。

答えと本人の判断を分ける

区分確かめること注意
返ってきた答え回答で明らかになった内容を記します。助言を実行内容の決定とみなしません。
本人が決めた内容回答をもとに選んだ内容と理由を記します。相談相手が示した判断と、本人が回答をもとに加えた判断を区別します。
残った判断決められなかった内容と不足条件を記します。回答済みだけで相談の完了としません。
表は編集部作成の例です。判断が残らなかった場合も、その結果を記録します。

答えが得られなかった後の進め方は、本人に確かめることになる

相談先が答えられなくても、仕事全体を止めるとは限りません。答えが出なかった部分と、その後の相談先、保留中に進めた作業を聞き取ります。

  • 答えのない部分を絞る 相談全体を未解決とまとめず、答えが得られた部分と得られなかった部分を分けます。
  • 次の相談の経過を追う 別の相手に相談した場合は、選んだ理由と追加で必要になった情報を記録します。
  • 保留中の作業を分ける 止めた作業、進めた作業、判断を再開するために待っていた条件を整理します。

答えがない間の進め方を残す

場面聞くこと注意
一部が未回答答えが出なかった内容と理由を記します。答えが出なかった理由が不明でも、相談相手の知識不足が原因とは決めません。
別の相手へ相談次の相手と、そこへ相談した理由を記します。相談先の変更だけで解決したとみなしません。
判断を保留止めた作業と再開に必要な条件を記します。並行して進められた作業も残します。
表は編集部作成の例です。経験がないと確かめられた場面は経験なしと記し、聞けていない場面は未確認と記します。

回答を別の場面に使えるかは、付いていた条件で分かれる

似た作業でも、条件が違えば同じ答えを使えない場合があります。今回の回答が成り立った条件と、条件が変わったときの相談の扱いを聞き取ります。

  • 今回だけの答えを分ける 今回の事情に合わせた答えか、条件が同じなら使える基準かを区別します。
  • 付いていた条件を残す 回答と一緒に示された前提や例外を、結論から切り離さず記録します。
  • 条件変更時の扱いを聞く 条件が変わった後も回答を使えるかを本人が判断できる範囲と、改めて相談する範囲を整理します。

回答を使える条件を区別する

区分聞くこと注意
今回だけの回答今回の事情に依存した部分を記します。似た作業への利用を前提にしません。
条件付きの回答当てはまる条件と除外される条件を記します。結論だけを抜き出しません。
条件が変わる場合本人が判断する範囲と相談が必要な範囲を記します。使える範囲が不明なら未確認とします。
表は編集部作成の例です。別の場面で使えるという判断の根拠も残します。

相談の記録には、答えだけでなく迷いと条件が要る

答えだけを残しても、なぜ相談が必要だったのかを説明できません。同じ場面について、迷い、相談の目的、回答後の判断を対応させて記録します。

  • 同じ場面で記録する 別の相談の情報を混ぜず、迷った作業から回答後までの経過を記します。
  • 確認済みの内容を分ける 聞き取った事実と、説明から考えた推測、まだ聞いていない点を区別します。
  • 記録先を明らかにする 資料の参照箇所や未確認事項の記録先を残し、後から根拠をたどれるようにします。

相談の経過を記録する

記録項目書くこと理由
迷った作業作業、未決の内容、その場面の条件を書きます。判断が止まった場所が分かります。
得たかったもの事実、選び方、許可のどれが必要だったかを書きます。相談の目的と答えを比較できます。
相談前の確認参照箇所、分かったこと、残った迷いを書きます。相談によって補われた内容が分かります。
相談先と理由相手、期待した答え、選択理由を書きます。誰に何を求めたかが分かります。
必要だった情報最初の説明、追加情報、必要だった理由を書きます。回答の前提をたどれます。
回答後の判断答え、本人の判断、未解決時の対応、適用条件を書きます。解決した範囲と残った課題を区別できます。
表は編集部作成の例です。長い経過は別の記録に残し、その記録先を記入します。

支援できる範囲を判断するには、相談の経過の確認が要る

確認表には、相談の前後で何が分かり、何が残ったかを記入します。空欄を推測で埋めず、商品で支援できる範囲と未確認の点を分けます。

  • 経過を表に記入する 実際に迷った場面をもとに、相談前の確認から回答の利用条件まで記入します。
  • 商品で扱う作業を絞る 自社商品で支援できる作業と、その根拠を記します。相談の存在だけを提案理由にしません。
  • 未確認を明記する 聞けていない内容と記録先を残します。該当しない場合と、まだ分からない場合を区別します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入する内容確認項目記入する内容
判断に迷った作業作業、迷った内容、場面の条件を書きます。相談で得たいもの事実、選び方、許可のうち必要だったものを書きます。
相談前の確認参照した資料、分かったこと、残った迷いを書きます。相談先と選択理由相談した相手、期待した答え、選んだ理由を書きます。
相手が要した情報最初に伝えた内容、追加情報、必要だった理由を書きます。回答後に残る判断回答、本人が決めたこと、未決の内容を書きます。
答えがない時の対応未回答部分、別の相談先、保留中の進め方を書きます。別の場面で使う条件回答の前提、使える範囲、再相談する条件を書きます。
商品で支援する範囲自社商品で支援できる作業と判断の根拠を書きます。未確認の点と記録先未確認事項と、詳細や根拠を残した場所を書きます。
表は編集部作成の例です。記入欄には聞き取った内容を書き、詳細が長い場合は記録先を添えます。