回答の対象は直前に説明した商品とは限らない
複数の商品を説明する商談では、質問に商品名が含まれないことがあります。質問が指す商品を特定してから答える手順が必要です。
- 説明中の商品を示す 商品名と資料の該当箇所を示し、切り替え時には、前の商品で説明を終えた項目と残った質問を伝えます。
- 質問の対象を特定する 質問が指す商品を確認し、共通する内容と商品ごとに違う内容を分けて答えます。
- 回答の根拠を残す 商品別の資料で裏付けを確認し、質問・回答・未確認の点を対応表に記録します。
商品名と資料の位置を示せば説明の対象が分かる
冒頭で商品名を伝えても、その後の説明すべての対象が明確になるとは限りません。説明や回答のまとまりごとに、商品名と資料の位置を示します。
- 商品名を毎回添える 機能や条件を説明するたびに、対象の商品名を添えます。回答だけが後から読まれても対象が分かる形にします。
- 資料の位置を示す 対象の商品名に加え、開いている資料のページや項目を示します。比較資料では対象の列も示します。
- 資料の表記に合わせる 商品名は資料の表記に合わせます。商談中だけの略称や、指示語だけで説明を進めることは避けます。
説明の対象を示す型
| 示すこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 商品名 | 説明や回答ごとに商品名を添えます。 | 冒頭の紹介だけで済ませません。 |
| 資料の位置 | ページ・項目・対象の列を示します。 | 画面を開くだけでは対象が伝わりません。 |
| 名称の表記 | 資料に記載された商品名を使います。 | 略称や指示語だけで説明しません。 |
商品の切り替えには説明範囲の区切りが必要だ
次の商品に移っても、前の商品への疑問が残っていることがあります。説明を終えた範囲と残った質問を明らかにしてから、次の商品名を示します。
- 前の説明を終える 前の商品について説明を終えた項目を示します。未説明の項目まで説明済みとして扱わないようにします。
- 残った質問を受ける 次の商品に移る前に、前の商品への質問を受けます。その場で答えられない内容は商品名とともに残します。
- 次の商品名を示す 次の商品名と資料の位置を示して説明を始めます。前の商品で説明した条件が次の商品にも当てはまるかも伝えます。
商品を切り替える手順
| 手順 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 説明を閉じる | 前の商品で説明を終えた項目を示します。 | 未説明の項目は分けて残します。 |
| 質問を受ける | 前の商品への質問と未回答の点を整理します。 | 保留の質問には商品名を付けます。 |
| 次へ移る | 次の商品名と資料の位置を示します。 | 前の商品の条件を黙って引き継ぎません。 |
商品名のない質問には対象の確認が必要だ
質問が出た順番だけでは、どの商品を指すか判断できません。対象の商品と、単独の商品についての質問か複数にまたがる質問かを確認します。
- 商品名の有無を見る 質問に商品名がなければ、回答前に対象を確認します。機能の呼び方だけで商品を推測しません。
- 直前の説明と分ける 前に説明した商品への質問が後から出ることもあります。直前に扱った商品だと決めつけないようにします。
- 質問の範囲を決める 対象が単独の商品か、複数の商品かを確定します。複数なら、商品別の比較か組み合わせの確認かも分けます。
回答前に対象を確定する型
| 場面 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 商品名がない | 質問が指す商品名を確認します。 | 機能名だけで対象を決めません。 |
| 前の説明に戻る | どの商品への質問か確認します。 | 発言の順番だけで対象を決めません。 |
| 複数を指す | 対象の商品と質問の範囲を確認します。 | 単独の商品への回答で済ませません。 |
共通と言える範囲は、各商品の確認結果で分かれる
同じ内容に見えても、適用される条件や範囲が違うことがあります。対象のすべての商品で一致を確認できた内容だけを、共通として説明します。
- 共通の条件を示す 提供条件が一致する項目には、その条件が当てはまる商品名と適用範囲を添えます。条件付きで共通なら、その条件も示します。
- 機能は商品別に示す 商品ごとの機能と利用条件を分けて示します。機能名が同じでも、できることまで同じとは扱いません。
- 一部の商品だけの内容を示す 一部の商品だけに含まれる内容には商品名を添えます。ほかの商品で提供されないかは、確認結果に基づいて示します。
共通する内容を分ける型
| 区分 | 説明の仕方 | 注意 |
|---|---|---|
| 共通の提供条件 | 対象の商品名と共通する範囲を示します。 | 条件の一部だけの一致を全体に広げません。 |
| 商品ごとの機能 | 商品名ごとに機能と利用条件を示します。 | 同じ機能名でも内容を確認します。 |
| 一部の商品だけの内容 | 含まれる商品と含まれない商品を示します。 | 未確認を提供なしとして扱いません。 |
ある商品の説明は別の商品にも当てはまるとは限らない
提供会社や機能名が同じでも、商品の条件まで同じとは限りません。確認済みの説明を別の商品に使う前に、その商品の根拠を確認します。
- 会社と条件を分ける 同じ会社の商品でも、提供範囲や利用条件は商品別に確認します。会社が同じことを回答の根拠にしません。
- 似た機能の差を見る 似た機能は、できる操作・対象・制限を比べます。名称や見た目の近さだけで同じ説明を使わないようにします。
- 未確認は保留する 裏付けがない商品については言い切りません。回答できる商品と、確認が必要な商品を分けます。
別の商品への当てはめを防ぐ型
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 同じ会社の商品 | 対象商品の提供条件を確認します。 | 会社が同じという理由で条件を流用しません。 |
| 機能が似ている | 操作・対象・制限の違いを確認します。 | 機能名の近さだけで同じと判断しません。 |
| 裏付けがない | 未確認の項目を示して回答を保留します。 | 別の商品での確認結果を代用しません。 |
質問の前提と商品の説明にずれがあれば確認が必要だ
別の商品の機能が質問に含まれる場合は、対象の認識がずれている可能性があります。混同と決めつけず、商品名と質問の前提を確認します。
- 機能の前提を見る 説明中の商品に含まれない機能が前提になっていたら、回答をいったん止めます。対象商品と機能を確認します。
- 名前と内容を照合する 商品名と質問の内容が合わない場合は、どの商品の何について知りたいのかを聞き直します。名前だけを訂正して進めません。
- 同じ答えを求める前提を見る 複数の商品に同じ答えを求められたら、相手が共通すると考えている前提を確認します。確認済みの違いを商品別に示します。
混同が疑われる場面への対応
| 合図 | 対応 | 注意 |
|---|---|---|
| 別商品の機能 | 対象商品と前提の機能を確認します。 | 機能がある前提のまま回答しません。 |
| 名前と内容のずれ | どの商品の何を知りたいのかを聞き直します。 | 単なる言い間違いと決めつけません。 |
| 同じ答えへの期待 | 相手が共通と考えている条件を確認します。 | 同じ回答になると先に約束しません。 |
回答できる範囲は、対象商品の資料と提供元への確認で分かれる
似た商品の資料では、対象商品の回答を裏付けられません。商品名・仕様・提供範囲に加え、商談の条件に適用される資料の版を確認します。
- 対象商品の仕様を見る 資料の商品名と、質問に対応する仕様の項目を確認します。回答を裏付けるページや項目名も控えます。
- 提供範囲を確認する 機能の記載だけでなく、標準で含む範囲や追加条件を確認します。条件が違う場合は回答にも添えます。
- 適用される版を見る 資料の版と適用時期を確認します。資料同士に食い違いがある場合は、回答を保留して提供元に確認します。
商品別に根拠を確認する型
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 商品ごとの仕様 | 商品名と該当する仕様の項目を照合します。 | 似た商品の資料で代用しません。 |
| 提供範囲 | 含まれる内容と追加条件を読み分けます。 | 機能の記載だけで利用可能と断定しません。 |
| 資料の版 | 版・更新日・適用時期を確認します。 | 新しい版が商談条件に適用されるかも確認します。 |
組み合わせの可否は、商品別の回答とは別の確認が要る
複数の商品にまたがる質問でも、商品別の条件と組み合わせの条件は別です。比較・併用・選択のどの相談かを分けてから答えます。
- 比較は商品別に答える 共通の確認項目について、商品名ごとに答えます。回答の違いが利用条件による場合は、その条件も示します。
- 併用は追加で確認する 各商品でできることに加え、組み合わせた場合の制限を確認します。単独で使えることから併用可能と判断しません。
- 選択は条件別に答える 選択の相談では、重視する条件を確認します。その条件を満たすかどうかを商品別に示し、未確認の点を残します。
質問の種類に応じた回答の型
| 質問の種類 | 答え方 | 注意 |
|---|---|---|
| 商品間の比較 | 同じ確認項目に商品別で回答します。 | 条件が異なる場合は併記します。 |
| 組み合わせ | 単独の条件と併用時の条件を分けて答えます。 | 単独の仕様から併用可否を推測しません。 |
| 選択の相談 | 重視する条件を満たすか商品別に示します。 | 条件が不明なまま商品を決めません。 |
回答だけの記録では対象商品の曖昧さが残る
回答文だけを残すと、後から別の商品にも当てはまると読まれることがあります。質問・対象商品・回答・根拠を同じ記録で結び付けます。
- 質問と商品名を残す 質問は相手の言葉で残し、確認した商品名を別欄に記録します。対象を確認できていない場合は、その旨を記します。
- 回答を商品別に残す 複数の商品への回答は、商品ごとに分けます。伝えた条件や、混同を訂正した内容も回答と一緒に残します。
- 根拠と保留を残す 根拠の資料名・版・該当箇所を記録します。未確認の点は回答済みの内容と分け、次に伝える内容を記します。
商品別の回答記録に必要な項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 質問 | 相手の言葉を残します。 | 質問の意味を後から確認できます。 |
| 対象の商品 | 確認した商品名を記します。 | 回答をどの商品に使えるか分かります。 |
| 回答 | 伝えた内容と適用条件を記します。 | 引き継ぐ担当者が適用条件を確認できます。 |
| 根拠の資料 | 資料名・版・該当箇所を記します。 | 回答の裏付けを再確認できます。 |
商品別の対応表で回答済みと未確認の範囲が分かる
質問と商品名を対応させると、どこまで答えたかを確認できます。複数の商品にまたがる質問は商品別に行を分け、組み合わせの確認は別の行に残します。
- 質問と対象を記入する 相手の言葉と、対象を確認した結果を記します。共通か商品ごとかは、資料で確認できた範囲で記入します。
- 回答と根拠を記入する 商品ごとに回答と根拠の資料を記します。混同があった箇所には、訂正した内容と、訂正を相手に伝えて確かめた結果を残します。
- 未確認の点を引き継ぐ 未確認の点と次に伝える内容を分けて記します。記録先には保存場所を記し、商談後も同じ記録を参照します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 質問(相手の言葉) | 対象の商品 | 確認した結果 | 共通か商品ごとか | 回答 | 根拠の資料と版 | 混同があった箇所 | 未確認の点 | 次に伝えること | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 相手の言葉で記します | 確認した商品名を記します。 | 対象と質問の意図を確認した結果を記します。 | 共通する範囲、商品固有の範囲、未確認の範囲を分けて記します。 | 伝えた内容と条件を記します。 | 資料名・版・該当箇所を記します。 | 混同の内容と訂正後の確認結果を記します。 | 裏付けが取れていない点を記します。 | 追加で回答する内容を記します。 | 記録の保存場所を記します。 |
