初回に聞くことを、会話の目的から決める
相手の業務の現状と検討の条件を確かめるために、質問を組み立てます。会話の始め方から回答の確認までを、質問メモにまとめます。
- 会話の始め方を決める 質問の前に共有する目的と、公開情報で調べておくことを決めます。
- 聞く内容を決める 業務の現状や不便な場面、変えたいことと残したいこと、検討の条件を整理します。
- 回答の確認方法を決める 相手の社内で提案を確認する人と、その人が確認する内容を聞き、回答を要約します。認識を確かめてから、提案できる範囲を伝えます。
初回は相手の業務と検討の条件を確かめる
提案を詳しく話す前に、現在の業務と検討できる条件を聞きます。答えが得られなかった項目は、推測で埋めずに未確認として残します。
- 業務の現状を聞く 現在の手順や役割、不便を感じる場面を聞きます。提案に関係する業務から確かめます。
- 相手の意向を聞く 変えたいことと、今のまま残したいことを聞きます。変更を望んでいるとは限りません。
- 検討の条件を聞く 外せない条件や確認が必要な人を聞きます。未定の内容は、その状態で記録します。
初回の会話を進める順序
- 目的を共有する
- 現状と意向を聞く
- 検討の条件を聞く
- 要約して認識を確認する
質問する前に、会話の目的を共有する
相手がこの会話で知りたいことと、こちらが確認したいことは同じとは限りません。相手が案内のどこに関心を持ち、先に何を知りたいかを確かめてから、質問の目的を伝えます。
- きっかけを確かめる どの案内を見て、何を確かめたいと思ったかを聞きます。案内を覚えていなければ、概要を伝えます。
- 聞く目的を伝える 「ご案内した内容が御社の業務に合うか確かめるために、現在の業務を伺いたい」と伝えます。
- 先に知りたいことに答える 質問を受けたら、答えられる内容から説明します。確認が必要な内容は、その旨を伝えます。
質問を始める前の共有事項
| 最初に伝えること | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 案内の概要 | どの案内についての会話かを伝える。 | 案内を読んだ前提で進めない。 |
| 会話の目的 | 案内した内容が相手の業務に合うか確かめたいと伝える。 | 検討を始めたと決めつけない。 |
| 聞きたい範囲 | 現在の業務と検討の条件を伺うと伝える。 | 答えられる範囲でよいと添える。 |
| 進め方 | 先に知りたいことがあれば説明すると伝える。 | 用意した質問の順序に固執しない。 |
公開情報で調べることと会話で聞くことを分ける
事業内容や拠点、公表資料は会話の前に確認します。社内の手順や不便な場面は、公開情報だけでは判断せず、会話で確かめます。
- 基本情報を調べる 事業内容や拠点を確認し、参照元と公表時点をメモします。情報が現在も同じかは必要に応じて聞きます。
- 業務の実態を聞く 公表された方針だけで日々の業務の進め方を推測しません。実際の手順や役割は会話で確かめます。
- 推測と回答を分ける 業界の傾向は質問を考える参考にとどめます。相手にも同じ困りごとがあるとは判断しません。
調べる内容と聞く内容の区別
| 項目 | 公開情報で確認 | 会話で聞く |
|---|---|---|
| 事業内容 | 公表されている事業やサービスを調べる。 | 今回の話に関係する業務の範囲を聞く。 |
| 拠点 | 公表されている所在地や拠点を調べる。 | 対象業務をどの拠点で行っているかを聞く。 |
| 公表資料 | 方針や取り組み、公表時点を確認する。 | 今回の業務との関係を聞く。 |
| 業務の手順 | 紹介があれば、事前情報として読む。 | 現在の手順と作業の分担を聞く。 |
| 不便な場面 | 公開情報だけでは分からない。 | 不便を感じる場面があるかを聞く。 |
今の業務を、手順と役割に沿って聞く
対象の業務が始まってから終わるまでの流れを聞きます。各作業を誰が担い、どこで引き継ぐかを、提案に必要な範囲で確かめます。
- 手順を順に聞く 何をきっかけに始まり、どの作業を経て完了するかを聞きます。分かりにくい箇所だけ補足を求めます。
- 作業ごとの役割を聞く 作業を行う人と、内容を確認する人を聞きます。個人名が不要なら部署や役割で記録します。
- 聞く範囲を絞る 提案との関係を説明できる項目に絞ります。顧客名や社内資料の詳細は、提案に必要がなければ求めません。
現在の業務を理解するための質問
| 聞くこと | 聞き方の要素 | 聞かないこと |
|---|---|---|
| 開始と完了 | 業務が始まるきっかけと、完了とする状態を聞く。 | 関係のない業務まで広げない。 |
| 作業の順序 | 普段の進め方を、作業の順に聞く。 | 必要のない操作の詳細は求めない。 |
| 作業の分担 | 各作業と確認を担う部署や役割を聞く。 | 個人の能力や評価は尋ねない。 |
| 引き継ぎ | どの段階で、何を次の人へ渡すかを聞く。 | 実際の顧客情報の提示は求めない。 |
不便の有無を確かめ、起きる場面を聞く
まず、今の進め方で不便を感じる場面があるかを聞きます。不便がある場合は、どの作業で何が起きるのかを具体的に確かめます。
- 不便の有無から聞く 困っていることがある前提で質問しません。特に困っていないという回答も、そのまま記録します。
- 場面を具体的に聞く 不便を感じた作業と、そのとき起きたことを聞きます。相手が話せる範囲で具体的な出来事を聞き、状況を確かめます。
- 影響を決めつけない その後の作業に影響があるかを聞きます。不便の大きさや原因を、こちらで決めません。
回答に応じた質問の進め方
| 答えの型 | 次に聞くこと |
|---|---|
| 不便がある | どの作業で何が起き、その後に影響があるかを聞く。 |
| 時々困る | 困るときと困らないときで、状況に違いがあるかを聞く。 |
| 説明しにくい | 話せる出来事があれば、そのときの作業の流れを聞く。 |
| 困っていない | 今の業務についてほかに聞いておくべき点があるかを尋ね、なければこの項目を終える。 |
| 把握していない | この項目の確認が必要かを聞き、必要なら確認先を相談する。 |
変えたいことと、残したいことを聞く
不便があることと、変更を望むことは同じではありません。変わると進めやすくなる部分と、今の方法で役立っている点を聞きます。
- 望む変化を聞く 何がどう変わると業務を進めやすくなるかを聞きます。手段を勧める前に、望む状態を確かめます。
- 残したい点を聞く 今の方法で役立っている点や、続けたい手順を聞きます。変更によって失いたくない点を記録します。
- 変更の意向を確かめる 不便があっても、今は変更を望まない場合があります。意向を確認できていなければ、変更を望んでいるとは扱いません。
提案の前に確かめる変更の意向
| 聞くこと | 確認する理由 |
|---|---|
| 変えたい部分 | どの作業の変更を望んでいるかを確かめる。 |
| 望む状態 | 変更後にどう進められるとよいかを確かめる。 |
| 役立っている点 | 今の方法を続けたい理由を理解する。 |
| 残したい手順 | 提案で維持する必要がある手順を確かめる。 |
| 今の変更意向 | 現時点で変更を検討したいかを確かめる。 |
検討するときに外せない条件を聞く
提案するサービスでどの作業を扱う必要があるかと、今の仕組みとの関係を確かめます。費用や時期は答えられる範囲で聞き、未定の条件をその場で無理に確定させません。
- 必要な範囲を聞く 提案するサービスで扱う必要がある作業を聞きます。今の仕組みや手順を続ける必要があるかも確かめます。
- 費用と時期を聞く 費用に制約があるかと、実施の希望時期を聞きます。答えにくければ未確認として残します。
- 未定の条件を残す 外せない条件と、できれば満たしたい希望を分けます。未定なら、何が分かれば決められるかを聞きます。
条件の確認と未定の場合の扱い
| 条件 | 聞き方の要素 | 未定のときの扱い |
|---|---|---|
| 対応範囲 | サービスで扱う作業と、対象外の作業を聞く。 | 範囲を決めるために必要な情報を聞く。 |
| 今の仕組み | 継続利用や連携が必要かを聞く。 | 仕様や運用の確認が必要かを聞く。 |
| 費用 | 制約の有無を、答えられる範囲で聞く。 | 金額を仮定せず、確認できる時期を聞く。 |
| 時期 | 実施の希望時期と、実施するかを決める時期を聞く。 | いつ分かるかを聞き、確認する時期を相談する。 |
| 必須と希望 | 外せない条件か、希望する条件かを聞く。 | 区別が決まっていないと記録する。 |
提案を確認する人と、その役割を聞く
提案を検討する場合に、どの部署の誰の確認が必要かを聞きます。使う人と契約を判断する人が同じかどうかは、役職だけでは判断できません。
- 検討の進め方を聞く 検討する場合、誰に何を確認する必要があるかを聞きます。まだ決まっていなければ、そのまま記録します。
- 確認する内容を聞く 実務で使えるか、仕組みに合うか、費用が承認されるかなど、確認する内容ごとに、誰が確認するかを聞きます。
- 役職で決めつけない 相手の役職だけを見て、その人が何を決められるかを推測しません。説明に必要な資料と、その共有方法を相談します。
検討に関わる役割の確認
| 役割 | 確認すること |
|---|---|
| 実務で使う人 | 提案するサービスを日々の作業で使えるかどうか、誰が確認するかを聞く。 |
| 業務の責任者 | 手順や分担の変更について、誰の確認が必要かを聞く。 |
| 仕組みの管理者 | 既存の仕組みとの関係を、誰が確認するかを聞く。 |
| 費用の確認者 | 費用について、どの部署の誰の確認が必要かを聞く。 |
| 契約の判断者 | 契約の判断に必要な確認と、その順序を聞く。 |
| 連絡の窓口 | 資料の共有先と、今後の連絡先を確認する。 |
回答を要約して確かめ、提案できる範囲を伝える
聞いた内容を相手の言葉に沿って要約し、「この理解で合っていますか」と確認します。訂正を反映してから、対応できる範囲と確認が必要な範囲を伝えます。
- 回答を要約する 現状、意向、条件を短く整理します。未確認の内容を回答に混ぜず、訂正や補足がないかを聞きます。
- 対応の範囲を伝える 対応できる内容、できない内容、社内確認が必要な内容を分けます。確認前の内容は約束しません。
- 次の対応を相談する 続ける場合は、確認事項と次の連絡方法を決めます。条件が合わなければ、無理に検討を勧めません。
要約から次の対応までに伝えること
| 伝えること | 内容 |
|---|---|
| 回答の要約 | 現状、意向、条件を伝え、理解が合っているかを確認する。 |
| 未確認の項目 | 答えが得られていない点や、未定の条件を伝える。 |
| 対応できる内容 | 確認した要望のうち、どこまで対応できるかを伝える。 |
| 対応できない内容 | 外せない条件を満たせない場合は、その点を明確に伝える。 |
| 社内確認が必要 | 確認する内容と、回答時期の見込みを伝える。 |
| 次の対応 | 連絡の要否を確認し、続ける場合は内容・方法・時期を相談する。 |
質問メモに回答と未確認の項目を残す
会話の前に、会話の目的と確認した公開情報の参照元を書き、聞きたい項目を確認します。会話中は回答を短く記録し、最後に要約して認識を確かめます。
- 会話の前に書く 会話の目的と、確認した公開情報の参照元を記入します。会話で確かめたい点も添えます。
- 回答を分けて記録する 回答は相手の言葉に沿って書きます。聞けなかった項目は「未聴取」、相手も決めていない条件は「未定」と分けて残します。
- 終わりに要約を確かめる メモをもとに回答を要約して相手に確かめ、提案できる範囲を伝えます。次の連絡の要否と、続ける場合の内容・方法・時期を書きます。
初回ヒアリングの質問メモ
| 確認項目 | 記入欄 | 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 会話の目的 | 確認した公開情報 | ||
| 現在の手順 | 担当者と役割 | ||
| 不便な場面 | 変えたいこと | ||
| 残したいこと | 外せない条件 | ||
| 確認する人 | 未確認の項目 | ||
| 次の連絡 |
