校正の支援範囲を決めるには、誰が修正を判断するかの確認が要る

原稿を校正する仕事には、表記を直す作業と、執筆者に意味を確かめる作業が含まれます。両者を聞き分け、提案する商品の支援範囲を整理します。

  • 対象と分担を捉える 校正する原稿と人を特定し、見る範囲と直してよい範囲を整理します。
  • 判断の進め方を捉える 直す根拠、執筆者への確認、指摘の反映、判断が分かれる箇所の扱いを整理します。
  • 提案の範囲を決める 校正を終える判断まで確認表に残し、商品で支援できる範囲と人の判断が残る範囲を分けます。

校正の担当範囲は、原稿と仕事上の役割で分かれる

校正という仕事名だけでは、対象も担当も特定できません。原稿の種類と使い道、その原稿に関わる役割から聞き取ります。

  • 原稿を特定する 種類と使い道に加え、執筆から提出までのどの段階で校正を始め、その時点で原稿がどこまで出来ているかを聞きます。
  • 役割を区別する 書く人、校正する人、直した内容を承認する人を分け、兼ねている役割も記録します。
  • 仕事との関係を聞く 専任の仕事か、編集や広報などに付随する仕事かを聞き、担当する範囲を確かめます。

原稿と役割の聞き取り表

確かめること方法注意
対象の原稿原稿の種類、使い道、校正を始める段階を聞きます。同じ種類でも、用途によって担当が違うかを確かめます。
校正する人部署と役割、引き受ける原稿の範囲を聞きます。執筆や承認との兼務を、別の役割として記録します。
仕事の位置づけどの仕事の一部として校正を担うかを聞きます。役職名だけで、校正の担当範囲を決めつけません。
表は編集部作成の例です。以降は、ここで特定した原稿と役割を対象に聞き取ります。

校正の対象は、表記だけとは限らない

校正に含める確認は、原稿や依頼によって異なります。表記、内容の整合、体裁に分け、見る範囲と見ない範囲を聞き取ります。

  • 表記の範囲を聞く 文字の誤りや表記の違いについて、どこまで確認を求められているかを聞きます。
  • 内容の整合を聞く 原稿内の説明の食い違いまで見るかを聞き、意味の確認が必要になった際の担当も確かめます。
  • 見ない範囲を残す 体裁を含め、対象外とする範囲とその理由を記録します。別の人が見る範囲も区別します。

見る範囲の聞き取り表

区分聞くこと注意
表記文字の誤りや表記の違いを、どの範囲まで見るかを聞きます。表記を見ることと、直す権限があることを分けます。
内容の整合原稿内の説明の食い違いを、確認対象に含めるかを聞きます。食い違いに気づく人、執筆者の意図を確かめる人、最終的な記述を決める人を区別します。
体裁見出しや本文の配置、見た目の統一を含めるかを聞きます。原稿の状態によって、見られない範囲があるかを確かめます。
対象外見ない範囲と、別の役割に任せる範囲を聞きます。今回見ない範囲と、常に対象外の範囲を区別します。
表は編集部作成の例です。

校正で見る箇所を、そのまま直せるとは限らない

確認対象に含まれていても、校正する人だけで直せるとは限りません。直接直す範囲、提案する範囲、執筆者に戻す範囲を聞き分けます。

  • 直せる条件を聞く 校正する人の判断で直してよい条件と、原稿や依頼者による違いを聞きます。
  • 提案の扱いを聞く 修正案を示せても採否を決められない範囲では、誰の了承を待つかを確かめます。
  • 戻す境目を聞く 表記の修正に見えても意味が変わり得る箇所を、どの条件で執筆者に戻すかを聞きます。

直す権限の聞き取り表

区分見分け方扱い
直してよい適用する決まりと、直接直す権限が認められているかを聞きます。了承を待たずに直せる条件を記録します。
提案にとどめる修正案は示せるが、採否には了承が必要かを聞きます。提案を受け取り、採否を決める人を記録します。
執筆者に戻す意図や意味を確かめないと、修正の可否を決められないかを聞きます。執筆者への確認が必要になる条件を記録します。
表は編集部作成の例です。ここでは、修正の正しさではなく、誰が決めてよいかを聞き取ります。

過去の原稿の表記が、今回の根拠とは限らない

同じ表記が使われていても、決まりによるものか、その原稿だけの扱いかは分かりません。参照先と、今回に適用する理由を聞き取ります。

  • 社内の決まりを聞く 参照する決まりの置き場所と管理する人を聞き、今回の原稿への適用範囲を確かめます。
  • 依頼者の指定を聞く 指定を受け取る方法と対象の原稿を聞きます。社内の決まりと違う際の扱いも確認します。
  • 過去の扱いを聞く 過去の原稿を根拠として使うか、参考にとどめるかを聞き、例外だった箇所の扱いを確かめます。

根拠の出どころの聞き取り表

区分聞くこと注意
社内の決まり参照先、管理する人、適用する原稿の範囲を聞きます。現在使う決まりを、どこで判別しているかを確かめます。
依頼者の指定指定の受け取り方と、適用する箇所を聞きます。社内の決まりと異なる場合の優先関係を聞きます。
過去の原稿参照する原稿と、その扱いを今回も使う理由を聞きます。過去の例外を、共通の決まりとして扱っていないかを聞きます。
表は編集部作成の例です。

表記を直す根拠だけでは、執筆者の意図が分かるとは限らない

決まりに沿って直せる表記と、意味を確かめなければ直せない箇所は別です。執筆者への確認が生じる内容と、回答を受け取る方法を聞きます。

  • 確認内容を分ける 意図する意味が不明なのか、修正案で意味が変わらないかを確かめたいのかを聞き分けます。
  • 確認の経路を聞く 執筆者へ直接伝えるか、窓口を介するかを聞き、該当箇所と確認内容の渡し方を確かめます。
  • 回答の扱いを聞く 回答を受け取る人と記録先を聞きます。回答がない場合や、意味が定まらない場合の扱いも聞きます。

執筆者への確認の聞き取り表

確かめること方法注意
確かめる内容意図の確認と、修正案への了承を分けて聞きます。表記の決まりだけで解消できない点を特定します。
確かめる方法連絡する人、経路、該当箇所の示し方を聞きます。窓口が、執筆者に代わって回答できる範囲も聞きます。
回答の受け取り方受け取る人と、原稿の該当箇所への対応づけを聞きます。回答が届かない場合と、回答を受けても疑問が残る場合に、誰が追加で確かめるかを聞きます。
表は編集部作成の例です。

指摘を伝えただけでは、反映済みとは限らない

指摘を受け取る人と原稿を直す人が、同じとは限りません。伝える形、反映する役割、反映を確かめる役割を続けて聞き取ります。

  • 伝える形を聞く 原稿上に示すか、別の記録で渡すかを聞き、指摘と該当箇所の対応をどう伝えるかを確かめます。
  • 反映する人を聞く 原稿へ反映する人と、採用する指摘を判断する人が同じかを聞きます。
  • 反映後の確認を聞く 反映した原稿を誰が受け取り、どの指摘まで確認するかを聞き、未反映の扱いも確かめます。

指摘から反映までの聞き取り表

区分聞くこと注意
伝える形指摘の渡し方と、該当箇所の示し方を聞きます。修正の指示、提案、意味の確認をどう区別して伝えるかを聞きます。
反映する人原稿を直す人と、指摘の採否を決める人を聞きます。受け取った人が、そのまま反映するとは決めつけません。
反映の確認確認する人、確認対象の原稿、未反映の扱いを聞きます。意図して採用しない指摘と、反映漏れの区別を聞きます。
表は編集部作成の例です。

判断が分かれる箇所には、決める人の特定が要る

根拠を参照しても、適用範囲や意味の捉え方で判断が分かれることがあります。判断が止まる場面と、決める人、決定の残し方を聞きます。

  • 分かれる理由を聞く 決まりの優先関係、表記と意味の境目、修正案の採否のうち、どこで判断が分かれるかを聞きます。
  • 決める役割を聞く 校正する人だけで決められない場合に、誰へ判断を求めるかを場面ごとに聞きます。
  • 決定の残し方を聞く 決定内容と理由の記録先を聞き、今回だけの扱いか、別の原稿にも適用するかを確かめます。

判断が分かれる場面の聞き取り表

場面確かめること注意
決まりが食い違う修正案を採用するかどうかを、誰が決めるのかを聞きます。優先した理由と適用範囲を、どこに残すかを聞きます。
意味の理解が違う執筆者の回答でも解消しない場合の判断先を聞きます。意味の理解と、表記の選択のどちらが未決かを聞きます。
採否が分かれる修正案を採用するか、誰が決定するかを聞きます。採用しない理由も記録するかを確かめます。
今回だけ扱う今回に限る判断を、誰が認めるかを聞きます。共通の決まりと区別して残す方法を聞きます。
表は編集部作成の例です。

指摘を渡しても、校正が終わったとは限らない

指摘を渡す段階と、反映を確認する段階では、残っている仕事が違います。記録する内容と、校正を終えてよい状態を対応づけて聞き取ります。

  • 記録の内容を聞く 原稿、指摘、根拠、回答、採否、反映の状態を、どこまで対応づけて残すかを聞きます。
  • 終える状態を聞く 回答待ちや未反映がある場合も含め、どの状態で校正を終えてよいかを聞きます。
  • 終了を決める人を聞く 終了を判断する人と判断に使う記録を聞き、終了後に原稿が変わった際の扱いも確かめます。

記録と終了の聞き取り表

区分聞くこと注意
記録する内容指摘から採否、反映まで、残す内容と記録先を聞きます。どの状態の原稿に対する記録かを、どう判別するかを聞きます。
終えてよい状態解消が必要な事項と、残したまま終えられる事項を聞きます。未解消の事項がある場合の承認と引き継ぎを聞きます。
判断する人終了を決める人と、判断に使う記録を聞きます。終了後の変更を、再び確認対象にする条件も聞きます。
表は編集部作成の例です。

記録を商品で支援できても、修正の採否まで扱えるとは限らない

決まりや指摘を参照できることと、修正の採否を決められることは別です。聞き取った作業について、商品で支援できる部分と、人が判断する部分を確かめます。

  • 参照の支援を分ける 決まりや過去の指摘を参照する作業について、提案する商品で支援できる範囲を確認します。
  • 記録の支援を分ける 指摘、回答、反映の状態を残す作業と、記録する内容を判断する仕事を分けます。
  • 残る判断を明示する 根拠の適用、意味の確認、修正の採否、終了の判断を誰が担うか、提案にも記載します。

商品と人の役割の整理表

区分扱い注意
決まりと指摘の参照必要な参照先を扱えるか、商品の対応範囲を確認します。参照できることと、今回の原稿に適用できることを分けます。
指摘と反映の記録指摘と反映の状態を対応づけて残せるかを確認します。記録があるだけで、内容の確認まで済むとは扱いません。
直すかどうかの判断修正の採否を決める人と、必要な了承を明記します。商品で支援する部分にも、残る判断を併記します。
表は編集部作成の例です。商品の対応範囲を確認できていない作業は、支援できると断定しません。

校正の確認表には、未確認の点の明示が要る

聞き取った内容と推測が混ざると、提案の前提が曖昧になります。確認できた内容を記入し、未確認の点は確認先と記録先を残します。

  • 原稿ごとに記入する 対象の原稿と校正する役割を基準に記入し、原稿によって異なる扱いは区別します。
  • 判断の担当を残す 直接直す人、執筆者への確認を担う人、採否や終了を決める人を記入します。
  • 未確認を明示する 分からない点は推測で埋めず、確認する相手と記録先を記入して提案前に見直します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入欄確認項目記入欄
原稿と校正する人原稿・役割・仕事との関係:見る範囲と見ない範囲表記・内容の整合・体裁・対象外:
直してよい範囲直接修正・提案・執筆者へ戻す条件:根拠の出どころ参照先・適用範囲・優先関係:
執筆者に確かめる内容意味・修正の了承・確認経路・回答先:指摘の伝え方と反映伝える形・反映する人・確認する人:
判断が分かれる箇所場面・扱い・決める人・決定の記録先:記録と終える判断記録内容・終了条件・判断する人:
支援できる範囲商品の対応範囲・人に残る判断:未確認の点と記録先未確認事項・確認する相手・記録先:
表は編集部作成の例です。記入欄は、商談先から聞き取った内容で埋めます。