操作の完了だけでは自力で使えたとは限らない
相手に操作してもらう商談では、完了したかだけでなく、どこで手助けが必要だったかを見ます。説明や指示を加えた箇所を残すと、自分でできた範囲を区別できます。
- 目的と範囲を決める 何を知るために、どこを操作してもらうかを具体的に書きます。
- 手助けの仕方を決める 迷ったときの対応を決め、代わりに操作せずに進める方法を書きます。
- 記録と提案を決める 自分でできた操作と手助けした操作を分け、提案に使う記録を決めます。
観察する点は相手に操作してもらう目的で決まる
操作した感触を知ってもらう場面と、業務との違いを考える場面では、見る点が変わります。操作を始める前に、今回何を知りたいかを短い文にします。
- 操作の感触を知る 説明を聞いただけの理解と、実際に触った後の理解の違いを見ます。操作の速さでは評価しません。
- 業務に当てはめる 普段の仕事を思い浮かべてもらい、操作の流れと仕事の進め方が違う箇所を見ます。
- 迷う箇所を探す 次に何をするか判断できなくなった箇所を見ます。完了させるために次の操作を先に教えません。
目的に応じた準備
| 目的 | 準備すること | 注意 |
|---|---|---|
| 操作の感触を知る | 意味を理解しやすい作業を用意します。 | 完了だけで使いやすいと判断しません。 |
| 業務に当てはめる | 普段の仕事の進め方を聞いておきます。 | 用意した作業を相手の実務と同じと扱いません。 |
| 迷う箇所を探す | 操作が止まった位置を記録できるようにします。 | 止まった理由を推測だけで決めません。 |
見る部分と触る部分は始める前に区切る必要がある
見る部分と自分で触る部分が曖昧だと、操作を引き継ぐ位置も曖昧になります。その場で相手に任せる部分を、始める前に区切ります。
- 見る部分を分ける 前提として見てもらう部分を決めます。見ただけの操作を、相手ができた操作には含めません。
- 触る部分を区切る どの状態から始め、何ができたら区切るかを決めます。操作中に課題を追加しません。
- 触らない部分を示す 今回は操作しない部分と理由を伝えます。相手がその部分について尋ねたら、質問として記録します。
操作の役割分担
| 範囲 | 決め方 | 伝え方の方針 |
|---|---|---|
| 見てもらう操作 | 触る前に知っておく必要がある部分を選びます。 | ここは見てもらう部分だと伝えます。 |
| 触ってもらう操作 | 今回の目的に沿って、始点と終点を決めます。 | 行ってほしい作業と終了の状態を伝えます。 |
| 今回は触らない操作 | 目的から外れる部分や影響の大きい操作を除きます。 | 操作しない理由と、質問できることを伝えます。 |
手助けの段階を決めておくと迷った箇所が残る
迷うたびに操作する位置を教えると、何が分からなかったかが見えにくくなります。考えている状態と助けが必要な状態を見分け、手助けを加えます。
- 考えている間は待つ 自分で探している間は待ちます。相手が困っていると伝えたり、助けを求めたりしたら対応します。
- 言葉で意味を補う 分からない用語や作業の目的を説明します。説明した内容と、その後の操作を残します。
- 必要なら位置を指す 言葉だけでは進めない場合は、操作する位置を指します。指示を受けた操作として記録します。
手助けの段階
| 手助けの段階 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 待つ | 何を探しているかを見ながら待ちます。 | 迷った瞬間に答えを教えません。 |
| 言葉で示す | 判断に必要な意味や目的を説明します。 | 説明の中に操作手順を詰め込みません。 |
| 画面を指す | 選ぶ位置を指し、操作は相手に任せます。 | 位置を指した後、そのまま代わりに操作しません。 |
代わりに操作した結果では相手の理解が分かるとは限らない
途中から代わりに操作すると、その先を相手が判断できたかは分かりません。進行が難しいときは、操作を引き取らず、意味を説明して続けてもらうか、その場で区切るかを相手と決めます。
- 時間が押しても代わらない 残りの操作を減らすか、その場で区切ります。未実施の部分は、できなかった部分と分けます。
- 依頼の理由を聞く 代わってほしいと言われたら、困っている点を聞きます。説明して続けるか、その場で区切るかを相手と決めます。
- 相手の作業に影響が出る前に止める 相手の情報を変えてしまうなど影響が出そうな操作の前では、先へ進めず操作を止めます。無理に続けさせることも、操作を奪うこともしません。
代わらずに対応する方法
| 場面 | すること | 理由 |
|---|---|---|
| 時間が押した | 残りを省き、未実施として記録します。 | 進行の都合と操作の難しさを区別できます。 |
| 代行を頼まれた | 理由を聞き、説明して続けるか区切るかを相談します。 | 困りごとを把握し、操作を続ける意思を尊重できます。 |
| 失敗しそう | 影響が出る操作の前で止め、状況を説明します。 | 問題を防ぎながら、迷った位置を残せます。 |
同じ操作の完了でも手助けの有無で意味が違う
操作を完了しても、自分で判断した場合と、指示どおりに進めた場合では記録を分けます。作業全体をまとめず、手助けが入った箇所ごとに見ます。
- 自分で選べた箇所を見る 操作方法を教えずに進めた箇所を残します。その範囲を超えて、自力で使えると判断しません。
- 説明後の判断を見る 意味を説明した後、自分で次の操作を選べたかを見ます。補った説明も一緒に残します。
- 指示による完了を分ける 位置や順序を示して進んだ操作は区別します。指示がなくてもできるとは扱いません。
手助け別の記録
| 操作の種類 | 見ること | 記録 |
|---|---|---|
| 自分で行った | 次の操作を自分で選べたかを見ます。 | 説明なしで進めた箇所を書きます。 |
| 言葉の説明で行った | 説明を聞いた後、自分で次の操作を選べたかを見ます。 | 説明した内容と、その後の動きを書きます。 |
| 指示で行った | 示した位置や順序に沿って進めたかを見ます。 | 具体的に指示した箇所を書きます。 |
操作中の質問がすべて操作方法の質問とは限らない
操作の途中には、仕事での使い方や商品の仕様に関する質問も出ます。何を知りたい質問かを整理し、操作を進めるための説明と分けて対応します。
- 操作の疑問を解く どこが分からないかを聞いてから説明します。答えが操作の手助けになった場合は記録します。
- 業務の前提を聞く どの仕事を想定した質問かを聞きます。その場の操作だけで、実務でも使えると断定しません。
- 不明な仕様は持ち帰る 確認できる仕様は答えます。不明な点は推測で埋めず、どんな業務や条件を前提にした質問かとともに持ち帰ります。
質問ごとの対応
| 質問の種類 | その場の対応 | 記録 |
|---|---|---|
| 操作の質問 | 止まった理由を聞き、必要な説明をします。 | 質問と、加えた手助けを書きます。 |
| 業務への当てはめの質問 | 想定する仕事と進め方を聞きます。 | 業務の前提と、操作との違いを書きます。 |
| 仕様の質問 | 分かる範囲で答え、不明点は持ち帰ります。 | 質問の前提となる業務や条件と、未回答の内容を書きます。 |
操作が止まる原因は相手の不慣れだけとは限らない
操作が進まない理由には、表示の分かりにくさや説明の不足、仕事の進め方の違いもあります。相手の不慣れと決める前に、止まった状況を調べます。
- 表示の意味を見直す 何を選べばよいと考えたかを聞きます。表示から期待した動きと実際の動きの違いを探します。
- 説明の不足を見直す 作業の目的や用語が伝わっていたかを見ます。説明を補って進めた場合は、その内容を残します。
- 業務との違いを聞く 普段ならどう進めるかを聞きます。商品の手順と違うだけで、理解が足りないと扱いません。
止まった理由の調べ方
| 疑うこと | 確かめること | 対応 |
|---|---|---|
| 操作の分かりにくさ | 表示から何ができると考えたかを聞きます。 | 期待した動きとの違いを記録します。 |
| 説明の不足 | 目的や用語の意味が伝わっていたかを聞きます。 | 不足を補い、説明後の操作を記録します。 |
| 業務との違い | 普段の仕事ではどう進めるかを聞きます。 | 仕事と商品の手順の違いを整理します。 |
箇所と手助けと反応を残すと見直す対象が分かる
手助けが必要だったという記録だけでは、説明を見直すべきか、商品の表示や手順を見直すべきか判断できません。止まった箇所、加えた手助け、その後の反応をまとめます。
- 止まる前後を残す 直前に行ったことと、次にしようとしたことを書きます。後から同じ状況を確認しやすくします。
- 加えた手助けを残す 説明した意味や指した位置を書きます。単に説明済みとせず、何を補ったかを残します。
- その後の反応を残す 手助け後に進めたか、別の疑問が出たかを書きます。理解したはずという推測とは分けます。
持ち帰る記録
| 持ち帰ること | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 箇所 | どの画面のどの操作を終えた後、次に何を選ぶ場面で止まったかを書きます。 | 迷いが起きた状況を特定できます。 |
| 手助けの種類 | 何の意味を説明したか、どの位置を指したかを書きます。 | 説明と具体的な指示を区別できます。 |
| 相手の反応 | 手助けの後にどこまで進み、どこで再び止まったかを書きます。 | 手助けで進めた範囲を区切って記録できます。 |
提案に書けるのは観察できた操作と確認済みの条件に限られる
商談でできた操作を、そのまま実務全体で使える根拠にはしません。できた範囲と必要だった説明を示し、提案に含める支援や未確認の点を書き分けます。
- できた条件を書く 自分でできた操作と、その場で用意した条件を書きます。普段の業務でも同じとは断定しません。
- 必要な説明を提案する 迷った操作をもとに、説明すべき内容を提案します。指示で進めた箇所を習得済みと扱いません。
- 質問への回答を分ける 回答できた質問と未回答の質問を分けます。調査が必要な内容は、確認先を決めて記録します。
記録を提案に使う方法
| 記録項目 | 提案での扱い | 注意 |
|---|---|---|
| できた操作 | 自分で進めた範囲と条件を示します。 | 触っていない操作まで評価を広げません。 |
| 迷った操作 | 必要だった説明や支援を具体的に書きます。 | 商品の変更を未確認のまま約束しません。 |
| 出た質問 | 回答内容と、確認が必要な点を書きます。 | 関心を示した質問だけで購入の意向があると判断しません。 |
準備と当日の記録を分けると手助けした箇所が残る
目的、操作してもらう範囲、手助けの段階は、商談前に書いておきます。当日は実際に起きたことを加え、終了時に持ち帰る内容と記録先を決めます。
- 準備を具体的に書く 今回知りたいこと、触ってもらう部分、迷ったときの対応を具体的に書きます。
- 当日の事実を書き分ける 自分で行った操作と説明を受けた操作を分けます。指示した箇所や途中の質問も残します。
- 持ち帰る内容を決める うまく進まなかった状況と手助け後の反応を書き、検討する内容と記録先を決めます。
相手が操作する場面の確認表
| 確認項目 | 自社の記入欄 | 確認項目 | 自社の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 操作してもらう範囲 | ||
| 手助けの段階 | 自分で行った操作 | ||
| 説明を受けた操作 | 出た質問 | ||
| 持ち帰ること | うまくいかなかった箇所 | ||
| 記録先 |
