説明の不足は、読み手の説明と資料の記述を照らすと分かる

作り手が分かる資料でも、初めて読む人に伝わるとは限りません。読み手の説明と資料の記述を照らすと、補うべき説明を探せます。

  • 誰にどう読んでもらうか 商品の知識がない社員から読み手を選び、目的と読む条件、質問の受け方を決めます。
  • 何を根拠に直すか 読み手の説明から、不明点と誤解を分け、資料のどの記述をどう直すか決めます。
  • 何を記録して確かめるか 修正した内容と未確認の疑問を記録し、別の人に読んでもらいます。社内の結果だけで商談先にも伝わるとは判断しません。

初見に近い読み手かは、商品の知識と関わりで決まる

別の部署や入社したばかりの人でも、商品を知っている場合があります。資料の作成や販売に関わった経験と、事前に知っている内容から選びます。

  • 商品の知識を聞く 商品名を聞いた経験だけでなく、用途や利用条件をどこまで知っているか確かめます。
  • 説明への関与を調べる 資料の作成や営業説明に関わった経験があると、書かれていない内容を補って読める場合があります。
  • 選んだ理由を残す 商品を知らないと判断した理由と、商談先に近い立場だと考えた理由を分けて記録します。

読み手の候補を比べる

選ぶ人選ぶ理由注意
別部署の社員商品説明に触れていない人を探せます。部署が違っても商品を知っている場合があります。
新しく入った人社内の説明に慣れていない人を探せます。研修や前職で得た知識を確かめます。
商談先に近い人似た業務を経験した立場から読めます。業務経験が近くても、購入の事情は異なります。
表は編集部作成の例です。

説明の不足を探すには、読む条件の共有が必要だ

読み方が変われば、説明できなかった理由も変わります。資料を直すために読むことと、時間を制限しないこと、質問の扱いを先に伝えます。

  • 目的を伝える 社員の知識や能力を評価する場ではなく、資料に足りない説明を探すための確認だと伝えます。
  • 時間を制限しない 読む速さは評価せず、読み返して構わない条件にします。読み終えたら自分の言葉で説明してもらいます。
  • 質問の扱いを決める 進め方の質問には答えます。商品内容の質問は記録し、理解の確認が終わってから説明します。

読む前に共有する条件

伝えること理由伝えないこと
資料を直す目的分からない点も出してもらうためです。期待する結論は先に伝えません。
時間制限はない読む速さと説明の不足を混同しないためです。読み終える速さの目安は示しません。
答え合わせは後資料だけでどう理解したかを残すためです。説明の途中で正解や不正解を示しません。
質問の扱い資料だけで理解できた範囲と、補足で理解できた範囲を分けるためです。商品内容の答えやヒントは先に渡しません。
表は編集部作成の例です。

理解した内容は、自分の言葉で説明してもらうと初めて分かれる

分かったという感想だけでは、何が伝わったかを判断できません。資料を見返して構わない条件で、読み取った内容を自分の言葉で説明してもらいます。

  • 何の商品かを聞く 何を提供する商品なのか説明してもらいます。資料の文章をそのまま読めたことだけでは判断しません。
  • 誰の何が変わるか聞く 誰が使い、どの仕事や状態がどう変わると読んだかを聞きます。説明の根拠にした記述も確認します。
  • 次に何をするか聞く 読んだ後に何をすればよいと理解したかを聞きます。実際に申し込みたいかとは分けて扱います。

説明から確認する内容

説明してもらうこと確かめること注意
何の商品か提供する内容と範囲が伝わったかを見ます。商品名を覚えたかだけで判断しません。
誰の何が変わるか対象者と利用後の変化をどう読んだかを見ます。資料にない効果を補っていないかも見ます。
次に何をするか次の行動と必要な条件が分かるかを見ます。行動の理解と購入の意向を混同しません。
表は編集部作成の例です。

読み手の説明と記述の一致は、言葉ではなく意味で決まる

資料と違う表現でも、意味が同じなら誤解とは扱いません。説明された内容を該当する記述に対応させ、意味の一致と抜けを確認します。

  • 根拠の記述を探す 説明の根拠にした箇所を示してもらいます。資料に書かれた内容と、知識や推測で補った内容を分けます。
  • 抜けた内容を確かめる 説明に出なかっただけで、理解していないとは決めません。答えを示さず、その内容をどう読んだか聞きます。
  • 意味の違いを残す 表現の違いではなく、対象や条件、提供範囲の違いを記録します。記述と作り手の意図が食い違う場合は、記述の側を直す候補にします。

説明と記述の照らし方

照らす点確かめ方記録
一致した意味表現が違っても、対象や条件が同じかを見ます。説明の要旨と根拠の記述を残します。
説明の抜け省略したのか、読み取れなかったのかを聞きます。抜けた内容と確認後の説明を残します。
言い換えの違い元の記述より意味が広がったり狭まったりしていないかを見ます。意味が変わった部分を具体的に残します。
記述の不足意図した内容が資料に実際に書かれているかを見ます。書かれていない前提や条件を残します。
表は編集部作成の例です。

説明できない理由によって、必要な修正が違う

意味が分からなかった場合と、違う意味で理解した場合では、直す箇所が異なります。読み飛ばした場合も分け、説明できなかった理由を記録します。

  • 不明点を特定する どこまでは分かり、どこから判断できなくなったかを聞きます。分からない範囲を資料の記述で特定します。
  • 誤解の根拠を探す どういう意味だと理解したかと、その根拠を確認します。資料が意図しない読み方を招いていないか見ます。
  • 読み飛ばしを分ける 読んでいない箇所は、意味が分からなかった箇所と分けます。理由が不明な場合は推測で埋めません。

説明できなかった理由の区別

種類見分け方直し方の方向
分からない記述を読んでも、何を意味するか説明できません。判断に必要な説明や条件を補います。
違う意味で理解説明された意味が、記述の対象や条件と異なります。別の意味に読める記述を、対象や条件が一つに定まる表現に直します。
読み飛ばし説明の抜けた箇所を読んでいなかったと分かります。前後の説明から読む必要性が分かるかを見直します。
理由が不明読んだか、どう理解したかを特定できません。原因を決めず、再確認する点として残します。
表は編集部作成の例です。

直すのは読み手ではなく資料でしかない

知識不足や不注意と決めつけても、資料の直し方は決まりません。説明の違いが生じた記述を探し、言葉の指す範囲、説明の順序、前提を見直します。

  • 記述を根拠に直す どの記述でどの意味の違いが生じたかを確認します。読み手が受けた印象だけで修正箇所を決めません。
  • 口頭の補足を見直す 口頭で補えば理解できた内容は、資料に必要な説明かを考えます。補足後の理解は別に記録します。
  • 修正の理由を書く 何をどう直し、どの不明点や誤解を減らしたいかを書きます。修正後に確かめる内容も明確になります。

記述に基づいて決める修正

直す対象確かめること直し方
言葉の指す範囲誰の行動や、どこまでの提供内容を指すかが明確ですか。対象者や条件を記述に加えます。
説明の順序後で出てくる説明を知らないと、前の内容を理解できませんか。理解に必要な説明を先に置きます。
前提の説明社内では当然の知識を、初見の人にも求めていませんか。理解に必要な前提を本文に補います。
表は編集部作成の例です。

社内で伝わっても、商談先に伝わるとは限らない

商品を知らない社員でも、会社の事業や仕事の進め方は知っている場合があります。社内で理解を確認した結果は、資料の改善材料として扱います。

  • 社内の知識を分ける 資料にない説明を社内の知識で補っていないか確認します。補えた内容も、商談先に必要なら記述を検討します。
  • 商談先で確かめる点を残す 社内では気にならなかった条件が、商談先の判断には必要な場合があります。未確認の点として記録します。
  • 証明として扱わない 社内で確認した範囲を明記します。商談先の理解や購入の意向まで確認できたとは扱いません。

社内と商談先の違い

違い起こり得ること扱い
社内の前提知識会社の事業を知っているため、説明の不足を補って読める場合があります。社内の知識で補った箇所を記録します。
商談先の関心社内では出なかった運用や条件の疑問が出る場合があります。商談先で確かめる点として残します。
商談先の言葉同じ言葉でも、商談先の業務に当てはめると意味が異なる場合があります。何を指すと読んだかを商談で確かめます。
表は編集部作成の例です。

修正後に初めて読む人の理解は、別の読み手に頼むしかない

前の資料を読んだ人には、説明や修正内容の記憶が残ります。初めて読んだときの理解を見たい場合は、商品を知らない別の社員に読んでもらいます。

  • 同じ条件で読んでもらう 目的、時間を制限しないこと、質問の扱いを引き継ぎます。修正箇所や期待する説明は先に伝えません。
  • 周囲の記述も確認する 直した箇所の理解に加え、修正によって別の説明と食い違っていないかを確認します。
  • 商談での確認を残す 社内で解消した点と、商談先で確認する点を分けます。商談では口頭で補足した内容も記録します。

読み直しで確認できる範囲

確かめ方確かめること注意
同じ人に頼む以前の不明点が、修正した説明で解消するかを見ます。初見の確認には使いません。以前の説明を覚えているため、初見の確認にはしません。
別の人に頼む修正した資料だけから、どう理解するかを見ます。商品知識と読む条件を改めて記録します。
商談で確かめる相手の業務や関心に照らして、どう理解するかを見ます。資料だけの理解と口頭で補足した後の理解を分けます。
表は編集部作成の例です。

確認の記録には、修正の根拠と残る疑問が必要だ

修正後の資料だけでは、どの説明が伝わらなかったかを振り返れません。読み手と読む条件、説明の違い、修正内容、未確認の点を記録します。

  • 資料の版を記す どの版を読んでもらったかを残します。修正前の記述と修正後の記述を確認できる保存先も記します。
  • 発言と判断を分ける 読み手の説明の要旨と、そこから考えた原因を分けて書きます。推測は確定した事実として残しません。
  • 未確認の点を残す 修正しただけの点と、修正後の理解を確認できた点を分けます。商談先でしか確かめられない点も残します。

確認結果として残す内容

記録項目書くこと理由
資料名と版読んでもらった資料と保存先を書きます。修正前後の記述を照らせます。
読み手と条件商品知識、選んだ理由、読む条件を書きます。どの条件で得た結果かが分かります。
説明と記述の差説明の要旨と対応する記述を書きます。修正の根拠を確認できます。
不明点と誤解分からない箇所と違う意味で読んだ箇所を分けます。必要な修正を判断できます。
直した箇所修正内容と修正した理由を書きます。再確認する内容を決められます。
残る点未確認の疑問と次の確認方法を書きます。解消していない点を引き継げます。
表は編集部作成の例です。

記録に根拠を残すと、次の担当も確認結果をたどれるようになる

自社の資料を対象に、読み手の選び方から再確認の予定まで書き込みます。判断できなかった点は空欄にせず、未確認として理由を残します。

  • 読む前に条件を書く 資料の版、読み手の商品知識、読む条件を記入します。口頭で内容を補った場合は、その箇所も追記します。
  • 説明と記述を残す 読み手の説明は意味を変えずに要約します。照らした記述と、不明点や誤解の区別を書きます。
  • 次の確認を具体化する 別の読み手の選び方、再確認する内容、記録先を決めます。商談先で確認する必要がある点も記入します。

営業資料の初見確認記録表

記録項目記入欄記録項目記入欄
資料名と版資料名、版、保存先を書きます。読み手商品知識と選んだ理由を書きます。
伝えた条件目的、時間制限なし、質問の扱いを書きます。読み手の説明商品の内容、対象と変化、次の行動をどう説明したかを書きます。
資料との違い説明に対応する記述と、意味の違いや抜けを書きます。分からなかった箇所判断できなかった記述を書きます。読み飛ばしは区別します。
誤解した箇所どういう意味で理解し、どこを根拠にしたかを書きます。直し方修正箇所、変更内容、修正の理由を書きます。
再確認の予定別の読み手を誰がいつ選び、何を確認するか、商談先で確かめる点を書きます。記録先結果と残る疑問を保存する場所を書きます。
表は編集部作成の例です。