経緯の聞き取りは、商談先がたどる手順を追うことになる
過去の記録が見つかっても、対応の順序や判断の理由まで分かるとは限りません。実際に経緯を調べた仕事をたどり、商品で支援できる範囲を整理します。
- 調べる仕事を定める 経緯を調べる場面と人を特定し、対象にする相手・期間・仕事を決めます。
- 経緯のたどり方を捉える 使う記録と並べ方を整理し、記録にない内容の確認先と食い違いの扱いを明らかにします。
- 支援の範囲を分ける 結果の使い道から必要な支援を考え、人の判断が残る部分とともに確認表へ記録します。
経緯調査の進め方は、きっかけと役割で変わる
引き継ぎや取引の見直し、対応方針の検討でも、過去の経緯を調べます。実際の場面を取り上げ、調べ始めたきっかけと関わった人を整理します。
- 実際の場面を選ぶ 調べる必要が生じた出来事から、調査を始めるまでの流れを聞き取ります。
- 調べる役割を分ける 記録を集める人と経緯を読み解く人を分け、途中で誰に引き継ぐかも記録します。
- 依頼元を明らかにする 誰から何を明らかにするよう頼まれたかを整理します。自ら調べ始めた場合も残します。
調査が始まる場面の整理
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| きっかけ | 調査が必要になった出来事をたどります。 | 不満の申し出やトラブルだけに絞りません。 |
| 調べる人 | 集める役割と読み解く役割を分けます。 | 複数の人が関わる場合は分担を残します。 |
| 依頼元 | 依頼した人と依頼内容を記録します。 | 依頼を受けずに始めた調査も含めます。 |
調べる範囲は、明らかにしたい出来事で分かれる
相手の名前だけでは、どこまで調べる仕事かは定まりません。明らかにしたい出来事を軸に、相手・期間・仕事の境界を聞き取ります。
- 相手の範囲を分ける 同じ相手でも、部署や窓口によって経緯が分かれるかを整理します。
- 始点と終点を定める 何が起きた時点から、どの対応が済むまでを調べるかを聞き取ります。
- 途中の範囲変更を残す 関連する仕事へ調査を広げた場合は、広げた理由と追加した対象を記録します。
対象範囲の整理
| 聞くこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 相手 | 対象の相手と関係する部署・窓口を分けます。 | 同じ相手の別件を混ぜません。 |
| 期間 | 調べる期間の始まりと終わりにあたる出来事を記録します。 | 途中で期間を広げた理由も残します。 |
| 仕事 | 対象の仕事と関連する仕事の境界を記録します。 | 調査から外した仕事も明記します。 |
記録が示すのは出来事の全体とは限らない
やり取りの記録と作業の記録では、分かる内容が違います。何を使って、どの出来事を確かめているかを対応させます。
- やり取りの役割を捉える 依頼・回答・合意のうち、その記録でどこまで確認できるかを整理します。
- 作業との関係を捉える 依頼を受けた記録と実際に作業した記録を分け、同じ依頼に対応する記録だと判断する手掛かりを残します。
- 控えの位置づけを残す 手元の控えを何の確認に使うかを聞き、個人の見立てと実際の対応を区別します。
記録と分かる内容の整理
| 記録 | 聞くこと | 注意 |
|---|---|---|
| やり取りの記録 | 依頼・回答・合意のどの段階を示すかを聞き取ります。 | 送った記録だけで合意したと扱いません。 |
| 作業の記録 | 予定と実際の作業をどう見分けるかを聞き取ります。 | 作業の完了と相手への連絡を分けます。 |
| 手元の控え | 何を補うために参照しているかを聞き取ります。 | 個人の解釈が含まれるかを確かめます。 |
記録の日付順が出来事の順序とは限らない
記録した日と出来事が起きた日が違うと、日付順に並べても出来事の順序を取り違えることがあります。何の時点を示す日付かを分けて聞き取ります。
- 日付の意味を分ける 出来事が起きた時点、記録した時点、後から更新した時点を区別します。
- 順序の根拠を残す 前の依頼への返答など、日付以外の手掛かりで順序を決めている部分も記録します。
- 不明な順序を保留する 前後関係を確定できない記録は、推測で並べず、位置が不明な記録として残します。
時間順に並べる方法の整理
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 日付の手掛かり | 各日付が何の時点を示すかを記録します。 | 表示された日付だけで順序を決めません。 |
| 時点のずれ | 出来事と記録の時点を分けて並べます。 | 後から記録した内容を後の出来事と扱いません。 |
| 並べられない記録 | 前後関係が分かる部分と不明な部分を分けます。 | 仮の順序には根拠と未確認の点を添えます。 |
記録にない判断理由は、誰に確かめているかで分かれる
対応した事実が残っていても、その理由や口頭での補足は分からないことがあります。誰に何を確認し、何が不明のまま残るかを整理します。
- 当時の関与を捉える その場にいた人、判断した人、後から聞いた人を分け、確認内容に合う相手を特定します。
- 相手先への確認を聞く 相手先に確認する内容と連絡を担う人を聞き取り、社内だけでは補えない点を残します。
- 不明な内容を残す 確認できる人がいない場合は、不明な内容と、それでも判断を進める際の扱いを記録します。
記録にない内容の確認先
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 当時の担当者 | 当時の役割と直接知っている内容を整理します。 | 記憶と記録で確認できた内容を分けます。 |
| 相手先 | 確認する内容と連絡を担う人を記録します。 | 現在の説明と当時の認識を分けます。 |
| 分からないまま | 確認先がない内容と判断への影響を残します。 | 確認できなかった内容を推測で埋めません。 |
食い違う記録のどちらを採るかには、根拠が要る
記録が食い違ったとき、新しい記録を採ればよいとは限りません。食い違う内容を分け、採用・併記・追加確認の判断方法を聞き取ります。
- 違う箇所を切り分ける 日付、対応内容、合意の有無など、どの部分が一致していないかを特定します。
- 採用の根拠を残す どの記録を誰がどんな根拠で採用するかを整理し、採用しなかった記録の扱いも残します。
- 決まらない場合を残す 両方を残す場合と追加確認する場合を分け、結論が出るまでの扱いを記録します。
食い違いへの対応の整理
| 場面 | 聞くこと | 注意 |
|---|---|---|
| どちらかを採る | 採用の根拠と決める人を聞き取ります。 | 新しい記録という理由だけで決めません。 |
| 両方を残す | 違う内容と結論を保留する理由を聞き取ります。 | 両方に書かれた内容を同時に事実と扱いません。 |
| 相手に確かめる | 確認する内容と結果の反映方法を聞き取ります。 | 回答後も元の食い違いをたどれる形で残します。 |
調査結果の残し方は、伝える相手と用途で変わる
出来事を説明するためか、次の対応を決めるためかで、必要なまとめ方が変わります。伝える相手と何の判断に使うかを聞き、再び調べるときに要る残し方を整理します。
- 伝える相手を定める 結果を読む人と口頭で説明を受ける人を整理し、それぞれに伝える範囲を残します。
- 判断との関係を残す 調べた結果から何を決めるかを聞き、判断に必要な事実と未確認の点を分けます。
- 再調査に備えて残す まとめだけでなく、根拠にした記録と不明な点の残し方を聞き取ります。
使い道と残し方の整理
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 伝える相手 | 相手ごとに伝える内容と伝え方を記録します。 | 共有する範囲も明らかにします。 |
| 決めること | 調査結果を使う判断と判断する人を記録します。 | 調査で分かった事実と判断結果を分けます。 |
| 次回への記録 | まとめ・根拠・未確認の点を残す場所を聞き取ります。 | 後から根拠をたどれるかも確認します。 |
時間順に表示できても、当時の意図の判断は人に残る
記録の参照や時間順の表示を支援できても、当時の意図まで分かるとは限りません。聞き取った作業と、商品の実際の機能を照らし合わせます。
- 参照できる範囲を分ける 必要な記録を扱えるかを確認し、商品内で参照できるものと別に確認するものを分けます。
- 並べる条件を確かめる どの日付で表示するかを確認し、日付の欠落や時点のずれを扱えるかを確認します。
- 人の判断を明記する 理由の解釈や食い違う記録の採用は、誰が判断するかを残します。未確認の機能は約束しません。
機能と人の判断の分担
| 区分 | 扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 記録の参照 | 対象の記録を扱えると確認できた範囲を支援対象にします。 | 記録にない出来事まで分かるとは説明しません。 |
| 時間順の表示 | 日付の意味と並べる条件が合う範囲を支援対象にします。 | 表示順が実際の順序かは別に確認します。 |
| 内容の判断 | 理由の解釈や記録の採用を決める人を明記します。 | 判断の根拠を残す方法も整理します。 |
聞き取り記録には、調査手順と根拠が要る
手間がかかるという感想だけでは、商品で支援する作業を特定できません。実際の調査手順を、使った記録や確認先とともに残します。
- 実際の手順を書く きっかけから結果を残すまでを、実際に行った順に書きます。想定した手順は分けて残します。
- 根拠を対応させる 各出来事の根拠となった記録と、説明を補った人を対応させ、説明の出どころをたどれるようにします。
- 未確認の点を分ける 事実、解釈、未確認の点を区別します。追加で確認する内容と確認先も記録します。
聞き取り内容の記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 場面と調べる人 | きっかけ、依頼元、調べる人と分担を書きます。 | 調査が始まる条件と役割を説明できます。 |
| 対象の範囲 | 相手、期間、仕事と対象外の範囲を書きます。 | 別の出来事が混ざるのを防げます。 |
| 使う記録 | 記録ごとに確認した出来事を書きます。 | 結論の根拠をたどれます。 |
| 並べ方 | 使う日付、順序の根拠、順序が不明な箇所を書きます。 | 表示順を事実と取り違えるのを防げます。 |
| 記録にない内容 | 補った内容、確認先、不明のままの点を書きます。 | 記録だけでは分からない範囲を説明できます。 |
経緯調査の確認表には、未確認の点も残ることになる
聞き取った内容を、一つの調査の例に沿って確認表へまとめます。埋められない欄には未確認と記し、確認先と記録先を残します。
- 調査ごとにまとめる 別の場面の手順を混ぜず、きっかけから結果の使い道までを対応させて記入します。
- 根拠のある内容を書く 確認できた内容を記入し、説明が食い違う点や推測した部分は区別します。
- 次の確認を残す 空欄で終わらせず、未確認の内容、確認する相手、確認後に追記する場所を書きます。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 確認項目 | 記入欄 | 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 調べる場面 | をきっかけに調べます。 | 調べる人 | が(の依頼で、または自ら)調べます。 |
| 対象の範囲 | 相手は、期間は、仕事はです。 | 使う記録 | の記録でを確認します。 |
| 時間順に並べる方法 | の時点を基準に並べます。 | 記録にない点の確認先 | についてに確認します。 |
| 食い違いの扱い | を根拠にが採用・併記・追加確認を決めます。 | 結果の使い道と残し方 | に伝え、の判断に使い、に残します。 |
| 商品の支援範囲 | 商品でを支援し、は人が判断します。 | 未確認の点と記録先 | をに確認し、結果をに追記します。 |
