調整の聞き取りには、任された範囲の確認が要る

この資料では、顧客は商談先に調整を依頼する人や会社を、相手は商談先が顧客に代わって条件を調整する関係者を指します。顧客の希望を伝える仕事と、相手の回答を受けて条件を調整する仕事では、必要な判断が違います。その場で決められる条件と、顧客に判断を求めるために持ち帰る条件を分けて聞き取ります。

  • 任された範囲を捉える 調整する条件と関わる人を特定し、顧客から任された範囲と任されていない範囲を整理します。
  • 持ち帰る条件を捉える その場で伝える内容や決めてよい条件と、顧客に判断を求めるために持ち帰る条件の分け方を整理します。
  • 支援する作業を分ける 結果の伝達と記録の実態を踏まえ、商品で支援できる作業と人の判断が残る範囲を分けます。

連絡を取り次ぐだけで条件を調整しているとは限らない

調整を代行しているという説明だけでは、実際の作業は分かりません。扱う条件と関わる人を特定し、内容を伝えるだけか、回答に応じて条件を変えるかを聞き取ります。

  • 扱う条件を特定する 対応する内容や実施場所など、何について希望を伝え、どの条件を調整しているかを聞き取ります。
  • 調整する人を特定する 顧客の希望を受け取る人と、相手と話し合う人が同じかを確かめます。
  • 話し合う相手を特定する 誰から回答を得るのかを聞き、連絡の窓口と条件を決める人との違いを整理します。

条件と人を特定するための整理

確かめること方法注意
何を調整するか顧客の希望を伝えるだけの条件と、相手の回答に応じて変更を検討する条件を聞き分けます。調整という呼び方だけでは作業を判断しません。
誰が調整するか希望を受け取ってから相手に伝えるまでの担当を聞きます。窓口の人が条件も決めているとは限りません。
誰と調整するか回答する人と、その回答を決める人を聞き取ります。関係者全員が同じ条件を扱うとは限りません。
表は編集部作成の例です。

任された仕事でも、すべての条件を決められるとは限らない

仕事全体を任されていても、条件ごとの判断まで任されているとは限りません。任された条件、任されていない条件、まだ区別できない条件を分けて聞き取ります。

  • 任された条件を捉える 条件の名前だけでなく、顧客に確かめずにどこまで変更案を示せ、どこまで決められるのかを聞き取ります。
  • 任されていない条件を捉える 顧客が自分で決める条件や、調整の対象から外している条件を確かめます。
  • 曖昧な条件を残す 任されたか分からない条件は、確認済みの条件と分けて記録します。

任された範囲の区分

区分聞くこと注意
任された条件扱える条件と、変更してよい範囲を聞き取ります。一部の条件を任されたことから、他の条件まで広げて捉えません。
任されていない条件顧客が判断する条件と、扱わない条件を聞き取ります。扱わない理由を推測で補いません。
曖昧な条件任されたかどうかを区別できない条件を聞き取ります。説明がないことだけで、任されていないとは決めません。
表は編集部作成の例です。区分は商談先の説明に沿って記入します。

任された範囲の把握には、確認方法の聞き取りが要る

任されているという認識が、顧客の説明に基づくのか、過去の対応からの推測なのかを分けます。範囲を確かめる方法と、その後の変更が伝わる経路を聞き取ります。

  • 確認の方法を捉える 顧客の誰に、どの方法で任された範囲を確かめているかを聞き取ります。
  • 確認内容の残り方を捉える 任された条件と制限が、どのような形で残り、どこを見れば分かるかを確かめます。
  • 変更の伝わり方を捉える 範囲が変わったときに、誰へどう伝わり、以前の内容とどう区別されるかを聞き取ります。

任された範囲を確かめる方法

区分確かめること注意
顧客への確認確認する相手と方法、確認する場面を聞き取ります。普段の連絡相手に範囲も確認しているとは限りません。
記録の形顧客が示した内容と、その保管先を確かめます。顧客の説明と社内で補った解釈を区別します。
変更の伝達変更を受け取る人と、調整する人への伝わり方を聞き取ります。変更の連絡が届いたことと、内容の把握を分けます。
表は編集部作成の例です。確認方法が定まっていない場合は、その状態を記録します。

相手に伝えられる内容でも、その場で決められるとは限らない

顧客の希望を伝えられても、相手の提案にその場で応じられるとは限りません。伝達できる内容と、顧客の判断や事実の確認を待つ内容を分けて聞き取ります。

  • その場の伝達を捉える 顧客の希望や確認済みの条件のうち、その場で相手に伝えている内容を聞き取ります。
  • 持ち帰る内容を捉える 相手から回答を得た後、顧客の判断を求めて持ち帰る内容を聞き取ります。
  • 確認待ちの内容を捉える 事実が分からず伝えられない内容と、決めることを任されていない内容を分けます。

伝える内容と持ち帰る内容の区分

区分見分け方扱い
その場で伝える新たな判断を加えずに伝えられる内容かを聞き取ります。実際に伝える内容と、その根拠を記録します。
持ち帰る顧客の選択や判断が必要な内容かを聞き取ります。持ち帰ると判断する条件を記録します。
確かめて伝える事実や顧客の意向に未確認の点があるかを聞き取ります。確認する内容と確認先を記録します。
表は編集部作成の例です。扱いの欄は、営業側が聞き取り内容を整理するためのものです。

範囲を超える要望には、保留する回答と顧客への確認の区別が要る

相手の回答によって、任されていない条件の変更が必要になることがあります。範囲を超えたと気づく方法、その場の対応、顧客への確認を分けて聞き取ります。

  • 気づく方法を捉える 相手の回答を何と照らし合わせ、どの違いから範囲を超えたと判断しているかを聞き取ります。
  • その場の対応を捉える 範囲を超えたときに、どこまで伝え、何への回答を保留しているかを確かめます。
  • 顧客への確認を捉える 相手の回答と顧客に判断してもらう点を、どのように整理して伝えているかを聞き取ります。

任された範囲を超えた場面の聞き取り

場面聞くこと注意
超過に気づく比較する条件と、範囲を超えたと判断する人を聞き取ります。明示的な変更だけでなく、追加された条件の扱いも聞きます。
その場で対応する伝える内容と、回答せず持ち帰る内容を聞き取ります。望ましい対応の説明と、実際の対応を区別します。
顧客に確かめる確認先と伝える内容、返答後の扱いを聞き取ります。返答を待つ間に調整がどう扱われるかも確かめます。
表は編集部作成の例です。対応方法を勧めるのではなく、実際の作業を聞き取ります。

任された範囲内でも、その場で決めてよいとは限らない

扱ってよい条件でも、他の条件との組み合わせによって顧客への確認が必要な場合があります。調整できることと、その場で決定できることを分けて聞き取ります。

  • 決めてよい条件を捉える その場で決められる条件と、決めるために満たす必要がある前提を聞き取ります。
  • 決めない条件を捉える 調整の対象でも、顧客への確認なしでは決めてはいけない条件を確かめます。
  • 判断する人を特定する その場で決めるか持ち帰るかを誰が判断し、迷った場合は誰に確かめるかを聞き取ります。

その場で決められる条件の整理

区分確かめること注意
決めてよい条件条件ごとに、決定できる範囲と前提を聞き取ります。単独なら決められても、組み合わせで扱いが変わるかを聞きます。
決めてはいけない顧客の判断が必要になる条件を聞き取ります。相手が了承しただけで決定できるとは捉えません。
判断する人決定する人と、判断に迷った場合の確認先を聞き取ります。相手と話す人が決定する人とは限りません。
表は編集部作成の例です。条件の良し悪しではなく、誰がどこまで決めるかを整理します。

顧客への結果の連絡だけで、了承を得たとは限らない

調整結果を送ったこと、顧客が内容を確認したこと、了承したことは別です。伝える内容と方法に加え、顧客の返答をどう把握しているかを聞き取ります。

  • 伝える内容を捉える 決まった条件、当初の希望から変わった点、まだ決まっていない点の伝え方を聞き取ります。
  • 伝える方法を捉える 顧客の誰へ、どの方法で結果を伝え、伝達した事実をどこに残すかを確かめます。
  • 了承の確かめ方を捉える どの返答をもって了承と捉え、返答がない場合や不明瞭な場合をどう扱うかを聞き取ります。

結果の伝達と顧客の返答の整理

区分聞くこと注意
伝える内容決まった点、変わった点、未決定の点をどう伝えるか聞き取ります。結果だけでなく、顧客の判断が残る点の扱いも聞きます。
伝える方法伝達先と方法、伝えた内容の記録先を聞き取ります。送信したことと、内容が確認されたことを区別します。
了承の確認了承と判断する返答と、その確認方法を聞き取ります。顧客から返答がない場合に、了承の有無をどう確かめ、調整をどう進めるかを聞きます。
表は編集部作成の例です。顧客への連絡と、顧客の返答を分けて記録します。

調整結果の記録だけでは、判断の経過が分かるとは限らない

最終的な条件だけが残っていても、任された範囲や途中の確認はたどれません。何を誰が記録し、どの場面で読み返しているかを聞き取ります。

  • 記録する内容を捉える 顧客の希望、任された範囲、相手の回答、顧客への確認と結果がどこに残るかを確かめます。
  • 記録する人を特定する 調整する人と記録する人の関係を聞き、条件が変わった場合に誰が記録を直すかを確かめます。
  • 読み返す場面を捉える 条件の再確認や顧客への説明で、どの記録をどのように参照しているかを聞き取ります。

記録の内容と使われ方の整理

区分確かめること注意
記録する内容希望から結果まで、実際に残している内容を聞き取ります。相手の発言と、調整する人の判断が区別されているかを聞きます。
記録する人記入する人と、変更を反映する人を聞き取ります。記録する想定があることと、実際に記録があることを分けます。
記録を使う場面読み返す目的と、参照する記録の場所を聞き取ります。以前の条件と現在の条件をどう見分けるかも確かめます。
表は編集部作成の例です。記録の形式を指定せず、残っている内容と使われ方を聞き取ります。

記録を支援できても、条件を決める判断まで扱えるとは限らない

記録や伝達を助ける機能があっても、顧客から任された範囲が広がるわけではありません。聞き取った作業を、商品で支援できる部分と人が判断する部分に分けます。

  • 範囲と経過を照合する 任された範囲や調整の経過を残す作業について、提案する商品の確認済みの機能と照合します。
  • 伝達の記録を照合する 伝えた内容と顧客の返答を残す作業を分け、商品で扱える内容を確かめます。
  • 人の判断を明記する その場で決めるか、顧客へ持ち帰るかの判断を、記録の作業と分けて提案に記載します。

作業と商品の支援範囲の照合

区分扱い注意
範囲と経過の記録実際に残す項目を、商品の機能と照合します。記録できることと、内容の妥当さを判断できることを分けます。
結果の伝達の記録伝達内容と返答を、それぞれ残せるか確かめます。送信の記録だけで、顧客の了承まで把握できるとは捉えません。
その場での判断決定する人と、判断に必要な情報を整理します。商品の機能と任された範囲を確かめていない場合は、条件の決定まで商品が担うとは説明しません。
表は編集部作成の例です。機能が未確認の作業は、支援できると断定せず未確認として残します。

任された範囲の記録には、確認済みと未確認の点の区別が要る

聞き取れた内容と推測を混ぜると、商品の支援範囲も曖昧になります。条件や判断の実態を記入し、分からない点は確認先とともに残します。

  • 説明に基づいて記入する 商談先から聞いた内容を記入し、任された範囲と判断する人を後から読み取れるようにします。
  • 未確認の点を明示する 曖昧な条件や聞けなかった点は、確認が必要な内容と確認先を記入します。
  • 提案の根拠を残す 商品の機能と照合できた作業、人の判断が残る作業、根拠となる記録先を記入します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入欄確認項目記入欄
調整する条件と人条件、調整する人、話し合う相手を記入します。任された範囲任された条件、任されていない条件、曖昧な条件を記入します。
範囲の確かめ方顧客への確認方法、記録の形、変更の伝わり方を記入します。伝達と持ち帰りその場で伝える内容、持ち帰る内容、確認待ちの内容を記入します。
範囲超過時の扱い気づく方法、その場の対応、顧客への確認を記入します。決めてよい条件決めてよい条件、決めてはいけない条件、判断する人を記入します。
結果の伝え方伝える内容、方法、顧客の了承の確かめ方を記入します。記録の残し方記録する内容、人、保管先、読み返す場面を記入します。
支援できる範囲商品で支援できる作業と、人の判断が残る作業を記入します。未確認点と記録先未確認の内容、確認先、聞き取りの根拠を残した場所を記入します。
表は編集部作成の例です。記入欄の説明を、実際に聞き取った内容へ置き換えて使います。