加工の仕事は材料名だけで分かるとは限らない

加工の相談では、材料の名前だけでは必要な作業を特定できません。加工前の状態と加工後に必要な状態を照らし合わせ、誰が何を変える仕事なのかを整理します。

  • 材料と作業する人を捉える 何の仕事に使う材料を、誰がどの状態から加工するのかを整理します。
  • 作業と判断の所在を捉える 加工後に必要な状態の根拠をたどり、手順と、加工を続けるかやり直すかを判断する条件と担当者を整理します。
  • 商品で支援する範囲を捉える 残りの材料や次の工程への渡し方まで確認し、商品の支援と人の判断を分けます。

加工の聞き取りには、材料と作業する人の特定が要る

同じ材料でも、使う仕事や作業する人によって聞き取る範囲は変わります。実際に加工する材料を起点に、作業の担当と用途を結び付けます。

  • 対象の材料を絞る 材料の呼び名に加え、加工する部分とそのまま残す部分を特定します。
  • 作業する人を分ける 相談の窓口と実際に加工する人を区別し、作業の説明を聞ける相手を明らかにします。
  • 使う仕事を押さえる 加工した物の使い道を聞き、今回の相談に含む作業の始まりと終わりを整理します。

材料と人を特定する整理表

確かめること方法注意
加工する材料現物や説明資料と呼び名を照らし合わせます。似た材料を同じ対象として扱いません。
加工する部分形を変える部分と残す部分を分けます。材料全体を加工するとは決め付けません。
作業する人実際に加工する人と担当範囲を聞きます。相談の窓口が作業するとは限りません。
使う仕事加工した物の用途と今回の作業範囲を聞きます。別の仕事での使い方を混ぜません。
表は編集部作成の例です。

加工前の状態は届いたときと同じとは限らない

材料は、届いてから保管や取り出しを経て加工に入る場合があります。受け取った状態と、作業を始める直前の状態を分けて聞き取ります。

  • 届く形を押さえる 受け取り元と届く形を聞き、今回使う材料をどのように見分けるかを整理します。
  • 保管からの動きを追う 保管場所から取り出して作業場所へ運ぶまでに、材料の状態が変わる場面を聞きます。
  • 開始前の確認を分ける 受け取り時に確かめる内容と、加工を始める前に改めて確かめる内容を区別します。

受け取りから加工前までの整理表

区分聞くこと注意
届く形誰から、どのような形やまとまりで届くかを聞きます。届いた形を加工開始時の形と決め付けません。
保管からの取出し材料の選び方と作業場所までの扱いを聞きます。使いかけの材料が混じる場合も区別します。
加工前の確認状態を確かめる人と、開始を見合わせる条件を聞きます。受け取り時の確認だけで済むとは限りません。
表は編集部作成の例です。

加工後に必要な状態には、根拠の確認が要る

加工後の状態は、図や指示、取引先の指定、商談先の決まりを根拠に決められます。今回の材料にどの指定が当てはまるかを、出どころまでたどります。

  • 前後の違いを示す 加工前から変える形や部分と、変えずに残す状態を分けて記述します。
  • 指定の出どころをたどる 必要な状態を示す資料や指示元を特定し、今回の仕事に使う内容かを確かめます。
  • 食い違いの確認先を聞く 指定同士が食い違う場合に、採用する内容を誰が決めるかを確かめて記録します。

加工後の状態と根拠の整理表

区分確かめること注意
図や指示変える部分と残す状態がどこに示されているかを確かめます。以前の仕事の指示が今回にも当てはまるかを確かめます。
取引先の指定指定した相手と、今回当てはまる内容を確かめます。口頭で変わった内容も出どころを残します。
商談先の決まり今回使う決まりと、その管理元を確かめます。取引先の指定との食い違いを放置しません。
指定の食い違いどの内容を採用するかを決める人を確かめます。営業側の解釈だけで必要な状態を決めません。
表は編集部作成の例です。

加工の作業範囲は形を変える動作に限られない

加工には、材料を扱う準備や道具の用意も含まれます。形を変える作業の前後をたどり、どこまでを今回の仕事として担うかを整理します。

  • 実際の順番をたどる 材料を作業場所に置いてから加工を終えるまでを追い、順番が変わる条件も聞きます。
  • 道具と作業を結び付ける 道具の呼び名だけで終えず、どの作業で何のために使うかを記録します。
  • 段取りの担当を分ける 準備や片付けを含め、加工する人が担う作業と別の人が担う作業を区別します。

加工に含む作業の整理表

区分聞くこと注意
手順の順番作業の流れと、順番が変わる条件を聞きます。手順の名前だけで作業内容を判断しません。
使う道具使う場面と役割、用意する人を聞きます。道具を持っているだけで加工可能と判断しません。
段取りの作業準備、作業の切り替え、片付けの担当を聞きます。形を変える動作だけを仕事の範囲にしません。
表は編集部作成の例です。

次へ進むために確かめる内容は、段階ごとに分かれる

加工が進むと、前の状態を確かめにくくなる場合があります。何を確かめたら次へ進むのかを、作業の区切りと結び付けて聞き取ります。

  • 確認する時点を聞く 加工のどの段階で状態を確かめるかを聞き、次の作業に入る前の確認を特定します。
  • 進める条件を聞く 確かめる項目と必要な状態を対応させ、合わない箇所があった場合にどの作業を止め、誰に判断を求めるかを整理します。
  • 材料と記録を結び付ける どの材料の、どの段階の結果かが分かる残し方と、作業を再開するときの参照先を聞きます。

加工途中の確認を整理する表

確かめること方法注意
確かめる時点手順の中に確認する区切りを書き入れます。加工後では分からなくなる状態を見落としません。
確かめる項目各段階で必要な状態との対応を聞きます。最後の状態だけを途中の判断に当てはめません。
次へ進む条件続行を決める人と、止める条件を聞きます。確認を終えたことと、続行できることを分けます。
記録の残し方材料、作業段階、確認結果の結び付け方を聞きます。確認結果がどの材料の記録かを識別できる方法を聞きます。
表は編集部作成の例です。

加工が合わない場合に直して使えるとは限らない

必要な状態と合わない箇所が見つかっても、その場で直せるとは限りません。直して使う、作り直す、材料を替える判断の条件と決める人を聞き取ります。

  • 合わない状態を残す どの段階で何が合わなかったかを残し、扱いが決まるまで材料をどう区別するかを聞きます。
  • 対応の分かれ目を聞く 直せる条件、作り直す条件、材料を替える条件を分け、決める人を特定します。
  • 再開前の確認を押さえる 対応後に確かめ直す内容と、どの手順から作業を再開するかの決め方を聞きます。

合わない箇所があった場合の整理表

区分見分け方扱い
直して使う直した後も必要な状態を満たせると誰が判断するかを聞きます。直す指示と、直した後に確かめる内容を残します。
作り直す今の加工物を使わず、作り直すと決める条件を聞きます。元の加工物の置き先と、再開する手順を確認します。
材料を替える加工前の材料の状態を理由に替える条件を聞きます。使わない材料を区別し、替えた材料の開始前確認を聞きます。
判断を待つその場では扱いを決められない条件を聞きます。作業を止める範囲と、判断を求める相手を明らかにします。
表は編集部作成の例です。

材料の残りは見た目だけで用途が決まるとは限らない

加工後に残った材料や端材には、再び使うものと処分するものがあります。残った状態と使える用途を分け、誰が扱いを決めるかを聞き取ります。

  • 次に使う条件を聞く 元の材料と加工後の残りを結び付け、次に使えると判断する条件を整理します。
  • 別用途への変更を分ける 今回の仕事では使わない場合も、別の用途へ回してよいかを決める人を確かめます。
  • 処分までの扱いを聞く 処分を決める人と決定までの置き方を聞き、使用する材料と区別する方法を確かめます。

残りの材料と端材の整理表

区分確かめること注意
次に使う使える状態の条件と、保管中の見分け方を確かめます。元の材料や加工の経緯が分からなくならないようにします。
別の用途使い道を変えてよい条件と、決める人を確かめます。残っているだけで自由に使えると判断しません。
処分処分を決める人と、決定後の引き渡し先を確かめます。預かった材料を処分する前に誰の確認を受けるかを聞きます。
扱いが未定判断を待つ場所と、確認を依頼する相手を確かめます。使用できる材料と区別して置く方法を聞きます。
表は編集部作成の例です。

加工の完了だけで次の工程へ渡せるとは限らない

形を変える作業が終わっても、次の工程で使える状態とは限りません。渡す先で必要な状態と、移動中もその状態を保つ扱いを聞き取ります。

  • 渡す先の用途を聞く 受け取る人と次の作業を特定し、加工した物をどの状態で渡す必要があるかを整理します。
  • 渡す条件を分ける 加工の完了と引き渡しの判断を分け、運ぶ間や置いて待つ間の扱いを聞きます。
  • 物の移動の記録を聞く 渡した物と記録の結び付け方、渡し終えたことや引き継ぐ注意点を商談先がどう記録しているかを確かめます。

次の工程への引き渡し整理表

区分聞くこと注意
渡す先受け取る人、置き先、次に行う作業を聞きます。加工を依頼した人が受け取るとは限りません。
渡すときの確認渡せる状態と、その状態を確かめる人を聞きます。加工が終わっただけで引き渡し済みにしません。
運搬と待機状態を保って運ぶ方法と、待つ間の扱いを聞きます。加工後に変わりやすい状態を見落としません。
記録への反映渡した相手と物、引き継ぐ注意点の残し方を聞きます。保留している物を渡し終えた物と混ぜません。
表は編集部作成の例です。

商品が情報を扱えても、加工の可否の判断は商談先に残る

提案する商品の確認できた機能を、聞き取った各作業と照らし合わせます。指示の参照や結果の記録と、材料を加工できるかの判断を分けて整理します。

  • 参照できる範囲を示す 必要な指示や手順を、使う場面で参照できるかを確認し、支援できる条件を記します。
  • 記録できる範囲を示す 材料と作業段階に確認結果を結び付けられるかを確かめ、手作業が残る箇所を明示します。
  • 人が決める範囲を残す 加工の可否や直し方について、商品の機能で支援できる範囲と、人が判断する範囲を機能と利用条件に基づいて確かめます。

商品と人が担う範囲の整理表

区分扱い注意
指示や手順の参照実際に参照できる内容と利用場面を確認します。参照できることと指示の正しさを分けます。
確認結果の記録材料と作業段階に対応させて残せる範囲を示します。入力できることと状態を確かめることを分けます。
加工の可否材料の状態を踏まえて誰が判断するかを確かめます。情報を表示できても加工可能とは判断しません。
直し方の判断合わない箇所への対応を誰が決め、必要な情報をどう伝えるかを確かめます。過去の記録だけで今回の直し方を決めません。
未確認の機能確認先と、説明を保留する内容を残します。確認できていない支援を約束しません。
表は編集部作成の例です。

加工の確認表には、未確認の点と記録先が要る

聞き取った内容は、材料の受け取りから次の工程への引き渡しまで対応させて残します。分からない箇所も明記すると、追加で確認する内容と相手が分かります。

  • 同じ仕事として記入する 対象の材料と用途を固定し、別の材料や別の仕事の手順を同じ確認表に混ぜません。
  • 説明の根拠を残す 説明した人と参照した資料を記し、加工後に必要な状態から手順や判断をたどれるようにします。
  • 未確認の点を明記する 空欄のままにせず、未確認の内容、確認する相手、回答を残す場所を記入します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認すること記入欄確認すること記入欄
材料と作業する人材料、加工する部分、用途、作業する人を記入します。加工前の状態と受け取り方届く形、取り出し方、開始前に確かめる内容を記入します。
必要な状態と根拠加工後に必要な状態と、指定の出どころを記入します。手順と道具作業の順番、道具の役割、段取りの担当を記入します。
途中の確認と記録確かめる時点、続行の条件、結果の残し方を記入します。うまくいかなかったときの扱い直す、作り直す、材料を替える条件と判断する人を記入します。
残りや端材の扱い次に使う条件、別用途、処分の判断と置き先を記入します。次の工程への渡し方渡す先、必要な状態、渡す際の確認と記録を記入します。
支援できる範囲商品の機能を確認できた範囲と、人の判断が残る範囲を記入します。未確認の点と記録先未確認の内容、確認する相手、根拠や回答の記録先を記入します。
表は編集部作成の例です。材料や用途が変わる場合は、今回の確認内容をそのまま当てはめず、変わる箇所を確認します。