商品の提案には、見本で確かめる範囲の共有が必要だ

預かった見本で試せても、相手の使い方まで確かめられるとは限りません。何を確かめ、結果をどこまで提案に使うかを相手と決めます。

  • 確かめる内容を決める 相手の疑問と見本の由来を聞き、確認する作業・条件・人・場所を決めます。
  • 結果の範囲を分ける 分かったことと未確認のことを分け、結果を当てはめられる範囲を整理します。
  • 提案への使い方を決める 見本の扱いと返し方、結果の伝え方、提案に使う内容を決め、経緯を記録します。

見本で確かめる内容は、相手が判断したいことで決まる

使えるかという問いだけでは、何を見ればよいか決まりません。使用する場面と困っていることを聞き、今回答えを出したい問いに分けます。

  • 使う場面を聞く どの工程で、何のために使うのかを聞き、見本で再現したい作業を明らかにします。
  • 気になる点を分ける 作業ができるか、仕上がりはどうか、使用中に問題が出ないかを分けます。
  • 結果で決めたいことを聞く 結果を見て何を決めたいのかを聞き、今回扱う問いを相手と決めます。

相手の疑問を確認内容に変える

確かめたいこと聞くこと注意
商品が使えるかどの工程で何を行いたいかを聞きます。作業できることと、使い続けられることを分けます。
仕上がり仕上がりのどの部分が気になるかを聞きます。見た目だけで使い心地まで判断しません。
条件との関係実際の使い方と問題が出る場面を聞きます。見本で再現できない場面は未確認として記録します。
表は編集部作成の例です。

預かった見本が、普段の品を代表するとは限らない

確認用に選ばれた見本には、普段の品と異なる特徴がある場合があります。選んだ理由と実際の使用時との違いを聞き、見本の位置づけを記録します。

  • 選んだ理由を聞く 普段使う品なのか、問題が出た品なのか、確認のために特別に用意した品なのかを聞きます。
  • 品ごとの違いを聞く 材料や製造時期などで変わる特徴を聞き、今回の見本がどの特徴を持つかを整理します。
  • 使用時との差を残す 保管や前処理で状態が変わっていないかを聞き、不明な点も記録します。

見本が代表する品を整理する

確かめること方法注意
通常か特別か見本を選んだ理由と取り出した工程を聞きます。確認しやすい品だけを選んでいないかも聞きます。
品のばらつき普段の品で変わる特徴と見本の特徴を比べます。含まれていない特徴は未確認として残します。
使用時との違い保管状態や前処理を実際の使用時と比べます。由来が不明なら、代表する品を決めつけません。
表は編集部作成の例です。

見本確認の結果を説明するには、作業と条件の共有が必要だ

同じ見本でも、行う作業や置かれた条件によって結果は変わり得ます。実施前に作業の順序と条件を相手と決め、今回扱わないことも明らかにします。

  • 作業の順序を決める 準備から観察までの作業を書き、見本のどの部分を使うかも決めます。
  • 条件を具体的に書く 使う機器、設定、前処理、周囲の環境を記し、相手の使用時との差を示します。
  • 扱わないことを決める 再現できない使い方や、今回の作業では分からないことを相手と共有します。

実施前に作業の範囲を決める

決めること方法注意
行う作業準備・処理・観察の順序を記します。途中で作業を変えた場合は変更内容を残します。
条件機器や設定、見本の状態、環境を記します。実際に再現できる条件かを確認します。
確認しないこと今回答えを出さない問いを記します。試していない使い方まで結果を広げて説明しません。
表は編集部作成の例です。

確認する人と場所は、再現したい作業と条件で決まる

設備があるだけでは、相手の作業を再現できるとは限りません。操作する人、観察する人、結果を説明する人を決め、必要な条件を満たせる場所を選びます。

  • 自社でできるか判断する 設備と作業経験を確認し、自社で行える作業と難しい作業を分けます。
  • 立ち会いの役割を決める 操作や仕上がりなど、相手にその場で見てもらう部分を決めます。
  • 社内の別担当へ条件を渡す 依頼する作業と条件、記録する内容を渡し、変更時の連絡先も決めます。

実施する体制を選ぶ

区分すること注意
自社で行う操作する人と観察する人を決めます。自社の設備で再現できない条件を明示します。
相手が立ち会う見てもらう工程と、その場で確認する点を決めます。立ち会うだけで全工程を確認した扱いにしません。
社内の別担当に頼む作業・条件・見本の扱いを伝え、実施できるか確認します。別の場所へ見本を渡す場合は相手と事前に決めます。
表は編集部作成の例です。

見本で得た結果が、ほかの品にも当てはまるとは限らない

見本で分かったことを広げて説明すると、未確認の品にも商品を使えると受け取られるおそれがあります。見本が代表する品と実施条件を基に、結果を使える範囲を分けます。

  • 作業条件が同じでも品を分ける 作業条件が同じでも、見本に含まれない材料や状態の違いがないかを見ます。
  • 違う条件を分ける 設定や使い方が異なる場合は、結果に影響し得る違いと追加確認の必要性を整理します。
  • 見本にない品を分ける 今回預かっていない種類や状態の品は、確認済みの範囲に含めません。

確認した範囲と未確認の範囲を分ける

区分扱い注意
作業条件が同じ場合見本が代表すると確認できた品の範囲で扱います。作業条件が同じという理由だけで全品へ広げません。
条件が違う場合違う条件を示し、追加で確かめる内容を決めます。結果が変わらないとは言い切りません。
見本にない品今回の結果では未確認と記します。外観が似ているだけで同じ結果と扱いません。
表は編集部作成の例です。

見本を返すときの状態は確認で行う作業で変わる

切断や加工を伴う確認では、見本を預かった状態に戻せない場合があります。使ってよい部分と残す部分を決め、作業後に何をどの状態で返すかを共有します。

  • 使ってよい範囲を決める 確認に使う部分、手を加えず残す部分、付属品を区別します。
  • 変化する内容を伝える 加工や汚れなどの変化を事前に伝え、使い切る部分の扱いも相手と決めます。
  • 返す状態と時期を決める 残った見本と加工後の品について、返す方法と時期を追加確認の予定も含めて決めます。

作業後に残る品から返し方を決める

決めること方法注意
預かる範囲本体・付属品・確認に使う部分を記します。作業に不要な品まで使用対象に含めません。
確認による変化加工する部分と予想される変化を示します。想定外の変化が出たら、続行前に相手へ伝えます。
返す方法と時期残る品の状態と相手の使用予定から決めます。追加確認のために保管する場合も相手と決めます。
表は編集部作成の例です。

結果の説明には、分かったことと未確認の区別が必要だ

問題が見られなかったという説明だけでは、何を確かめたか伝わりません。見本と作業条件を添え、観察できたこと、分からなかったこと、条件付きの結果を分けます。

  • 観察した事実を伝える どの見本に何を行い、どのような状態を確認したかを記します。
  • 分からない理由を添える 実施していないためか、観察だけでは判断できないためかを分けて伝えます。
  • 伝える相手と形を決める 誰に何を判断してもらうかを確認し、写真・記録・現物のどれで説明するかを決めます。

結果の種類に合わせて説明を分ける

区分伝え方注意
分かったこと作業・条件・観察した状態を合わせて伝えます。観察していない原因まで断定しません。
分からなかったこと判断できない点と、その理由を伝えます。確認していないことを問題なしと表しません。
条件付きの結果結果が得られた条件を本文に添えます。条件を省き、結果だけを強調しません。
表は編集部作成の例です。

提案に使う内容は、確認結果と相手の使用条件で決まる

見本で望む結果が出ても、そのまま相手の使い方に合うとは限りません。提案に反映する内容と未確認の内容を示し、次に進める範囲を相手と決めます。

  • 提案の前提を明記する 確認できた品と条件を添えて、商品や加工方法の提案に反映します。
  • 追加確認の目的を決める 残った疑問のうち、商品を選ぶ判断に必要なものから確認内容を決めます。
  • 合わない結果も使う 望む結果と異なった点を示し、条件の見直し、別案の検討、提案の保留を相手と決めます。

結果に応じて提案の進め方を決める

場面すること注意
提案に反映する採用する商品や作業方法に、確認した条件を添えます。見本確認で扱っていない用途へ説明を広げません。
追加で確かめる判断に残る疑問と、確かめる作業を決めます。目的を決めずに同じ作業を繰り返しません。
結果が合わない相手の希望との差を整理し、次の対応を決めます。条件を変えた案は、確かめる前に使えると説明しません。
表は編集部作成の例です。

確認結果だけの記録では、判断の根拠が残らない

結果だけを残すと、見本の由来や途中で変えた条件が後から分からなくなります。予定した内容と実際に行った内容を分け、相手と決めた経緯も同じ記録先に残します。

  • 見本と結果を結び付ける 見本を識別できる情報を付け、写真や作業記録がどの見本のものか分かるようにします。
  • 変更前後を残す 作業や条件を変えた場合は、変更内容、理由、相手への確認内容を残します。
  • 提案で使った範囲を残す 結果の説明先と説明内容、提案に反映した部分、残った疑問を記します。

判断をたどれる記録を残す

記録項目書くこと理由
見本の情報見本の識別情報、由来、代表する品を記します。どの品についての結果かを追えるようにします。
作業と条件実施した作業・条件・人・場所・日時を記します。結果が得られた状況を説明できるようにします。
途中の変更変更前後の内容、理由、確認した相手を記します。当初の予定との違いを残します。
結果観察した事実と判断できなかった点を記します。事実と推測を分けて読み返せるようにします。
当てはまる範囲対象となる品や条件と、対象外を記します。未確認の品を確認済みと説明せずに済みます。
相手との確認説明した内容、相手の判断、提案への反映を記します。次の対応を決めた経緯を残します。
表は編集部作成の例です。

見本確認の記録表には、未確認のことも記載が必要だ

実施前に決めた内容を書き、実施後に結果と提案への反映を追記します。決まっていない欄は空欄にせず、未定の内容と誰に確認するかを残します。

  • 実施前に書き始める 相手の目的、見本の由来、作業条件を記入し、認識の違いがないか確認します。
  • 実施後に結果を追記する 観察した事実、予定からの変更、未確認の点を書き、写真や詳しい記録を参照できるようにします。
  • 次の対応まで残す 見本の返却と提案への反映について、相手と決めた内容を追記します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

項目記入する内容項目記入する内容
相手が確かめたいこと使用場面と、結果を見て決めたいことを書きます。見本が代表するもの見本の由来と、代表する品・含まれない品を書きます。
確認する作業行う作業と行わない作業を書きます。条件機器・設定・見本の状態・環境を書きます。
確認する人と場所操作・観察・説明を担う人と実施場所を書きます。結果観察した事実、未確認の点、実施日時を書きます。
当てはめられる範囲結果を使える品と条件、対象外を書きます。見本の返却返す品の状態、返す方法と時期を書きます。
提案への反映相手の判断、提案に使う内容、追加確認を書きます。記録先写真・作業記録・相手との確認経緯の保存先を書きます。
記録表は編集部作成の例です。記入欄を広げて使います。