別の商品の案内は、顧客の相談から考える

取引が続いていても、別の商品を切り出すには理由が必要です。顧客から聞いた困りごとを起点に、案内する内容と伝え方を考えます。

  • 案内する理由があるか確かめる 実際に聞いた相談や困りごとを確かめ、別の商品を案内する理由があるかを判断します。
  • 契約と追加を分ける 現在の契約でできることを確認し、追加で提案する内容を分けて示します。
  • 伝える段取りを決める 相手が断れると伝える書き方、案内する節目、誰にどの順番で説明するか、結果の残し方を決めます。

別の商品の案内は、顧客の相談を根拠にする

取引があることだけを理由に案内しても、相手には自社の業務にどう役立つかが伝わりにくくなります。実際に聞いた相談と商品の使い道を結び付けて説明します。

  • 聞いた相談を起点にする 顧客から聞いた困りごとのどの部分を、その商品で担えるのかを確かめます。
  • 売りたい事情だけで案内しない 売りたい事情だけを伝えると、相手は自社にその商品が必要な理由を理解しにくくなります。
  • 必要な選択肢を伝える 案内がないために、困りごとを解消する方法を知らずにいる場合もあります。判断材料として伝えます。

案内する根拠の違い

案内の種類何を根拠にしたか相手の受け取り方
相談に基づく案内請求前の確認に手間がかかると聞いた相談した業務についての提案だと分かる
売りたい事情だけの案内売りたい商品があるため送った自分に案内された理由が分からない
編集部作成の例です。商品や業務の設定は架空です。

案内する根拠を、顧客の記録から探す

問い合わせや会議の記録を読み、実際に出た相談を探します。以前の困りごとが今も続いているかは、案内する前に確認します。

  • 相談の言葉を残す 問い合わせや会議で聞いた言葉を確認します。想像で補った課題を、顧客の発言として扱わないようにします。
  • 解消していない困りごとを探す 現在の商品で対応できず手作業で補っている部分や、解消していない困りごとを探します。
  • 聞いた予定を確かめる 担当者が口にした組織変更などの予定を確認します。予定を聞いただけで、追加の商品が必要だとは決めません。

記録から探す案内の根拠

記録の種類案内につながる内容
問い合わせ請求前の確認作業を減らせないかと質問があった
相談申請の承認状況が分からず、確認に時間がかかると聞いた
会議の記録現在の商品とは別に、表へ転記していると聞いた
対応履歴現在の商品では扱えない作業が未解決で残っている
予定の共有部署の統合に伴い、承認手順を見直す予定だと聞いた
編集部作成の例です。記録が古い場合は、現在の状況を確認します。

現在の契約に含まれる内容と追加の提案を分ける

追加の商品を案内する前に、現在の契約で対応できるかを確認します。設定や使い方の変更で対応できるなら、その方法を先に伝えます。

  • 契約の内容を確認する 利用できる機能と支援の範囲を確認し、相談に対して今の契約でできることを示します。
  • 追加になる範囲を示す 別途契約や費用が必要な内容は、現在の契約に含まれる内容と分けて説明します。
  • 今の契約で対応する 追加が不要なら「今の契約で対応できます」と伝えます。現在の契約で対応できることについて、追加の商品が必要だと誤解させる説明をしません。

相談への対応を契約の範囲で分ける

相談の内容現在の契約で対応できるか確認結果に応じて案内すること
通知先の変更設定の変更で対応できる追加の商品は不要と伝える
データの出力既存の出力機能で対応できる使い方を案内する
承認履歴の共有出力はできるが、承認履歴は共有できない履歴を共有する別の商品を案内する
編集部作成の例です。実際の対応範囲は、契約内容で確認してください。

案内する理由は、相手の業務で説明する

機能の説明だけでは、自分の仕事に必要かを判断しにくくなります。どの業務のどの場面で使うかを、聞いた相談に沿って説明します。

  • 使う場面を示す 誰が何をするときに使うのかを具体的に書きます。効果を約束せず、商品が担う作業を説明します。
  • 今の商品との関係を示す 現在の商品で続ける作業と、追加の商品で扱う作業を分けます。連携できるかも確認してから伝えます。
  • 使わない選択肢を示す 今の方法を続ける場合も示します。作業の負担や困りごとの程度を踏まえて、必要かどうかを選んでもらいます。

業務の言葉で案内の理由を書く

要素書くこと(架空の例)
聞いた相談請求前に、承認済みかを個別に確認していると聞いた
使う場面請求内容を確定する前に、承認履歴を確認する
今の商品請求データの作成には、現在の商品を使い続ける
追加の商品別の商品では、承認履歴を関係者で共有できる
使わない場合個別の確認で支障がなければ、今の方法を続ける
編集部作成の例です。商品や業務の設定は架空です。

断っても今の対応は変わらないと伝える

追加の提案を断ることで、今の対応が変わるのではと気にされることがあります。検討は任意であり、断ったことを理由に現在の契約条件や対応を変えないと明記します。

  • 検討しなくてよいと示す 必要がなければ検討しなくてよいと伝えます。断った後も、現在の契約に沿った対応を続けます。
  • 返答の要否を示す 情報提供だけなら、返答は不要と添えます。返答不要と伝えた案内への回答を催促しません。
  • 断られた理由を残す 聞けた範囲で理由を記録します。再案内を望まない相手には、同じ提案を再び案内しません。理由を聞くための返答も無理に求めません。

相手が断れることを明確にする

伝え方注意
検討は任意と示す検討しないことによる不利益を示唆しない
断っても対応は変わらないと示す断ったことを理由に、現在の契約条件や契約に基づく対応を変えないと明記する
返答不要と示す情報提供だけの場合に使い、後から回答を催促しない
辞退を確認する理由を無理に聞かず、再案内を望まない意向も記録する
編集部作成の例です。伝えた内容と、その後の対応を一致させます。

案内するタイミングは、相手の業務の節目で決める

案内する時期は、相手が業務を見直す場面に合わせます。節目があっても忙しくて検討できない場合は、説明できる時期を確認します。

  • 業務の節目を確かめる 契約の更新、組織の変更、相談があった直後など、業務の進め方や使う商品を見直す予定があるか確認します。
  • 繁忙期を避ける 締め作業や変更対応で忙しい時期は避けます。相談への回答が急ぎなら、回答を優先して追加の説明は分けます。
  • 自社の締めで決めない 自社の売上の締めを理由に、検討や返答を急がせません。相手の業務上、いつ判断が必要かを確認します。

業務の節目と避けたい時期

節目案内しやすい理由避ける時期
契約の更新利用中の内容と今後の業務を確認できる更新手続きの直前で検討する余裕がない時期
組織の変更新しい役割や手順について相談できる引き継ぎや移行作業が集中している時期
相談の直後困りごとと案内の理由を説明できる目の前の問題への対応で手が離せない時期
編集部作成の例です。節目だけで判断せず、相手の状況を確認します。

日頃の窓口に伝えてから、顧客の社内での検討を支援する

追加の提案も、まず日頃やり取りしている窓口に伝えます。誰にどの順番で説明するかを確認してから、顧客の社内での検討を支援します。

  • 窓口に先に伝える 相談への提案があることを、日頃の窓口に知らせます。担当範囲が違う場合も、適切な相談先を確認します。
  • 決裁者へ直接送らない 窓口に知らせずに、決裁者へ提案を直接送りません。決裁者を紹介してもらえるか、説明に同席してよいかを窓口に確認し、了承された順番で説明します。
  • 顧客の社内での説明を助ける 相談の内容、契約の範囲、追加の費用や条件をまとめた資料を渡します。必要に応じて説明への同席を申し出ます。

窓口に確認してから説明を進める

  1. 窓口の担当者に案内する
  2. 担当者が社内で確認する
  3. 決裁者への説明を支援する
  4. 返答を受ける
返答が不要な情報提供なら、社内確認や決裁者への説明を求めません。

案内と返答を記録し、次の判断に使う

営業管理表には、案内した商品だけでなく、案内の根拠と相手の返答も残します。記録を確認してから、次に案内するかどうかを判断します。

  • 根拠と返答を残す どの相談を根拠に、どの商品を案内したかを記録します。返答がない場合は、断られたと決めず「返答なし」と残します。
  • 断られた理由を分ける 不要なのか、時期が合わないのかを、聞けた範囲で残します。再案内を望まない場合は、その意向を明記します。
  • 他社への案内も判断する 似た相談のある顧客でも、同じ提案が必要とは限りません。その顧客の記録と現在の状況を確かめて判断します。

営業管理表に残す内容

記録項目書くこと
案内先と日時顧客名、窓口、案内した日、伝えた手段を書く
案内した商品商品と追加で必要になる契約や条件を書く
案内の根拠相談の内容と、元の記録を確認できる場所を書く
相手の返答検討する、不要、返答なしなど、確認できた事実を書く
断られた理由聞けた理由と、再案内についての意向を書く
次の判断案内を控えるか、相手のどんな変化があれば改めて確認するかを書く
編集部作成の例です。相手の発言と営業側の推測は分けて記録します。

案内は、相談への言及から順番に組み立てる

メールや商談での案内は、以前に聞いた相談から始めます。現在の契約と追加の提案を分けて説明し、最後に検討は任意だと伝えます。

  • 最初に相談を示す どの相談への案内なのかを示し、現在の契約で対応できる内容を先に説明します。
  • 追加と理由を説明する 追加で提案する商品を示した後、相手の業務のどの場面で使うのかを説明します。
  • 最後に選べると伝える 検討しなくても今の対応は変わらないと伝えます。情報提供だけなら、返答が不要であることも添えます。

メールや商談で伝える要素と順番

順番要素注意
最初に以前の相談に言及する実際に聞いた内容を書き、今も続いているかを確かめる
次に現在の契約でできることを示す既存の機能や支援で対応できる範囲を先に伝える
続いて追加の商品を提案する別途契約や費用が必要な内容を分けて示す
その後案内する理由を説明するどの業務のどの場面で使うかを書く
最後に検討しなくてよいと伝える断っても今の対応は変わらないことと、返答の要否を示す
編集部作成の例です。全文例ではなく、案内に含める要素を示しています。

顧客の記録を見ながら、案内のメモを完成させる

案内を考えたい顧客を選び、記録を見ながら空欄を埋めます。書けない項目は想像で補わず、案内する前に確認することとして残します。

  • 記録から書き始める 顧客名と窓口を書き、根拠にする相談を記録から抜き出します。いつ、どこで聞いた内容かも添えます。
  • 追加が必要か確かめる 現在の契約でできることを書いてから、追加の商品と案内する理由を記入します。追加が不要なら、その旨を書きます。
  • 伝えた後まで決める 案内する節目と、誰にどの順番で説明するかを決めます。断られたときは理由や意向をどこに残すか、記録先も記入します。

顧客への商品案内を書くメモ

記入項目記入欄記入項目記入欄
顧客名と担当者顧客名:/窓口:根拠にする記録相談の内容・聞いた日・記録先:
現契約でできること現在の契約で対応できる範囲:追加で提案する商品商品・別途必要な契約や費用:
相手の業務での理由どの業務のどの場面で使うか:相手の業務で使う場面業務の節目・検討できる状況:
断られたときの記録理由や意向の記録先:/返答を受けた後に追記すること:説明する順番最初に伝える窓口・顧客の社内確認・説明する相手:
編集部作成の例です。案内には、検討は任意で、断っても今の対応は変わらないことも添えます。