商品が要望に合うだけでは応募できるとは限らない
提案依頼書を受け取ったら、提案書を書き始める前に応募の判断が必要です。求められる提案と、応募に伴う作業を分けて整理します。
- 求められる提案を読む 依頼元が商品を選ぶのか、進め方まで選ぶのかと、応募者に求める条件を整理できます。
- 応募に必要な作業を知る 提出物・提出後の対応・社内の協力を調べ、引き受けられるかを判断できます。
- 判断の根拠を引き継ぐ 応募するかの結論と根拠を記録し、提案準備の担当者へ渡せます。
応募の判断には添付資料と補足まで読む必要がある
応募に関わる情報は、本文だけに書かれているとは限りません。添付資料と依頼元からの補足を集め、同じ依頼に関する情報として読みます。
- 参照先まで読む 本文に記された添付資料や参照先を開き、受け取れていない資料を特定します。
- 補足の出所を残す メールや打ち合わせで得た補足は、発信者と受け取った時点を記録します。
- 食い違いを残す 資料間で内容が違う場合は、自社に都合のよい記載を選ばず、依頼元への確認事項にします。
判断資料の読み方
| 資料の種類 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 本文 | 依頼の対象と参照先を読みます。 | 受領後に更新されていないかを確認します。 |
| 添付資料 | 本文で指定された資料があるかを調べます。 | 不足や開けない資料を放置しません。 |
| 依頼元の補足 | 本文を補う説明や変更を拾います。 | 元の記載との関係が不明なら確認します。 |
商品を選ぶ依頼と進め方まで選ぶ依頼では提案が変わる
商品の紹介を求める依頼と、仕事の進め方まで求める依頼では、準備する提案が違います。今回の提案で何を選ぶのかを、依頼書の記載から整理します。
- 商品の選定かを読む 商品を選ぶ依頼なら、利用場面に対して何を提供できるかを示す必要があります。
- 進め方の範囲を読む 進め方を求める依頼なら、作業の順序や役割分担まで提案する必要があるかを読み取ります。
- 両方の関係を読む 両方を求める依頼なら、商品を使うために必要な作業まで自社で説明できるかを調べます。
選定対象と提案の中身
| 相手が選びたいこと | 自社が出す提案 | 確かめること |
|---|---|---|
| 商品を選ぶ | 利用場面に沿って商品を説明します。 | 商品のどの機能や提供範囲が選定の対象かを読みます。 |
| 進め方を選ぶ | 作業の順序と役割分担を示します。 | 自社が引き受ける範囲を読みます。 |
| 両方を選ぶ | 商品と進め方を関連づけて示します。 | 今回決める範囲と後で決める範囲を調べます。 |
応募条件を満たすかは自社の記録で確かめる必要がある
応募者に求められる経験や体制は、商品の説明だけでは確認できません。自社の記録や関係部署への確認をもとに、満たす・満たさない・未確認を分けます。
- 根拠から照合する 応募条件の記載ごとに、対応した経験の記録や体制の記録など、判断に使える自社の記録を対応させます。
- 未確認を区別する 根拠をまだ探していない状態、調べても判断できない状態、調べた結果満たさない状態を混同しません。
- 予定を根拠にしない 今後整える予定の体制を、すでにある体制として扱いません。応募時点で求められる状態と照合します。
応募条件と自社の根拠
| 条件の扱い | 根拠 | 注意 |
|---|---|---|
| 満たす | 該当する記録と確認した人を残します。 | 今回の依頼にも当てはまる内容かを調べます。 |
| 満たさない | 条件と自社の状態の違いを残します。 | 商品の長所で埋め合わせた扱いにしません。 |
| 未確認 | 不足する情報と確認先を残します。 | 確認できるまでは、満たすと判断しません。 |
提出物は手元にあるだけでは使えるとは限らない
応募には、提案書以外の資料が求められることもあります。提出対象を洗い出し、新たに作る必要があるか、社外に出してよいかを分けて確かめます。
- 提出対象を拾う 本文と添付資料から、応募時に提出する資料やデータを漏れなく書き出します。
- 既存資料を点検する 手元の資料は、内容が現在の状態を示しているか、今回の提出に使えるかを調べます。
- 作成と承認を見込む 新たに作る物は作成者を決めます。社外に出してよいか判断が要る物は、誰が判断するかも調べます。
提出物の準備状況
| 提出物の状態 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 手元にある | 内容の更新と修正の必要を調べます。 | そのまま提出できるとは判断しません。 |
| 新たに作る | 必要な材料と作成者を特定します。 | 他部署からの情報提供も作業に含めます。 |
| 社外共有を確認 | 共有できる範囲と承認者を調べます。 | 必要なら伏せる箇所や代わりの資料を検討します。 |
応募に必要な作業は提出だけで終わるとは限らない
提出後に、説明や実演、追加の質問への回答を求められる場合があります。提案書を出せるかに加えて、その後の対応を引き受けられるかも判断します。
- 説明に出る人を調べる 依頼元が求める説明の場に自社から誰が出るかと、説明を求められる範囲を確認します。専門部署の参加も含めて考えます。
- 実演の準備を調べる 実演が必要なら、見せる内容と使う環境を調べ、準備と当日の対応を引き受けられるかを確認します。
- 回答の協力先を調べる 追加の質問に答えるために必要な確認先を整理し、提出後も協力を得られるかを確認します。
提出後に必要な対応
| 提出後の対応 | 確かめること | 判断への影響 |
|---|---|---|
| 説明 | 自社から出る人と説明範囲を調べます。 | 必要な人が参加できるかで応募の可否が変わります。 |
| 実演 | 実演内容と準備する環境を調べます。 | 求められる状態を用意できるかが判断に関わります。 |
| 追加の回答 | 回答範囲と社内の確認先を調べます。 | 提出後も回答を続けられる体制が必要です。 |
社内の協力は依頼を送っただけでは確保できたとは限らない
営業だけで作れる提案書でも、内容の確認や実演には他部署の協力が必要な場合があります。依頼する作業を具体的に示し、引き受けられる範囲を確認します。
- 確認内容を具体化する 商品の説明、対応できる範囲の記載、対応の約束など、どの部分を確認してもらうかを示します。
- 作業の引受けを確認する 必要な作業と予定を共有し、誰が何を担当できるかを確認します。依頼を送るだけでは確保になりません。
- 協力不足を判断に入れる 協力が得られない作業は、代わりの方法で対応できるかを調べ、難しければ応募判断に反映します。
社内への協力依頼
| 必要な協力 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 内容を確認する | 確認する箇所と確認者を決めます。 | 確認してもらう範囲を曖昧にしません。 |
| 作業を引き受ける | 担当できる作業と予定を確認します。 | 協力するという返事と、担当者と予定が決まったことを区別します。 |
| 代わりに対応する | 別の人や方法で対応できるかを調べます。 | 未承諾の協力を前提に応募しません。 |
結論を変える不明点から先に質問する必要がある
不明点が残るときは、答えによって応募の結論が変わる点を先に確認します。細部の表現を詰める前に、応募条件や引き受ける作業の不明点を整理します。
- 判断への影響を添える 不明な記載と、回答によって何の判断が変わるかを記録します。自社で調べられる点は社内で確認します。
- 指定の方法で質問する 質問の受付方法と期限を読み、指定された窓口に確認します。回答は関係する資料と一緒に保存します。
- 無回答を承認にしない 回答がない点は未確認のまま残します。結論を左右するなら、確認を続けるか応募を見送るかを判断します。
不明点への対応
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 不明点を見つけた | 該当箇所と判断への影響を記録します。 | 影響の小さい点から順に質問しません。 |
| 依頼元へ質問する | 指定された方法で送り、回答を保存します。 | 社内で調べるべき点まで依頼元に尋ねません。 |
| 回答がない | 未確認の内容と残る影響を記録します。 | 自社に都合のよい意味で確定しません。 |
商品が合っても準備できなければ応募できるとは限らない
商品が要望に合うかと、応募に必要な作業を実行できるかは別の判断です。応募者の条件も照合したうえで、両方の結果を並べて結論を出します。
- 商品が合うかを判断する 今回選ばれる内容に対して、自社の商品で応えられるかを判断します。応募準備の容易さは理由にしません。
- 準備できるかを判断する 提出物、提出後の対応、社内の協力をまとめて見て、必要な作業を実行できるかを判断します。
- 未確認の点を残す 判断を変える不明点が残る場合は、両方とも問題なしとは扱わず、確認を続ける理由を記録します。
商品の適合と応募準備
| 組み合わせ | 判断 | 注意 |
|---|---|---|
| 合う・準備不可 | 準備できない理由を解消できるかを調べ、難しければ見送ります。 | 商品が合うことだけで応募を決めません。 |
| 合わない・準備可 | 今回の依頼への応募は見送ります。 | 資料を作れることを応募理由にしません。 |
| 合う・準備可 | 応募条件も満たすと確認できれば、応募を検討する段階に進みます。 | 判断を変える未確認事項がないかを点検します。 |
提案準備の担当者には結論だけでなく根拠も渡す必要がある
応募するという結論だけでは、提案準備の前提が伝わりません。判断に使った資料、自社の根拠、依頼元の回答をまとめ、次の作業を担当する人へ渡します。
- 結論と根拠を結び付ける 応募する・確認を続ける・応募しないの結論ごとに、判断を決めた記載と自社の状況を残します。
- 確認済みの範囲を渡す 担当者と予定が決まった作業と、まだ確認していない点を区別します。未確認の内容を約束として提案に含めません。
- 次の担当を決める 提案を準備する人、確認を続ける人、結論を依頼元へ伝える人を決め、参照する記録を共有します。
判断別の引継ぎ内容
| 判断 | 残す根拠 | 次にすること |
|---|---|---|
| 応募する | 商品が合う理由と準備できる裏付けを残します。 | 作業の担当と資料の保存先を共有します。 |
| 確認を続ける | 未確認の点と判断への影響を残します。 | 確認先と再判断する時点を決めます。 |
| 応募しない | 応募を見送る決め手を残します。 | 依頼元への連絡を担当する人を決めます。 |
依頼の記載と自社の根拠を並べれば未確認の点が分かる
各確認項目について、依頼書の記載と自社の状況を対応させて記入します。結論を左右する項目が未確認なら、確認する人と記録先を決めます。
- 記載と根拠を対応させる 資料名や記載箇所と、自社の状況を示す記録を記入します。条件や提出物が複数あれば行を追加します。
- 確認する人を記入する 未確認の点ごとに確認する人を記入します。依頼元への質問と回答も、該当する項目に対応させます。
- 結論へ反映する 判断への影響を読み、商品が合うかと準備できるかを別々に記録します。結論と根拠の保存先も残します。
提案依頼書への応募判断の確認表
| 確認項目 | 依頼書の記載箇所 | 自社の状況 | 根拠 | 未確認の点 | 確認する人 | 依頼元への質問と回答 | 判断への影響 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 判断に使う資料 | ||||||||
| 今回選ばれる内容 | ||||||||
| 応募者の条件 | ||||||||
| 提出する物 | ||||||||
| 提出後の対応 | ||||||||
| 必要な社内の協力 |
