修正や差し戻しは減らすべき作業とは限らない
確認の結果として完成に必要な修正が生じることもあれば、避けたい手戻りもあります。起きた段階と判断の理由から、提案で変える範囲を考えます。
- 起きた背景を捉える どの段階で誰の判断により戻されたかを調べ、修正が必要になった背景を整理します。
- 残す確認を決める 修正の目的と相手が残したい理由を踏まえ、残す作業と変える作業を相手と決めます。
- 提案の範囲を決める 商品が関わる部分と未確認の点を整理表に残し、一律に減らす提案を避けます。
修正の意味は、起きた段階によって変わる
作成中の書き直しと、完成扱いにした後の差し戻しでは、確かめる背景が異なります。実際の案件をたどり、どの状態から戻ったかを捉えます。
- 完成の境目を聞く 提出済みと承認済みを区別し、何をもって完成と扱っていたかを聞きます。
- 戻った位置を捉える 修正を求められた時点と、やり直した作業を対応させます。
- 段階だけで決めない 完成後でも、新たな事情による修正はあります。遅く起きたことだけで不要とは判断しません。
修正が起きた段階を捉える
| 段階 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 作成中 | 何が未確定のまま作り始めたかを調べます。 | 試しながら内容を固める修正も含まれます。 |
| 確認時 | 提出内容のどこが判断基準に合わなかったかを調べます。 | 予定されていた確認かも見ます。 |
| 完成後 | 完成の判断後に何が変わったかを調べます。 | 見落としと新たな要望を分けます。 |
差し戻しを伝えた人が判断した人とは限らない
修正の連絡をした人と、差し戻しを決めた人が同じとは限りません。作成者、商談先の社内で確認する人、商談先の顧客のどこで判断が生じたかをたどります。
- 伝達と判断を分ける 連絡した人の名前だけで終えず、誰の指摘を受けて戻されたかを聞きます。
- 判断の根拠を聞く 好み、依頼条件、社内の決まりなど、何に基づく判断だったかを区別します。
- 再提出の判断も聞く 直した後に誰が完了を認めるかを聞き、差し戻した人との違いを記録します。
差し戻しの判断元を捉える
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 作成者 | 自分で直すと決めた理由を聞きます。 | 他の人の指示を受けた修正と区別します。 |
| 確認する人 | どの立場で何を根拠に戻したかを聞きます。 | 確認する人と最終承認する人は異なる場合があります。 |
| 商談先の顧客 | 商談先の顧客側で誰が修正を求めたかを聞きます。 | 窓口の連絡だけで判断元を決めません。 |
修正の扱いは、書き直した量ではなく理由で分かれる
大きな書き直しでも、内容を良くするために必要な場合があります。修正の対象と発生理由を分け、避けられた部分を見極めます。
- 変更した中身を見る 何をどう直したかを聞き、出来上がる内容に必要な変更だったかを捉えます。
- 当時の情報で考える 修正の原因となった情報が、着手時に入手できたものか、作成後に初めて決まったものかを区別します。
- 混ざった理由を分ける 同じ差し戻しに必要な修正と手戻りが混ざる場合は、指摘の内容ごとに扱いを分けます。
発生理由から修正を分ける
| 区分 | 見分け方 | 扱い |
|---|---|---|
| 内容を良くする修正 | 実物を見て初めて判断できた内容かを見ます。 | 完成に必要なら、修正する機会を残します。 |
| 情報不足の手戻り | 必要な情報が欠け、作り直したかを見ます。 | 事前に入手できた情報なら、不足した理由を調べます。 |
| 伝達違いの手戻り | 伝えた条件と理解した条件に違いがあったかを見ます。 | どの内容がどう伝わったかを調べます。 |
確認を省けるかの判断には目的の把握が必要だ
修正の理由が誤りを直すことでも、確認の目的は顧客との約束を守ることかもしれません。直した箇所だけでなく、省いた場合に困ることを聞きます。
- 守る対象を明らかにする 記載の正確さを確かめるためか、依頼条件を満たすためか、顧客への説明に使うためかなど、確認の目的を具体的にします。
- 省いた影響を考える 確認を省いた場合に見逃すことと、その影響が及ぶ相手を整理します。
- 求める立場を調べる 誰が確認を求めているかを聞き、目的が不明なら変更の判断を保留します。
確認の目的を掘り下げる
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 守る対象 | 修正前のままでは満たせない条件を聞きます。 | 品質のためという説明だけで終えません。 |
| 省いた影響 | 見逃す内容と、後で困る場面を聞きます。 | 実際に起きたことと想定を分けます。 |
| 求めている人 | 確認を求めた人と、その理由を聞きます。 | 求めた人が不明でも、不要とは決めません。 |
相手が残したい確認には、理由を聞くことになる
残したい確認には、顧客との約束や社内の決まりが関係する場合があります。今の方法を続けたいのか、確認する内容を守りたいのかを聞き分けます。
- 残したい理由を聞く 安心できるという説明に加え、何を見てから完了としたいのかを聞きます。
- 顧客との約束を見る 顧客に示した確認内容や承認条件を聞き、商談先だけで変更できる範囲を捉えます。
- 社内の決まりを見る 明文化された決まりか、慣習として続く方法かを区別し、変更を判断できる人を調べます。
相手が確認を残したい場面
| 場面 | 聞くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 完成前に見たい | 見ずに完成とすると、何が心配かを聞きます。 | 不安があることを非合理とは扱いません。 |
| 顧客と約束がある | どの内容を誰が確認すると約束したかを聞きます。 | 顧客の承認が必要な変更を独断で決めません。 |
| 社内の決まりがある | 確認の根拠と、変更を判断できる立場を聞きます。 | 慣習でも目的が残っている場合があります。 |
作業を残すか変えるかは目的と相手の合意で決まる
確認の目的を引き続き満たす必要があっても、今の確認方法をそのまま残すとは限りません。残す・やり方を変える・なくすを、目的を満たせる根拠とともに相手と決めます。
- 判断する単位を絞る 差し戻し全体ではなく、何を確認し、何を直す作業かを指定して扱いを決めます。
- 変える条件を決める やり方を変える場合は、引き続き確認する内容と、完了を認める条件を記します。
- 合意できる人と決める 確認を求める人や変更を認める人を含めて合意し、決められない部分は保留します。
相手と作業の扱いを決める
| 区分 | 決め方 | 注意 |
|---|---|---|
| 残す | 目的を満たす必要があり、今の方法を続ける理由があると合意します。 | 何を確認するために残すかを明記します。 |
| やり方を変える | 別の方法でも同じ確認内容を満たせると合意します。 | 目的を満たせる根拠がなければ保留します。 |
| なくす | 目的が不要になったか、他で満たせると確認して合意します。 | なくした後に困る人がいないかも確認します。 |
修正の回数が減っても仕事が良くなるとは限らない
修正が少なくなっても、必要な確認まで失われれば、相手の望む改善とはいえません。提案では修正回数を減らすことだけを目指さず、残す確認と変える理由を示します。
- 回数を結論にしない 多いという感覚を出発点にしても、それだけで削減対象とは決めません。
- 提案の根拠を示す どの手戻りをなぜ変えるのかを示し、完成に必要な修正との違いを説明します。
- 困る人の有無を見る 確認の機会がなくなる人や、後で誤りに対応する人への影響を調べます。
一律に減らす提案を避ける
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 修正が多い | 修正内容と発生理由を分けて見ます。 | 回数だけで無駄と決めることを避けます。 |
| まとめて減らしたい | 必要な確認を残せるか、内容ごとに検討します。 | 修正全体の削減を約束することを避けます。 |
| 確認を省きたい | 省いた場合に困る人と困る内容を調べます。 | 作る側の負担だけで判断することを避けます。 |
商品で変わると説明できる修正は、確認できた機能に限られる
商品を使っても、顧客の要望や社内の判断基準まで変わるとは限りません。変えると決めた作業のうち、どこに商品が関われるかを対応させます。
- 発生理由と対応させる 商品の機能が、手戻りの原因にどう関わるかを説明できる部分に絞ります。
- 判断基準と切り分ける 差し戻す条件や完成を認める基準は、商品を使うだけでは決まらないと明記します。
- 関係のない部分を示す 顧客側の方針変更そのものなど、商品では変えられない修正まで改善の対象に含めません。
修正への商品の関与を分ける
| 区分 | 扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 商品で変わる作業 | 確認済みの機能と、変わる修正内容を対応させます。 | 利用条件が未確認なら、変わると断定しません。 |
| 人の判断が残る作業 | 修正を求める基準と、判断する人を明記します。 | 判断を確かめる機能が未確認なら、商品が判断の妥当性まで確かめるとは説明しません。 |
| 商品と無関係の作業 | 商品による変更の対象外として記録します。 | 商品と無関係でも、相手の課題としては残します。 |
提案の飛躍を避けるには、合意と未確認を分けた記録が要る
聞いた事実と営業側の推測が混ざると、未確認の作業まで変更案に入り込みます。合意した扱いと、まだ判断できない点を区別して残します。
- 発言元を残す 誰から聞いた内容かを記し、実際に判断する人への確認が済んでいるかを分けます。
- 合意の範囲を残す 残す作業と変える作業について、誰と何を合意したかを具体的に記します。
- 未確認を見える形にする 不明な点を空欄で済ませず、確認先と、回答が得られるまで保留する判断を記します。
提案の根拠になる記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 段階と判断する人 | 修正が起きた段階、判断した人、情報の提供元を書きます。 | どこまで事実を確認できたかが分かります。 |
| 修正の目的 | 守る条件と、省いた場合の影響を書きます。 | 残す必要がある確認を説明できます。 |
| 残す作業と変える作業 | 対象の作業、扱い、合意した人と条件を書きます。 | 変更を認められた範囲が分かります。 |
| 商品の関与 | 関わる機能と、その利用条件を書きます。 | 商品で変わると説明する根拠を残せます。 |
| 未確認 | 不明な点、確認先、保留する判断を書きます。 | 推測を合意済みの内容として扱うことを防げます。 |
修正の整理表で残す理由と変更の条件が分かる
修正の対象となる作業ごとに、確認できた内容を書き込みます。判断元や目的が異なる場合は行を分け、相手と扱いを合意するために使います。
- 事実から記入する 作業、段階、判断する人を先に記入し、確認を残す必要性と、避けられた手戻りかを理由とともに整理します。
- 扱いを相手と確認する 残したい理由を踏まえて扱いを決め、判断できない部分には未合意と記します。
- 根拠の場所を記す 記録先には議事録や確認資料の保存場所を記し、後から判断の根拠をたどれるようにします。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 作業 | 修正が起きる段階 | 判断する人 | 修正の区分と理由 | 目的 | 相手が残したい理由 | 残す・変える・なくす | 商品が関わるか | 未確認の点 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 仕様の確認 | 完成前の確認時 | 顧客側の承認者 | 実物を見て判断するための必要な修正です。 | 依頼条件を満たすかを確認します。 | 完成前の承認を顧客と約束しています。 | 確認を残すと合意しました。 | 機能を未確認のため、未判断です。 | 確認方法を変えられるかを顧客に確認します。 | 案件の議事録に記録します。 |
| 記載条件の修正 | 社内確認時 | 社内の確認者 | 事前に送った条件が理解されず生じた手戻りです。 | 合意済みの条件を正しく記載します。 | 社内の確認者は、顧客に示す前の内容確認を残したい意向です。 | 条件の伝え方を変える案は未合意です。 | 機能を未確認のため、未判断です。 | 伝達方法の変更案を社内の確認者に確認します。 | 案件の議事録に記録します。 |
