提出の条件を決めてから資料を作る

相手に合わせるほど、提案資料には説明を追加したくなります。作り込む前に、相手が検討の継続や導入を判断するために必要な説明と、提出の条件を決めます。

  • 判断に必要な説明を決める 相手が何を判断するのかを確かめ、資料で説明する項目を決めます。
  • 提出できる条件を決める 提出前に満たす条件を決め、追加の作業が必要かを判断します。
  • 提出後に補う内容を決める 未確認の箇所と補足の予定を分けて記録し、提出時に伝えます。

追加の作業は相手の判断に必要かどうかで決める

提出の条件がないと、気になる箇所を直すたびに作業が増えます。準備を続ける間にも、相手の検討は進むことがあります。

  • 終了の条件を持つ 気になる箇所がなくなることを終了の条件にすると、提出を決めにくくなります。
  • 説明を増やす理由を問う 追加する説明が相手のどの判断に使われるかを説明できない場合は、いったん保留します。
  • 検討の状況を確かめる 準備中に判断する内容が変わっていないか、提出の時期と合わせて確かめます。

作り込みで起こり得ることと防ぎ方

取りがちな対応起きること防ぎ方
修正を重ねる直す箇所が増え、提出が遅れることがあります。提出の条件に関わる修正かを確かめます。
説明を足す判断に使われない部分が増えることがあります。何の判断に使う説明かを確かめます。
完成まで待つ資料が届く前に相手の判断が進むことがあります。判断する時期を確認して提出を決めます。
表は編集部作成の例です。見た目を整える作業も、読みにくさや誤解を解消するために必要かで判断します。

相手が判断する内容から説明を決める

提案のすべてを説明しようとすると、必要な範囲が広がります。今回何を判断してもらうのかを定め、読む人に必要な項目を選びます。

  • 今回の判断を定める 検討を続ける判断なのか、導入を決める判断なのかで、必要な説明は変わります。
  • 読む人を確かめる 窓口以外に読む人がいるかを確かめ、その人が知らない前提も説明します。
  • 判断する項目を決める 利用条件や実施範囲など、今回の判断に欠かせない項目を具体的に挙げます。

説明する項目を決めるための確認

確かめること内容注意
判断の内容資料を読んだ後に決めてほしいことを定めます。今回決めないことまで含めません。
読む人窓口と、ほかに判断へ関わる人を確かめます。全員が商談の説明を聞いたとは考えません。
必要な項目判断に必要な条件、範囲、前提などを挙げます。自社が説明したい項目だけで決めません。
表は編集部作成の例です。読む人が増える場合も、その人の判断に必要な説明を確かめてから追加します。

事前に決めた条件を満たしていれば提出する

完成した印象だけでは、提出の判断が揺れます。必要な説明がそろっているか、確認済みの前提が反映されているか、未確認の箇所を示せているかを、提出の条件にします。

  • 必要な項目を点検する 項目名があるだけでなく、相手が判断できる説明と根拠があるかを確かめます。
  • 確認した前提を反映する 対象や実施範囲など、相手に確認した前提と資料の記載を照合します。
  • 未確認の影響を見極める 判断を左右する不明点が残る場合は、注記だけで提出の条件を満たしたと扱いません。

提出を決める条件

条件確かめ方満たさない場合
必要項目の説明決めた項目と資料の説明を照合します。判断に必要な説明を追加します。
確認済みの前提相手との確認記録と記載を照合します。記載を直し、不一致があれば再確認します。
未確認箇所の整理未確認の箇所、判断への影響、確認方法を示せているかを見ます。判断を左右する不明点なら、提出できるか再判断します。
表は編集部作成の例です。判断を左右する不明点が解消できない場合は、相手と提出の時期や今回判断する範囲を相談します。

資料を作る前に相手の判断内容と提出の希望を確かめる

必要な説明を自社の想像だけで決めると、相手の希望とずれて作り直しになることがあります。判断に使う項目、読みやすい形式、提出の時期を着手前に確かめます。

  • 判断に使う項目を聞く 相手が比較したいことや懸念していることを聞き、説明する項目に反映します。
  • 形式と分量を確かめる 資料を読む場面と共有の方法を聞き、形式や分量の希望を確認します。
  • 提出の時期を合わせる 相手が資料を使う予定を確かめ、その日までに確認が終わらない説明があれば、提出する範囲を相談します。

作成前に確認すること

確かめること聞き方の方針記録
判断する項目比較したい点と判断を妨げている疑問を聞きます。必要な項目と、その理由を残します。
形式と分量読む場面を聞いてから希望を確かめます。希望する形式と分量、共有方法を残します。
提出の時期資料を使う予定から必要な時期を確かめます。提出の約束と、変更時の連絡先を残します。
表は編集部作成の例です。回答を得られない項目は、希望を確認できていないことが分かるように記録します。

判断に直接関わる説明を提出前に作る

説明を追加する前に、今回の判断に欠かせないかを確かめます。補足として役立つ内容と、相手への確認が必要な内容は分けて扱います。

  • 判断を左右する説明を先に作る 利用条件や実施範囲など、欠けると今回の判断ができない説明を優先します。
  • 補足は必要性を見て足す 理解を深める説明は、提出後の質問や要望を確かめてから追加します。
  • 確認が要る点を分ける 相手の回答で内容が変わる部分は、推測で作り込まず確認事項として残します。

説明の内容と扱い

説明の区分扱い理由
判断に直結する提出前に説明と根拠を用意します。欠けると今回の判断ができないためです。
補足になる提出後に必要性を確かめて追加します。相手の疑問に応じて内容を選べるためです。
相手への確認が要る確認事項として示し、回答後に反映します。回答によって説明が変わるためです。
表は編集部作成の例です。補足に分けた内容でも、判断に必要と分かった場合は提出前の作業に戻します。

未確認の箇所には状態と確認方法を書き添える

不明点を推測で埋めると、確認済みの説明として読まれるおそれがあります。空欄や注記には、未確認であることと確認方法を添えます。

  • 推測を事実として書かない 回答がない部分を、過去の案件や自社の想定だけで確定しません。
  • 空欄の意味を明らかにする 単なる記入漏れと区別できるよう、確認中の箇所にはその状態を示します。
  • 確認の方法を添える 誰に何を確かめ、回答をどこへ反映するのかを決め、資料にその方法を添えます。

未確認の箇所の示し方

場面することしないこと
回答を待っている該当箇所に確認中と示し、確認先を添えます。想定した回答で確定しません。
前提が定まらない未確定の前提と、影響する説明を示します。条件が決まったように記載しません。
情報が食い違う食い違う点を示し、再確認の方法を決めます。都合のよい情報だけを採用しません。
表は編集部作成の例です。今回の判断を左右する不明点は、注記で示せていても、提出してよいかを営業責任者と判断します。

提出の判断と追加作業の承認を分担する

誰が提出を決めるかが曖昧だと、提出の判断が先送りになることがあります。営業担当者だけで提出を決められる場合と、営業責任者へ相談する場合を分けておきます。

  • 担当者が決める範囲を決める 営業担当者は、決めた提出の条件を点検し、任された範囲で提出を判断します。
  • 条件から外れたら相談する 判断を左右する不明点や提出範囲の変更は、影響を整理して営業責任者に相談します。
  • 追加作業の理由を示す 営業担当者は、何の判断に必要か、追加しないと何が困るかを営業責任者に示し、作業する範囲の承認を得ます。

提出に関する役割分担

場面営業担当者がすること営業責任者が判断すること
条件を満たす条件を点検し、任された範囲で提出します。提出を任せる範囲をあらかじめ決めます。
重要な不明点判断への影響と確認方法を報告します。確認を待つか、相手と範囲を相談するか決めます。
追加作業が必要追加の理由と作る内容を示します。必要性を確認し、作業範囲を承認します。
提出条件の変更変更理由と相手への影響を整理します。変更の可否と相手への確認事項を決めます。
表は編集部作成の例です。営業責任者がいない場合は、経営者など提出範囲を決められる人と役割を定めます。

提出時は資料の範囲と確認してほしい点を伝える

資料だけを渡すと、未確認の箇所まで確定事項として読まれることがあります。今回説明した範囲と、相手に確認してほしい点を伝えます。

  • 今回の範囲を伝える 何の判断に使う資料かを示し、今回説明した内容と含めていない内容を伝えます。
  • 未確認の箇所と補足の予定を分けて伝える 確認が必要な箇所と、提出後に説明を追加する予定を区別して伝えます。
  • 確認してほしい点を絞る 資料に記載した前提に相違がないか、判断にまだ足りない項目があるかなど、今回回答してほしい点を明らかにします。

提出時に伝える内容

伝えること内容注意
資料の範囲今回の判断と、説明した範囲を伝えます。含めていない内容も分かるようにします。
未確認の箇所該当箇所と確認方法を伝えます。判断への影響がある場合は明示します。
補足の予定追加する内容と、着手する条件を伝えます。内容や時期が決まっていない補足を、約束として伝えません。
確認してほしい点回答が必要な前提や不足項目を伝えます。漠然とした感想だけを求めません。
表は編集部作成の例です。提出後の補足が必要になった場合も、作る内容を相手と確認してから着手します。

営業管理表には提出した内容と次に確認する事項を残す

提出済みという記録だけでは、何を説明し、何が残っているか分かりません。送った資料と相手の回答をたどれるように記録します。

  • 提出した版を特定する 送った資料を特定できる情報と説明範囲を残し、修正中の資料と区別します。
  • 未確認の事項と補足の予定を記録する 未確認の箇所には確認先を、補足の予定には作る内容と着手の条件を記録します。
  • 回答と推測を分ける 相手の発言や質問を記録します。反応がないことを、了承したこととして扱いません。

提出後に残す記録

記録項目書くこと
提出した版と範囲送付日、送付先、資料の保存先、版の名称や日付、説明した範囲を記録します。
未確認の箇所該当箇所、判断への影響、確認先、確認方法を記録します。
補足の予定追加する内容、作成する人、着手する条件、相手との約束を記録します。
相手の反応回答日、発言、質問、追加の要望を事実として記録します。
次にすること確認や補足を行う人と、対応する時期または条件を記録します。
表は編集部作成の例です。相手の反応から推測したことは、発言や回答と分けて記録します。

確認表に記入して提出の判断を決める

資料を作る前に判断する内容と提出の条件を書き、提出前に結果を確認します。未確認の箇所と補足の予定を分けて記入します。

  • 相手の判断内容と提出の条件を先に書く 相手が決めることと必要な項目を書き、提出できる状態を具体的に定めます。
  • 未確認の箇所の扱いを決める 未確認の箇所が判断に影響するかを確かめ、提出後に補う内容とは分けます。
  • 提出の結論を記録する 提出するか、追加作業を行うか、相手と提出時期や範囲を相談するかを理由とともに残し、営業管理表へ反映します。

提出前に書き込む確認表

確認項目記入する内容記入欄
相手が判断すること今回決めることと、資料を読む人を書きます。
必要な項目判断に欠かせない説明の項目を書きます。
提出の条件満たす条件と、点検した結果を書きます。
未確認・補足未確認の箇所・影響・確認方法と、補足の内容・着手条件を分けて書きます。未確認:/補足:
営業責任者の判断相談事項と判断結果、追加作業の承認範囲を書きます。相談不要ならその理由を書きます。
記録提出・追加作業・相手との相談のどれにしたかと理由、資料の保存先、営業管理表への記録状況を書きます。
表は編集部作成の例です。条件を満たさない場合は、不足する説明と確認事項を特定してから追加作業を決めます。