利用者がいても運用できるとは限らない
商品の操作を説明するだけでは、利用全体を管理する仕事が伝わりません。管理の中身と発生する場面を先に示し、導入後に誰が何を担うかを一緒に考えます。
- 仕事の分け方を決める 日常的に使う仕事と、利用全体を管理する仕事を分けて示す方法を決めます。
- 担う人と範囲の示し方を決める 兼任できる条件や不在時の扱いを示し、社内と提供会社の分担を考えてもらう進め方を決めます。
- 確かめ方と記録を決める 相手の理解を確かめる方法と、決まった分担と未確認の点を提案書に残す方法を決めます。
操作の説明だけでは管理の仕事が伝わるとは限らない
画面の操作を見せるだけでは、全体の設定や利用状況の確認の説明が抜けます。操作の説明に入る前に、日常的に使う仕事と利用全体を管理する仕事の違いを示します。
- 使う仕事を示す 日々の業務で何を入力し、何を確認するかを示します。利用者自身の作業として説明します。
- 全体の管理を示す 利用開始に必要な登録や、共通の設定を変える仕事を別に示します。
- 確認する対象を分ける 自分の作業結果を見ることと、利用全体の状況を見ることを区別します。
使う仕事と管理する仕事
| 仕事の種類 | 中身 | 説明の方針 |
|---|---|---|
| 日常の操作 | 自分の業務に必要な入力や確認を行います。 | 使う仕事として、日々の作業を示します。 |
| 全体の設定や登録 | 利用者を登録し、共通の設定を整えます。 | 管理する仕事として、操作とは別に示します。 |
| 利用状況の確認 | 利用全体の状況と、困っている人がいないかを確認します。 | 確認する対象と、その後の対応を示します。 |
管理の説明には具体的な作業内容が必要だ
管理をお願いしますという説明だけでは、引き受ける仕事を判断できません。何を受け付け、何を確認し、どこまで対応するかを示します。
- 登録と変更を示す 利用者の追加や変更について、必要な情報の確認から変更後の確認まで説明します。
- 設定変更を示す 変更できる項目だけでなく、変更前に確認する業務への影響と、変更後に知らせる内容を示します。
- 問い合わせ対応を示す 困りごとの受け付け、内容の確認、提供会社への問い合わせを分けて説明します。
管理の仕事を具体化する例
| 管理の仕事 | 具体的な内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 利用者の登録と変更 | 必要な情報を確認し、登録や変更の結果を確かめます。 | 操作だけでなく、情報を確認する仕事も含めます。 |
| 設定の変更 | 変更内容と影響を確認し、変更後の使い方を知らせます。 | 変更の判断と操作を分けて説明します。 |
| 問い合わせの受付 | 困っている内容を整理し、必要に応じて提供会社へ伝えます。 | 受け付けることと、解決することを区別します。 |
管理の仕事は使い始めだけとは限らない
導入時の登録が終わった後も、人や業務が変われば管理の仕事が発生する場合があります。使い始めの仕事と、変化に応じて行う仕事を分けて説明します。
- 使い始めを示す 利用開始までに必要な登録や設定を示し、準備が終わったと判断する条件を説明します。
- 人の変更を示す 使う人や管理する人が変わる場面を挙げ、登録の変更や引き継ぎを説明します。
- 業務の変更を示す 使い方が変わったときに、設定や社内の手順を見直す必要があるかを示します。
管理の仕事が発生する場面
| 場面 | 発生する仕事 | 説明すること |
|---|---|---|
| 使い始め | 利用者の登録と初期設定を行います。 | 必要な情報と、利用を始められる条件を示します。 |
| 担当者の変更 | 登録内容を変更し、管理の手順を引き継ぎます。 | 変更の連絡を受けてから行う作業を示します。 |
| 業務の変更 | 設定と使い方を見直します。 | 影響を確認し、変更内容を知らせる仕事を示します。 |
操作に慣れていても兼任できるとは限らない
商品を使えることと、利用全体を管理できることは別です。必要な知識や仕事の負担、商品の利用条件を踏まえて、兼任できる場合と分ける場合を示します。
- 兼任できる条件を示す 管理の内容を理解し、必要な場面で対応できるかを確認します。操作に慣れているだけで決めません。
- 分ける理由を示す 日常の業務と管理の対応が重なる場合は、それぞれを続けられる分担を検討します。
- 必要な分離を示す 商品の利用条件上、兼任できない場合は、その条件と理由を導入前に説明します。
兼任と分担を判断する例
| 判断 | 説明すること | 確かめること |
|---|---|---|
| 兼ねてよい | 条件を満たせば、使う仕事と管理する仕事を兼ねられます。 | 必要な知識があり、管理にも対応できるか。 |
| 分けた方がよい | 日常業務と管理の対応が重なるため、別の人が担う方法を検討します。 | 対応が重なったときも、両方の仕事を続けられるか。 |
| 分ける必要がある | 商品の利用条件に沿って、別の人が担う必要があります。 | 該当する条件と、分ける理由を理解しているか。 |
管理を担う候補は名前ではなく仕事から探す必要がある
候補の名前を挙げてもらう前に、管理に必要な仕事を共有します。その仕事に近い経験があるか、他の業務と両立できるかを一緒に考えます。
- 仕事から候補を探す 似た登録や問い合わせ対応を現在どう分担しているかを聞き、引き受けられる候補を考えます。
- 必要な知識を分ける 社内の業務について必要な知識と、提供会社の説明で学べる商品知識を分けます。
- 他の業務も考える 管理が発生する場面を見ながら、通常の仕事を続けつつ対応できるかを検討します。
管理を担う候補の検討
| 確かめること | 理由 | 注意 |
|---|---|---|
| 今の仕事との関係 | 似た仕事の経験から、担える候補を考えられます。 | 候補に挙がったことを、引き受けたこととして扱いません。 |
| 必要な知識 | 社内事情の理解と商品知識では、準備の方法が違います。 | 提供会社が説明できる範囲も示します。 |
| 他の仕事との両立 | 管理への対応が必要な場面で、仕事が重なることがあります。 | 通常時だけでなく、業務変更時も検討します。 |
管理する人が不在のときの分担も決める必要がある
管理する人が不在でも、登録や設定の変更が必要になることがあります。代わりに対応できる範囲と、待つ必要がある仕事を説明します。
- 代わりの対応を示す 代わりに担う人へ、必要な情報と手順をどう引き継ぐかを確認します。
- 提供会社の範囲を示す 提供会社に相談できる内容と、社内での判断や作業が残る内容を分けて示します。
- 待つ仕事を示す 代わりに対応できないとき、何ができなくなるかと、再開に必要な条件を説明します。
管理する人が不在のときの扱い
| 場面 | 対応 | 確かめること |
|---|---|---|
| 代わりが対応する | 引き継いだ範囲で登録や確認を行います。 | 必要な情報と手順を確認できるか。 |
| 提供会社に相談する | 手順の案内と、作業の代行の可否を示します。 | 社内で判断や作業をする人が必要か。 |
| 代わりがいない | 登録や変更のうち、待つ必要がある仕事を示します。 | 不在中も続けられる利用と、再開の条件を理解しているか。 |
提供会社の支援があっても社内の仕事が残る場合がある
支援があるという説明だけでは、管理のすべてを任せられると伝わることがあります。案内、判断、作業を分け、双方がどこまで担うかを明記します。
- 支援の内容を示す 手順を案内するのか、実際の変更作業まで行うのかを明確にします。
- 社内の仕事を示す 利用者情報の確認や社内への周知など、提供会社だけでは完了できない仕事を示します。
- 共同の仕事を分ける 双方が関わる場合は、依頼に必要な情報、作業する側、完了を確認する側まで書きます。
提供会社と利用企業の分担
| 管理の内容 | 担う側 | 注意 |
|---|---|---|
| 操作手順の案内 | 提供会社が担います。 | 案内を受けた後の操作を、誰が行うかも示します。 |
| 利用者情報の確認 | 利用企業が担います。 | 登録に必要な社内情報を確認します。 |
| 変更内容の周知 | 利用企業が担います。 | 変更によって使い方が変わる人へ知らせます。 |
| 動かないときの状況の確認 | 双方で担います。 | 利用企業が状況を伝え、提供会社が調査し、双方で解消を確認します。 |
説明を了承しても分担を理解したとは限らない
説明に了承があっても、管理の仕事を日常の操作だけと考えていることがあります。導入後の場面に沿って、どんな対応を想定しているかを確かめます。
- 言い換えで確認する 管理に含まれる仕事を相手の言葉で整理してもらい、抜けている作業がないかを確認します。
- 場面から確認する 人や業務が変わる場面を挙げ、誰が何をする想定かを確認します。
- 不安な点を聞く 引き受けにくい仕事や判断できない点を整理します。答えが出ていない点は未確認として残します。
仕事の分担の理解を確かめる例
| 確かめ方 | 確かめること | ずれていたとき |
|---|---|---|
| 相手による言い換え | 管理の説明に登録、変更、問い合わせ対応が含まれるか。 | 抜けている仕事の中身を示し、再度整理します。 |
| 導入後の想定 | 変更が起きたとき、誰が何をする想定か。 | 使う仕事と管理する仕事を分け直します。 |
| 不安な点の整理 | 担う候補や不在時の対応に、答えが出ていない点があるか。 | 追加で説明する点と、社内で検討する点を分けます。 |
分担は未確認の点と分けて提案書に残す必要がある
口頭で説明しただけでは、提案書を読む人に管理の仕事が伝わらないことがあります。合意した分担と未確認の点を分け、提案の前提として残します。
- 仕事と場面を残す 使う仕事と管理する仕事を別々に書き、それぞれの中身と発生する場面を記録します。
- 候補と確定を分ける 担う人が候補なのか、引き受けることまで確認できたのかを明記します。
- 提案の前提を残す 不在時の扱い、提供会社の範囲、未確認の点を提案書に反映し、変更時は記録も更新します。
提案書に反映する記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 使う仕事 | 日常の操作と、その中身を書きます。 | 利用者が行う作業を明確にします。 |
| 管理する仕事 | 管理の中身と、発生する場面を書きます。 | 導入後にも必要な仕事を伝えます。 |
| 担う人の候補 | 候補と、引き受けることの確認状況を書きます。 | 検討中の分担を確定扱いにしません。 |
| 不在時の扱い | 代わりの対応と、待つ仕事を書きます。 | 管理する人が不在のときの前提を伝えます。 |
| 提供会社の範囲 | 案内、判断、作業の分担を書きます。 | 任せられる範囲の誤解を防ぎます。 |
| 未確認の点 | 未確認の内容と、次に確認することを書きます。 | 提案後も確認が必要な点を残します。 |
仕事ごとの分担表で未確認の点が分かる
自社の商品を使うときに相手の社内で発生する仕事を、作業ごとに書き出します。担う候補や不在時の扱いまで記入すると、導入前に確認が必要な点を見つけられます。
- 作業ごとに記入する 同じ仕事でも担う側が変わる場合は、判断と操作などに分けて行を追加します。
- 兼任でも仕事を分ける 同じ人が担う場合も、使う仕事か管理する仕事かを書き分けます。
- 未定の点も記入する 未定の欄には、何を確認すれば決められるかを書きます。確認後は提案書にも反映します。
使う人と管理する人の仕事の分担表
| 仕事 | 使う人か管理する人か | 中身 | 発生する場面 | 相手の社内で担う候補 | 不在時の扱い | 提供会社が担う範囲 | 未確認の点 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日常の入力 | 使う人が行います。 | 業務の結果を入力します。 | 日々の業務で行います。 | その業務を行う人を候補とします。 | 代わりに入力できるか確認します。 | 入力手順を案内します。 | 不在時の入力方法を確認します。 | 提案書の利用手順に記載します。 |
| 利用者の登録 | 管理する人が行います。 | 必要な情報を確認し、登録します。 | 使い始めと利用者の追加時に行います。 | 登録情報を確認できる人を候補とします。 | 代わりに登録できる人がいなければ、登録できるまで利用開始を待ちます。 | 登録手順を案内します。 | 代わりに担える人がいるか確認します。 | 提案書の管理分担に記載します。 |
| 設定の変更 | 管理する人が行います。 | 影響を確認し、設定を変更します。 | 業務の変更時に行います。 | 業務への影響を確認できる人を候補とします。 | 代わりに判断できなければ変更を待ちます。 | 設定の仕様を説明します。 | 判断と操作を同じ人が担えるか確認します。 | 提案書の管理分担に記載します。 |
