詳しく語られた出来事が、会社全体の課題とは限らない
具体的な体験を聞いても、同じことが他の場面で起きているとは限りません。出来事と普段の仕事の関係を整理し、提案に含める範囲を相手と決めます。
- 出来事の扱いを決める 起きた状況と話した人の関わりから、普段の業務か例外か、まだ分からないかを分けます。
- 提案する範囲を決める 同じ仕事の他の場面と照らし、提案に含める仕事と含めない仕事を相手と決めます。
- 残す内容を決める 確かめた内容と仮定した内容を分け、提案の前提と未確認の点を整理表に残します。
出来事の扱いには起きた状況の確認が必要だ
同じ作業でも、関わった人や当時の条件が違えば、出来事の扱いは変わります。起きたことと、その出来事への感想を分けて整理します。
- 仕事と出来事を結ぶ 何の仕事の、どの部分で起きたことかを整理します。話題に出た周辺の仕事まで含めないようにします。
- 当時の状況を残す 起きた時期、関わった人、その場だけの条件を残します。現在の状況と混ぜずに扱います。
- 事実と感想を分ける 行われた作業や生じた結果と、負担の大きさなどの感想を分けます。感想も発言者の評価として残します。
出来事を整理する観点
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 仕事と出来事 | 仕事名と、その中で起きたことを対応させます。 | 関連する仕事で起きたことと混ぜません。 |
| 時期と関係者 | 出来事が起きた時点の関係者を整理します。 | 現在の担当体制を当時に当てはめません。 |
| 当時の条件 | その場にあった条件を出来事に添えます。 | 条件の違いを原因と決めつけません。 |
| 事実と感想 | 確認できた行動・結果と、発言者の評価を分けます。 | 記録がない内容は、説明に基づく情報と記します。 |
説明から分かる範囲は、話した人の関わりで変わる
当事者の説明でも、出来事の全体を把握しているとは限りません。関わり方と直接知っている部分を対応させ、説明から判断できる範囲を区切ります。
- 直接関わった部分を見る 自分で行った作業と、他の人が行った作業を分けます。当事者でも、関わっていない部分は別に扱います。
- 見えた範囲を区切る 見ていた場面と、その前後の説明を分けます。目にしていない作業まで確認済みにしません。
- 伝聞の出どころを残す 後から聞いた内容は、誰から何を聞いたかを残します。直接の確認ができない部分は未確認とします。
関わり方による説明の扱い
| 区分 | 確かめること | 扱い |
|---|---|---|
| 当事者 | 自分で行った作業と判断した部分を確かめます。 | 直接関わった範囲の説明として扱います。 |
| 見ていた人 | どの場面をどこまで見ていたかを確かめます。 | 見えた行動と、推測した内容を分けます。 |
| 後から聞いた人 | 情報の出どころと、聞いた内容を確かめます。 | 伝聞と記し、確認できた範囲に絞ります。 |
条件が限られる出来事が例外とは限らない
特定の条件で起きることも、その条件が普段の仕事に含まれるなら通常の業務として検討できます。区分の根拠が足りなければ、分からないまま残します。
- 普段に含む根拠を見る 通常の仕事でも同じ出来事が起きると確認できた範囲を示します。話の具体性だけでは判断しません。
- 条件付きで扱う 特定の条件で起きる場合は、その条件を添えます。条件が普段の仕事に含まれるかも分けて記します。
- 不明を例外にしない 今回しか把握できていないことと、今回だけ起きたことは別です。他の場面が不明なら判断を保留します。
普段・条件付き・例外・不明の分け方
| 区分 | 見分け方 | 扱い |
|---|---|---|
| 普段から起きる | 通常の仕事でも起きると確認できています。 | 確認できた仕事と状況の範囲で扱います。 |
| 条件付きで起きる | 起きる条件と、その条件の位置づけが分かっています。 | 普段の条件か例外的な条件かを添えます。 |
| 今回の状況だけで起きた | 今回固有の状況に限られると確認できています。 | 今回の出来事を例外として扱います。 |
| 分からない | 他の場面や、起きる条件を確認できていません。 | 普段とも例外とも決めずに残します。 |
出来事の共通性を確かめるには、同じ仕事の他の場面が要る
出来事を広く扱うには、同じ仕事の他の場面との照合が必要です。仕事の名前だけで同じとせず、比べられる条件と異なる条件を分けます。
- 人や部署を変えて見る 他の担当者や部署が同じ仕事を行う場面と照らします。役割や扱う案件が違う部分は区別します。
- 時期を変えて見る 他の時期の同じ仕事と照らします。体制や仕事の条件が変わっていれば、違いを添えます。
- 別の流れと照らす 同じ仕事でも、受付や引き渡しの経路が違う場面を見ます。確認できた経路だけに判断を絞ります。
同じ仕事を照らす対象
| 照らす対象 | 聞くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 他の担当者や部署 | 同じ仕事で同様の出来事が起きているかを聞きます。 | 別の役割の仕事を同じものとして扱いません。 |
| 他の時期 | 他の時期にも当てはまるかを聞きます。 | 当時と現在で条件が違う場合は区別します。 |
| 同じ仕事の別経路 | 別の受付・引き渡し経路でも当てはまるかを聞きます。 | 未確認の経路まで共通すると判断しません。 |
出来事の全体が商品の提案対象とは限らない
出来事の説明には、作業、連絡、判断などの仕事が混ざることがあります。提案に含める単位を見極めるため、商品が支援する作業と、人が引き続き担う作業や判断を分けます。
- 混ざった仕事を分ける 説明に含まれる仕事を、行ったことと結果の違いで分けます。出来事のまとまりを提案の単位にしません。
- 商品の関与を区切る 商品で扱う作業を明示します。前後にある連絡や確認まで提案に含むかは、別に決めます。
- 人の判断を明示する 承認や例外の判断など、人が担う部分を分けます。商品を使うことと判断を任せることを混同しません。
出来事に含まれる仕事の分け方
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 複数の仕事が混在 | 行った作業、連絡、判断を分けて記します。 | 話の順番だけで仕事をまとめません。 |
| 商品が関わる部分 | 提案で扱う作業と、その前後を区別します。 | 対象作業の前後の連絡や確認まで、提案に含めると決めつけません。 |
| 人の判断が必要 | 判断する内容と、判断を担う側を記します。 | 判断の代行まで含むと誤解されないようにします。 |
提案の範囲には確認内容に基づく合意が必要だ
出来事が確認できても、同じ仕事全体や会社全体を提案対象にできるとは限りません。確認できた仕事や場面の範囲と相手の意向を照らし、含める仕事の境界を決めます。
- 出来事に範囲を限る 当該の出来事だけを扱うなら、対象の仕事と状況を指定します。同じ仕事の別の場面を含むかも明記します。
- 同じ仕事への広げ方 他の場面でも当てはまる内容を示します。未確認の担当者や経路は、確認済みの範囲と分けます。
- 会社全体は別に決める 会社全体を対象にするなら、含める部署と仕事を示します。その範囲を決められる相手との合意が必要です。
提案範囲を決める基準
| 範囲 | 決め方 | 注意 |
|---|---|---|
| 出来事そのもの | 当該の仕事と状況を示し、対象にする部分を決めます。 | 出来事に含まれる全作業をまとめて含めません。 |
| 同じ仕事全体 | 他の場面との共通点を示し、含める場面を決めます。 | 未確認の場面を含む場合は仮定を明示します。 |
| 会社全体の仕事 | 部署と仕事を列挙し、範囲を決められる相手と合意します。 | 話した人の経験を全社の確認結果に置き換えません。 |
話の詳しさが会社全体を表す根拠とは限らない
経緯や苦労が詳しく語られても、他の場面に当てはまるかは別の確認が必要です。提案の広さは、出来事の印象ではなく確認内容から判断します。
- 詳しさと広さを分ける 詳しい説明は、その出来事を理解する材料です。同じ仕事の他の場面まで分かったことにはしません。
- 評価を課題名にしない 強い不満や評価は、誰のどの仕事に対するものかを残します。そのまま会社全体の課題名に置き換えません。
- 提案前に根拠へ戻る 提案に含めた範囲と、確認した範囲を照らします。広く含めた部分があれば、仮定と相手の合意を示します。
印象で範囲を広げないための確認
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 説明が詳しい | 出来事の理解と、他の場面への当てはまりを分けます。 | 説明の詳しさを、普段の業務と判断する根拠にしません。 |
| 評価が強い | 評価の対象となった仕事と状況を記します。 | 発言者の評価を会社全体の評価にしません。 |
| 提案をまとめる | 対象範囲ごとに、確認内容と仮定を照合します。 | 確認前に会社全体の課題と呼びません。 |
未確認の範囲を含む提案には前提の明示が必要だ
すべての場面を確かめられないまま、提案を検討することもあります。確認できた範囲と、未確認のまま仮定して含める範囲、対象から外す範囲を分けて示します。
- 確認済みの範囲を絞る 誰の、どの仕事の、どの状況まで確かめたかを示します。隣接する仕事も確認済みだと見なさないようにします。
- 仮定を条件として書く 未確認でも提案に含める部分は、成り立つと仮定した条件を書きます。条件が違う場合に見直す範囲も示します。
- 対象から外す範囲を示す 今回は確かめず、対象から外す仕事や部署を明示します。仮定して含める範囲とは分けて記します。
確認状況と提案上の扱い
| 区分 | 扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 確かめた範囲 | 確認した仕事・状況と、その根拠を示します。 | 確認していない隣接業務まで含めません。 |
| 仮定した範囲 | 提案に含める条件と、違う場合の見直し範囲を示します。 | 仮定を実際に起きた事実として書きません。 |
| 対象から外す範囲 | 今回は確認せず対象から外す範囲を示します。 | 確認しないことを、問題がないことと同じにしません。 |
範囲を決めた根拠を残すと、提案の広がりが分かる
出来事の要約だけでは、後から読む人が会社全体の話と解釈するおそれがあります。説明の出どころ、区分の根拠、合意した対象範囲を一緒に記録します。
- 出来事と出どころを残す 起きた状況と話した人の関わりを残します。直接の説明、伝聞、記録による確認を区別します。
- 区分の根拠を残す 普段か例外か不明かだけでなく、そう扱った理由を残します。他の場面との照合結果も添えます。
- 合意と前提を残す 含める仕事、含めない仕事、仮定を記します。誰と範囲を決めたかも残し、引き継ぎ時に参照できるようにします。
後から判断を追える記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 出来事 | 仕事、起きたこと、時期、関係者、当時の条件を書きます。 | どの状況の話かを読み直せます。 |
| 話した人の関わり | 直接関わった部分、見た部分、聞いた部分を書きます。 | 説明から判断できる範囲が分かります。 |
| 普段か例外か | 区分と根拠、他の場面との共通点・相違点を書きます。 | 区分だけが独り歩きせずに済みます。 |
| 提案の範囲 | 対象、対象外、仮定、合意した相手を書きます。 | 確認範囲と提案範囲の違いを参照できます。 |
出来事の整理表で提案の範囲と未確認の点が分かる
出来事の内容から提案の対象までを同じ表に残すと、確認と判断の関係をたどれます。分からない欄は空欄にせず、未確認と記して対象への含め方を示します。
- 出来事ごとに記入する 別の出来事を同じ欄に混ぜず、仕事と状況が分かる形で記入します。説明の出どころも添えます。
- 範囲と前提を対応させる 提案に含める仕事ごとに、確認済みか仮定かを記します。対象外の仕事も残します。
- 参照先まで記入する 説明や合意の記録を参照できる場所を書きます。追加確認で判断が変わった場合は、変更理由を添えます。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 整理項目 | 記入欄 | 整理項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 出来事 | 起きたこと、時期、関係者、条件を記入します。 | 仕事 | 出来事が起きた仕事と、その中の該当部分を記入します。 |
| 話した人の関わり | 直接関わった部分、見た部分、聞いた部分を記入します。 | 普段・例外・不明 | 区分と根拠を記入し、条件付きなら条件も添えます。 |
| 他の場面との照合 | 照らした場面と、共通点・相違点を記入します。 | 含まれる仕事 | 作業、連絡、判断を分け、商品の関与と人の判断を記入します。 |
| 提案の対象範囲 | 対象と対象外の仕事、合意した相手を記入します。 | 前提として示す範囲 | 仮定して含める範囲と条件、対象から外す範囲を記入します。 |
| 未確認の点 | まだ分からない内容と、判断を保留する範囲を記入します。 | 記録先 | 説明、照合結果、合意内容を参照できる場所を記入します。 |
