商品の支援範囲は、担当者に頼る理由で分かれる
特定の人に任せている仕事でも、その人に頼る理由は仕事によって違います。情報・判断・権限を分けて聞くと、商品で支援する対象を具体的にできます。
- 頼っている部分を見つける 仕事の範囲を決め、その人だけが持つ情報と、行っている判断、任されている権限を分けます。
- 代わると止まる場面を知る 他の人が代わると止まる作業と今の対処を聞き、周囲から聞いた内容を本人にも確かめます。
- 支援する範囲を決める 商品で支援できる範囲と人に残る範囲を分け、未確認の点も含めて仕事ごとの確認表に記録します。
担当者しか分からない範囲が仕事全体とは限らない
仕事の名前だけでは、どの作業がその人に頼っているかは分かりません。始まりから終わりまでをたどり、分からない部分を特定します。
- 仕事の範囲を区切る 何を受け取って始め、何を渡せば終わる仕事かを整理します。途中の作業も順に並べます。
- 分からない部分を絞る 手順、参照先、判断の理由など、説明できない部分を作業に結び付けます。
- 説明の出所を残す 誰が、どの場面を見てそう捉えたかを残します。直接見たことと、人から聞いたことを分けます。
対象の仕事を絞る整理表
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 開始のきっかけと完了時の成果を対応させます。 | 仕事名だけで全体を対象にしません。 |
| 不明な部分 | 作業の流れに沿って説明が途切れる箇所を探します。 | 説明を聞いていないだけの箇所と分けます。 |
| 説明の出所 | 発言した人と、その根拠となる場面を記録します。 | 周囲の見方を本人の説明として扱いません。 |
情報が残っていても他の人が使えるとは限らない
情報には、記録がない場合や、記録があっても他の人が参照できない場合、参照できても使い方が分からない場合があります。仕事で使う内容と、その所在を対応させます。
- 記録のない内容を探す 口頭で決まった条件や過去の経緯など、仕事で使っているのに記録が見当たらない内容を拾います。
- 記憶で補う内容を分ける 資料を読んだ後に、本人の記憶から補っている内容を分けます。判断の基準とは区別して残します。
- 参照できる範囲を見る 保存先だけでなく、他の人が見つけて読めるかを確かめます。共有してよい範囲も確認します。
情報の所在と参照条件の整理表
| 情報の種類 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 記録のない情報 | 口頭の合意や経緯が、どの作業で必要になるかを調べます。 | 記録がないことを本人の落ち度にしません。 |
| 記憶にある情報 | 本人が資料に書かれていない内容を記憶で補っている部分と、その根拠を整理します。 | 記憶の内容を確認済みの事実として扱いません。 |
| 閲覧が限られる情報 | 保存先と閲覧できる人の範囲を確認します。 | 共有の必要性と、共有してよい範囲を分けます。 |
判断の再現には基準と例外の確認が必要だ
同じ資料を見られても、同じ結論に至るとは限りません。何を見て、どの条件を重視し、何を決めているかをたどります。
- 材料と結論を結ぶ 実際に処理した仕事をもとに、参照した情報と選んだ対応を対応させます。
- 基準を具体的にする 優先した条件と、対応を変える境目を整理します。結論だけの記録では判断の理由が残りません。
- 例外を切り分ける 通常の基準を使わなかった場面を取り出し、追加で見た情報と対応を変えた理由を残します。
判断の過程をたどる整理表
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 判断の材料 | 処理済みの仕事から、結論に使った情報をたどります。 | 見られる資料のすべてを判断材料に含めません。 |
| 判断の基準 | 対応が異なった仕事を比べ、条件の違いを整理します。 | 経験という言葉だけで説明を終えません。 |
| 例外の扱い | 通常と異なる対応を選んだ理由を記録します。 | 例外の対応を通常の基準として広げません。 |
判断できることが決めてよいこととは限らない
対応を選べる知識があっても、その対応を実行してよいとは限りません。対象の仕事に絞って、任されている範囲と報告の条件を整理します。
- 決めてよい範囲を分ける 本人だけで確定できる対応と、事前の確認が必要な対応を分けます。実際の運用も確かめます。
- 報告の条件を残す 誰に、何を、どの段階で報告しているかを残します。報告と事前の承認は区別します。
- 変更できる内容を絞る 順序や条件など、本人の判断で変えられる内容を整理します。認められている限界も記録します。
対象業務に限った権限の整理表
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 決定できる範囲 | 単独で確定できる対応と、事前確認が必要な対応を分けます。 | 詳しいことと、決定を任されていることを混同しません。 |
| 報告の条件 | 報告先、報告内容、報告する段階を記録します。 | 報告しているだけで承認を得たとは扱いません。 |
| 変更できる範囲 | 手順や条件を変更できる場面と限界を確認します。 | 過去に変更した事実だけで権限があると断定しません。 |
代わったときの停止理由で、検討する支援が分かれる
他の人が作業を引き受ける場面を、仕事の流れに沿ってたどります。止まる箇所と理由を分けると、情報の共有だけで進められるかを検討しやすくなります。
- 止まる箇所を示す 引き受けてから完了するまでをたどり、進められなくなる作業と不足しているものを特定します。
- 停止理由を分ける 情報がない、対応を選べない、実行を認められていない、という理由を別々に残します。
- 再開の条件を残す 何が得られれば次へ進めるかを記録します。実際に止まった経験と、仮定した場面も分けます。
停止理由と再開条件の整理表
| 区分 | 聞くこと | 扱い |
|---|---|---|
| 情報がない | 必要な情報と、それを使う作業を聞き取ります。 | 参照できれば進むかを確認します。 |
| 判断できない | 材料があっても選べない対応と、足りない基準を聞き取ります。 | 基準を示せる部分と、個別の判断が残る部分を分けます。 |
| 権限がない | 選んだ対応を実行できない理由と、必要な承認を聞き取ります。 | 商品の導入で決定権限まで変わるとは扱いません。 |
代わる人がいても本人への確認が不要とは限らない
会議や外出などで、その場で本人に確認できないときの対処を聞き取ります。作業を進めた人だけでなく、完了までに誰の関与が残ったかを見ます。
- 待つ範囲を知る どの作業を保留し、どこまでは進めているかを整理します。待った後に再開する条件も残します。
- 代わる範囲を知る 別の人が完了まで行える部分と、準備だけ行える部分を分けます。後から本人が確認する作業も含めます。
- 連絡の中身を知る 本人への連絡で得ているものが、情報、判断、承認のどれかを記録します。
本人にすぐ確認できないときの対処表
| 対処 | 聞くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 待つ | 保留する作業、先に進める作業、再開の条件を聞き取ります。 | 待つ運用だけで支障があると決め付けません。 |
| 別の人が代わる | 代わる人が完了できる範囲と、本人が後で確認する範囲を聞き取ります。 | 着手できることと完了できることを分けます。 |
| 本人に連絡する | 連絡する場面と、返答に求めている内容を聞き取ります。 | 本人の返答を得て進めた事実だけで、本人への確認なしに代われるとは扱いません。 |
本人への確認で、周囲の説明との違いが分かる
周囲から聞いた説明と、本人が実際に行っていることには違いがあり得ます。仕事の流れを本人にもたどってもらい、説明の違いと希望を記録します。
- 違いを作業ごとに残す 周囲の説明と本人の説明を作業ごとに比べます。どちらが正しいかを急がず、根拠を確かめます。
- 省略された判断を拾う 実際の仕事をたどり、本人が選ばなかった対応や見直した条件を拾います。最初の説明では省かれていた判断を記録します。
- 本人の希望を分ける 共有したい情報、支援してほしい作業、自分で判断したい部分を整理します。現状とは分けて残します。
本人の説明を加える確認表
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 説明が異なる | 対象の作業と状況を合わせて、違う部分を記録します。 | 状況の違いを説明の誤りと決め付けません。 |
| 判断が省かれる | 実際の作業をたどり、選ばなかった対応の理由も整理します。 | 説明されていない基準を推測で補いません。 |
| 希望を確認する | 支援してほしい部分と、判断を続けたい部分を残します。 | 本人の希望を会社として決まった方針とは扱いません。 |
商品の支援範囲は確認できた機能で決まる
聞き取った仕事を、検討中の商品の機能と照らし合わせます。情報を見られるようにすること、判断材料を示すこと、結論を決めることを分けます。
- 情報を共有できるか見る 必要な内容を記録し、使う人が参照できるかを確認します。入力や更新を人が行う部分も残します。
- 判断材料を示せるか見る 判断に使う条件や履歴を商品で示せるかを確認します。材料が表示されるだけで結論まで出るとは扱いません。
- 人に残る判断を示す 例外への対応や承認など、人が決める部分を明記します。機能が未確認の部分は支援できると断定しません。
商品と人が担う範囲の整理表
| 区分 | 扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 情報の共有 | 記録と閲覧を支援できるか、商品の仕様で確認します。 | 記録内容の確認や更新が誰に残るかも記載します。 |
| 判断の材料 | 条件や履歴を必要な場面で示せるか確認します。 | 表示できる情報だけで判断に足りるとは限りません。 |
| 判断そのもの | 商品が処理できる条件と、人が結論を出す場面を分けます。 | 処理できる機能があっても、権限が移るとは扱いません。 |
聞き取り記録には説明の出所と未確認点が必要だ
聞いた内容だけを並べると、誰の説明で、どこまで確認したかが抜けます。仕事ごとに記録をまとめ、本人への確認後も説明の違いを追えるようにします。
- 仕事ごとに記録する 情報・判断・権限を同じ仕事の記録にまとめます。止まる場面と今の対処も対応させます。
- 根拠を添える 説明した人と、参照した資料や作業を添えます。伝聞、本人の説明、実際に見た内容を区別します。
- 未確認の点を残す 説明が食い違う部分や未確認の部分を明記します。次に確認する相手と、記録を更新する場所も残します。
仕事ごとに残す記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 仕事 | 仕事名、開始と完了、対象の作業を書きます。 | 別の仕事の説明が混ざることを防げます。 |
| 情報 | 必要な内容、所在、参照できる人を書きます。 | 情報の不足と閲覧の制限を分けられます。 |
| 判断 | 材料、基準、例外、選ぶ対応を書きます。 | 結論だけでは残らない理由を確認できます。 |
| 権限 | 決定や変更の範囲、報告と承認の条件を書きます。 | 判断できることと実行できることを分けられます。 |
| 止まる場面 | 止まる作業、理由、再開に必要な条件を書きます。 | 支援の対象を具体的な作業として示せます。 |
| 今の対処 | 待つ作業、代わる範囲、本人への連絡内容を書きます。 | 現在も本人の関与が残る部分を確認できます。 |
仕事ごとの確認表で、支援範囲の検討材料が分かる
確認表には、担当者に頼っている理由から商品の支援範囲までを記入します。説明の出所や詳細は記録先に残し、表から参照できるようにします。
- 同じ仕事の内容を並べる 仕事の範囲を区切って記入します。同じ事例が情報・判断・権限の複数の欄に関わる場合は、その関係が分かるように記入します。
- 本人の説明を反映する 本人に確認した内容を記入します。周囲の説明と異なる部分は、違いが分かる形で記録先に残します。
- 空欄で判断を進めない 分からない点は未確認と書きます。商品の支援範囲も、機能の確認が済むまでは仮の扱いにします。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 仕事 | 担当者 | その人だけが持つ情報 | 行っている判断 | 任されている権限 | 代わったときに止まること | 今の対処 | 本人の説明 | 商品で支援できる範囲 | 未確認の点と記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 引き渡し時期の回答 | 受注担当者が行います。 | 口頭で合意した条件を覚えています。 | 在庫と合意条件から回答内容を決めます。 | 合意済みの条件内で回答できます。 | 合意条件が分からず回答が止まります。 | 合意条件を本人に確認しています。 | 条件を共有すれば通常の回答は代われると説明しています。 | 条件の記録と閲覧を支援できるかは未確認です。 | 例外時の変更権限は未確認とし、商談記録に残します。 |
