説明の重複は、同じ内容というだけで不要とは限らない
同じ特徴を説明していても、同じ内容を重ねているだけの場合と、判断に必要な条件を再確認している場合があります。何を省き、何を残すかを、繰り返す目的から整理します。
- 重なっている箇所を見つける 資料と口頭の説明を照らし合わせ、同じ内容が続く箇所と、その理由を見つけます。
- 省く説明と残す確認を決める 新しい情報も確認の目的もない説明は省き、相手の判断に関わる条件や例外の再確認を残します。
- 反応に応じた調整を決める 相手の言い換えや質問から補う内容を選び、説明の整理表に記録します。
説明の重複は、言葉の一致ではなく中身の一致で分かれる
違う表現を使っていても、伝えている特徴が同じ場合があります。実際の説明を文字にし、何を伝えた箇所なのかを並べて見ます。
- 説明を文字にする 話した内容を、使った資料の箇所と対応させて書き出します。記憶が曖昧な部分は区別します。
- 同じ特徴の登場箇所を探す 同じ機能や条件が出てくる箇所に印を付け、説明の前後も読みます。
- 言い換えの中身を比べる 表現を変えた箇所に、新しい条件や判断材料が加わっているかを見ます。
重なりを探す着眼点
| 場面 | 起きていること | 注意 |
|---|---|---|
| 特徴の紹介 | 同じ特徴を別の表現で説明しています。 | 言葉ではなく説明の中身を比べます。 |
| 資料の併用 | 別の資料でも同じ機能を紹介しています。 | 追加された条件があるかを見ます。 |
| 説明のまとめ | 説明済みの内容を再び取り上げています。 | 判断のための再確認かを区別します。 |
重複への対応は、繰り返しが起きる理由で分かれる
同じ内容が続く理由は、伝わったかどうかの不安だけではありません。資料の構成と説明の順番も調べ、理由ごとに対応を選びます。
- 不安による追加を見分ける 相手の理解を確かめないまま、心配になって同じ説明を加えた箇所を探します。
- 資料の構成による重なりを見分ける 資料を進めるたびに同じ特徴が登場するなら、どこを主な説明箇所にするか決めます。
- 順番の未整理を見分ける 説明済みの項目へ戻っているなら、項目ごとの説明位置を決めます。
理由ごとの対応
| 理由 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 伝達への不安 | 相手の反応を確かめずに説明を追加しています。 | 相手の理解を確かめていない点に絞って確認します。 |
| 資料の重なり | 資料の構成に沿うと同じ内容が続きます。 | 主に説明する箇所を決め、他は該当箇所を示すだけにします。 |
| 順番の未整理 | 同じ項目の説明位置が定まっていません。 | 各項目を説明する位置を決めます。 |
口頭で補う内容は、資料だけで判断できない点に限られる
資料と同じ内容を口頭でも説明する箇所は、追加する情報があるかを見ます。資料で示す部分と、相手の状況に合わせて補う部分を分けます。
- 資料で示す部分を決める 資料に明記された特徴や条件は、口頭で繰り返さず、該当箇所を示します。
- 口頭の追加内容を決める 相手の利用場面に当てはまる条件や、資料では区別しにくい点を補います。
- 読み上げ部分を見直す 資料と同じ内容をなぞるだけの箇所は省く候補にします。重要な条件の再確認は別に残します。
資料と口頭の分担
| 区分 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 資料で示す | 記載された特徴や条件の場所を示します。 | 示しただけで理解済みとは判断しません。 |
| 口頭で補う | 相手の状況に当てはめた説明を加えます。 | 資料にない条件を推測で加えません。 |
| 重なりを省く | 追加情報のない読み上げは省く候補にします。 | 判断に関わる再確認は残します。 |
残す繰り返しは、相手の判断に関わる条件に限られる
意図して繰り返す箇所は、説明の整理時に決めておきます。判断に関わる条件や誤解されやすい点を選び、最後のまとめにも反映します。
- 判断に関わる条件を選ぶ 利用できる範囲や必要な前提など、判断が変わる条件を再確認の対象にします。
- 誤解されやすい点を選ぶ できることと対象外のことを混同しやすい箇所は、その違いを再確認します。
- まとめに残す内容を選ぶ 最後は特徴をすべて並べ直さず、判断に関わる条件と未確認の点を取り上げます。
意図して残す箇所
| 繰り返す箇所 | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 判断の条件 | 特徴と、その特徴が成立する条件を示します。 | 利点だけを再度取り上げません。 |
| 誤解しやすい点 | 対象となる範囲と対象外を区別します。 | 表現だけを変えて説明を重ねません。 |
| 最後のまとめ | 判断の条件と未確認事項を整理します。 | 説明全体を再現しません。 |
同じ内容を言い直す場合は、目的を先に示すことになる
同じ内容でも、認識の確認と別の観点からの補足では目的が違います。言い直す前に目的を示し、その目的に必要な内容を選びます。
- 確認する対象を示す 認識の確認では、確認の目的と対象の条件を示してから、相手の認識を聞きます。
- 追加する観点を示す 別の観点から補うときは、どの観点からの補足かを示し、説明済みの内容に何を加えるかを話します。
- 言葉だけの重なりを省く 確認する対象も追加情報もない場合は、同じ説明を言い直す必要があるか見直します。
目的別の説明の型
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 認識の確認 | 確認の目的と対象を示して認識を照合します。 | 説明全体を最初から繰り返すことを避けます。 |
| 観点の追加 | 追加する観点と新しい情報を示します。 | 言い換えだけを補足として扱いません。 |
| 強調の見直し | 強調したい内容と判断との関係を示します。 | 同じ言葉を重ねるだけの強調を避けます。 |
説明済みの条件や例外は、判断前の再確認として残る
説明した事実だけでは、条件や例外まで伝わったとは判断できません。聞き返された点や相手の言い換えとのずれも、再確認の対象として残します。
- 条件と例外を残す 利用の前提や対象外となる条件は、判断前の再確認として残します。
- 聞き返された点を残す 聞き返された対象を絞り、その点と理解に必要な条件を説明し直します。
- 言い換えとのずれを照合する 相手の言い換えで条件が抜けた場合は、抜けた条件を補って認識を照合します。
省かない再確認
| 残すこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 条件や例外 | 利用の前提と対象外の範囲を再確認します。 | 説明済みという理由だけで省きません。 |
| 聞き返された点 | 質問された点に絞って説明し直します。 | 無関係な特徴まで説明し直しません。 |
| 認識のずれ | 一致する点と異なる点を分けて示します。 | 条件が抜けた言い換えをそのまま認めません。 |
相手のうなずきだけでは、理解済みとは限らない
うなずきだけで、どの条件まで理解されたかは分かりません。言い換えの内容や質問の対象を手掛かりに、省く説明と補う説明を選びます。
- うなずきで決めつけない 理解が不明な場合は、判断に関わる条件への認識を確かめます。説明全体を最初から繰り返さず、条件に絞ります。
- 言い換えの内容を照合する 条件を含めて認識が一致した部分は、同じ説明を省きます。条件が抜けていれば口頭で補います。
- 質問された点を補う 質問が出たら対象を特定し、その点の理解に必要な説明を補います。
反応に応じた調整
| 反応 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| うなずき | 必要な条件への認識を確かめます。 | 理解済みとも理解不足とも決めつけません。 |
| 一致した言い換え | 認識が一致した部分の説明を省きます。 | 条件や例外も含まれるかを見ます。 |
| 条件の抜け | 抜けた条件を補って再確認します。 | 一致している部分まで説明し直しません。 |
| 質問 | 質問された点と、関係する条件の説明を補います。 | 質問の範囲を勝手に広げません。 |
資料の使い分けは、必要な条件を示せるかで分かれる
資料を切り替えると、説明済みの特徴が再び登場することがあります。資料ごとの掲載内容を比べ、主に使う資料と補足で参照する資料を決めます。
- 主に使う資料を選ぶ 同じ内容の資料から、必要な条件まで示せる資料を主に使うものとして選びます。
- 説明する資料を割り当てる 各項目をどの資料で説明するか決め、その順に資料を使います。重なる箇所は該当ページを示すだけにします。
- 使わない資料を決める 追加の判断材料がない資料は使用対象から外し、必要な補足資料を区別して残します。
複数資料の整理
| すること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 主資料を選ぶ | 同じ項目を掲載した資料の内容を比べます。 | 条件や記載内容の違いも調べます。 |
| 順番を決める | 各項目を説明する資料と位置を決めます。 | 資料ごとに説明を最初から始めません。 |
| 使用対象を絞る | 追加情報のない資料を使用対象から外します。 | 必要な条件が載る補足資料は残します。 |
説明の整理記録には、省いた理由と残した理由が必要だ
省いた箇所だけを記録すると、別の商談でも同じ判断をしてしまうおそれがあります。残した繰り返しの目的と、その判断の根拠になった反応も記録します。
- 省いた箇所と理由を残す 項目と資料の位置に加え、追加情報がなかったなど、省いた理由を書きます。
- 残した繰り返しを記録する 再確認した条件と目的を記録し、どのような場合に必要だったかを残します。
- 反応と対応を分けて残す 相手の言い換えや質問の内容と、それを根拠に省いた説明・補った説明を分けて書きます。
説明の整理記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 省いた箇所 | 項目、資料の位置、省いた理由を書きます。 | 次の商談でも省けるかを判断するためです。 |
| 残した繰り返し | 条件、確認の目的、必要になった事情を書きます。 | 残すべき再確認を識別するためです。 |
| 相手の反応 | 言い換えや質問の内容と対応を書きます。 | 調整の根拠を後から確認するためです。 |
説明の整理表で、省く箇所と残す理由が分かる
商品説明の項目ごとに、重複の理由と資料・口頭の分担を書きます。商談後は相手の反応を加え、予定していた整理と実際の対応の違いを残します。
- 重複の所在と理由を書く 説明の項目、重なる資料や箇所、その理由を対応させて記入します。
- 分担と再確認の目的を書く 資料で示す部分と口頭の補足を分け、繰り返す箇所には目的、省く箇所には理由を添えます。
- 反応と記録先を追記する 商談後に反応と実際の対応を記入し、次に説明を準備するときに参照する記録先を決めます。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 商品の説明の項目 | 重複していた箇所 | 重複の理由 | 資料で示す部分 | 口頭で補う部分 | 意図して繰り返す箇所 | 省いた箇所 | 相手の反応 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 利用条件 | 概要資料と詳細資料に同じ条件があります。 | 資料の構成が重なっています。 | 詳細資料の条件一覧を示します。 | 相手の利用場面に該当する条件を補います。 | 判断前に対象外の条件を再確認します。 | 追加情報のない概要資料での再説明を省きます。 | 言い換えで対象外の条件が抜けたため補いました。 | 商談記録の説明整理欄に残します。 |
