社内の回答は相手に送る形に整える

詳しい社員から届いた回答でも、そのまま相手に送れるとは限りません。伝えてよい範囲を確かめ、条件と意味を保って整えます。

  • 送れる範囲を決める 社内だけで共有する説明と、相手に伝えてよい内容を分けます。
  • 残す条件を決める 回答が成り立つ前提と対応範囲を確かめ、言い換えても残す内容を決めます。
  • 確認する項目と記録する項目を決める 送信前に回答者と確かめる項目と、送信後に営業管理表へ残す項目を決めます。

そのまま転送すると回答の意味が変わることがある

社内のやり取りには、相手に見せる想定のない説明が含まれます。転送だけでなく、結論だけの抜き出しでも誤解が生じることがあります。

  • 社内の事情まで伝わる 全文を転送すると、相手への説明に不要な社内の判断事情まで伝わることがあります。
  • 検討中の案が確定に見える 検討中の案が回答に混ざると、相手には実施が決まった内容として読まれるおそれがあります。
  • 前提条件が抜け落ちる 結論だけを送ると、限られた条件での対応が、条件なしで可能だと読まれるおそれがあります。

取りがちな対応と起こり得ること

取りがちな対応起きること防ぎ方
全文を転送する社内向けの事情まで相手に届くことがあります。相手に伝えてよい範囲を確かめます。
検討案も送る未確定の内容が約束に見えることがあります。確定した回答と検討案を分けます。
結論だけ送る前提条件のない回答として読まれることがあります。結論と条件を同じ箇所に記します。
表は編集部作成の例です。

社内向けと相手向けでは説明の前提が違う

社内では通じる省略や用語も、相手には伝わらないことがあります。相手向けには、回答だけで条件と意味が分かる説明が必要です。

  • 社内で共有済みの背景を見直す 社内で共有済みの相談経緯を相手が知らない前提で、必要な説明が抜けていないかを見直します。
  • 省略した条件を補う 対象の商品や利用方法など、回答が成り立つ条件を確認して補います。
  • 社内の言葉を置き換える 略称や社内だけの呼び方は、相手が理解できる言葉に置き換えます。

説明を整える際の違い

違いの型社内向けで起こりがちなこと相手向けにすること
前提の説明社内の相談経緯を知っている前提で書かれています。質問への回答に必要な背景を示します。
省略された条件共有済みの対象や制約が省かれています。対象と制約を回答とともに示します。
社内の言葉略称や内部の呼び方が使われています。相手が分かる名称や説明に置き換えます。
表は編集部作成の例です。

伝えてよい範囲、前提条件、確定しているかを確かめる

回答を受け取っただけでは、相手に伝えてよい範囲まで確認できたとは限りません。誰に何の回答として送るかを示して確かめます。

  • 伝える相手を示す 商談先と質問の背景を伝え、その相手に開示してよい内容かを確認します。
  • 回答の条件を聞く 対象や利用方法、必要な準備など、結論と切り離せない条件を確認します。
  • 確定した内容と検討中の内容を分ける 回答に含まれる内容を確定したものと検討中のものに分け、今回送れる回答の範囲を決めます。

回答者と確かめる内容

確かめること内容注意
伝えてよい範囲今回の相手に開示できる箇所を確認します。社内で共有できることと区別します。
前提条件回答が成り立つ対象と制約を確認します。本文に書かれていない条件も確かめます。
確定しているか確定済みか、検討中かを確認します。検討案を確定した回答に含めません。
表は編集部作成の例です。

社内だけの情報は相手への回答から除く

営業担当者は、社内の事情や他の顧客の情報を、回答の根拠として相手に渡しません。ただし、除くときに相手の判断に必要な条件まで消さないようにします。

  • 社内の調整経緯を除く 社内の調整経緯は除きます。相手に必要な制約は、社内の事情と分けて残します。
  • 他の顧客情報を除く 顧客名だけでなく、案件の内容から他の顧客が分かる記載も確認します。
  • 未確定の中身を除く 検討案や推測は除きます。除くと質問への答えにならない場合は、回答者に確定できる内容を確かめます。

除く内容と扱い

内容の型扱い理由
社内の事情内部の調整経緯を除き、必要な制約は残します。相手の判断に必要な条件を残すためです。
他の顧客の情報顧客を特定できる記載や取引内容を除きます。他の顧客の情報を相手に渡さないためです。
検討中の方針具体案を除き、未確定である旨は必要に応じて残します。相手が検討中の方針を実施の約束と受け取らないためです。
回答者の推測確定した回答から外し、確認できる内容かを回答者に聞きます。推測を事実として伝えないためです。
表は編集部作成の例です。

言葉を変えても条件と断定の度合いを保つ

読みやすくするための編集でも、対応範囲を広げたり、可能性を確約に変えたりしないことが必要です。元の回答と照らして確かめます。

  • 前提条件を残す 結論に必要な条件は、結論の近くに記します。短くするために削らないようにします。
  • 対応範囲を保つ 対象や対応できる内容を変えず、例外や対象外の記載も残します。
  • 断定を強めない 可能性や見込みを示す回答は、断定の度合いを変えずに伝えます。不明点を言い換えで埋めません。

言い換えで保つ内容

保つことすることしないこと
前提条件条件と結論の関係が分かる位置に記します。条件を削って結論だけにしません。
対応できる範囲対象と対象外の区別を残します。一部への対応を全体への対応に広げません。
断定の度合い確定、見込み、未確認の違いを保ちます。見込みを確約に変えません。
表は編集部作成の例です。

回答者の名前を載せるかは必要性と了承で決める

社内の回答に署名があっても、名前や部署を相手に出してよいとは限りません。記載する必要性と、回答者の了承を確かめます。

  • 出す目的を確かめる 説明上必要な場合に、名前や部署の記載を確認します。名前を添えて回答の信頼性を高く見せることはしません。
  • 名前を出さない場合も条件は残す 名前を出さない場合も、回答の条件は残します。社内記録には回答者を残します。
  • 直接連絡の希望は回答者と決める 相手から回答者への直接連絡を求められたら、対応できるかと窓口を回答者と確認してから案内します。

名前や部署を扱う場面

場面すること注意
名前を出す記載の目的と名前・部署の表記を確認します。回答の確認と名前の開示は別に確かめます。
名前を出さない確認済みの内容を相手への回答として整えます。送信元と問い合わせ窓口は明確にします。
直接連絡の希望回答者と連絡方法や対応範囲を決めます。了承なく連絡先を渡したり宛先に追加したりしません。
表は編集部作成の例です。

相手に送る文章を整えてから回答者に確認してもらう

営業担当者は、社内の回答をもとに相手へ送る文章を整えます。元の回答の内容を確かめるだけで終わらせず、送信する版を回答者に確認してもらいます。

  • 質問と回答を照合する どの質問への回答かを確認し、伝えてよい範囲と前提条件を確かめます。
  • 整えた文章を回答者に見せる 不要な内容を除いて整え、条件と意味が変わっていないかを回答者に確認してもらいます。
  • 確認した版を送る 確認後に内容を変えた場合は、変更箇所を再確認します。送信した版は保存します。

回答を受け取ってから送るまで

手順すること注意
回答を受け取る質問と元の回答を照合します。引用部分や添付資料も読みます。
確かめる開示範囲、条件、確定状況を確認します。書かれていない条件は回答者に確認して補います。
整える不要な内容を除き、相手向けに言い換えます。条件と対応範囲は変えません。
回答者に確認する実際に送る文章と変更箇所を示します。添付資料も確認対象に含めます。
送る宛先と確認済みの版を確かめて送信します。過去の社内メールを引用欄に残しません。
表は編集部作成の例です。

追加質問は元の回答条件で答えられるか判断する

追加の質問では、相手が前に送った回答を別の条件にも当てはまると理解していることがあります。確認済みの説明で答えられるか、条件の確認が必要かを分けます。

  • 条件の変化を確かめる 対象や利用方法が変わる質問は、前の結論を当てはめず、変わった条件を示して回答者に確認します。
  • 確認済みの範囲で答える 送った文章のどこに回答があるかの案内や用語の説明は、確認済みの意味を変えない範囲で答えます。
  • 確認箇所を伝える 再確認が必要な場合は、どの条件を確認中かを伝えます。未確認の結論は先に送りません。

追加質問と次の対応

場面することしないこと
条件が変わる送った版と条件の変更点を回答者に示します。元の結論を別の条件へ広げません。
説明を補う確認済みの回答に沿って説明します。新しい対応や約束を付け足しません。
再確認が必要確認中の箇所を伝え、回答者と確かめます。確認できていない内容を推測で答えません。
表は編集部作成の例です。

元の回答と送った回答を営業管理表で対応づけて残す

送信済みの文章だけでは、どの条件で確認した回答かを後から確かめにくくなります。質問、元の回答、送った版を一緒にたどれるように記録します。

  • 質問と回答を結ぶ 相手の質問に、社内の回答と実際に送った回答を対応づけます。
  • 確認の経緯を残す 回答者と確認日、適用条件を残します。回答者が確認した版も分かるようにします。
  • 閲覧範囲を決める 元の回答に社内情報が含まれる場合は、閲覧できる人を絞った場所に保存し、その保存先を記録します。

営業管理表に残す内容

記録項目書くこと
質問商談先、質問の内容、質問時の前提を記します。
社内の回答元の回答の本文、または閲覧範囲を絞った保存先を記します。
送った回答送信した本文と添付資料の保存先を記します。
回答者回答者、確認日、確認した版を記します。
条件適用する対象、制約、確定状況を記します。
送信日と版送信日、宛先、送った文章の版の名称や日付を記します。更新前の版も残します。
表は編集部作成の例です。

確認表に根拠を書いてから送信する

確認したつもりで終わらせず、伝える範囲や残す条件を具体的に書きます。送信前に送る予定の版を記し、送信後に実際の日付と保存先を追記します。

  • 範囲と条件を書く 相手に伝えてよい範囲と、回答に残した前提条件を記入します。
  • 編集した箇所を書く 除いた内容と言い換えた箇所を記し、回答者の確認結果を残します。
  • 未確認の点があれば確かめてから送る 開示範囲や回答条件に未確認の点があれば、確かめてから送ります。送信後は記録を更新します。

社内の回答を相手に送る前の確認表

確認項目記入する内容記入欄
伝えてよい範囲今回の相手に伝えてよい内容と、その確認先を書きます。
前提条件回答に残した対象、利用条件、制約を書きます。
除いた内容除いた内容の種類と、除いた理由を書きます。
言い換えの確認変更箇所と、条件・範囲・断定の度合いの確認結果を書きます。
回答者の確認確認した人、確認日、確認した版、名前の開示可否を書きます。
送信・版・記録送信前は送る予定の版を、送信後は送った日・版・営業管理表の保存先を書きます。
確認表は編集部作成の例です。