強い言葉への対応は会社の方針で決める
電話口で強い言葉を受けたときの対応を、個人の判断に任せないようにします。通話を終える基準と、終了後の対応を架電前に決めます。
- 終えてよい場面を決める 通常の断りや厳しい質問とは別に、人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒を受けたときに通話を終えてよいと会社が決めます。
- 終了と報告の手順を決める 言い返さずに通話を終える手順と、営業責任者へ報告する項目を決めます。
- 終了後の対応を決める 営業先への再架電を止める方法と、架電した人の状態を確認する方法を決めます。
我慢や言い返しを防ぐために対応を決める
通話を終える基準がなければ、担当者が我慢して続けたり、言い返して長引いたりすることがあります。報告と記録がなければ、同じ営業先へ再び架電することもあります。
- 終了を会社が認める 通話を終えてよい場面を明記し、方針に沿った終了を責めないと伝えます。
- 相手を説得し直すことを求めない 攻撃や脅しを受けた担当者に、相手を説得し直すことや、発言の正誤を言い争うことを求めません。商品への質問や誤解への説明とは別です。
- 報告後の対応を決める 営業責任者が報告を確認し、営業先への再架電を止める記録を残します。
担当者任せで起きること
| 起きること | 担当者に起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 我慢して続ける | つらくても終了を選びにくくなります。 | 終えてよい場面を明記します。 |
| 言い返して長引く | 反論を続けて負担が増します。 | 言い返さず終える手順を決めます。 |
| 報告がない | 経験したことを抱え込みます。 | 報告先と項目を決めます。 |
| 同じ先に再架電 | 同様の対応を再び受けるおそれがあります。 | 再架電しない扱いを記録します。 |
通常の断りや厳しい質問は、終了の基準に含めない
断りや厳しい質問、不満の表明だけでは、通話を終えてよい基準には当てはめません。当てはめるのは、人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒です。
- 断りはそのまま尊重する 営業を断られたら営業の話を終えます。断られたこと自体を、人格への攻撃として扱いません。
- 質問と攻撃を分ける 強い口調でも、商品や連絡理由への質問なら内容を確認します。分からないことは断定しません。
- 言葉の内容で判断する 口調の強さだけで決めず、発言の内容が人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒に当たるかを確認します。
相手の対応と扱い
| 相手の対応 | 扱い | 担当者がすること |
|---|---|---|
| 通常の断り | 終了の基準に含めません。 | 断りを尊重して営業の話を終えます。 |
| 厳しい質問 | 終了の基準に含めません。 | 分かる範囲で事実を答えます。 |
| 不満の表明 | 表明だけでは含めません。 | 内容を確認し、必要なら報告します。 |
| 人格への攻撃 | 終了してよい場面にします。 | 反論せず通話を終えます。 |
| 脅し | 終了してよい場面にします。 | 通話を終え、営業責任者へ報告します。 |
| 執拗な罵倒 | 終了してよい場面にします。 | 言い返さず通話を終えます。 |
通話を終えてよい場面を会社が決める
終了・継続・営業責任者への交代を、場面ごとに決めます。交代できる人がいないことを理由に、攻撃や脅しに耐える必要はありません。
- 終了できる場面を書く 人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒は、営業責任者の許可を待たず終えてよいと明記します。
- 継続の条件を決める 質問や不満なら、担当者が説明できる範囲で答えます。社内確認が必要な内容は、その場で答えず報告します。
- 交代できる範囲を決める 営業責任者の判断が必要な質問を受けたら、担当者が営業責任者に代わります。代われなければ、回答内容や折り返しを約束せずに通話を終え、報告します。
場面ごとの判断
| 場面 | 担当者の対応 | その後 |
|---|---|---|
| 人格への攻撃 | 通話を終えてよい | 営業責任者へ報告します。 |
| 脅しや執拗な罵倒 | 許可を待たず終えてよい | 状態確認と再架電の停止を行います。 |
| 確認が必要な不満 | 対応可能なら続けてよい | 内容と回答を報告します。 |
| 営業責任者の判断が要る質問 | 営業責任者に代わります。 | 質問と回答を記録します。 |
| 営業責任者に代われない | 回答や折り返しを約束せず終了します。 | 営業責任者へ判断を求めます。 |
| 判断に迷う | 無理に続けず終了してよい | 報告をもとに基準を確認します。 |
言い返さず、通話を終えることを伝えて切る
人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒を受けたら、通話を終えることを伝えて切ります。終了の伝え方で相手が落ち着くとは限らないため、説得を目的にしません。
- 言い返さず終了する 発言に反論せず、通話を終えることを伝えて切ります。相手の納得を終了の条件にしません。
- 相手の言葉を繰り返さない 攻撃的な言葉を繰り返したり、発言の撤回を求めたりして、やり取りを続けません。
- 通話を収めるための謝罪や約束をしない 通話を収めるために、内容を確かめていない謝罪や約束をしません。かけ間違いなど自社側の明らかな誤りへの謝罪とは別です。確認や判断が必要な内容は営業責任者へ報告します。
終了までの手順
| 場面 | すること | しないこと |
|---|---|---|
| 対象の対応を受ける | 会社の基準に沿って終了を選びます。 | 言い返して発言の正誤を言い争いません。 |
| 終了を伝える | 通話を終えることを簡潔に伝えます。 | 攻撃的な言葉を繰り返しません。 |
| 通話を切る | 終了を伝えたら切ります。 | 納得や返答を待ち続けません。 |
| 相手が謝罪や約束を求める | その場で判断せず、終了後に報告します。 | 通話を収めるための謝罪や約束をしません。 |
営業責任者への報告項目を決める
通話を切った後は、決めた方法で営業責任者へ報告します。詳しく説明することが難しい場合は、終了した事実と現在の状態から伝えます。
- 通話を特定できるようにする 日時・営業先・架電した人を記録し、どの通話についての報告か分かるようにします。
- 事実と判断を分ける 相手の対応の要点と、通話を終えた理由を書きます。推測を事実として記録しません。
- 状態と営業先への希望を伝える 現在の状態と、その営業先について会社に確認してほしいこと(例:同じ会社の別部署への連絡も止めたい)を伝えます。会社の方針に基づく再架電の停止は、希望の有無で変えません。
終了後の報告項目
| 報告項目 | 書くこと |
|---|---|
| 日時・営業先 | 通話した日時と、営業先を特定できる名称や管理番号を書きます。 |
| 架電担当者 | 架電した人の氏名を書きます。 |
| 相手の対応 | 発言や対応の要点を、確認できた事実に沿って書きます。 |
| 終了の判断 | 終了した理由と、実際に行った対応を書きます。 |
| 担当者の状態 | 架電を続けられるか、休憩や相談を希望するかを書きます。 |
| 営業先の扱い | 再架電の停止状況と、その営業先について会社に確認してほしいことを書きます。 |
対象の営業先への再架電と他の営業を止める
人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒を受けた営業先は、再架電しない扱いにします。別の人や別の手段による営業も止め、営業リストに記録します。
- 再架電しない扱いにする 報告を受けたら、再架電しない印を付けます。確認中も次の架電対象から外します。
- 担当者や手段を変えて営業を続けない 別の担当者による再架電も、手紙DMやフォーム営業への切り替えも行いません。
- 停止を営業リストに残す 停止理由・記録日・確認した営業責任者を記録し、架電や送信の予定にも反映します。
営業を止める処理
| 場面 | 扱い | 記録 |
|---|---|---|
| 対象の対応を報告 | 再架電しない扱いにします。 | 停止理由と記録日を残します。 |
| 報告内容を確認中 | 確認中も営業を止めます。 | 確認中であることを残します。 |
| 別の人が架電予定 | 予定から外します。 | 担当変更でも停止を引き継ぎます。 |
| 別の手段を予定 | 手紙DMやフォーム営業も、その営業先には行いません。 | 停止する手段を記録します。 |
| 別リストにも存在 | 同じ営業先の予定を止めます。 | 該当するリストに印を付けます。 |
次の架電に戻るかは架電した本人が決める
通話を終えても、すぐに次の架電へ進む必要はありません。営業責任者が状態を確認し、休憩やその日の架電終了を選べるようにします。
- 営業責任者から声をかける 営業責任者から状態を尋ね、話せる範囲を確認します。詳しい説明を急がせません。
- 再開を急がせない 休憩するか、その日の架電を止めるかを選べると伝えます。架電予定を理由に再開を迫りません。
- 本人の判断を尊重する 担当者は、次の架電に戻るかを自分で決めます。再開後も、つらければ止めて相談できます。
状態の確認と選択
| 場面 | 営業責任者がすること | 担当者が決めること |
|---|---|---|
| 通話を終えた後 | 状態を尋ね、選べる対応を伝えます。 | 営業責任者にどこまで話すかを決めます。 |
| 気持ちが落ち着かない | 架電予定を調整します。 | 休憩するかを決めます。 |
| 続けるのがつらい | その日の架電を止める手配をします。 | その日の架電終了を選びます。 |
| 再開を考える | 無理をしていないか確認します。 | 次の架電に戻るかを決めます。 |
| 再開後につらくなる | 再び止められるようにします。 | 架電を止めて相談します。 |
録音と記録の扱いは架電前に社内で決める
録音の有無と、通話後に残す記録の範囲を決めます。残す場合は、保存先・閲覧できる人・保存期間・削除の担当も明確にします。
- 残す内容を決める 通話を録音するかどうかと、録音とは別に報告用に文章で残す内容を決めます。必要のない情報は残しません。
- 保存と閲覧を決める 会社が指定した場所に保存し、閲覧できる人を決めます。私物の端末に保存せず、私用の連絡手段で共有しません。
- 同意の確認方法を決める 架電する人に、録音と記録の目的・保存先・閲覧範囲を説明し、その扱いへの同意を確認します。通話相手への録音の案内方法も別に決めます。
録音と記録の社内方針
| 決めること | 選択肢 | 注意 |
|---|---|---|
| 録音の有無 | 録音する/録音しない | 録音がなくても報告できるようにします。 |
| 文章で残す内容 | 報告の要点だけ/必要な経緯も含める | 事実と推測を分けます。 |
| 保存先 | 社内の記録画面/指定フォルダ | 個人の端末に分散させません。 |
| 閲覧できる人 | 営業責任者だけ/指定する関係者も含める | 氏名や役割で範囲を決めます。 |
| 保存と削除 | 社内基準を使う/用途に応じて決める | 保存期間と削除の担当を明記します。 |
| 担当者への説明と同意 | 書面で確認/社内画面で確認 | 録音と記録の扱いを説明し、同意の確認方法を決めます。 |
対応方針は架電前に紙で渡して確認する
方針は作成しただけで終わらせず、架電する人へ事前に説明します。通話中や終了後に確認できるよう、紙で渡して手元に置けるようにします。
- 対象と終了手順を伝える 通常の断りとの違いと、通話を終えてよい場面を説明します。言い返さず終了する手順も確認します。
- 報告先を具体的にする 報告する営業責任者と連絡方法、不在時の相談先を記載します。報告項目も同じ紙に載せます。
- 手元で確認できるようにする 渡した紙の置き場所を確認します。方針を変更したら説明し、手元の紙も差し替えます。
架電前の共有内容
| 共有すること | 方法 | 確認 |
|---|---|---|
| 対象と対象外 | 紙に区別を書いて説明します。 | 通常の断りとの違いを説明できるか |
| 終了の手順 | 終了までの行動を紙に書きます。 | 許可を待たず終えてよい場面が分かるか |
| 報告の方法 | 連絡方法と報告項目を示します。 | どこに何を報告するか分かるか |
| 相談先 | 営業責任者と不在時の連絡先を書きます。 | 連絡先を手元で確認できるか |
| 終了後の対応 | 営業の停止と休憩の方針を説明します。 | 無理に次へ進まなくてよいと分かるか |
| 記録の扱い | 保存先と閲覧範囲を説明します。 | 録音と記録の扱いに同意を確認できたか |
対応方針を表に書いて架電前に共有する
下の表を使い、自社で実行する対応を書きます。営業責任者の氏名や連絡先、記録の保存先まで具体的に記入し、架電前に共有します。
- 対象を具体的に書く 通常の断りや厳しい質問は対象から外し、人格への攻撃・脅し・執拗な罵倒との違いを書きます。
- 行動と連絡先を書く 終了手順と報告項目を記入します。誰が報告を受け、営業の停止を記録するかも書きます。
- 架電前に読み合わせる 状態確認と記録の扱いも含めて説明します。迷う箇所を修正してから、方針の紙を渡します。
自社の対応方針記入シート
| 決める項目 | 自社で書く内容 |
|---|---|
| 対象の区別 | 対象にする場面:。対象にしない断り・質問・不満の表明:。迷った場合の対応:。 |
| 終え方の手順 | 言い返さず、通話を終えることを伝えて切る。相手の言葉を繰り返さず、通話を収めるための謝罪や約束をしない。伝えることも難しい場合:。 |
| 報告項目と報告先 | 日時・営業先・架電した人・相手の対応の要点・終了理由・現在の状態・営業先について確認してほしいことを報告する。報告先と方法:。不在時の相談先:。 |
| 営業先の扱い | 再架電せず、手紙DMやフォーム営業も行わない。担当を変えても営業を止める。停止を記録する人:。記録先:。 |
| 担当者の状態確認 | 営業責任者が状態を確認する。休憩・その日の架電終了・再開は架電した本人が選ぶ。予定を調整する人:。 |
| 記録・共有 | 録音の有無:。記録内容・保存先・閲覧者・保存期間・削除担当:。担当者への説明と同意の確認方法:。架電前に紙を渡して説明する人:。 |
