会社ごとの役割を確かめて提案する

グループ会社が関わる商談では、連絡先の会社が商品を使うとも、依頼を出すとも限りません。この資料では、商品の注文や契約の申し込みを出す会社を「依頼を出す会社」と呼び、使う会社・窓口の会社・依頼を出す会社を分けて整理する手順を扱います。

  • 関わる会社を分ける 商品を使う会社、商談の窓口になる会社、依頼を出す会社を、それぞれの正式な社名で確認します。
  • 提案の対象を決める 各社が商品を使う部門や拠点を確かめ、提案書の宛先と、利用する会社として記載する対象を決めます。
  • 法人ごとに記録する 会社概要と商談での役割を法人ごとに残し、依頼を出す会社が変わったら記録を更新します。

グループ名だけで営業先を扱わない

グループ名だけで商談を記録すると、提案した会社と依頼を出す会社の違いが見えなくなります。連絡や提案の履歴は、法人名に結び付けて残します。

  • 提案先を確かめる 話を聞いた会社と依頼を出す会社が同じとは限りません。提案を進める前に、それぞれの社名を確認します。
  • 宛先を見直す 連絡先の社名をそのまま宛先にせず、どの会社に向けた提案として提出するかを確かめます。
  • 連絡履歴を確認する 同じグループの別会社への連絡履歴も確認し、すでに進んでいる商談との重なりを調べます。

グループ名だけでは見落とすこと

起きること原因防ぎ方
依頼元の取り違え営業担当者が依頼元だと考えていた会社と、実際に依頼を出す会社が異なります。依頼を出す会社の正式な社名を確認します。
宛先の間違い営業担当者が窓口の社名をそのまま提案書の宛先にしています。提案書をどの会社宛てに出すか確認します。
連絡の重なり営業担当者が、同じグループの別会社で進む商談を把握していません。法人別の履歴とグループ内の商談を確認します。
表は編集部作成の例です。

使う会社・窓口・依頼元を分けて確認する

商品を使う会社、商談の窓口になる会社、依頼を出す会社は、同じ場合も異なる場合もあります。会社名だけでなく、商談で担う役割を確認します。

  • 使う会社を確認する 実際に商品を使う法人を確認します。複数の会社が使う予定なら、対象となる会社をすべて挙げます。
  • 窓口の役割を確認する 連絡を取りまとめる範囲と、他の会社への説明を誰が行うかを確かめます。
  • 依頼元を確認する どの会社名で依頼を出す予定かを確認します。未定の場合は未定と記録し、確認する相手を決めます。

役割ごとの確認事項

役割確かめること確認先
商品を使う会社どの法人が、何に使う予定かを確かめます。窓口を通じて、利用する会社に確認します。
商談の窓口どの会社の連絡や説明を取りまとめるかを確かめます。現在やり取りしている相手に確認します。
依頼を出す会社どの法人名で依頼を出す予定かを確かめます。窓口に確認し、必要に応じて依頼元にも確認します。
表は編集部作成の例です。

会社概要は法人ごとに照合する

似た社名や共通の所在地だけでは、商談に関わる法人を特定できません。公表情報で会社を照合し、商談での役割は相手に確認します。

  • 正式な社名を調べる 商談に関わる各社の正式な社名を窓口に確認し、国税庁の法人番号公表サイトで法人番号と所在地を照合します。
  • 各社の情報を照合する 各社の会社概要とグループ会社一覧を見比べます。同じ法人について記載が一致しない場合は、窓口に現在の正式な情報を確認します。
  • 役割は相手に確かめる 公表情報で会社を確認できても、今回の依頼元がどの会社かまでは分かりません。商談での役割は相手に確認します。

法人を取り違えないための照合

確認項目見る場所注意
正式な社名法人番号公表サイトと各社の会社概要を見ます。略称やブランド名だけで記録しません。
所在地法人番号公表サイトと各社の会社概要を見ます。連絡先の住所と異なる場合は理由を確認します。
法人番号国税庁の法人番号公表サイトを見ます。社名と所在地も併せて照合します。
グループの関係各社の会社概要やグループ会社一覧を見ます。掲載情報から商談での役割まで推測しません。
表は編集部作成の例です。

窓口とは別の会社が提案を検討する場合を確認する

窓口で提案への賛同を得ても、利用する会社で検討が進んでいるとは限りません。どの会社が何を判断するかと、説明を届ける経路を確かめます。

  • 検討する会社を確認する 窓口が連絡を取りまとめるだけなのか、提案を採用するかの検討も行うのかを、会社単位で確認します。
  • 説明の届き方を確認する 検討する会社に、利用範囲や条件の説明が届いているかを確かめます。届いていなければ、説明の機会を窓口と相談します。
  • 連絡の経路を確認する 別会社への説明も窓口を通す決まりがあるかを確認し、了承された経路で資料を届けます。

窓口の返答だけでは分からないこと

場面確かめること対応
窓口が賛同したどの会社の検討結果としての返答かを確かめます。検討がまだ済んでいない会社を確認します。
別会社が検討する利用範囲と条件の説明が届いているかを確かめます。窓口と相談して、検討する会社へ資料や説明を補います。
直接説明したい窓口を通す決まりと連絡できる範囲を確かめます。了承された方法で説明の機会を設けます。
表は編集部作成の例です。

利用する会社と条件に応じて、提案をまとめるか分けるかを決める

グループで使うという説明だけでは、提案に含める会社や条件が定まりません。利用する法人と会社ごとの違いを確認してから、まとめるか分けるかを決めます。

  • 利用する法人を挙げる 今回使う会社と、将来の利用を検討している会社を分けます。検討中の会社は、今回の対象と区別して提案書に示します。
  • 会社ごとの違いを調べる 用途、利用範囲、開始時期などを会社ごとに確認し、共通にできる条件と個別の条件を整理します。
  • 提案の分け方を決める 共通の条件で進められる場合は一つの提案書にまとめ、会社ごとに条件が異なる場合は法人別に条件が分かる形にします。

利用範囲に応じた提案の分け方

場面確かめること提案の分け方
共通条件で使う対象となる法人と依頼元を確かめます。まとめて提案し、対象の法人名を明記します。
会社で条件が違う用途や開始時期などの違いを確かめます。法人別に条件が分かる形で提案します。
一部の利用が未定今回使う会社と検討中の会社を確かめます。今回の対象と今後の検討対象を分けます。
表は編集部作成の例です。

提案書の宛先と利用対象を明記する

宛先だけでは、読み手が利用する会社や依頼を出す会社を取り違えることがあります。確認した役割を提案書に記載し、読み手が利用範囲を取り違えないようにします。

  • 宛先の会社を確かめる 提案書をどの法人宛てに提出するかを確認します。窓口の会社宛てでも、利用する会社は別に記載します。
  • 利用対象と依頼元を書く 使う会社と利用範囲、依頼を出す会社を明記します。まだ確認できていない項目は、未確認と書いて確定した情報と区別します。
  • 指示の範囲を確かめる 窓口から宛先の指定があったら、提出先だけの指定か、依頼元や利用対象も変わるのかを確認します。

提案書に記載する会社と範囲

提案書の項目書くこと確認すること
宛先の会社提出先の正式な社名を書きます。窓口から指定された提出先と一致するか確認します。
利用する会社対象となる法人名と利用範囲を書きます。検討中の会社が今回の対象に混ざっていないか確認します。
依頼を出す会社確認済みの依頼元を書きます。提案書に記載した依頼元が、確認した時点から変わっていないか確認します。
法人別の条件会社ごとに異なる条件を書きます。どの条件がどの会社に当てはまるか確認します。
表は編集部作成の例です。

依頼元が変わったら提案と記録を更新する

提案の途中で依頼を出す会社が別の法人に変わると、それまでの説明が新しい依頼元に届いていない場合があります。利用範囲と条件を改めて確認します。

  • 新しい依頼元を確かめる 新しい依頼元の正式な社名と、いつから変わるのかを確認し、使う会社や窓口にも変更があるかを確かめます。
  • 説明の共有を確認する 新しい依頼元の担当者が提案内容をどこまで把握しているかを確認します。以前の依頼元に説明した内容が伝わっているとは考えません。
  • 提案と履歴を更新する 必要な説明を補い、提案書と営業管理表を更新します。以前の依頼元と変更の経緯も履歴に残します。

依頼元が変わったときの確認と記録

場面すること記録
変更の連絡を受けた新旧の依頼元と、他の役割の変更を確認します。変更を確認した日と相手を残します。
説明を引き継ぐ共有済みの内容と、改めて説明する内容を確認します。新しい依頼元への共有状況と、追加で説明した内容を残します。
提案を出し直す宛先、利用対象、依頼元、条件を見直します。修正した提案書と以前の提案書を区別して残します。
表は編集部作成の例です。

紹介された別会社も改めて確認する

同じグループの会社を紹介されても、利用目的や依頼元まで共通とは限りません。連絡の進め方を窓口と確認し、別法人として商談を整理します。

  • 紹介の範囲を確かめる 紹介先に伝わっている内容と、直接連絡してよい範囲を窓口に確認します。紹介された会社が商品を使う予定かどうかは、紹介の事実とは別に確認します。
  • 役割を改めて確認する 紹介先の会社概要を照合し、使う会社・窓口・依頼元を確認します。元の商談の条件を紹介先の提案にそのまま当てはめません。
  • 既存の商談と区別する 元の提案に加えるのか、別の提案として進めるのかを確認し、営業管理表にも区別して残します。

別会社への提案を始める前の確認

場面確かめること注意
紹介を受けた紹介先の社名と、すでに伝わっている内容を確かめます。紹介されたことだけで利用を前提にしません。
直接連絡したい窓口の了承と、連絡してよい範囲を確かめます。元の商談資料を共有してよいかも確認します。
利用を検討する利用目的、窓口、依頼元を改めて確かめます。元の会社と同じ条件で進められると考えません。
提案対象に加える既存の提案に含めるか、別に提案するかを確かめます。対象を追加する場合は提案書にも反映します。
表は編集部作成の例です。

営業管理表には法人ごとに記録する

グループ全体を同じ行に記録すると、各社の役割や依頼元の変更を追いにくくなります。法人ごとに行を分け、共通する商談との関係を記録します。

  • 法人別に記録する 正式な社名と法人番号を基に会社を区別します。同じグループでも法人ごとに記録を分け、会社ごとの情報を残します。
  • 役割と確認日を残す 商談ごとの役割、窓口の担当者、依頼元を確認した日と相手を残します。未確認の情報は未確認と記載します。
  • 関連する会社を示す グループ内の関係と、同じ商談に関わる会社を記録します。会社情報や役割が変わったら該当する記録を改め、変更前の内容も履歴に残します。

法人別に残す記録項目

記録項目書くこと
法人の基本情報正式な社名、法人番号、所在地、確認に使った情報源を書きます。
商談での役割使う会社・窓口・依頼元のうち、該当する役割を商談ごとに書きます。
窓口の担当者窓口となる会社名、担当者名、連絡先を書きます。
依頼元の確認依頼を出す会社名と確認日、確認した相手、未確認事項を書きます。
グループの関係関係する法人名と関係の内容、確認元を書きます。
関連する商談同じ商談に関わる法人名、提案書の保存先、変更履歴を書きます。
表は編集部作成の例です。

提案前に確認した内容を記入する

進行中の商談について、会社名と確認した内容を記入します。分からない項目には、次に確認する相手と内容を残します。

  • 会社名を具体的に書く グループ名や略称で済ませず、正式な社名を書きます。同じ会社が複数の役割を担う場合も、それぞれ記入します。
  • 未確認の内容を残す まだ確認していない項目は未確認と書き、相手側でも決まっていない項目は未定と書きます。窓口を通して誰に確かめるかまで記入します。
  • 提案書と記録を照合する 記入した内容を提案書と営業管理表に照らします。依頼元が変わっている場合は、古い情報を更新します。

グループ会社が関わる商談の確認メモ

確認項目記入する内容自社の商談で記入する
使う会社対象の法人名、各社の利用範囲と条件の違いを書きます。
窓口の会社法人名、担当者、判断する会社への説明経路を書きます。
依頼を出す会社法人名、確認日、確認相手、変更の有無を書きます。
会社概要の照合各法人の社名・所在地・法人番号の照合結果を書きます。
提案書の宛先宛先の法人名と、記載する利用対象・依頼元を書きます。
記録先法人別の記録場所と、関連する会社・商談の参照先を書きます。
表は編集部作成の例です。記入できない項目には、確認する相手と内容を残します。