取引が止まった顧客への連絡を決める
過去の取引と今の提供内容を照らし合わせ、連絡の理由を伝えます。記録を確かめながら、連絡するかどうかを決めます。
- 連絡するか決める 止まった理由を記録で確かめ、営業の連絡をしない会社を最初に決めます。
- 今の用件を決める 自社の提供内容や相手の公開情報の変化から、今、連絡する理由を決めます。
- 手段と記録を決める 連絡手段と返答の残し方を選び、取引が止まった顧客の一覧と判断メモを作ります。
新規の営業先とも取引中の顧客とも分けて扱う
以前の取引があっても、今の窓口の担当者が自社を知っているとは限りません。当時の関係だけで判断せず、取引の記録から確認します。
- 面識を前提にしない 窓口が変わっていれば、以前の取引を知らないこともあります。初めて話すつもりで準備します。
- 当時の条件を確かめる 取引条件や提供内容は変わっていることがあります。記録と現在の内容を照らし合わせます。
- 食い違いを防ぐ 記録を読まずに連絡すると、取引を終えたときに確認した内容と食い違うおそれがあります。経緯を確認してから判断します。
連絡を判断するまでの順序
- 過去に取引があった
- 取引が止まった
- 当時の記録を確かめる
- 連絡するか決める
止まった理由は記録を根拠に分類する
理由は「相手の事情」「自社の対応」「案内の途絶え」に分けて確認します。記録で確かめられない場合は、推測せず「不明」と書きます。
- 記録の言葉を確かめる メールや商談記録から、取引が止まった経緯を読みます。記録にない理由は補いません。
- 自社の対応も確認する 相手の事情だけでなく、納期の遅れや品質の問題、連絡不足など自社の対応も確かめます。
- 不明な点を残す 理由が書かれていなければ「不明」とします。取引がない期間の長さだけで、案内の途絶えが理由だと判断しません。
止まった理由を確かめる
| 理由の区分 | 記録で確かめること | 連絡の前にすること |
|---|---|---|
| 相手の事情 | 事業の変化や担当者の異動と、取引停止の関係が記録されているか | 現在の事業や窓口を公開情報で確かめる |
| 自社の対応 | 納期の遅れ・品質の問題・連絡不足が、止まった理由として記録されているか | 当時の対応と、未解決の事項がないかを確かめる |
| 案内の途絶え | 更新や次の提案の案内をしないまま途切れた経緯が、記録で確認できるか | 終了の申し出や別の理由の記録がないかを確かめる |
| 不明 | 理由の記録がない、または記録だけでは判断できないか | 当時の社内担当者に確認し、分からなければ不明と残す |
営業の連絡をしない条件を先に確認する
連絡する理由を考える前に、営業の連絡をしない条件を確かめます。該当する先は一覧に印を付け、判断の理由も残します。
- 不要の申し出を守る 連絡不要の申し出が記録されている先には、営業の連絡をしません。手段を変えて連絡することも避けます。
- 未解決なら営業しない 取引時の問題が解決していなければ、営業の連絡はしません。まず社内で対応状況を確認します。
- 所在が不明なら保留する 会社全体の事業終了が確認できた先は対象から外します。移転先を確認できない場合は、確認できるまで連絡を保留します。
営業の連絡をしない条件と、保留する条件
| 連絡しない条件 | 確かめ方 |
|---|---|
| 連絡不要の申し出 | メールや応対記録を確認し、申し出の内容を一覧に残す |
| 問題が未解決 | 取引時の記録と社内の対応状況を確認する |
| 事業の終了 | 法人番号の公表情報や公式発表で、会社全体の終了かを確認する |
| 移転先が不明 | 公式サイトなどで現在の所在地を確認し、不明なら保留する |
連絡の理由には、確認できる変化を使う
「久しぶりに」だけでは、今、連絡する用件が伝わりません。自社の提供内容か相手の公開情報に、説明できる変化があるかを確認します。
- 提供内容の変化を探す 新しく対応できる範囲や条件を、当時の内容と比べます。変わった点を具体的に説明できるか確かめます。
- 公開情報の変化を見る 事業・拠点・求人の公表内容を確認します。発表された事実から、困りごとや購入の意向を決めつけません。
- 理由がなければ見送る 過去に取引があったことだけを用件にしません。伝えられる変化がなければ、用件が立たないため今回は連絡を見送ります。
連絡の理由に使う変化を確かめる
| 理由の種類 | 例 | 確かめる出所 |
|---|---|---|
| 自社の対応範囲 | 以前は扱っていなかった業務に対応できるようになった | 現在のサービス資料と当時の提案記録を確認する |
| 自社の提供条件 | 提供条件が当時から変わった | 現在の条件と当時の契約・見積記録を確認する |
| 相手の事業 | 新しい事業の開始が発表された | 公式サイトの事業紹介や発表日を確認する |
| 相手の拠点 | 拠点の開設や移転が発表された | 公式サイトの拠点情報やお知らせを確認する |
| 相手の採用 | 新たな職種の募集が掲載された | 公式採用ページの募集内容と掲載時点を確認する |
過去の取引へのお礼から今の用件へ進む
以前の取引は、関係を説明するために短く触れます。当時の話を長く続けず、お礼を述べたら現在の用件を伝えます。
- お礼は一言で伝える 過去の取引へのお礼は短く述べます。取引があったからといって、話を聞いてもらえるとは考えません。
- 当時の話を長くしない 当時の担当者や条件を細かく語りません。今の用件を理解するために必要な範囲にとどめます。
- 同じ条件を前提にしない 以前と同じ条件で取引できるとは限りません。現在の提供内容を説明し、検討する意向を確認します。
電話で過去の関係に頼りすぎない
| 場面 | 避ける言い方 | 言い換え |
|---|---|---|
| 過去へのお礼 | 長いお付き合いですので、今回もお願いします。 | 以前はお取引いただき、ありがとうございました。今回は対応範囲の変更をご案内したく連絡しました。 |
| 以前の条件 | 前と同じ条件で進めましょう。 | 現在の提供条件をご説明してもよろしいでしょうか。 |
| 以前の担当者 | 前のご担当者には、いつもお願いしていました。 | 以前は[取引していた業務]でお取引がありました。現在のご担当部署を確認してもよろしいでしょうか。 |
担当者が変わっていても分かるように名乗る
以前の窓口が今も担当しているとは限りません。当時を知らなくても分かるように、会社名・名前・現在の用件を伝えます。
- 名乗りを省略しない 会社名と名前を伝えます。「いつもの件」など、過去の面識がなければ分からない表現は使いません。
- 前任者の名前を確かめる 前任者の名前を出す必要がある場合は、記録で確認します。記憶だけで名前や担当業務を伝えません。
- 今の用件を説明する 過去の取引は短く補足し、現在、何を案内したいのかを伝えます。担当部署が不明なら窓口を確認します。
相手の状況に合わせて用件を伝える
| 場面 | 伝えること |
|---|---|
| 受付で確認する | 会社名と名前、案内する内容を伝え、担当部署を確認する |
| 担当が変わった | 会社名と名前を改めて伝え、取引の概要と今の用件を短く説明する |
| 相手が過去を知らない | 取引の概要を短く補い、現在の提供内容から用件を説明する |
| 前任者名が必要 | 記録で確かめた名前を、窓口を確認するために必要な範囲で伝える |
相手の窓口と受付方針に合わせて手段を決める
当時使っていた連絡先を、そのまま使えるとは限りません。現在の窓口と案内の受付方法を確認し、手紙・電話・フォームから選びます。
- 古い連絡先を確かめる 当時の連絡手段と窓口を記録で確認します。連絡先が古い場合は、公式サイトなどの公開情報と照合します。
- 今の窓口に合わせる 当時の担当者への電話は、現在も担当していると確認できる場合に選びます。不明なら会社の窓口を確かめます。
- 相手の受付方針に従う 案内を受け付ける手段が指定されていれば、その指定に従います。営業の連絡を断られた相手には、別の手段でも営業の連絡をしません。
窓口の確認状況から手段を選ぶ
| 状況 | 手段 | 注意 |
|---|---|---|
| 担当が継続 | 電話を検討する | 在籍と担当業務、現在の電話番号、電話での案内を受けるかを確かめる |
| 会社窓口が確認済 | 会社宛ての手紙を検討する | 現在の所在地と、案内の受付方針を確かめる |
| 営業用フォーム有 | フォームを選ぶ | 用途と受付条件を確認し、営業案内を受け付ける窓口を使う |
| 窓口が不明 | 手段の決定を保留する | 公開情報で担当部署や受付方法を確認する |
再連絡の経緯と返答を新規と分けて残す
返答だけでは、どのような経緯で連絡したかが分からなくなります。止まった理由と今回の用件を残し、新規の営業記録と区別します。
- 新規と区別して残す 同じ管理表を使う場合は、過去の取引先と分かる印や専用の列を設けます。
- 返答を事実で記録する 連絡した理由と実際の返答を残します。返答がなければ「返答なし」と書き、関心の有無を推測しません。
- 不要の申し出を反映する 連絡不要の申し出は、その場で一覧にも反映します。次回の連絡は、相手と合意した用件・手段・時期を記録します。
連絡の判断と結果を残す
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 止まった理由 | 理由の区分と根拠の記録を書く。不明なら不明と残す |
| 連絡した理由 | 案内に使った変化と、確認した資料や公開情報を書く |
| 連絡の内容 | 連絡日、手段、連絡した窓口、伝えた用件を書く |
| 返答 | 実際に受けた返答を書く。返答がなければ、その状態を残す |
| 次の連絡 | 合意した用件・手段・時期を書く。未定なら未定と残す |
| 連絡不要 | 申し出の内容と受けた日を書き、連絡しない印を付ける |
取引が止まった顧客を一覧にし新規の営業先と照合する
過去の取引記録から、取引が止まった顧客を一覧にします。新規開拓の営業先にも同じ会社が入っていないか、法人番号で照合します。
- 取引記録から作る 会社名と最後の取引時期を記録から転記します。確認できない項目は空欄にせず「不明」と残します。
- 法人番号で照合する 法人番号を確認し、新規の営業先と照合します。番号が不明なら、所在地などで同じ会社かを確認します。
- 判断と担当を残す 止まった理由、連絡しない印、社内の担当を記入します。返答を受けた後も、同じ一覧を更新します。
取引が止まった顧客の一覧に設ける列
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| 会社名 | 現在の正式名称を書く。名称が変わった場合は旧社名も残す |
| 法人番号 | 公表情報で確認した番号を書く。確認できなければ不明と残す |
| 最後の取引時期 | 取引記録で確認した時期を書く |
| 止まった理由 | 理由の区分と、根拠の記録の保存先を書く |
| 連絡しない印 | 対象外・保留の区別と、その理由、確認日を書く |
| 担当 | 連絡の判断と記録の更新を担当する社員の氏名を書く |
連絡する前に判断メモを完成させる
一覧から確認する会社を選び、連絡の判断に必要な項目を記入します。連絡しない条件に当てはまる場合は、見送りや保留の理由を残します。
- 一覧の会社と対応させる どの会社のメモか分かるよう、一覧の該当行から参照できる場所に保存します。
- 不明な点も書き残す 記録で分からないことは「不明」と記入します。連絡しない場合は、名乗り方や手段の欄に「対象外」と書きます。
- 見直す日を決める 保留した会社について、公開情報や社内の対応状況を確認し直す日を書きます。見直し日は、再連絡する日とは分けて考えます。
取引が止まった顧客への連絡を決めるメモ
| 確認すること | 記入欄 | 確認すること | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 止まった理由の区分 | 連絡しない条件 | ||
| 連絡理由に使う変化 | 名乗り方 | ||
| 使う手段 | 記録の残し方 | ||
| 一覧の保存先 | 見直し日 |
