電話を代わるかは相手の用件と代われる社員で決まる
詳しい社員へ電話を代わるだけでは、引き継ぎがなければ相手に同じ説明を求めることになります。代わるかどうかの判断、渡す内容、代わった後の担当と記録を決めます。
- 代わる条件を決める 相手の用件を基に、その場で代わる条件と、折り返しに切り替える条件を決めます。
- 渡す内容を決める 用件・説明済みの内容・相手の反応・未回答の質問を、次の社員へ渡す項目にします。
- 対応と記録の担当を決める 交代後の行動を誰が引き受け、通話の経緯を同じ記録へどう残すかを決めます。
質問が出ただけでは電話を代わる必要があるとは限らない
質問が出たことだけを理由に、電話を代わる必要はありません。その場で回答できるか、資料の確認が必要かで対応を選びます。
- 答えられるなら続ける 確認済みの情報で答えられる用件は、そのまま回答します。不確かな内容を推測で補いません。
- その場で答えられる人へ 詳しい社員なら回答でき、通話を続ける意思が相手にある場合に交代を選びます。
- 調査が必要なら折り返す 資料や社内の確認が必要なら、交代を重ねず、調べてから連絡する対応を選びます。
用件に応じた判断
| 相手の用件 | 代わるか | 理由 |
|---|---|---|
| 答えを確認済みの質問 | 代わらず回答します。 | 確認済みの情報で答えられるため |
| 個別条件の相談 | その場で条件を判断できる社員がいれば代わります。 | 相手が今の回答を求めているため |
| 調査が要る質問 | 代わらず折り返します。 | 交代してもすぐには回答できないため |
| 後日の回答希望 | 希望に沿って再連絡します。 | 相手が今の回答を求めていないため |
通話の交代には理由の説明と相手の了承が必要だ
次に誰と何を話すのかが分からないままでは、交代に応じる判断ができません。交代の理由と次に話す人を伝え、了承を得ます。
- 次に話す人を知らせる 交代先の氏名と役割を伝えます。その人が相手の質問にどう関わるかも説明します。
- 用件に沿って理由を伝える 相手が知りたい内容のうち、どの点を詳しい社員が答えるのかを伝えます。
- 交代への了承を得る 別の社員に代わってよいかを相手に確かめます。後日の連絡を希望する場合は、その希望に沿います。
交代前の説明
| 伝えること | 内容 | 相手に確かめること |
|---|---|---|
| 次に話す人 | 氏名と、質問に関わる役割を伝えます。 | その人との通話でよいか |
| 交代の理由 | どの質問に答えるためかを伝えます。 | 確認したい内容と合っているか |
| 説明の引き継ぎ | ここまでの内容を次の社員へ渡すと伝えます。 | 補足しておきたいことがあるか |
| 交代への了承 | 今から別の社員に代わってよいかを尋ねます。 | 今、代わってよいか |
保留の前に受け入れを確かめれば相手を待たせずに済む
保留にしてから交代先を探すと、相手を待たせたままになります。受け入れ確認を先に済ませ、交代できる見通しがなければ折り返しに切り替えます。
- 受け入れを先に確認する 通話中に使える社内の連絡方法で、交代できるかを確認します。返答がなければ保留に進みません。
- 保留中に探し続けない 了承を得て保留にした後、交代先が対応できなくなったら通話へ戻り、状況を伝えます。
- 折り返しの条件を決める 連絡する人・時期・連絡先を決めます。回答の見込みが立たない場合は、確認の進み具合をいつ知らせるかを相手と決めます。
保留前後の手順
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 保留にする前 | 交代先の受け入れと相手の了承を確認します。 | 先に保留にして人を探します。 |
| 受け入れ未確認 | 折り返しを提案します。 | 返答を待つためだけに保留にします。 |
| 交代が難航 | 通話へ戻って交代できない状況を説明し、折り返しでよいかを相手に確かめます。 | 保留のまま別の社員を探し続けます。 |
| 折り返しへ変更 | 連絡する人・時期・連絡先を決めます。 | 回答できる時期を根拠なく約束します。 |
引き継ぎには説明済みの内容と未回答の質問が必要だ
会社名と用件だけでは、どこから話を続ければよいか分かりません。説明した内容と残っている質問を分け、相手の反応も添えて渡します。
- 相手と用件を特定する 会社名・氏名と、相手が今回知りたいことを渡します。連絡先などは確認できた情報だけを記します。
- 説明済みの内容を示す 伝えた説明と、その説明に対する相手の発言を記します。関心の強さを推測で書き足しません。
- 未回答の質問を残す まだ答えていない質問を明示します。次の社員が内容を受け取ったことを確認して交代します。
引き継ぐ情報
| 渡す内容 | 渡し方 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社名と氏名 | 確認できた表記を記します。 | 誰との通話かを特定できます。 |
| 用件 | 今回知りたいことを短く記します。 | 回答すべき内容が分かります。 |
| 説明済みの内容 | 伝えた説明と条件を記します。 | 次の社員が同じ説明を繰り返さずに済みます。 |
| 相手の反応 | 質問や希望など、実際の発言を記します。 | 推測と発言を取り違えずに済みます。 |
| 未回答の質問 | 回答が残っている質問を分けて記します。 | どこから続けるかが分かります。 |
引き継いだ内容から話し始めれば同じ説明を求めずに済む
交代直後に用件を最初から尋ねると、引き継いだ意味が薄れます。受け取った内容を前提に、回答に必要な要点だけを確認します。
- 残った質問から始める 名乗った後は、引き継いだ用件の要点を確認し、未回答の質問への対応から始めます。
- 確認する範囲を絞る 説明済みの内容を最初から聞き直さず、回答を左右する条件や不明な箇所だけを尋ねます。
- 聞き直す理由を伝える 不足があれば、確認が必要な理由を相手に説明してから尋ねます。社内で確認できる情報は社内で補います。
交代直後の対応
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 通話を引き継ぐ | 受け取った用件の要点を確認します。 | 用件を最初から説明してもらいます。 |
| 回答を始める | 未回答の質問から扱います。 | 説明済みの内容を一通り繰り返します。 |
| 条件が不明 | 必要な条件だけ、理由を添えて尋ねます。 | 引き継ぎの不足を、相手の説明が足りなかったせいにします。 |
| 認識が違う | 違う箇所を確認し、記録を直します。 | 社内のメモを優先して話を進めます。 |
代われないときは相手の希望する連絡方法が要る
詳しい社員が不在でも、未回答の質問をどう扱うかを決めてから通話を終えます。答えられる範囲を伝え、残る質問への回答をどの方法でいつ伝えるかを相手と決めます。
- 答えられる部分を伝える 確認済みの情報だけを回答します。判断が必要な部分は未回答として残し、後の確認対象にします。
- 希望する連絡方法を聞く 電話以外を希望する場合も含め、方法と連絡先を確認します。再連絡を望まない場合は、その意向を記録します。
- 実行できる約束にする 回答時期が未定なら、確認結果や経過をいつ知らせるかを決めます。連絡する社員の了承も得ます。
不在時の対応
| 場面 | すること | 相手に確かめること |
|---|---|---|
| 一部は回答可能 | 答えられる部分と残る質問を分けます。 | 残る質問の内容に不足がないか |
| 詳しい社員が不在 | 連絡を引き受ける人を決めます。 | 希望する連絡方法と連絡先 |
| 回答時期が未定 | 経過を知らせる時期を決めます。 | その時期の連絡でよいか |
| 電話以外を希望 | 対応できる方法を確認します。 | 送付先と回答してほしい内容 |
| 再連絡を希望せず | 希望を記録して通話を終えます。 | 今回の対応を終えてよいか |
交代後の行動は担当を氏名で決めなければ残らない
電話を代わったことだけでは、資料送付や再連絡の担当までは決まりません。通話で約束した行動ごとに、引き受ける人と実施する時期を明記します。
- 約束を行動に分ける 資料送付・再連絡・商談の設定を別の行動として記します。約束していない対応は追加しません。
- 引き受ける人を決める 部署名だけで済ませず、実行する人の氏名を記します。別の社員に頼む場合は了承を得ます。
- 実施する時期を残す 相手と合意した時期を行動ごとに記します。実施後は同じ記録に結果を追記します。
交代後の約束
| 次の行動 | 引き受ける人 | 確かめること |
|---|---|---|
| 資料送付 | 送付を引き受けた社員の氏名を記します。 | 資料の種類・送付先・送付時期 |
| 再連絡 | 回答の連絡を引き受けた社員の氏名を記します。 | 残る質問・連絡方法・連絡時期 |
| 商談の設定 | 日程調整を引き受けた社員の氏名を記します。 | 相手の商談希望・参加者・調整方法 |
交代前後を同じ記録に書けば通話の経緯が分かる
交代前後の記録が分かれると、何を説明し、何を約束したかが追いにくくなります。同じ通話の記録へ追記し、次の対応まで確認できるようにします。
- 交代前の内容を残す 会社名・氏名・用件・説明済みの内容・反応・未回答の質問を記します。交代した理由も記録します。
- 回答と変更を追記する 交代後の回答と相手の反応を追記します。先の説明を訂正した場合は、訂正内容も残します。
- 次の担当を明記する 次の行動・担当の氏名・実施時期を記します。対応が終わったら結果を追記し、完了したことを示します。
同じ記録への書き分け
| 記録項目 | 書く人 | 書くこと |
|---|---|---|
| 相手と用件 | 架電担当者 | 会社名・氏名・今回知りたいこと |
| 交代前の経緯 | 架電担当者 | 説明済みの内容・反応・未回答の質問 |
| 交代の経緯 | 架電担当者 | 交代先・理由・相手の了承 |
| 交代後の回答 | 代わった社員 | 回答・相手の反応・説明の訂正 |
| 次の対応 | 代わった社員 | 合意した行動・引き受ける人・実施時期 |
| 対応の結果 | 行動を引き受けた社員 | 実施内容・完了したこと・残る対応 |
交代が続く用件は架電担当者の説明範囲を見直す必要がある
同じ種類の用件で交代が続くなら、記録を読んで交代の理由を確認します。件数より、回答した内容と個別の判断が必要だったかを見ます。
- 用件の種類を見る どの質問で交代し、何を回答したかを読みます。情報不足による交代か、判断が必要な交代かを分けます。
- 同じ回答なら範囲を見直す 相手の条件が違っても同じ回答で済んでいた用件は、架電担当者が答える候補にします。説明に使う情報を確認します。
- 個別判断は交代を残す 相手ごとに条件の判断や確認が必要な用件は、交代する用件として残します。交代をなくすことを目的にしません。
記録からの見直し
| 気づき | 見直すこと | 注意 |
|---|---|---|
| 回答が共通 | 架電時に答えられる用件へ変更できるか | 共通の回答が使える条件を確認します。 |
| 参照情報が不足 | 回答に必要な情報を確認できるか | 未確認の情報まで説明範囲に含めません。 |
| 個別判断が必要 | 適切な交代先を決められているか | 共通の回答に置き換えません。 |
| 交代後も調査 | 初めから折り返す用件にするか | その場で回答できると約束しません。 |
| 用件の認識違い | 交代前に用件を捉えられているか | 説明範囲を広げるだけで済ませません。 |
確認表には次の対応と記録の担当も要る
自社で使う条件や担当の氏名を書き込むと、通話中の判断に使えます。最近の通話をこの表に当てはめ、判断できない欄があれば決め事を補います。
- 用件から条件を書く その場で代わる用件と、折り返す用件を書きます。交代先が決まらないときの対応も記します。
- 実行できる手順を書く 相手への説明、保留前の確認、渡す情報を記します。実際の通話中に使える手順かを確かめます。
- 担当を氏名で書く 次の行動、記録の追記、説明範囲の見直しを担う人を氏名で書きます。決め事を変えたときに周知する人も決めます。
自社の決め事を書く確認表
| 決める項目 | 自社で記入する内容 | 決める項目 | 自社で記入する内容 |
|---|---|---|---|
| 代わる用件の種類 | 代わる条件と交代先: | 代わる前に伝えること | 交代の理由・氏名・了承の確認方法: |
| 保留の手順 | 受け入れ確認と折り返しへの切替手順: | 渡す内容 | 相手の情報・用件・説明済みの内容・反応・未回答: |
| 代われないとき | 連絡方法・時期を決める手順: | 次の行動の担当 | 行動ごとの担当と実施時期の決め方: |
| 記録の分担 | 記録先と交代前後に書く内容: | 見直しの担当 | 見直す人と変更を周知する人: |
