仮定への回答は提案の変更とは限らない

商談で仮の条件を示されても、その条件での提案を求められたとは限りません。質問に答えることと、提案を変えることを分けて考えます。

  • 質問の位置づけを確かめる 質問が仮定か実際の予定かを確かめ、回答の前提を相手と共有します。
  • 回答の扱いを決める 仮の条件で答えられる範囲と、答えられない場合の伝え方を決めます。
  • 提案への反映を決める 本人への確認、記録の分け方、提案に反映する条件を決めます。

質問が詳しくても実際の予定とは限らない

使い方が詳しく語られても、仮に考えただけの場合があります。内容の具体性から判断せず、本人がどの段階の話として出したかを確かめます。

  • 言い方で決めない 詳しい説明や断定的な言い方だけでは、実際の予定と判断しません。
  • 段階を分けて扱う 思いつき、検討中の案、決まった予定を分け、本人の認識を確認します。
  • 不明な状態を残す 位置づけが分からなければ未確認と記録し、実際の予定として扱いません。

質問の位置づけを確認する

検討の段階本人の説明確かめること
思いつき本人が可能性を思いついた段階と説明します。実際の検討対象に含めているかを確認します。
検討中の案本人が候補として検討中だと説明します。未決定の部分と、比較したい内容を確認します。
決まった予定本人が実施予定として決定済みだと説明します。決定した範囲と、提案への反映希望を確認します。
表は編集部作成の例です。位置づけは本人への確認で判断します。

仮の条件は何を変え何を変えないかまで共有する必要がある

仮の条件が曖昧なままでは、相手と自社が違う使い方を想定したまま回答するおそれがあります。何を仮に変え、何を現状のまま置くかを共有します。

  • 変える条件を示す 今回の質問で仮に変える条件を言葉にし、相手の想定と合っているか確認します。
  • 対象の範囲を示す 対象となる部署、利用者、業務の範囲を明らかにします。
  • 維持する前提を示す 質問で触れられていない条件まで変えず、現状のまま置く前提も共有します。

回答前に共有する仮の条件

共有すること理由注意
条件の中身何を仮に変えた話かを共通に理解できます。相手が示していない条件を勝手に追加しません。
対象の範囲回答が当てはまる対象を区別できます。対象外の部署や業務へ回答を広げません。
維持する前提変える条件と変えない条件を区別できます。実際の利用予定と一致するとは決めつけません。
表は編集部作成の例です。

仮定への回答が当てはまる範囲は条件で決まる

仮の条件で成り立つ回答が、そのまま実際の利用にも当てはまるとは限りません。できる場合もできない場合も、回答を仮の条件と結び付けて示します。

  • 条件内の結論を示す 共有した仮の条件の下で、何ができるか、何ができないかを示します。
  • 分岐する条件を示す 条件次第で結論が変わる場合は、どの条件が変わると回答も変わるかを示します。
  • 実際の予定と分ける 仮定への回答を、実際の使い方に対応できるという約束や、提案内容の確約として扱いません。

仮の条件と結論を結び付ける

回答の型示し方注意
できる共有した仮の条件の下で可能な範囲を示します。条件が違う使い方まで可能だとは言いません。
できない共有した仮の条件の下では対応できないと示します。別の条件でも対応できないとは断定しません。
条件次第結論が分かれる条件と、それぞれの扱いを示します。条件が未定のまま、できる場合の回答だけを提案に使いません。
表は編集部作成の例です。

答えられない仮定には答えられない理由を添える必要がある

仮の話でも、必要な前提がそろっていない、または自社で判断できる範囲を超えている場合は回答できません。答えられない理由を分け、その仮定を扱うために必要なことを伝えます。

  • 仮定で穴を埋めない 答えるためだけに都合のよい前提を足さず、現状では答えられないと伝えます。
  • 回答できない理由を示す 社内確認が必要なのか、前提が足りないのか、自社では判断できないのかを分けます。
  • 次に誰が何をするかを決める 自社が追加確認を進めるか、相手が前提を決めるまで保留するかを相手と決めます。

答えられない理由と次にすること

場面伝えること次にすること
社内確認が要る仮の条件への対応を、その場では判断できないと伝えます。仮の検討であることを添えて社内に確認します。
前提が足りない判断に必要な条件が未定のため答えられないと伝えます。不足する条件を特定し、設定できるか確認します。
自社の範囲外自社では判断できない事項だと伝えます。判断を担う関係者への確認が必要だと共有します。
表は編集部作成の例です。

仮定に答えただけでは提案の変更を頼まれたとは限らない

仮定に答えることと、その条件を提案に採用することは別です。回答内容を理解してもらえても、提案を変えてほしいという意思まで確認できたわけではありません。

  • 回答の役割を分ける 回答は仮の条件での説明として扱い、現在の提案とは区別します。
  • 変更の希望を確かめる その条件を実際の提案に含めたいという本人の意思を、別に確認します。
  • 変更なしを明らかにする 質問への回答だけで終える場合は、現在の提案を変更していないと共有します。

回答と提案変更を別に扱う

区別する点扱い確かめること
仮定への回答仮に置いた条件での説明として残します。今回求められているのは回答だけかを確認します。
提案を変える時実際の要望として確認した条件を反映対象にします。本人が提案への反映を希望しているかを確認します。
提案を変えない時回答を補足情報として扱い、現在の提案を維持します。提案を変更していないという認識を共有します。
表は編集部作成の例です。

仮定が要望に変わったかは本人に聞いて初めて分かれる

仮の話を進めるうちに、実際に取り入れたい使い方へ変わる場合があります。会話の詳しさから推測せず、質問した本人に現在の位置づけを確認します。

  • 現在の段階を確かめる 仮の検討が続いているのか、実際の要望として扱ってよいのかを確かめます。
  • 関係者の確認状況を分ける 本人の希望と、利用する部署や決定に関わる人が了承しているかを分けて把握します。
  • 時期の意味を確かめる 示された時期が仮の設定か実際の予定かを確認し、要望の位置づけとともに残します。

仮定から要望への変化を確認する

確かめること理由記録
検討の段階仮の検討と、実際に取り入れたい要望を区別できます。本人が説明した現在の位置づけを残します。
関係者の状況本人の希望と、関係者への確認状況を区別できます。確認済みの相手と未確認の相手を残します。
時期の位置づけ仮に置いた時期を実施予定と誤認せずに済みます。仮の設定か実際の予定かを残します。
表は編集部作成の例です。

仮定の質問が続くだけでは要望の追加とは限らない

仮定の質問は、案の比較や社内説明の準備、懸念の確認のために続くことがあります。質問で挙がった条件を提案へ足し続ける前に、今何を判断しようとしているかを確かめます。

  • 質問の目的を確かめる 質問の数や細かさではなく、検討のために何を知りたいかを本人に確認します。
  • 条件の関係を分ける 別々の案を比べているのか、同時に満たしたい条件なのかを区別します。
  • 目的に合わせて整理する 比較、説明の準備、懸念の確認のどれを進めたいかに応じて、回答の整理方法を決めます。

質問が続く背景と対応を整理する

質問の目的表れ方対応
比較中条件を入れ替えた質問が続く場合があります。比較する案を確認し、案ごとに回答を分けます。
社内説明の準備別の関係者を想定した質問が続く場合があります。説明の目的と相手を確認し、仮の条件も残します。
懸念の確認例外や制約に関する質問が続く場合があります。懸念している点を確認し、その点への回答を整理します。
表は編集部作成の例です。表れ方だけで質問の目的を決めつけません。

仮定と提案を分けて記録しなければ引き継ぎで区別が残らない

回答だけを残すと、後から読む人には実際の提案内容に見えることがあります。仮の条件、回答、提案への反映状況を分け、会話にいなかった人にも区別できる形にします。

  • 仮定の印を残す 仮の検討であることを明記し、実際の利用予定と同じ欄に混ぜません。
  • 回答と条件を対応させる どの仮の条件に対する回答かが分かるように、条件と回答を対応させて記録します。
  • 反映状況を明記する 提案への反映状況を、反映済み、未反映、本人に確認中に分けて残します。

仮定への回答を提案と分けて残す

記録項目書くこと理由
仮の条件仮定であることと、条件の中身・範囲・前提を書きます。実際の利用予定と分けて読めます。
回答対象の条件と結論を書き、答えられない事項も残します。回答がどの条件のものかをたどれます。
提案への反映反映状況と本人の確認内容、変更した箇所を書きます。現在の提案に含まれる内容が分かります。
表は編集部作成の例です。

提案への反映は本人の希望・条件・社内確認で決まる

仮の条件で回答できても、その条件を提案に含める準備ができたとは限りません。本人の希望、実際に採用する条件、社内の対応確認を反映の基準として決めます。

  • 本人の希望を確認する 実際の要望になったことに加え、その条件を提案へ含めたい意思を確認します。
  • 採用する条件を定める 仮に置いた条件のうち、実際に採用する中身と範囲を明らかにします。
  • 社内確認を終える 実際の条件で必要な社内確認を終えます。社内確認が済んでいない条件は、確認済みの条件と分けて提案に書きます。

自社で決める提案への反映条件

反映の条件確かめること注意
本人の確認実際の要望であり、提案への反映を希望しているかを確認します。回答への納得だけを反映の依頼と扱いません。
条件の確定提案に採用する条件の中身と範囲が決まっているかを確認します。比較のために出た別案まで同時に含めません。
社内の確認実際の条件で対応でき、必要な社内手続きが済んでいるかを確認します。仮定への回答だけで確認済みと扱いません。
表は編集部作成の例です。

仮定と反映の確認表で提案に含める根拠が分かる

商談の質問を、仮の条件から提案への反映まで続けて記録します。未確認の項目は空欄のままにせず、何の確認を待っているかを書きます。

  • 質問の位置づけを書く 質問の内容と、仮定・検討中・実際の予定のどれかを記入し、判断の前提を残します。
  • 回答の対象を書く 仮の条件と回答を対応させ、答えられない場合は理由も記入します。
  • 反映の根拠を書く 本人の確認内容、採用する条件、社内確認の結果、反映の判断、記録先を記入し、提案との関係を追えるようにします。

仮定の質問への回答と提案を分ける確認表

記録項目自社での記入欄記録項目自社での記入欄
質問の内容答えられない理由
仮定・検討中・予定要望に変わったかの確認
仮の条件提案への反映と社内確認
回答記録先
確認表は編集部作成の例です。該当しない項目には、その旨を記入します。