取引が止まった顧客への連絡を決める

過去の取引と今の提供内容を照らし合わせ、連絡の理由を伝えます。記録を確かめながら、連絡するかどうかを決めます。

  • 連絡するか決める 止まった理由を記録で確かめ、営業の連絡をしない会社を最初に決めます。
  • 今の用件を決める 自社の提供内容や相手の公開情報の変化から、今、連絡する理由を決めます。
  • 手段と記録を決める 連絡手段と返答の残し方を選び、取引が止まった顧客の一覧と判断メモを作ります。

新規の営業先とも取引中の顧客とも分けて扱う

以前の取引があっても、今の窓口の担当者が自社を知っているとは限りません。当時の関係だけで判断せず、取引の記録から確認します。

  • 面識を前提にしない 窓口が変わっていれば、以前の取引を知らないこともあります。初めて話すつもりで準備します。
  • 当時の条件を確かめる 取引条件や提供内容は変わっていることがあります。記録と現在の内容を照らし合わせます。
  • 食い違いを防ぐ 記録を読まずに連絡すると、取引を終えたときに確認した内容と食い違うおそれがあります。経緯を確認してから判断します。

連絡を判断するまでの順序

  1. 過去に取引があった
  2. 取引が止まった
  3. 当時の記録を確かめる
  4. 連絡するか決める

止まった理由は記録を根拠に分類する

理由は「相手の事情」「自社の対応」「案内の途絶え」に分けて確認します。記録で確かめられない場合は、推測せず「不明」と書きます。

  • 記録の言葉を確かめる メールや商談記録から、取引が止まった経緯を読みます。記録にない理由は補いません。
  • 自社の対応も確認する 相手の事情だけでなく、納期の遅れや品質の問題、連絡不足など自社の対応も確かめます。
  • 不明な点を残す 理由が書かれていなければ「不明」とします。取引がない期間の長さだけで、案内の途絶えが理由だと判断しません。

止まった理由を確かめる

理由の区分記録で確かめること連絡の前にすること
相手の事情事業の変化や担当者の異動と、取引停止の関係が記録されているか現在の事業や窓口を公開情報で確かめる
自社の対応納期の遅れ・品質の問題・連絡不足が、止まった理由として記録されているか当時の対応と、未解決の事項がないかを確かめる
案内の途絶え更新や次の提案の案内をしないまま途切れた経緯が、記録で確認できるか終了の申し出や別の理由の記録がないかを確かめる
不明理由の記録がない、または記録だけでは判断できないか当時の社内担当者に確認し、分からなければ不明と残す
編集部作成の例です。記録で確認できた内容だけを記入します。

営業の連絡をしない条件を先に確認する

連絡する理由を考える前に、営業の連絡をしない条件を確かめます。該当する先は一覧に印を付け、判断の理由も残します。

  • 不要の申し出を守る 連絡不要の申し出が記録されている先には、営業の連絡をしません。手段を変えて連絡することも避けます。
  • 未解決なら営業しない 取引時の問題が解決していなければ、営業の連絡はしません。まず社内で対応状況を確認します。
  • 所在が不明なら保留する 会社全体の事業終了が確認できた先は対象から外します。移転先を確認できない場合は、確認できるまで連絡を保留します。

営業の連絡をしない条件と、保留する条件

連絡しない条件確かめ方
連絡不要の申し出メールや応対記録を確認し、申し出の内容を一覧に残す
問題が未解決取引時の記録と社内の対応状況を確認する
事業の終了法人番号の公表情報や公式発表で、会社全体の終了かを確認する
移転先が不明公式サイトなどで現在の所在地を確認し、不明なら保留する
編集部作成の例です。連絡しない理由と確認日を一覧に残します。

連絡の理由には、確認できる変化を使う

「久しぶりに」だけでは、今、連絡する用件が伝わりません。自社の提供内容か相手の公開情報に、説明できる変化があるかを確認します。

  • 提供内容の変化を探す 新しく対応できる範囲や条件を、当時の内容と比べます。変わった点を具体的に説明できるか確かめます。
  • 公開情報の変化を見る 事業・拠点・求人の公表内容を確認します。発表された事実から、困りごとや購入の意向を決めつけません。
  • 理由がなければ見送る 過去に取引があったことだけを用件にしません。伝えられる変化がなければ、用件が立たないため今回は連絡を見送ります。

連絡の理由に使う変化を確かめる

理由の種類例確かめる出所
自社の対応範囲以前は扱っていなかった業務に対応できるようになった現在のサービス資料と当時の提案記録を確認する
自社の提供条件提供条件が当時から変わった現在の条件と当時の契約・見積記録を確認する
相手の事業新しい事業の開始が発表された公式サイトの事業紹介や発表日を確認する
相手の拠点拠点の開設や移転が発表された公式サイトの拠点情報やお知らせを確認する
相手の採用新たな職種の募集が掲載された公式採用ページの募集内容と掲載時点を確認する
編集部作成の例です。公開情報の変化だけで、需要があるとは判断しません。

過去の取引へのお礼から今の用件へ進む

以前の取引は、関係を説明するために短く触れます。当時の話を長く続けず、お礼を述べたら現在の用件を伝えます。

  • お礼は一言で伝える 過去の取引へのお礼は短く述べます。取引があったからといって、話を聞いてもらえるとは考えません。
  • 当時の話を長くしない 当時の担当者や条件を細かく語りません。今の用件を理解するために必要な範囲にとどめます。
  • 同じ条件を前提にしない 以前と同じ条件で取引できるとは限りません。現在の提供内容を説明し、検討する意向を確認します。

電話で過去の関係に頼りすぎない

場面避ける言い方言い換え
過去へのお礼長いお付き合いですので、今回もお願いします。以前はお取引いただき、ありがとうございました。今回は対応範囲の変更をご案内したく連絡しました。
以前の条件前と同じ条件で進めましょう。現在の提供条件をご説明してもよろしいでしょうか。
以前の担当者前のご担当者には、いつもお願いしていました。以前は[取引していた業務]でお取引がありました。現在のご担当部署を確認してもよろしいでしょうか。
編集部作成の例です。電話での会話を想定し、事実に合う場合に用います。

担当者が変わっていても分かるように名乗る

以前の窓口が今も担当しているとは限りません。当時を知らなくても分かるように、会社名・名前・現在の用件を伝えます。

  • 名乗りを省略しない 会社名と名前を伝えます。「いつもの件」など、過去の面識がなければ分からない表現は使いません。
  • 前任者の名前を確かめる 前任者の名前を出す必要がある場合は、記録で確認します。記憶だけで名前や担当業務を伝えません。
  • 今の用件を説明する 過去の取引は短く補足し、現在、何を案内したいのかを伝えます。担当部署が不明なら窓口を確認します。

相手の状況に合わせて用件を伝える

場面伝えること
受付で確認する会社名と名前、案内する内容を伝え、担当部署を確認する
担当が変わった会社名と名前を改めて伝え、取引の概要と今の用件を短く説明する
相手が過去を知らない取引の概要を短く補い、現在の提供内容から用件を説明する
前任者名が必要記録で確かめた名前を、窓口を確認するために必要な範囲で伝える
編集部作成の例です。過去の担当者名は、必要な場合だけ伝えます。

相手の窓口と受付方針に合わせて手段を決める

当時使っていた連絡先を、そのまま使えるとは限りません。現在の窓口と案内の受付方法を確認し、手紙・電話・フォームから選びます。

  • 古い連絡先を確かめる 当時の連絡手段と窓口を記録で確認します。連絡先が古い場合は、公式サイトなどの公開情報と照合します。
  • 今の窓口に合わせる 当時の担当者への電話は、現在も担当していると確認できる場合に選びます。不明なら会社の窓口を確かめます。
  • 相手の受付方針に従う 案内を受け付ける手段が指定されていれば、その指定に従います。営業の連絡を断られた相手には、別の手段でも営業の連絡をしません。

窓口の確認状況から手段を選ぶ

状況手段注意
担当が継続電話を検討する在籍と担当業務、現在の電話番号、電話での案内を受けるかを確かめる
会社窓口が確認済会社宛ての手紙を検討する現在の所在地と、案内の受付方針を確かめる
営業用フォーム有フォームを選ぶ用途と受付条件を確認し、営業案内を受け付ける窓口を使う
窓口が不明手段の決定を保留する公開情報で担当部署や受付方法を確認する
編集部作成の例です。相手が示している連絡方法や受付方針を優先します。

再連絡の経緯と返答を新規と分けて残す

返答だけでは、どのような経緯で連絡したかが分からなくなります。止まった理由と今回の用件を残し、新規の営業記録と区別します。

  • 新規と区別して残す 同じ管理表を使う場合は、過去の取引先と分かる印や専用の列を設けます。
  • 返答を事実で記録する 連絡した理由と実際の返答を残します。返答がなければ「返答なし」と書き、関心の有無を推測しません。
  • 不要の申し出を反映する 連絡不要の申し出は、その場で一覧にも反映します。次回の連絡は、相手と合意した用件・手段・時期を記録します。

連絡の判断と結果を残す

記録項目書くこと
止まった理由理由の区分と根拠の記録を書く。不明なら不明と残す
連絡した理由案内に使った変化と、確認した資料や公開情報を書く
連絡の内容連絡日、手段、連絡した窓口、伝えた用件を書く
返答実際に受けた返答を書く。返答がなければ、その状態を残す
次の連絡合意した用件・手段・時期を書く。未定なら未定と残す
連絡不要申し出の内容と受けた日を書き、連絡しない印を付ける
編集部作成の例です。返答の記録と、連絡対象の一覧を同時に更新します。

取引が止まった顧客を一覧にし新規の営業先と照合する

過去の取引記録から、取引が止まった顧客を一覧にします。新規開拓の営業先にも同じ会社が入っていないか、法人番号で照合します。

  • 取引記録から作る 会社名と最後の取引時期を記録から転記します。確認できない項目は空欄にせず「不明」と残します。
  • 法人番号で照合する 法人番号を確認し、新規の営業先と照合します。番号が不明なら、所在地などで同じ会社かを確認します。
  • 判断と担当を残す 止まった理由、連絡しない印、社内の担当を記入します。返答を受けた後も、同じ一覧を更新します。

取引が止まった顧客の一覧に設ける列

列書くこと
会社名現在の正式名称を書く。名称が変わった場合は旧社名も残す
法人番号公表情報で確認した番号を書く。確認できなければ不明と残す
最後の取引時期取引記録で確認した時期を書く
止まった理由理由の区分と、根拠の記録の保存先を書く
連絡しない印対象外・保留の区別と、その理由、確認日を書く
担当連絡の判断と記録の更新を担当する社員の氏名を書く
編集部作成の例です。会社名の表記だけで、別の会社と判断しないようにします。

連絡する前に判断メモを完成させる

一覧から確認する会社を選び、連絡の判断に必要な項目を記入します。連絡しない条件に当てはまる場合は、見送りや保留の理由を残します。

  • 一覧の会社と対応させる どの会社のメモか分かるよう、一覧の該当行から参照できる場所に保存します。
  • 不明な点も書き残す 記録で分からないことは「不明」と記入します。連絡しない場合は、名乗り方や手段の欄に「対象外」と書きます。
  • 見直す日を決める 保留した会社について、公開情報や社内の対応状況を確認し直す日を書きます。見直し日は、再連絡する日とは分けて考えます。

取引が止まった顧客への連絡を決めるメモ

確認すること記入欄確認すること記入欄
止まった理由の区分連絡しない条件
連絡理由に使う変化名乗り方
使う手段記録の残し方
一覧の保存先見直し日
編集部作成の例です。連絡する・見送る・保留するのどれかを、理由とともにメモと一覧に残します。