仕組みを説明する範囲は、相手が判断したいことによって変わる
機能を説明できても、その機能が成り立つ理由まで答えられるとは限りません。相手が判断に必要とする理由から、説明の範囲と順番を決めます。
- 説明する範囲を決める 質問の背景に合わせて、どの仕組みをどこまで、どの順番で説明するかを決めます。
- 説明できない部分の伝え方を決める 社外に出せない部分と未確認の部分を分け、それぞれの伝え方を決めます。
- 説明後の確認と記録を決める 機能の約束と区別するために、理解の確認、専門担当者への引き継ぎ、記録の内容を決めます。
仕組みへの質問は詳しい説明の希望とは限らない
仕組みを尋ねる背景には、説明を信じてよいかの確認、自社で使えるかの確認、仕組みそのものへの関心などがあります。どの理由を知りたいのかによって、必要な説明が変わります。
- 判断したいことを聞く 説明を始める前に、その理由が分かると何を判断できるのかを確認します。
- 質問だけで決めない 同じ質問でも背景は異なります。使われた言葉だけで、不安や関心の内容を決めつけません。
- 求める根拠を分ける 機能が動く理由、自社で使える条件、全体の流れのうち、何を知りたいかを整理します。
質問の背景と対応
| 質問の背景 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 説明を信じてよいか | 説明のどこに根拠が足りないかを聞きます。 | 疑問を持たれた結果について、その結果が出る仕組みを説明します。 |
| 自社での利用 | 自社のどの条件を気にしているかを聞きます。 | 条件が変わると動きが変わる箇所を説明します。 |
| 仕組みへの興味 | 利用を判断する予定があるか、概要を知りたいだけかを聞きます。 | 全体の流れを示し、詳しく知りたい箇所を確認します。 |
説明に必要な仕組みは判断への影響で決まる
内部の仕組みをすべて説明しても、相手の疑問が解けるとは限りません。判断に影響する条件や動きを選び、今回扱う範囲を示します。
- 判断との関係を見る その仕組みを知らないと、利用できるかや何を確認すべきかを判断できないのかを考えます。
- 細部を増やしすぎない 今回の判断に関わらない内部の細部は、概要の説明から外します。
- 説明の対象を示す 扱う機能、条件、結果を先に示します。説明の対象外にした部分まで確認済みとは扱いません。
説明範囲の決め方
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 判断への影響 | 仕組みの違いで、利用の判断が変わるかを確認します。 | 詳しく説明できることだけを選びません。 |
| 必要な条件 | 結果が変わる条件と、その理由を選びます。 | 判断に必要な制限を省きません。 |
| 説明の対象外 | 今回扱わない部分と、その理由を示します。 | 対象外であることと、影響がないことを混同しません。 |
入れるものと得られるものを示してから、途中を説明できる
途中の処理から説明すると、何のための動きなのかが伝わりにくくなります。入れるものと得られるものを示し、その間で結果が生まれる理由を説明します。
- 入口と出口を示す 何を入れると何が得られるのかを示し、説明する機能の始まりと終わりを明らかにします。
- 途中の働きを結ぶ 途中で何を参照し、何を変えた結果としてその結果が出るのかを、流れに沿って説明します。
- 人の判断を位置づける 人が関わる場合は、その判断が結果のどこに影響するかを示します。
結果に至る説明の順番
| すること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 入出力を示す | 必要な情報と、得られる結果を示します。 | 得られる結果に、利用後に期待する効果まで含めません。 |
| 途中を説明する | 情報の変化と、次の動きとの関係を説明します。 | 処理の名前を並べるだけで終えません。 |
| 人の関与を示す | 人の判断が結果を変える箇所を説明します。 | 作業分担の紹介だけで、理由の説明を終えません。 |
社外に出せない部分があっても、説明できる範囲は残る
内部の詳細を出せなくても、判断に必要な条件や確認結果を示せる場合があります。出せない理由と、代わりに確認できることを分けて伝えます。
- 理由を明らかにする 社外に出せない部分がどこかを示し、提供条件上の制限など、伝えられる範囲で理由を添えます。
- 出せる情報で答える 内部の詳細を除いても説明できる、入力の条件、動きの概要、結果の範囲を示します。
- 別の確認方法を示す 資料や動作の確認で疑問に答えられるかを検討し、それでも確認できない点は未確認として伝えます。
説明できる範囲の示し方
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 詳細を求められる | 出せない箇所と、説明できる範囲を示します。 | 理由を示さず、全体の説明を断ります。 |
| 理由も出せない | 理由の詳細にも制限があることを示します。 | 説明を整えるために、別の理由を作ります。 |
| 根拠が必要になる | 公開できる資料や、動作を確かめる方法を示します。 | 動作を見せただけで、内部の詳細も証明できたと扱います。 |
自分が知らないことと、社外に出せないことは伝え方が違う
説明できない原因が、自分の理解不足なのか、社外に出せないためなのかで対応は変わります。仕組みのどのつながりを確認できていないかを明らかにします。
- 知らない箇所を示す 入口と出口は分かっていても、途中で何が起きるかを知らない場合は、その箇所を未確認として示します。
- 確認先と時期を決める 説明が途切れた箇所を確認できる担当と、確認状況を知らせる時期を決めます。
- 推測で穴を埋めない 似た機能の知識から、内部の動きを推測して説明しません。確認済みの部分までで区切ります。
未確認の仕組みの扱い方
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 途中が分からない | どの動きから先を説明できないかを示します。 | 社外に出せないためだと言い換えません。 |
| 説明が食い違う | 異なる説明が指す条件と、対象の機能を確認します。 | 都合のよい説明を選んで補いません。 |
| 確認を待っている | 確認先と、状況を知らせる時期を示します。 | 回答できる時期が不明なら、確約しません。 |
仕組みを説明しても、相手の環境で同じ結果になるとは限らない
仕組みの説明は、相手の環境でも同じ結果が出るという約束ではありません。成り立つ理由と、提供する機能の範囲、利用時の条件を分けて示します。
- 理由と約束を分ける 結果が生まれる理由を説明した後に、提供する機能の範囲と、動作を確認済みの条件を明示します。
- 条件を結果に添える 必要な情報や利用条件を、その条件に左右される結果と合わせて説明します。
- 相手の環境を確認する 相手の条件で動きを確認していない部分は、利用できると断定せず、確認事項として残します。
仕組みと機能の約束の分け方
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 理由を説明した | 仕組みの説明と、提供する機能の範囲を分けます。 | 理屈が通ることだけで、対応可能と判断しません。 |
| 条件で動きが変わる | 条件が変わると、どの結果が変わるかを示します。 | 結果だけを伝え、条件を省きません。 |
| 自社利用を問われる | 相手の環境で確認済みかどうかを示します。 | 別の条件での確認結果を、そのまま当てはめません。 |
相手の言い換えと質問から、伝わっていない箇所が分かる
説明へのうなずきだけでは、条件や限界まで伝わったかは分かりません。相手の言い換えと続く質問から、補う箇所と減らす箇所を判断します。
- 判断の説明を聞く 今回の説明を利用の判断にどう使うか、相手の言葉で整理してもらいます。
- 続く質問を手がかりにする 理由への疑問が残るのか、新しい関心に移ったのかを確認します。質問の多さだけで判断しません。
- 必要な箇所に戻る 判断に不要な細部は減らし、条件が抜けた箇所や、理由が伝わっていない箇所だけを補います。
理解のずれの確かめ方
| 確かめること | 方法 | ずれていたとき |
|---|---|---|
| 理由の理解 | どの動きによって結果が出ると理解したかを聞きます。 | 伝わっていない動きと結果の関係を説明します。 |
| 条件の理解 | どの条件で使えると判断したかを聞きます。 | 抜けた条件と、その条件が影響する結果を示します。 |
| 残っている疑問 | 次の質問が元の疑問の続きかを確認します。 | 説明量を増やす前に、知りたい箇所を絞ります。 |
資料で説明できない条件は、専門担当者に確かめる必要がある
内部の詳しい話でも、確認済みの資料で説明できる範囲はあります。条件の組み合わせや例外の理由を検証する必要があるかで、専門担当者につなぐ範囲を決めます。
- 確認済みの範囲を答える 根拠と説明できる範囲が明らかな内容は、その条件を添えて自分で説明します。
- 検証が必要ならつなぐ 資料にない条件や例外の理由など、新たな検証が必要な箇所は専門担当者に相談します。
- 検証する問いを渡す 相手の判断、関係する条件、説明済みの因果関係、未解決の箇所をまとめて渡します。
専門担当者につなぐ範囲
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 資料で説明できる | 資料が対象とする条件の範囲で答えます。 | 書かれていない条件まで説明を広げません。 |
| 条件が組み合わさる | 条件同士の影響を検証できる担当に相談します。 | 個別に成り立つことから、組み合わせも可能と決めません。 |
| 例外の理由が要る | 通常の動きと異なる箇所と、相手が知りたい理由を渡します。 | 質問された機能名だけで引き継ぎません。 |
説明の記録には、条件と未確認の部分も残す必要がある
仕組みの説明は、後から機能の約束として参照されることがあります。説明した内容に加え、相手の目的、適用する条件、説明できなかった部分を記録します。
- 質問の理由を残す どの機能について、何を判断するために理由を求められたかを記録します。
- 説明の根拠を残す 説明した範囲、添えた条件、参照した資料と確認日を残し、後で説明をたどれるようにします。
- 説明できない理由を分ける 社外に出せない部分と未確認の部分を別々に記録し、残る確認の担当と時期も残します。
仕組み説明の記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 質問の背景 | 質問された機能と、判断したいことを書きます。 | 説明範囲を選んだ理由が分かります。 |
| 説明の範囲 | 説明した動き、条件、根拠と確認日を書きます。 | 説明した条件の範囲を後から確かめられます。 |
| 出せなかった部分 | 社外に出せない箇所と、提示した代わりの確認方法を書きます。 | 未確認の部分と区別できます。 |
| 未確認の部分 | 未確認の因果関係、確認先、状況を知らせる時期を書きます。 | 残っている確認が分かります。 |
| 相手の理解 | 相手の言い換えと、説明し直した箇所を書きます。 | 約束と誤解されていないかを振り返れます。 |
説明の範囲と相手の理解を記すと、残った確認が分かる
説明前に質問の背景と範囲を記し、説明後に相手の理解を追記します。空欄が残ったら、不要な項目なのか、まだ確認していない項目なのかを区別します。
- 説明前に範囲を決める 質問された機能、相手が知りたい理由、判断に関わる仕組みを記入し、説明する順番を決めます。
- 説明後に理解を記す 説明した範囲には条件と約束した機能も記します。相手の言い換えにずれがあれば、説明し直した内容を残します。
- 残った確認を渡す 未確認の箇所と引き継ぐ問いを明記し、確認先、連絡時期、記録先を決めます。
仕組み説明の確認表
| 確認項目 | 記入欄 | 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 質問された機能 | 相手が知りたい理由 | ||
| 判断に関わる仕組み | 説明した範囲 | ||
| 社外に出せない部分 | 未確認の部分 | ||
| 相手の言い換え | 専門担当者への引き継ぎ | ||
| 記録先 |
