顧客アンケートは、見直す内容から作る

満足度を集計しても、何を直せばよいか分からないことがあります。回答を使って見直す内容を決めてから、質問と選択肢を作ります。

  • 見直す内容を決める 回答を読んだあと、どの業務の何を見直すかを先に決めます。
  • 質問と選択肢を決める 誰に、どの場面について聞き、どう答えてもらうかを決めます。
  • 回答後の動きを決める 相手の言葉を残す方法と、見直した内容を返す方法を決めます。

回答で何を見直すかを先に決める

点数を集めることが目的になると、集計だけで作業が終わり、見直す場所が決まりません。質問を作る前に、回答を使って見直す内容を決めます。

  • 回答後の行動を決める 「必要な書類が分からないという回答なら、申込案内の書類一覧を直す」と決めます。
  • 見直せないことは聞かない 回答を得ても変更や検討ができないことは、今回の質問から外します。
  • 必要な質問だけを残す 見直す内容に関係する質問に絞ります。相手が答えるために資料を調べなくて済むかも確かめます。

質問を作る前から、回答を返すまでを決める

  1. 見直す内容を決める
  2. 質問と選択肢を作る
  3. 回答を相手の言葉で残す
  4. 見直した内容を相手に返す

満足度の点数だけでは直す場所が分からない

「やや不満」という回答だけでは、何に困ったのか分かりません。業務の場面を示して聞くと、見直す対象が分かります。

  • 同じ評価でも理由が違う 説明が分からなかった場合も、返事を待った場合も、同じ評価になることがあります。
  • 困った場面を確かめる 申込手続きなどの場面を指定して、何に困ったかを聞きます。
  • 点数には理由を添える 点数を聞く場合は、理由を選べる質問も置きます。点数の高低だけで直す内容を決めません。

評価だけの質問を、場面が分かる質問に変える

場面点数だけの質問場面で聞く質問
申込手続き申込手続きにどの程度満足しましたか。申込手続きで分かりにくかった点を選んでください。
編集部作成の例。質問は、自社で見直せる業務に合わせて調整します。

質問は、相手が思い出せる業務の場面で聞く

「対応」だけでは、どのやり取りを答えればよいか迷います。手続きの名前や利用した時期を示し、相手が思い出せる範囲で聞きます。

  • 場面の名前を入れる 「対応」を「申込手続き」に置き換えるなど、何について答えるかを示します。
  • 聞くことを混ぜない 説明の分かりやすさと返事の早さは分けて聞きます。同じ質問に混ぜると、どちらの理由で選ばれたか区別できません。
  • 思い出せるか確かめる 相手が実際のやり取りを思い出して答えられる質問かを、送る前に確認します。覚えていない場合の選択肢も用意します。

広すぎる質問の範囲を絞る

確認する点避ける聞き方場面で聞く
質問の範囲対応に満足しましたか。申込手続きで分かりにくかった点を選んでください。
編集部作成の例。社内だけで通じる業務名は、相手に伝わる言葉に直します。

選択肢は、次の行動が変わる単位で作る

「良い・普通・悪い」だけでは、直す対象が分かりません。選ばれた内容によって、見直す箇所が変わる区分を作ります。

  • 直す対象で分ける 書類の説明、提出先の案内など、直す箇所を区別できる選択肢にします。
  • その他の内容を聞く 「その他」には内容を書く欄を用意します。記入欄は自由記述の欄と共通にし、増やしません。
  • 無理に選ばせない 困らなかった場合と、手続きをしていない場合を分けます。複数の選択肢を選べるかどうかも明記します。

申込手続きについての選択肢を見直す

区分直す場所が分からない選択肢見直した選択肢
評価の区分良い/普通/悪い必要な書類の説明/提出先の案内/提出期限の案内
想定外の内容選べる項目がないその他(内容は共通の自由記述欄へ)
困らなかった普通に含める分かりにくかった点はない
該当しない選べる項目がない申込手続きをしていない
記憶がない普通に含める覚えていない
編集部作成の例。「該当しない」「覚えていない」を好意的な評価に含めません。

自由記述は一つに絞り、書いてほしい内容を示す

「ご意見をお聞かせください」だけでは、何を書くか迷います。詳しい意見を求める欄は一つに絞り、記入は任意と伝えます。

  • 書く対象を指定する 今回見直す業務について、次に改善してほしい点を聞きます。幅広い感想は求めません。
  • 記入欄を共通にする 「その他」を選んだ人も同じ欄に、選択肢になかった内容を書いてもらいます。
  • 書かなくてもよいと伝える 「記入は任意です」と欄の近くに書きます。空欄でも回答を送れるようにします。

自由記述で書いてほしい内容を絞る

対象避ける聞き方書きやすい聞き方
申込手続きご意見をお聞かせください。申込手続きについて、次に改善してほしい点があればお書きください。「その他」を選んだ方は、その内容をお書きください。記入は任意です。
編集部作成の例。質問全体を読み、同じ内容を繰り返し聞いていないか確かめます。

日々使う人と導入を判断した人では、聞くことが違う

日々使う人と導入を判断した人では、経験した場面が違います。同じ質問をそのまま送らず、答えられる内容に分けます。

  • 使う人には経験を聞く 日々の操作や問い合わせなど、実際に経験した場面で困ったことを聞きます。
  • 判断した人には経緯を聞く 導入時の比較や社内説明など、判断の過程で分かりにくかったことを聞きます。
  • 現在の宛先を確かめる 窓口が変わっている場合もあります。送る前に、聞きたい場面を経験した相手か確かめます。

経験した場面に合わせて聞く内容を変える

相手聞くこと
日々使う人利用や問い合わせの際に、どの説明や手順で困ったかを聞きます。
導入を判断した人比較検討や社内説明の際に、どの情報が足りなかったかを聞きます。
両方を担う人利用時と導入判断時の質問を分け、経験した場面について聞きます。
編集部作成の例。役職名だけで、経験した場面を決めつけません。

回答の使い道と公開範囲を先に伝える

何に使われ、誰が読むのかが分からないと、相手は答えてよいか迷います。質問の前に、使い道と公開範囲を短く記載します。

  • 目的と共有先を書く 何を見直すために聞くのかと、社内のどの部署で回答を共有するのかを伝えます。
  • 外部への公開を決める 相手の許可なく社名や回答を外部に公開しないことを伝えます。公開したい場合は、内容と掲載先を示して事前に許可を取ります。
  • 回答を強制しない 答えなくても取引に影響しないことを明記します。その説明どおりに運用します。

質問の前に回答の扱いを説明する

伝えること書き方
聞く目的申込手続きの案内を見直すため、ご意見を伺います。
社内での使い道回答は営業部門とサポート部門で共有し、案内の修正を検討します。
公開範囲社名や回答は外部に公開しません。公開をお願いする場合は、事前に許可をいただきます。
回答の任意性回答は任意です。回答しなくても、お取引に影響はありません。
編集部作成の例。目的・共有先・公開範囲は、実際の運用に合わせて記載します。

回答は相手の言葉で残し、解釈と分ける

要約だけを残すと、相手が書いていない意味を自分が加えてしまうことがあります。回答の原文を保存し、読み取ったことは別の欄に書きます。

  • 原文を残す 選ばれた選択肢と自由記述を、そのまま保存します。整理のための要約で原文を置き換えません。
  • 推測は別の欄に書く 「説明が不足しているのでは」といった読み取りは、解釈として記録します。確認できていない原因を事実として扱わないようにします。
  • 未回答は不明とする 回答がないことを満足の表れと考えません。集計では、回答した相手の意見であることを明記します。

原文・解釈・未回答を区別して記録する

記録の対象相手の言葉自分の解釈
自由記述「必要な書類がどこに書いてあるか探しました」書類一覧の場所が見つけにくいのではないか。原因はまだ確認できていません。
未回答回答がないため、記録する言葉はありません。意見は不明です。満足・不満足の判断はしません。
編集部作成の例。表中の回答は架空です。

回答した相手に、見直した内容を返す

回答後に何も伝えなければ、何に使われたか分からないままです。回答がどう使われたかが分かるように、見直した内容を相手に返します。

  • 直した箇所を伝える 「改善しました」で終わらず、どの案内や手順をどう変えたか伝えます。
  • 直さない理由も伝える 変更しない内容は理由を説明します。検討中の場合は、まだ決まっていないことを伝えます。
  • 時期と方法を決める アンケートを送る前に、結果を返す時期・方法・担当者を決め、共有が抜けないようにします。

回答への返事に含める内容を決める

返すこと方法
直した内容返信メールで、書類一覧を申込案内の冒頭に移したことと、確認先を伝えます。
直さない理由変更しない内容と、その判断の理由を同じメールで説明します。
検討中の内容検討している内容と、次に状況を知らせる時期を伝えます。
編集部作成の例。個別に返す場合も、他社の社名や回答を含めないようにします。

質問を送る前に、アンケートの設計を書き出す

ここまでの内容を、今回送るアンケートに当てはめます。まず見直す内容を書き、質問から結果の返し方までを決めます。

  • 見直す内容から埋める 「どの回答なら何を直すか」を書きます。その判断に必要な場面と選択肢を決めます。
  • 答えやすさを確かめる 質問を通して読み、重複や答えにくい言葉を削ります。自由記述は一つに絞り、任意と明記します。
  • 回答後まで書き切る 回答の共有先、原文と解釈の残し方、未回答の扱いを決めます。結果を返す時期と方法も書きます。

今回のアンケートの設計を書き込む

決めること記入欄決めること記入欄
見直す内容聞く場面
選択肢の区分自由記述の問い
誰に聞くか使い道と公開範囲
回答の残し方結果を返す方法
編集部作成の例。回答の使い道が書けない質問は、送る前に見直します。