書かれた手順だけでは提案の前提は決まらない

受け取った手順書には、対象や作成時期に応じた業務の姿が書かれています。実際の作業との対応を調べ、提案に使う手順と未確認の点を分けます。

  • 照合する範囲を決める 手順書の対象と作成時期から、どの業務のどこまでを照らし合わせるか決めます。
  • 違いの扱いを決める 記載と実作業の違いを経緯とともに整理し、提案への影響を判断します。
  • 提案に使う手順を決める 確認できた作業から提案の前提を選び、未確認の点とあわせて記録します。

手順書と照らし合わせる範囲は、対象と作成時期で変わる

業務名が一致していても、対象の部署や作業の範囲が同じとは限りません。作成の目的と時期を調べ、照合する範囲を区切ります。

  • 対象の境界を調べる 対象業務と利用する部署を確認し、どの作業から始まり、どこで終わる手順書か整理します。
  • 作成の目的を調べる 作成者と作成目的を確認します。引き継ぎ用か、判断時の参照用かで、記載の詳しさの受け取り方を変えます。
  • 記載の時点を調べる 作成時期と改訂の有無を確認します。受け取った時期を、内容が更新された時期とは扱いません。

手順書の対象と時期を確認する

確かめること方法注意
対象業務表題と本文から、対象部署と作業の始点・終点を拾います。業務名だけで照合範囲を決めません。
作成者と目的作成者の記載と配布先を手掛かりに、想定した用途を作成者に確かめます。作成者が現在の業務を把握しているとは限りません。
作成時期作成日と改訂履歴を確認し、時期が不明な箇所を残します。文書全体の改訂日だけで、全項目が新しいとは判断しません。
表は編集部作成の例です。記載がない項目は推測で埋めず、商談先での確認事項として残します。

手順書に書かれた作業が実作業と同じとは限らない

手順書の記載を、現在の作業の説明としてそのまま転記しないことが出発点です。作業ごとに順番と担当を照らし合わせ、対応を整理します。

  • 記載を作業ごとに分ける 手順書の見出しや記載箇所を残しながら、照合できる作業ごとに分けます。
  • 実作業を別に書く 実際に行う内容と順番、担当を別欄に記録します。文書の説明で実作業の欄を埋めません。
  • 対応の状態を分ける 一致、内容や方法の違い、順番や担当の違い、未実施を区別します。確認できていない作業は、行っていない作業に含めません。

記載された作業の対応を分ける

区分見分け方扱い
そのまま行う内容、順番、担当が記載と一致しています。一致を確認した範囲を記録します。
順番や担当が違う作業はありますが、実施の順番や担当が異なります。記載と実作業を並べて違いを残します。
行っていない記載された作業を実施していないことが確認できています。理由を確認する対象にします。
表は編集部作成の例です。実作業の有無を確認できない項目は、未確認として別に残します。

手順書にない作業も、提案に影響することになる

記載された作業だけを追うと、その前後の準備や追加の確認を見落とす場合があります。手順書のどの作業に付随するかを押さえ、実作業の欄に加えます。

  • 前後の準備を拾う 作業を始めるための準備と、終えた後の引き渡しを確認します。手順書の対象外なら、その境界も記録します。
  • 例外時の作業を拾う 通常の記載では処理できない場合に加わる作業を確認し、発生する条件と、関連する手順書の記載箇所を対応させます。
  • 追加の確認を拾う 担当者が加えている確認について、目的と結果の使い道を整理します。記載がないだけで不要とは判断しません。

記載のない作業を聞き取る型

作業聞くこと注意
前後の準備開始前に必要な準備と、終了後の引き渡し内容を聞き取ります。別の手順書が扱う作業かどうかも確認します。
例外への対応追加作業が必要になる条件と、対応後に戻る手順を聞き取ります。通常の作業に混ぜず、条件とともに残します。
追加の確認確認する対象と目的、結果によって変わる作業を聞き取ります。個人の工夫だけでなく、業務上の役割も確認します。
表は編集部作成の例です。記載がない作業と、記載された作業の方法が違う場合を分けます。

手順書どおりに行わない作業が不要とは限らない

記載どおりに行わなくても、別の方法で同じ目的を果たしている場合があります。方法を変えた作業、省いた作業、まとめた作業を分けます。

  • 代わりの方法を調べる 手順書の作業に代わって行う方法を確認します。元の目的をどこまで満たすかと、結果が変わる点を整理します。
  • 省いた後を調べる 省いた作業の目的が不要になったのか、別の作業で満たされるのかを確認します。
  • まとめた条件を調べる まとめて行う対象と実施のタイミングを確認します。個別に行う記載との対応を残します。

手順書と異なる進め方を聞き取る型

区分聞くこと注意
別の方法で行う代わりの方法と、元の作業の目的を満たす範囲を聞き取ります。方法が違うだけで、結果まで違うとは判断しません。
省いている省いた理由と、前後の作業への影響を聞き取ります。未実施という事実だけで、提案から除きません。
まとめて行うまとめる対象と条件、結果を渡すタイミングを聞き取ります。作業の有無と、実施のまとまり方を混同しません。
表は編集部作成の例です。進め方の違いを評価する前に、元の作業の目的がどう扱われているか確認します。

手順書との違いだけでは、変更の理由が分かるとは限らない

実作業との差が見つかっても、その差だけから理由は判断できません。業務の変更、記載の未更新、担当範囲の違いを手掛かりに経緯を確認します。

  • 変化の起点をたどる 現在の作業に変わったきっかけを確認し、変更前後の業務条件を記録します。
  • 記載の遅れを分ける 実作業の変更と手順書の改訂を分けて確認します。作成時期の古さだけで内容を無効とは扱いません。
  • 担当条件との関係を見る 人による違いは、担当範囲や権限、参照する記載との関係を調べます。個人の判断だと決めつけません。

違いが生じた経緯を整理する

経緯確かめること注意
業務が変わった変更のきっかけと、影響を受けた手順の範囲を確認します。手順全体が変わったとは扱いません。
手順書が古い実作業の変更後に、該当箇所を改訂したか確認します。古い記載でも、現在と一致する部分は残します。
人によって違う担当範囲や権限と、参照している記載箇所を確認します。誰が正しいかではなく、記載が想定する条件を調べます。
表は編集部作成の例です。経緯の説明を得られない場合は、差の事実と理由の未確認を分けて記録します。

手順書の使い方は、使う人と場面で変わる

毎回参照する文書と、引き継ぎや判断時だけ参照する文書では、必要な記載が異なります。使う人と場面から、実作業との対応を読み取ります。

  • 引き継ぎ時の使い方を見る 新しい担当者が読む範囲と、説明や実演で補う内容を確認します。文書だけで完結する範囲を区切ります。
  • 確認時の使い方を見る 迷ったときに参照する箇所と、その記載で判断する内容を確認します。
  • 使わない理由を調べる 参照していない理由と、現在の作業を確認する際の拠り所を調べます。使われていないだけで廃止とは扱いません。

利用場面から記載の役割を読む

場面確かめること注意
新しい担当者最初に読む範囲と、口頭説明や実演で補う内容を確認します。補足される作業を、記載済みの作業に含めません。
確認のとき参照する条件と、判断に使う記載箇所を確認します。参照する範囲が狭くても、業務上の役割が小さいとは限りません。
使われていない参照しない理由と、現在の作業を確かめる手段を確認します。文書の保管と、業務での使用を分けます。
表は編集部作成の例です。文書全体ではなく、実際に使う箇所ごとに利用場面を記録します。

改訂日の表示だけでは、全部が更新されたとは限らない

改訂日があっても、すべての作業が更新されたとは限りません。更新する人ときっかけ、変更箇所の伝わり方を調べ、各作業の記載が現在も当てはまるかを判断します。

  • 更新する人を調べる 修正を提案する人、内容を判断する人、実際に書き換える人を確認します。
  • 更新のきっかけを調べる 業務変更がどのように修正へ反映されるか確認し、変更箇所と利用者への伝達方法を記録します。
  • 未更新の範囲を調べる 更新されていない理由と、その間の変更の伝え方を確認します。該当箇所を提案の前提に使えるか判断します。

記載が更新される過程を確認する

確かめること方法注意
誰が更新するか修正の提案から内容確認、書き換えまでの役割を確認します。表紙の作成者と現在の更新者を同一とは扱いません。
更新のきっかけ業務変更と、それに対応した改訂箇所を照らし合わせます。改訂日だけで、変更内容が反映済みとは判断しません。
更新されない理由更新が止まった経緯と、変更を伝える方法を確認します。一部が未更新でも、文書全体が古いとは判断しません。
表は編集部作成の例です。受け取った手順書と、利用者が参照している手順書の内容が同じかも確認します。

提案に使える手順は対象との対応が確認できた範囲に限られる

手順書と実作業のどちらかを一括して採用する必要はありません。提案する業務の範囲に合わせて、使う手順と判断を保留する点を分けます。

  • 記載を使う根拠を残す 対象業務との対応を確認できた記載を採用します。文書に載っていることだけを採用理由にしません。
  • 実作業を使う条件を残す 実作業を採用する場合は、適用する条件と理由を記録します。現在の作業をそのまま残すかは別に判断します。
  • 未確認を前提から分ける 未確認の作業は前提に含めず、提案に影響し得る点として残します。提案の内容や実施範囲に影響する点から確認します。

提案の前提に使う手順を選ぶ

区分扱い注意
手順書の記載提案対象への適用が確認できた記載を使います。現状と異なる記載を使う場合は、採用理由を明示します。
実際の作業対象と条件を確認できた実作業を使います。現状の説明と、提案後に変える手順を分けます。
未確認確認できるまで前提への採用を保留します。仮の作業内容で埋めず、提案への影響を記録します。
表は編集部作成の例です。採用する手順と理由は、提案内容を判断する商談先の関係者と確認します。

記載と実作業を分けて記録すれば、前提の根拠が残る

照合後の結論だけを残すと、文書の記載と確認した実作業を区別できなくなります。記載箇所から採用理由まで、同じ作業を追える形で記録します。

  • 記載箇所を残す 手順書の名称と見出しなど、元の記載に戻れる情報を残します。実作業の説明で原文の意味を書き換えません。
  • 確認した根拠を残す 実作業の確認相手、確認時点、参照した記録を残します。違いの事実と経緯の説明は分けて書きます。
  • 採用理由を残す 提案に使う手順と適用条件を記録します。未確認の点には、次に確認する相手と記録先を添えます。

照合結果を記録する項目

記録項目書くこと理由
手順書の記載文書の名称、記載箇所、作業内容を書きます。元の記載を読み直せるようにします。
実際の作業作業内容、条件、確認相手と確認時点を書きます。何を根拠に実作業と判断したか分かります。
違い追加、変更、未実施の内容を書きます。記載と実作業の対応を追えます。
経緯変更のきっかけと、その説明の確認先を書きます。理由を推測して埋めることを防げます。
前提にする手順採用する手順、条件、理由と未確認点を書きます。提案が依拠する範囲を読み取れます。
表は編集部作成の例です。未確認を空欄と区別し、確認後も以前の判断理由を追えるように残します。

照合表で提案に使える手順と未確認の点が分かる

照合する業務の範囲を定め、記載と実作業を対応させて記入します。作業が複数ある場合は記入欄を繰り返し使い、異なる条件を混ぜないようにします。

  • 対象を先に記入する 対象業務と作成情報を先に書き、同じ範囲の記載と実作業を並べます。
  • 違いと背景を記入する 記載のない作業も含めて差を残し、経緯、利用場面、更新方法を対応させます。
  • 前提と保留を分ける 採用する手順には条件と理由を添えます。未確認の点には確認先を付け、記録の保存先を明示します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入欄確認項目記入欄
手順書の対象対象業務、部署、作業の始点と終点を書きます。作成時期と作成者作成時期、作成者、作成目的、改訂の有無を書きます。
書かれている作業記載箇所と、内容・順番・担当を書きます。実際の作業内容・順番・担当と、記載との違い、確認の根拠を書きます。
手順書にない作業追加の作業、発生条件、関連する記載箇所を書きます。違いの経緯変更のきっかけ、理由、その確認先を書きます。
使う人と場面利用者、参照する場面と箇所、補足する説明を書きます。更新の仕方更新者、きっかけ、伝達方法、未更新の範囲を書きます。
前提にする手順提案に採用する手順、適用条件、採用理由を書きます。未確認点と記録先未確認の点、提案への影響、確認先、記録の保存先を書きます。
表は編集部作成の例です。記入欄は記録する内容の型です。確認できない項目は未確認と記入します。