初回商談で扱う内容を相手と決める

商談を承諾されたという事実だけでは、相手が聞きたいことは分かりません。この資料では、案内した内容を振り返り、今回の商談で何を確かめたいかを相手に尋ねて、当日扱う内容を決めるまでの手順を扱います。

  • 相手の期待を確かめる 商談につながった案内と相手の返答から、今回知りたいことを確かめます。
  • 説明する範囲を決める 相手の希望と自社が説明できることを照らし合わせ、扱う内容と扱わない内容を決めます。
  • 事前に伝える内容を決める 当日の予定と未確認の内容を整理し、相手に何を確認してもらうかを決めます。

商談につながった案内を読み直す

商談の出発点は、承諾につながった案内です。何を紹介し、何を確認できると伝えたかを、実際の文面や記録で読み直します。

  • 伝えた内容を確かめる 紹介した内容と、商談で説明すると伝えた範囲を確認します。自社の別の担当者が案内した場合も記録をたどります。
  • 返答と推測を分ける 相手が触れた内容を記録します。承諾の理由が分からない場合は、関心がある内容を推測で決めません。
  • 説明のずれを見つける 案内と当日の説明予定を比べます。案内した内容を当日説明できない場合は、営業担当者が事前に相手へ伝えます。

案内と当日の説明を比べる

案内の手段読み直すこと当日への反映
手紙DM送った文面で、何を紹介したかを確認します。紹介した内容を、相手の希望と照らし合わせる候補にします。
電話会話の記録で、説明内容と相手の返答を確認します。相手が関心を示した内容を候補にします。
フォーム送信した文面と、その後の返信を確認します。返信で触れられた内容を優先候補にします。
表は編集部作成の例です。記録にない承諾の理由は、未確認として扱います。

商談の承諾だけで、購入の意思があると判断しない

説明を聞くことへの承諾と、購入する意思は別です。購入に向けた説明を始める前に、今回の商談に応じた目的を確かめます。

  • 聞く目的を確かめる 概要を知りたいのか、比較したいのかで必要な説明は変わります。承諾だけで目的を決めつけません。
  • 購入を前提にしない 購入の意思が確認できていない段階で、契約や導入の手続きを中心に据えません。
  • 相手の発言と自社の推測を分ける 相手が話した事実と自社の推測を分けて記録します。判断材料がない内容は、未確認と記録します。

商談に応じた目的で説明を変える

相手の状況起きやすい食い違い確かめ方
概要を知りたい営業担当者が、概要を知る前の相手に購入の条件を説明してしまいます。今回、どこまで理解したいかを確かめます。
比較したい比較したい点に触れず、自社の特徴だけを説明します。何を比べるために話を聞くのかを確かめます。
情報を集めたい営業担当者が、導入を決める商談として準備してしまいます。情報を何の検討に使うのかを確かめます。
目的が不明営業担当者が、承諾を購入への関心と解釈してしまいます。今回の商談に期待することを尋ねます。
表は編集部作成の例です。相手の目的は重なる場合もあり、分類だけで決めません。

相手が今回知りたいことを尋ねる

事前に確かめるのは、今回の説明内容を決めるために必要なことです。知りたい内容と、説明を聞いて判断したいことを分けて尋ねます。

  • 知りたい内容を聞く 案内のどこに関心を持ち、何を詳しく知りたいのかを尋ねます。自社の説明予定だけで話題を決めません。
  • 判断したいことを聞く 説明を聞いた後に、相手が何を判断したいかを確かめます。相手が今回の商談で購入を判断したいとは限りません。
  • 同席者の役割を聞く 同席者がいる場合は、今回どの立場で何を確認するのかを尋ねます。役職だけで関心を推測しません。

説明内容を決めるために確かめる

確かめること内容確認できなかった場合
知りたい内容今回、詳しく聞きたい内容を確かめます。案内をもとに説明の候補を示し、相手が知りたい内容は未確認と記録します。
判断したいこと商談で得た情報から何を判断したいかを確かめます。判断したいことは未確認と記録し、購入判断を前提にした準備はしません。
同席者の役割誰がどの内容を確認する予定かを確かめます。確認できた参加者と、役割が未確認の参加者を分けて記録します。
表は編集部作成の例です。事前確認は、今回の説明内容を決める範囲に絞ります。

自社が当日説明できる内容を具体的に伝える

相手の希望を聞くだけでは、当日聞ける内容は伝わりません。説明できることと、その場では決められないことを具体的に示します。

  • 説明内容を具体化する サービスの紹介という大きなくくりで済ませず、機能や利用条件など、説明する内容を具体的にします。
  • 決められないことを示す 説明できる範囲と、確定できる範囲は分けます。社内確認が必要な条件を、その場で決まるように伝えません。
  • 資料の役割を伝える 持参する資料の種類と、その資料で何を確認できるかを伝えます。資料名だけの案内にしません。

説明できることを具体的に示す

伝えること内容注意
説明できること当日説明する機能や利用条件を示します。幅広い説明を約束せず、範囲を明記します。
決められないこと社内確認が必要な条件や対応可否を示します。説明できることと、確約できることを分けます。
持参する資料資料で確認できる内容を示します。参考資料か、今回の条件を示す資料かを区別します。
表は編集部作成の例です。説明できる範囲は、当日参加する人の知識と、用意できる資料から判断します。

相手の希望と自社の説明予定を照らし合わせる

希望を聞いたら、自社の説明予定と照らし合わせます。一致する内容だけでなく、説明の過不足や前提の違いも確認します。

  • 共通する内容を選ぶ 相手が知りたいことと説明できることが重なる内容を、当日扱う候補にします。
  • 説明の過不足を直す 自社の説明予定に相手の希望と関係のない内容が多い場合は、必要性を見直します。相手の希望にすべては応えられない場合は、どこまで対応できるかを示します。
  • 前提の違いを確かめる 対象となる業務や想定する使い方が違う場合は、説明内容を決める前に前提を確認します。

照合した結果から対応を決める

照らし合わせた結果すること記録
一致する当日扱う候補として相手に伝えます。共通して扱いたい内容を残します。
自社の予定に希望と無関係な内容が多い希望に関係する説明かを見直し、残す内容の必要性を相手に伝えます。残す内容と外す内容、その理由を残します。
希望に応えきれない内容がある説明できる範囲と対応できない範囲を相手に伝えます。今回答えられる内容と未対応の希望を残します。
前提が違う対象業務や想定する使い方を確かめ直します。異なる前提と、確認できた内容を残します。
表は編集部作成の例です。社内で決めた説明予定は、相手との合意とは区別します。

当日扱わない内容も事前に伝える

希望された内容を扱わない場合は、商談前に知らせます。扱わない理由と、代わりに確認できることを伝えます。

  • 扱わない理由を伝える 別の機会に説明するのか、担当が違うのか、答えられないのかを分けて伝えます。対応できる見込みがない内容を、後日なら対応できるかのように伝えません。
  • 代わりの確認方法を示す 別の資料や担当への確認で対応できる場合は、その方法を示します。対応できるか不明な段階では約束しません。
  • 商談の目的を見直す 相手が最も知りたい内容を扱えない場合は、残る内容でも商談を行う意味があるかを確かめます。

扱わない理由と代わりの対応を示す

扱わない内容伝え方の方針代わりに示すこと
別の機会に説明する内容今回扱わない理由と、いつ説明できるかの見込みを伝えます。説明に必要な条件や、用意できる資料を示します。
自社の別の担当者が答える内容当日参加する人では回答できない範囲を伝えます。担当者への確認ができるかを示します。
答えられない内容回答できないことと、その理由を伝えます。関連して説明できる範囲を示します。
表は編集部作成の例です。代わりの対応ができない場合は、その点も明示します。

当日確認できることと事前準備の目的を伝える

同じ内容でも、資料で説明するのか、実物や画面を見られるのかで期待は変わります。準備を頼む場合も、何の確認に使うかを添えます。

  • 当日の説明方法を示す 資料の説明、実物の確認、画面の実演など、当日どの方法で確かめられるかを伝えます。
  • 回答できる範囲を示す 用意する資料と参加者を踏まえ、その場で答えられる質問の範囲を示します。
  • 準備の目的を添える 準備を頼む内容と用途を伝えます。準備できない場合に説明がどう変わるかも示します。

説明方法から必要な準備を考える

伝えること内容注意
実物や画面実物を見られるか、画面を実演するかを伝えます。見るだけか、実際に操作できるかを区別します。
質問への回答その場で答えられる範囲を伝えます。持ち帰って確認する内容があることも示します。
事前準備準備する内容と、何の確認に使うかを伝えます。必須か任意か、準備できない場合の対応も示します。
表は編集部作成の例です。準備を頼むのは、当日の確認に使う内容に限ります。

確認した内容を商談前に相手へ伝える

やり取りで確認した内容を、商談前にまとめて伝えます。確認できたことと、まだ返答をもらっていない予定を分けて示します。

  • 扱う範囲をまとめる 当日扱う内容と扱わない内容を併記します。相手の希望をどう反映したかが分かるようにします。
  • 参加者と準備を記す 参加者の役割、当日確認できること、必要な準備をまとめます。未定の内容は未定と記します。
  • 確認してほしい点を示す 説明予定に希望との食い違いがないかを確認してもらいます。返答が必要な点を明確にします。

商談前に伝える内容をまとめる

伝える項目書くこと確認すること
当日扱う内容説明する内容と確認できることを書きます。相手の希望を反映しているかを確認します。
扱わない内容今回は扱わない範囲と理由を書きます。希望された内容を黙って外していないかを確認します。
参加者確認できた参加者と役割を書きます。未定の参加者を確定としていないかを確認します。
事前準備頼む準備と、その用途を書きます。必須か任意かを伝えているかを確認します。
確認の依頼相手に確認や返答を求める点を書きます。未確認の予定を合意済みとしていないかを確認します。
表は編集部作成の例です。送っただけの内容と、相手が同意した内容を分けて記録します。

返答がない案内を合意済みとして扱わない

説明予定を送っても、相手から返答がなければ合意したとはいえません。一部だけの返答と当日の変更は、それぞれ確認できた範囲を分けて扱います。

  • 無返答を未確認とする 送信した事実だけで、説明予定への承諾があったと判断しません。未確認の内容を当日の確認事項に残します。
  • 返答の範囲を分ける 参加者についての返答だけで、相手が説明内容にも同意したとは判断しません。何について確認できたかを記録します。
  • 変更の希望を確かめる 当日に変更を求められたら、希望と対応できる範囲を確認します。難しい内容は理由と代わりの対応を示します。

返答の状態に応じて予定を扱う

場面すること記録
返答がない説明予定を未確認として扱い、当日の冒頭で確かめます。送った内容と未確認の点を残します。
一部だけ返答返答が触れていない内容は、未確認のまま残します。確認できた内容と未確認の内容を分けます。
当日に変更希望変更の希望と対応可否を確認し、扱う範囲を決め直します。変更後の内容と、扱わない内容を残します。
表は編集部作成の例です。返答がないことは、同意とも拒否とも決めつけません。

相手と決める内容をメモに書き出す

予定している商談をもとに、説明内容を決めるメモを書きます。確認した事実、自社の予定、未確認の内容を区別して記入します。

  • 案内と希望を結び付ける 何を案内し、相手が何を知りたいと答えたかを書きます。承諾だけでは分からないことも残します。
  • 説明の範囲を言葉にする 希望との一致や食い違いを踏まえ、扱う内容と扱わない内容、その理由を書きます。
  • 未確認の点を残す 相手へ伝える内容と、返答がない場合に未確認として残す内容を書きます。空欄を推測で埋めず、未確認と記します。

初回商談の内容を相手と決めるメモ

記入する項目書き込む内容自社の記入欄
案内の読み直し伝えた内容、相手の反応、承諾だけでは分からないことを書きます。
知りたいこと今回知りたい内容、判断したいこと、同席者の役割を書きます。
自社の説明予定説明できる範囲、資料、希望との一致や食い違いを書きます。
扱わない内容今回は扱わない内容、理由、代わりに示せることを書きます。
事前に伝える項目扱う範囲、参加者、資料や実演などの説明方法、準備の目的、相手に確認を求める点を書きます。
無返答時の扱い未確認で残す内容と、当日に確かめることを書きます。
表は編集部作成の例です。記入欄は自社で整理するためのもので、送付文面ではありません。