再現調査の聞き取りには、試す条件と次に進む判断の区別が要る

顧客が困っている状況を社内で再現するときは、試す条件と、結果を受けて次に進む判断を分けて整理します。商談では、実際の問い合わせをもとに調査の流れを聞き取ります。

  • 対象と役割を捉える 再現して調べる問い合わせと、受ける人・調べる人・調査の要否を決める人を整理します。
  • 条件と進め方を分ける 顧客から聞く条件と社内で用意する条件を分け、再現の結果に応じた進め方を整理します。
  • 支援できる範囲を分ける 結果の伝え方まで確認し、商品で支援できる作業と人の判断が残る部分を書き分けます。

問い合わせを受ける人が再現するとは限らない

動かない・使えない箇所の説明を受けても、その場で再現を試すとは限りません。対象となる問い合わせと、受付から調査へ引き継ぐ相手を対応させます。

  • 再現する対象を絞る 説明だけでは回答できず、同じ現象が起きるか試す問い合わせを、実際の扱いから特定します。
  • 受ける役割を押さえる 顧客の説明を受ける人と、調査を依頼する人が同じかを整理します。
  • 調べる役割を押さえる 再現を試す人と、その結果を見て次の対応を決める人を分けて記録します。

再現する対象と役割

確かめること方法注意
対象の問い合わせ説明を受けてから再現を試すまでの流れをたどります。不満の申し出だけで、再現が必要とは決めません。
受ける人受付と調査依頼を担う役割を対応させます。受ける人が調べる人を選べるかも区別します。
調べる人再現を試す役割と結果を判断する役割を整理します。部署名だけで終えず、担う作業まで記録します。
編集部作成の例

回答に調査が必要でも再現が必要とは限らない

調べてから答える問い合わせにも、再現を試さずに回答できるものがあります。回答に不足している根拠と、再現が必要だと決める基準を分けて聞き取ります。

  • その場で答える範囲 顧客の説明と既にある案内で答えられる範囲を、再現調査との境目として押さえます。
  • 調べて答える範囲 回答前に何を確認する必要があるかを整理し、再現を伴う調査かどうかを分けます。
  • 再現の判断者を聞く 再現を試す必要性を判断する役割と、判断に迷った場合の相談先を記録します。

回答と再現調査の分かれ目

区分聞くこと注意
その場で答える既にある説明で回答できる範囲を聞き取ります。使えない箇所があるだけで再現調査に進めません。
調べて答える回答に足りない根拠と、その確認方法を聞き取ります。調べることと再現を試すことを同じ扱いにしません。
再現を判断する再現が必要となる条件と判断者を聞き取ります。受付の判断で進められる範囲も記録します。
編集部作成の例

顧客が説明した条件は、社内でそろえられるとは限らない

顧客から聞ける条件と、社内で用意できる条件は一致するとは限りません。同じ現象が起きるかを確かめるために必要な情報と準備を分け、合わせられない条件を残します。

  • 操作と状況を分ける 行った操作、その直前の状態、期待した結果、実際に起きた現象を順に整理します。
  • 利用環境を押さえる 使っていた機器や利用上の設定など、再現を試す際に合わせる必要がある条件を聞き取ります。
  • 社内の準備を分ける 試すための機器や入力内容を誰が用意するかを整理し、顧客の条件との差を記録します。

聞き取る条件と用意する条件

区分見分け方扱い
操作や状況顧客が行ったことと、その前後に起きたことを分けます。再現時にたどる順番として記録します。
顧客の環境顧客側で使っていた物や設定を整理します。確認済みの条件と分からない条件を分けます。
社内で用意する物再現を試すために社内で準備する物を整理します。代わりの物を使う場合は、異なる条件を残します。
編集部作成の例

再現の結果を比べるには、手順と条件の記録が要る

同じ現象が起きたかだけでは、別の人が試した結果と比較できません。試す前の状態、操作の順番、途中で変えた条件を結果と結び付けて記録します。

  • 試す順番を押さえる どの状態から始め、どの操作をたどるかを整理し、開始前の状態に戻す手順も聞き取ります。
  • 試した内容を残す 予定した手順と実際に行った手順を分け、変更した条件を結果に対応させます。
  • 結果の残し方を聞く 期待した状態と実際の状態を並べ、途中で止めた場合は止めた箇所も記録します。

試した内容を比較できる記録

確かめること方法注意
試す順番開始時の状態から結果を見るまでの手順をたどります。前に試した操作の状態が残る場合も記録します。
試した内容実際の操作と、その際に用いた条件を対応させます。予定しただけの操作を実施済みとして扱いません。
試した結果期待した状態と実際に起きた現象を並べます。最後まで試せたかどうかも区別します。
編集部作成の例

再現できても顧客に対応策を示せるとは限らない

同じ現象が起きたことと、その理由や対応策が分かったことは別です。再現した条件を次に調べる人へ渡し、顧客に伝えられる範囲を整理します。

  • 次の調査へ引き継ぐ 原因を調べる人に渡す手順・条件・結果と、引き継ぎを受け付ける基準を聞き取ります。
  • 顧客への説明を分ける 再現できた事実と、まだ調べている内容を分け、説明を確認する役割を押さえます。
  • 次の問い合わせに備える 同じ条件で問い合わせを受けたときに参照する記録と、その利用範囲を整理します。

再現後の引き継ぎと説明

区分聞くこと注意
調査の引き継ぎ渡す記録、受け取る役割、引き継ぎの成立条件を聞き取ります。再現した事実だけで原因を決めません。
顧客への説明伝える事実と、説明前に確認が必要な内容を聞き取ります。再現できたことを解消できたこととして伝えません。
同じ現象への備え参照先と、同じ記録を使える条件を聞き取ります。似た現象でも条件が違えば分けて扱います。
編集部作成の例

再現できなくても、顧客の支障がなくなったとは限らない

社内で同じ現象が起きなくても、顧客の困りごとがなくなったとは判断できません。追加で聞く条件、再び試す条件、再現できないまま回答する基準を分けます。

  • 追加で聞く条件を絞る 試せなかった操作や分からない条件を明らかにし、再現に必要な点を追加で聞き取ります。
  • 変えて試す条件を聞く 顧客の状況との差をもとに変更する条件を誰がどう決めているかを聞き、変更前後の結果を比較できる形で残します。
  • 回答する基準を押さえる 追加調査を続けるか、確認できた範囲で答えるかを決める役割と基準を整理します。

再現できない場合の進め方

区分聞くこと注意
顧客への追加確認不足している条件と、再び聞く必要性を聞き取ります。再現との関係が説明できる条件に絞ります。
条件を変えて試す変更する条件、試す順番、結果の比べ方を聞き取ります。条件の変更と結果を記録しているかを確かめます。
再現できないまま答える回答を決める基準と、調査を再開する条件を聞き取ります。試した範囲と確認できなかった点を残します。
編集部作成の例

調査結果の説明には、確認できた範囲の明示が要る

再現できたかどうかだけを伝えると、試していない条件まで確認済みと受け取られかねません。顧客への回答と社内の記録に、調べた範囲と未確認の点を残します。

  • 顧客に結果を伝える 試した条件、確認できた現象、まだ分からない点を分け、次の対応とともに伝える方法を聞き取ります。
  • 社内の記録を結ぶ 問い合わせと再現の記録を結び付け、回答がどの結果に基づくか分かるようにします。
  • 関係する部署に伝える 調査結果を受けて対応する部署と、受領後の作業を確認する役割を整理します。

結果を戻す相手と内容

確かめること方法注意
顧客への回答試した範囲、結果、次の対応を回答内容に対応させます。顧客の説明と社内で確認した事実を混ぜません。
社内の記録試した条件と結果から回答の根拠をたどれる形にします。確認できた事実と未確認の点を分けて残しているかを確かめます。
部署への連絡伝える相手、渡す内容、受領後の作業を整理します。連絡しただけで引き継ぎが済んだと扱いません。
編集部作成の例

似た問い合わせでも前の再現結果を使えるとは限らない

説明が似ていても、操作や利用環境が違えば前の調査結果をそのまま使えるとは限りません。再現条件の一致を見て、再び試すか、前の結果を使うかを判断する流れを聞き取ります。

  • 前の条件と照合する 現象の名前だけで探さず、操作の順番や利用環境を前の再現条件と照合します。
  • 再現を省く基準を聞く 前の結果を使える条件と、省略を判断する役割を整理し、違いがある場合の扱いも残します。
  • まとめる範囲を決める 共通する調査をまとめる場合も、問い合わせごとの条件と顧客への回答を区別します。

前の再現結果を使う判断

場面聞くこと注意
前の調査を探す今回と照合する再現条件を聞き取ります。現象の説明が似ているだけで同じ扱いにしません。
再現を省く前の結果を使える条件と判断者を聞き取ります。省略した理由と参照した結果を残します。
まとめて扱う共通の調査に含める条件と、分ける条件を聞き取ります。共通の結果が個別の問い合わせにも当てはまるか確認します。
編集部作成の例

記録を支援できても再現の要否には人の判断が残る

記録を残す作業と、再現を試す必要性を決める作業は分けて整理します。商談で扱う商品の説明は、確認できた機能で支援できる範囲に限ります。

  • 問い合わせ記録を結び付ける 受付内容と再現の記録を結び付ける作業について、商品で支援できる部分を確認します。
  • 条件の記録を分ける 条件・手順・結果を残す機能と、条件が十分かを判断する役割を分けます。
  • 人が決める範囲を残す 再現の要否、調査の継続、顧客への説明を決める役割は、記録の機能と別に整理します。

商品で支援する作業と人の判断

区分扱い注意
問い合わせの記録受付内容と再現記録を関連付けられるか確認します。記録できることから調査全体を支援できるとは説明しません。
再現条件の記録条件・手順・結果を対応させて残せるか確認します。記入欄が埋まっても、条件が十分とは判断しません。
再現の要否判断判断する役割と、判断の根拠を記録する方法を分けます。未確認の機能で人の判断を代わりに行えるとは説明しません。
編集部作成の例

再現調査の確認表には、確認できた内容と未確認の点の区別が要る

聞き取った内容は、問い合わせの対象から結果の伝え方まで対応させて残します。分からない点には確認先を添え、商談で確認できた内容と区別します。

  • 実際の流れを記入する 対象・役割・条件・結果後の対応を、実際の問い合わせに沿って記入します。
  • 繰り返す場合も添える 似た問い合わせで前の結果を使って再現を省く条件や、まとめて調べる範囲を、判断と手順の欄に追記します。
  • 支援範囲と未確認を残す 商品で支援できる作業と人の判断を分けて記入し、未確認の点には確認先と記録先を添えます。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入する内容確認項目記入する内容
再現する問い合わせ対象の現象と、再現が必要な理由を記します。受ける人と調べる人受付・再現・結果の判断を担う役割を記します。
調査に進む判断その場で答える範囲と、再現の判断基準を記します。顧客から聞く条件操作・直前の状態・利用環境を記します。
社内でそろえる条件用意する物と、顧客の条件との差を記します。試す手順と記録開始状態・操作の順番・条件と結果の記録方法を記します。
再現できた場合次の調査への引き継ぎと、顧客に伝える範囲を記します。再現できない場合追加確認・再試行・回答の判断基準を記します。
結果の戻し方顧客への回答、社内の記録、部署への連絡を記します。未確認の点と記録先未確認の内容、確認先、追記する記録先を記します。
編集部作成の例