商品の機能と期待できる効果を書き分ける
商品が行うことと、導入後に期待する結果を分けて説明します。「本当にそうなるのか」と聞かれたときに、効果の根拠と、追加で確認が必要な点を答えられる資料にします。
- 機能と効果を分ける 商品が行うことは機能として書き、利用条件で変わる結果は効果として書きます。
- 効果に条件を添える 効果には前提条件と根拠の所在を添えます。効果に影響する相手の作業手順や利用環境は、商談で確認する項目として書きます。
- 答える範囲を決める 未確認の効果を約束せず、答えられる範囲を決めます。資料の版と確認者も残します。
機能と効果では説明する対象が違う
機能は商品が行うことで、効果は使った結果として起きる変化です。同じ機能でも、業務の進め方や使う人によって結果が変わります。
- 商品の動作を書く 表示する、保存する、通知するなど、実際の仕様で確認できる動作を書きます。
- 利用後の変化を書く 探す作業が減るなどの変化は効果です。機能があることだけでは、その変化まで約束できません。
- 混ざった文を分ける 条件が書かれていないと、使えばその結果が得られると読まれることがあります。機能と効果を分け、効果の条件を明記します。
機能と効果の区別
| 区分 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| 機能 | 商品が行う動作を書きます。 | 入力した情報を一覧で表示します。 |
| 効果 | 利用条件と結果を書きます。 | 必要な情報を一覧で確認できれば、別の資料を探す作業を省ける場合があります。 |
| 混在した文 | 動作から結果を断定しません。 | 「一覧で表示するので、探す手間がなくなります」とは書きません。 |
効果を書くときは前提条件を添える
効果だけを書くと、その効果を得るために利用者が行う準備や作業が伝わりません。成立する条件と、当てはまらない場合を効果の近くに書きます。
- 利用の条件を書く 対象となる情報や設定など、その結果が出るために必要な条件を明記します。
- 相手の作業を書く 入力や更新、内容の確認が必要なら、その作業を省略せずに書きます。
- 当てはまらない場合を書く 条件を満たさない場合や、別の作業が残る場合も示します。「場合があります」だけで済ませません。
効果に添える条件
| 効果の書き方 | 添える前提 | 注意 |
|---|---|---|
| 転記作業を省ける | 対応する形式の情報を取り込むと、その情報の手入力を省けます。 | 対象外の情報には転記が残ります。 |
| 資料探しを省ける | 必要な情報を登録し、更新します。 | 未登録の情報は別に探します。 |
| 確認を促せる | 通知先を設定し、通知を受けた担当者が内容を確認します。 | 通知を送るだけでは、内容の確認は完了しません。 |
確かめていない効果は商品で得られる結果として書かない
社内で検証した結果、顧客から聞いた内容、まだ試していない想定を区別して書きます。確認できた範囲を越えて、導入後の結果を断定しません。
- 検証の範囲を守る 社内で確かめた条件と結果を書きます。条件の違う相手にも同じ結果が出るとは書きません。
- 顧客の話と検証結果を区別する 顧客から聞いた内容は、その顧客の利用状況での話として扱います。掲載の許可も確認します。
- 想定を確認済みにしない 試していない効果は未確認と明記します。導入後の結果として約束せず、検証する項目として社内に記録します。
根拠に応じた書き方
| 根拠の状態 | 書いてよい形 | 書かない形 |
|---|---|---|
| 社内で確認 | 検証した条件と、その条件で確認した結果を書きます。 | 社内で確認した結果を、すべての利用者に約束します。 |
| 顧客から聴取 | 許可を得た範囲で、利用状況と顧客の報告を書きます。 | 聞いた内容を、自社で検証した結果として書きます。 |
| 想定の段階 | 効果は未確認とし、確認したい内容を書きます。 | 「期待できます」と添えて、根拠のある効果に見せます。 |
相手の状況で変わる部分は確認項目にする
相手の業務や利用環境が分からなければ、効果を判断できないことがあります。その部分は推測で埋めず、資料に確認項目として書きます。
- 今の業務を聞く 現在の作業手順と、困っている場面を確かめます。相手がすでに行っていない作業を、商品で省けるとは説明しません。
- 道具と使う人を聞く 既存の道具や情報の形式を確かめます。操作する人と、内容を確認する人も分けて聞きます。
- 利用する時期を聞く 準備できる時期と使い始めたい時期を分けて聞きます。準備前の段階で結果を約束しません。
資料から商談へ持ち込む確認項目
| 変わる要因 | 資料に書く形 | 商談で確かめること |
|---|---|---|
| 相手の業務 | 現在の作業手順を確認して、商品を使う作業を決めます。 | どの場面で、どの作業が発生しているか |
| 既存の道具 | 現在お使いの道具と情報の形式を確認します。 | 今の道具から情報を取り出せるか、その情報を商品に取り込めるか |
| 使う人 | 操作と内容確認の分担を確認します。 | 誰が入力し、誰が内容を確かめるか |
| 利用する時期 | 準備の状況を確認して、利用開始時期を相談します。 | 設定や情報の準備をいつ行えるか |
根拠のある効果は根拠の所在を書く
根拠があっても、参照する記録名と該当箇所が分からなければ説明に使えません。効果の記述から、条件と結果を確認できる資料へたどれるようにします。
- 検証記録を示す 記録名、検証日、該当箇所を書きます。検証時と現在で商品の仕様が変わっていないかも確かめます。
- 事例の許可を確かめる 掲載を許可された文面と条件を確認します。顧客の発言を、意味が変わる形で切り取らないようにします。
- 公的資料の範囲を守る 資料の発行元と該当箇所を示します。市場や業務の説明を、自社商品の効果の証明には使いません。
根拠の記載と確認
| 根拠の種類 | 書き方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 自社の検証 | 記録名・検証日・該当箇所・検証条件を記します。 | 検証記録の内容が、資料に書いた効果を裏づけているか |
| 許可済みの事例 | 事例名・利用条件・参照先を許可の範囲で記します。 | 掲載文面と公開範囲の許可があるか |
| 公的な資料 | 発行元・資料名・公表日・該当箇所・参照先を記します。 | 対象や条件が、説明している内容と合うか |
比較の言葉と最上級を使わずに説明する
他社より優れるという表現や最上級を使わず、確認できる機能と条件を書きます。「誰でも」「すぐに」など、利用条件を省く言葉も見直します。
- 他社との差を断定しない 他社との優劣を述べる代わりに、商品の操作や対応する範囲を具体的に書きます。
- 順位を示さない 「最も」「一番」を外し、何ができるのかを書きます。強い形容詞への置き換えで済ませません。
- 条件を省かない 使う人の経験や事前準備によって変わる部分を明記します。速さや容易さを一律に約束しません。
表現を見直す方針
| 使わない表現の型 | 言い換えの方針 |
|---|---|
| 他社より便利 | 対応する作業と、実際に行う操作を書きます。 |
| 最も使いやすい | 画面でできることと、必要な操作を書きます。 |
| 一番選ばれている | 選ばれ方の順位を外し、商品の機能を説明します。 |
| 誰でも使える | 利用に必要な知識、権限、準備を書きます。 |
| すぐに効果が出る | 効果を確認するための条件と手順を書きます。 |
効果を聞かれたときは確認済みの範囲で答える
「本当にそうなるのか」には、分かっていることと未確認のことを分けて答えます。確認が必要なら、方法と回答する時期をその場で相談します。
- 分かることを答える 商品の機能と、効果を確認したときの条件と結果を説明します。別の条件でも再現するとは断定しません。
- 分からない点を伝える 相手の業務での結果が未確認なら、その点を明確に伝えます。見込みを確定した結果として答えません。
- 確認方法と時期を決める 必要な情報、確認する人、確認方法を決めます。結果を答えられない場合の連絡時期も相談します。
質問に答える範囲
| 質問の型 | 答える範囲 | その後の対応 |
|---|---|---|
| 本当にできるか | 仕様で確認できる機能と、利用に必要な条件 | 仕様の該当箇所や実際の動作を示します。 |
| 当社でも同じ効果が出るか | 確認済みの条件と、相手の状況で未確認の点 | 業務や環境を聞き、確認方法と回答時期を決めます。 |
| いつ効果が出るか | 確認できている時期と、未確認ならその理由 | 準備状況を確かめ、結果を確認する時期を相談します。 |
| 約束できるか | 自社が約束すると定めている内容と条件 | 定めた範囲を越える要望は持ち帰り、確認後に答えます。 |
資料の版と確認者を記録して残す
説明を修正しても、古い資料が使われると、現在の仕様や条件と異なる説明が相手に伝わるおそれがあります。変更した内容と確認者を記録し、送付先から使用した版をたどれるようにします。
- 変更の理由を残す 変更した箇所だけでなく、仕様の変更や根拠の見直しなど、修正した理由も書きます。
- 確認した範囲を残す 確認者名と確認日、確認した内容を記録します。未確認の項目がある場合も明記します。
- 送付先と版を結ぶ 送付先、送付日、資料の版を記録します。説明の訂正が必要になったら、影響する送付先を確認します。
資料と一緒に残す記録
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 資料名と版 | 資料名、版を識別する名前、更新日 |
| 変更履歴 | 変更箇所、変更前後の文、変更した理由 |
| 確認した人 | 確認者名、確認日、確認した範囲、未確認の項目 |
| 根拠との対応 | 効果の記述に対応する根拠の記録名と版、保管先 |
| 送付の記録 | 送った相手、送付日、送った資料の版 |
| 使用する版 | 現在使う版の保管先、古い版の使用停止の記録 |
営業の手段が変わっても説明の範囲を守る
手紙、フォーム、テレアポでも、機能と効果の区別は変えません。短くする過程や口頭での補足で、条件のある効果を確約に変えないようにします。
- 短くても条件を残す 効果に必要な条件を載せられない場合は、その効果の記載を見送ります。機能の説明だけでも、商品が何をするかは伝えられます。
- 口頭でも範囲を守る 説明済みの条件を省いたり、安心してもらうために未確認の結果を約束したりしません。
- 伝えた内容を記録する 使った文面や資料の版、口頭で補足した内容、持ち帰った質問を記録します。
手段ごとの確認基準
| 手段 | 機能の書き方 | 効果の書き方 |
|---|---|---|
| 手紙 | 承認した機能の説明と一致しているか確認します。 | 短くした文で、効果だけが残り前提条件が抜けていないか確認します。 |
| フォーム | 文字数を調整した後も、商品の動作と対象が正しいか確認します。 | 条件や根拠を示せない効果は記載を見送ります。 |
| テレアポ | 話す内容を、仕様で確認できる動作に絞ります。 | 確認済みの条件内で説明し、回答に必要な事実が未確認の質問は持ち帰ります。 |
自社商品の機能と効果を分けてメモに書く
自社の資料に載せたい説明を、このメモに書き出します。根拠や条件が空欄になる効果は掲載せず、相手に確認する内容を決めます。
- 動作と結果を分ける 商品の動作を機能の欄に、利用後の変化を効果の欄に書きます。効果には前提条件を添えます。
- 根拠と不明点を書く 参照する記録と、相手に聞かないと分からないことを書きます。想定だけの効果は未確認と記します。
- 回答と使用する版を決める 使わない表現と答える範囲を決めます。確認者名と版を記録してから、営業の資料として使います。
営業説明を書き分けるメモ
| 記入項目 | 記入欄 | 記入項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 商品の機能 | 商品が行うこと: | 効果と前提条件 | 期待する結果:/必要な条件・作業:/当てはまらない場合: |
| 根拠の所在 | 記録名・該当箇所・保管先:/未確認の点: | 相手への確認項目 | 業務・道具・使う人・時期: |
| 使わない表現 | 資料から外す表現: | 質問への回答範囲 | 答えられること:/持ち帰ること:/確認方法・回答時期: |
| 版と確認者 | 資料の版・更新日:/確認者・確認範囲: | 送付の記録 | 相手・送付日・送った版: |
