対策を決めても、作業に反映されるとは限らない

同じ間違いの再発を防ぐには、決めた対策がどの作業にどう組み込まれたかをたどります。実行する場面から、その後の確認や引き継ぎまでを聞き取ります。

  • 対象と作業の変更を絞る 対象の間違いと決めた対策を結び、誰が作業のどこで実行するかを明らかにします。
  • 継続の確かめ方を分ける 対策の実行を確かめる方法と、形だけになったときに見直すきっかけを整理します。
  • 支援と判断の範囲を分ける 商品に任せたい作業と人が判断する内容を分け、未確認の点を確認表に残します。

対策の聞き取りには、対象の間違いの特定が要る

再発防止という言葉だけでは、何を変えたのかが曖昧になります。対象の間違い、決めた対策、作業上の狙いを対応させます。

  • 対象の間違いを絞る 作業の場面と、期待した状態から外れた内容を記します。個人を責める話には踏み込みません。
  • 決めた対策を取り出す 候補に挙がった案と、実行すると決めた対策を分けます。決定後の変更も区別します。
  • 対策の狙いを結ぶ 作業の何を変え、どの間違いを防ぐ狙いかを記します。狙いと実際の効果は分けます。

対象と対策の対応

確かめること方法注意
対象の間違い発生した作業と、期待した状態との差を記します。起こした人への評価を混ぜません。
決めた対策実行すると決めた内容と対象の作業を結びます。検討中の案を含めません。
対策の狙い対策によって変えたい作業の状態を記します。狙いだけで効果を断定しません。
表は編集部作成の例です。複数の対策がある場合も、対象の間違いとの対応を崩さずに記録します。

対策を決めた人が実行する人とは限らない

決定から実行までには、役割の受け渡しがあります。誰が決め、誰が実行し、誰が実行状況を見るかを分けて聞き取ります。

  • 決めた人を記す 対策の内容と適用する作業を決めた人を記します。実行上の相談を受ける人も確かめます。
  • 実行する人を記す 実際に対策を行う人と、実行する場面を結びます。不在時の引き継ぎ先も含めます。
  • 確認する人を記す 実行状況を見る人と、実行できなかった場合の連絡先を記します。兼務する場合も分けて残します。

役割と受け渡し

区分聞くこと注意
決めた人決定した範囲と、実行する人への伝達方法を聞きます。決定への参加と実行の担当を混同しません。
実行する人実行する作業と、不在時の引き継ぎ先を聞きます。所属だけで実行者を判断しません。
確かめる人確認する場面と、未実行を見つけた後の連絡先を聞きます。確認役を人を責める役割として扱いません。
表は編集部作成の例です。役職名だけで終えず、対策に対して担っている作業を記します。

対策の周知だけで作業が変わるとは限らない

対策を知らせたことと、作業に組み込んだことは分けて扱います。手順、確認、道具や書式のどこを変えたかをたどります。

  • 手順を足した位置を記す 追加した手順を、どの作業の後に行い、どの作業の前に終えるかを記します。何を終えたら次へ進めるかも記します。
  • 確認を足した位置を記す 確認する対象とタイミングを記します。不備が見つかった場合の作業の戻し先も含めます。
  • 道具や書式の変更を記す 変更箇所と使い始める場面を結びます。以前の道具や書式を使える状態かも確かめます。

対策を入れた箇所

区分確かめること注意
手順を足した追加した作業と、その前後の作業を確かめます。手順の追記だけで実行済みとしません。
確認を足した確認対象と、次の作業へ進める条件を確かめます。確認済みの印があっても、必要な項目を実際に確かめたかは別に確かめます。
道具等を変えた道具や書式の変更箇所と、使う場面を確かめます。以前のものが使われる場面を取りこぼしません。
表は編集部作成の例です。業務全体の手順を照合するのではなく、対策によって変えた箇所に絞ります。

再発がないだけで対策が守られたとは限らない

実行した記録、人による観察、作業の結果では、分かる内容が異なります。何を根拠に対策が守られたと判断しているかを分けます。

  • 記録が示す範囲を区切る 記録から分かる行動を特定します。記入があることと、必要な確認を行ったことを区別します。
  • 人が見る範囲を区切る 誰がどの作業を見ているかを記します。見ていない場面まで実行済みと扱わないようにします。
  • 結果からの推測を分ける 結果の異常に気づく方法を聞きます。異常がない場合も、対策の実行は別に確かめます。

確認方法ごとの範囲

方法聞くこと注意
記録で分かる記録する内容と、実行した作業との対応を聞きます。記録の有無だけで確認の中身を判断しません。
人が見る見る場面と、実行済みと判断する基準を聞きます。観察できない場面を分けて残します。
結果で気づく間違いを見つける場所と、見つけた後の連絡先を聞きます。再発がないことを実行の証拠にしません。
表は編集部作成の例です。実行状況が分からない部分は、未確認として残します。

確認を足しても、行う時間が確保できるとは限らない

対策を追加すると、ほかの作業との時間の取り合いが生じる場合があります。増えた作業と省いた作業を、同じ作業の流れで聞き取ります。

  • 増えた作業を具体化する 追加した確認、記入、連絡を記します。準備や確認待ちも、実行に必要な作業として扱います。
  • 省いた作業を区別する 対策の導入に伴って省くと決めた作業と、現場で省かれている作業を分けます。
  • 重なる作業を把握する 対策の実行と重なる作業を記します。時間が足りない場合の優先順位と相談先を確かめます。

対策による作業の増減

区分聞くこと注意
増えた確認確認に伴う準備、記入、連絡まで聞きます。確認そのものだけで負担を判断しません。
省いた手順省いた作業と、省くと決めた経緯を聞きます。決定済みの省略と実際の省略を分けます。
時間の取り合い重なる作業と、優先順位を決める役割を聞きます。実行する人の努力だけで解消すると考えません。
表は編集部作成の例です。作業時間の測定や改善案の試行ではなく、対策を実行する余地を確認します。

完了の記録だけで、必要な確認をしたとは限らない

記録や手順が残っていても、必要な確認が省かれる場合があります。作業条件が変わった場面で、対策のどの部分が残っているかをたどります。

  • 忙しい場面を切り分ける 作業が重なったときに残る確認と、省かれる確認を記します。省略時の扱いも確かめます。
  • 担当交代時の抜けを見る 担当が変わった直後の作業をたどります。実行する人が決まっていない作業や、必要な時点で行われていない確認がないかを見ます。
  • 対策の狙いの伝達を見る 対策で防ぎたい間違いが伝わっているかを確かめます。形式だけを引き継ぐ場面を区別します。

形だけになる場面

場面確かめること注意
忙しいとき省かれる確認と、省略を知らせる方法を確かめます。省略を個人の姿勢の問題と決めつけません。
担当交代時実行する役割と確認のタイミングの引き継ぎを確かめます。役割の割り当てだけで引き継ぎ済みとしません。
狙いの未伝達防ぎたい間違いと、確認内容の伝わり方を確かめます。対策の名称を知っているだけで理解済みとしません。
表は編集部作成の例です。省略が起きる条件と、その場合の扱いを記します。人の評価には置き換えません。

再発したときの扱いは、誰が何を基に判断するかで分かれる

再発後の対応では、対策の実行状況と、続けるか変えるかの判断を分けます。判断に使う記録、見直すきっかけ、判断する役割を聞き取ります。

  • 続ける場合の扱いを記す 今の対策を続ける判断を担う役割と、続けている間に実行状況を確かめる方法を記します。
  • 変えるきっかけを記す 未実行、作業の変更、負担の偏りなど、見直しを始める条件と変更を決める役割を聞きます。
  • 原因調査の窓口を分ける 別の原因を疑う場合は、調査の窓口と渡す記録を確かめます。ここでは原因の推定に進みません。

再発後の扱い

区分聞くこと注意
対策を続ける続ける判断の根拠と、実行状況の確認方法を聞きます。変更しないことを確認不要と扱いません。
対策を変える見直しを始める条件と、変更を決める役割を聞きます。新しい対策が決まるまでの扱いも残します。
別の原因を疑う調査を担う窓口と、引き渡す記録を聞きます。対策の聞き取りの中で原因を断定しません。
表は編集部作成の例です。再発の知らせが、対策を見直す役割まで届く経路も記します。

新しい担当者への伝え方は、手順書・口頭・作業中の表示に及ぶ

引き継ぎでは、対策を読む場所や聞く機会だけでなく、作業中に使える状態かを見ます。防ぎたい間違いと実行する場面が伝わる方法を確かめます。

  • 手順書の参照場面を記す 対策を残した場所と、作業中に参照するタイミングを記します。対策の狙いの記載も確かめます。
  • 口頭伝達の内容を記す 伝える役割と内容を記します。口頭でしか伝わらない実行条件や、省略時の扱いを分けます。
  • 作業中の気づきを記す 対策が必要だと気づける表示や確認箇所を確かめます。迷ったときの相談先も残します。

対策の引き継ぎ

方法確かめること注意
手順書に残す対策の記載場所と、必要な場面で参照する方法を確かめます。保管されているだけで使えると判断しません。
口頭で伝える伝える内容と、実際の作業で理解を確認する方法を確かめます。説明を聞いたことだけで実行可能としません。
作業中に気づく対策の実行を促す表示や確認箇所を確かめます。表示の意味と必要な行動が伝わるかも見ます。
表は編集部作成の例です。知識全般の更新ではなく、決めた対策を新しい担当者が実行するまでを扱います。

対策を記録できても、守られたかの判断は商談先に残る

商品の支援範囲は、聞き取った作業と確認済みの機能を対応させて整理します。記録や周知を支える機能と、実行内容を判断する役割を分けます。

  • 記録を支える範囲を分ける 残したい情報と商品の機能を対応させます。記録の内容が実際の作業と合うかの確認は別にします。
  • 周知を支える範囲を分ける 対策を届ける相手と場面を記します。通知や閲覧の確認と、内容の理解を区別します。
  • 人が判断する内容を残す 対策を守ったとする基準や、例外時の扱いを記します。判断に必要な情報と判断する役割も残します。

商品の支援と人の判断

区分扱い注意
確認の記録記入、保存、参照を支援できるか機能を確認します。記録の存在だけで実行内容を確かめたとはしません。
対策の周知必要な相手に対策を届けられるか機能を確認します。届いたことと理解したことを分けます。
実行状況の判断判断基準、例外の扱い、判断する役割を明記します。商品だけで判定できる範囲を推測しません。
表は編集部作成の例です。支援できるか未確認の作業は、提案に含める前に商品の仕様を確認します。

再発防止の確認表には、未確認の点の明記が要る

対象の間違いから引き継ぎまでを、同じ対策に結び付けて記入します。聞けた内容と未確認の点を分け、判断の根拠をたどれる記録先も残します。

  • 対象と実行を結び付ける 対象の間違いと対策を起点に、役割、作業への組み込み方、実行を確かめる方法を記入します。
  • 続かない場面を残す 作業の増減、形だけになる場面、再発時の扱いを記入します。引き継ぎで伝える内容も残します。
  • 未確認と支援範囲を残す 未確認の点に確認先と記録先を添えます。商品で支援する作業と、人が判断する内容も区別します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入欄確認項目記入欄
対象の間違い作業の場面:/期待した状態との差:決めた対策実行すると決めた内容:/狙い:
決定・実行の役割決めた人:/実行する人:/確かめる人:作業への組み込み方変えた箇所:/実行する場面:
対策の確かめ方守られているかを確かめる方法:/分かる範囲:作業の増減増えた作業:/省いた作業:/重なる作業:
形だけになる場面場面:/省かれる確認:/省略時の扱い:再発時の扱い連絡先:/見直しのきっかけ:/判断する役割:
新任者への伝え方伝える内容と方法:/作業中の参照先:未確認の点と記録先未確認の内容:/確認先:/記録先:/商品の支援範囲と人の判断:
表は編集部作成の例です。記入欄は聞き取った内容で埋めます。分からない部分を推測で補いません。