広い質問への回答には範囲の確認が必要だ

範囲の広い質問では、どの作業について何を知りたいのかが省かれていることがあります。営業担当者は答え始める前に、相手が判断したいことまで確かめます。

  • 対象の作業を決める 相手の言葉が指す業務の場面と、自社商品が担う作業を特定します。
  • 答えの種類を決める できるかどうか、条件、手順、限界のうち、何を知りたいのかを確かめます。
  • 回答する範囲を決める 確認できた範囲を答え、未回答の範囲と回答予定を営業管理表に残します。

広い質問は全体の説明を求めているとは限らない

範囲の広い質問でも、必要な答えが限られている場合があります。何について、何を知りたいのかを分けて確かめます。

  • 対象の広さを見分ける 業務全体を指すのか、特定の作業を指すのかで、説明する内容が変わります。
  • 知りたいことを分ける 作業が分かっても、求める答えが可否なのか手順なのかは、別に確認が必要です。
  • 一度に全部を答えない 質問に含まれていそうな内容を推測して並べず、確認できた対象から答えます。

質問の広さと確認事項

質問の指す範囲答える前に確かめること理由
業務全体どの場面の作業を指すかを確かめます。全機能の説明が必要とは限りません。
作業の一部作業の始まりと終わりを確かめます。前後の作業まで含むかどうかは相手によって違います。
範囲が定まらない指している作業と知りたいことを確かめます。同じ作業でも必要な答えが違います。
表は編集部作成の例です。

同じ言葉でも指している作業は相手ごとに変わる

相手の業務で使う言葉が、自社の機能名と同じ範囲を指すとは限りません。営業担当者は業務の場面を聞き、相手の言葉を具体的な作業に置き換えます。

  • 業務の場面を聞く 誰が、何を扱い、どの作業まで終えたい場面なのかを整理します。
  • 機能との対応を見る 相手が指す作業を特定してから、対応する自社商品の機能を確認します。
  • 言葉のずれを残さない 機能名を聞いただけで相手の意図を理解したと判断せず、その機能で行う作業が相手の意図と合うか確かめます。

業務の言葉を作業に置き換える

相手の言葉考えられる対象確かめ方
準備という言葉情報の収集や入力を指す場合があります。どの作業を準備と呼んでいるか、始まりと終わりを確認します。
対応という言葉受付から完了までを含む場合があります。相手がどこからどこまでを自社に任せたいかを確認します。
管理という言葉記録や進捗の確認を指す場合があります。何を記録し、何を確認したいか整理します。
表は編集部作成の例です。相手の言葉だけで対象を決めないために使います。

回答に含める内容は求める答えの種類で変わる

対象の作業が同じでも、可否を知りたい場合と手順を知りたい場合では答えが変わります。説明を始める前に、求める答えの種類を確かめます。

  • 可否と条件を分ける 実行できるかどうかと、実行に必要な前提を区別します。条件がある場合は可否と併せて示します。
  • 手順は流れを答える 進め方を知りたい場合は、作業の順序と相手に必要な準備を説明します。
  • 限界は含む作業と含まない作業で答える 任せられる範囲を知りたい場合は、自社商品が対象に含む作業と含まない作業を示します。

求められる答えの見分け方

答えの種類相手が知りたいこと答え方
できるかどうか対象の作業を実行できるか知りたい。確認した作業の可否を示します。
条件何が必要か知りたい。実行に必要な前提を示します。
手順どう進めるか知りたい。準備と作業の順序を示します。
限界どこまで任せられるか知りたい。含む作業と含まない作業を示します。
表は編集部作成の例です。

答えに含める情報は相手が判断したいことで決まる

同じ可否の確認でも、導入を決めたいのか、社内で説明したいのかで必要な情報が違います。相手が回答を何の判断に使うのかを聞きます。

  • 判断する場面を聞く 回答を受けて何を決めたいのかを確認し、その判断に必要な情報を選びます。
  • 背景を決めつけない 可否を聞かれただけで導入の意思があるとは考えず、回答の用途を確かめます。
  • 説明を広げすぎない 背景が分かっても、商品全体の説明には広げず、特定した作業について答えます。

回答の用途と答えに含める情報

回答の用途聞くこと答えに含めること
導入の可否導入に当たり外せない作業を確認します。その作業の可否と必要な条件を示します。
社内での説明説明先が何を判断するのか確認します。判断に使う結論と前提を示します。
他の方法との比較比較する作業と条件を確認します。同じ作業と条件で自社が担う範囲を示します。
表は編集部作成の例です。

回答できる範囲は確認済みの作業と条件に限られる

一部の作業ができても、質問に含まれる全体ができるとは限りません。確認済みの内容と、まだ確認していない内容を分けて答えます。

  • 確認した範囲を添える 結論だけを答えず、どの作業について、どの条件で確認した内容なのかを示します。
  • 条件つきを区別する 必要な条件と、その条件のもとで実行できる範囲が確認できている場合だけ、条件つきでできると答えます。
  • 未回答を明示する まだ確認していない範囲は確認後に回答すると伝え、確認する対象と回答予定を明らかにします。

確認の状態に応じた回答

回答の区分答え方その後の対応
確認済みで答える対象の作業と確認した結論を示します。回答が及ぶ範囲を相手と確認します。
条件つきで答える必要な条件と、その条件下の結論を示します。相手が条件を満たすか確認します。
まだ答えない確認してから回答する範囲を示します。対象を確認し、予定に沿って回答します。
表は編集部作成の例です。条件つきは、未確認の内容を推測で答える区分ではありません。

できない作業はできないと伝えなければ誤解が残る

できないと分かっている作業に曖昧な条件を付けると、対応できる余地があるように伝わります。営業担当者はできない作業を明示し、代わりの方法は分けて扱います。

  • できないと伝える 対象の作業はできないと明確に伝えます。確認していない条件を付けて結論を濁しません。
  • 代わりの方法を分ける 代わりの方法は、実行できるか確認してから示します。元の依頼との差も説明します。
  • 理由は判断に要る範囲で説明する できない理由は、相手が進め方を判断するために必要な範囲で説明します。

対応できない場合の整理

場面すること避けること
対応できないできない作業を特定して伝えます。根拠のない条件を付けて可能性を残すこと
代わりを示す実行できる方法と元の依頼との差を示します。元の依頼を満たす方法だと決めつけること
理由を説明する判断に関わる制約を説明します。社内事情を長く説明して結論をぼかすこと
表は編集部作成の例です。

複数の作業を含む質問には作業ごとの回答が必要だ

まとめて任せられるかという質問には、準備から完了後までの作業が含まれる場合があります。作業ごとに区切り、回答済みの範囲を相手と確認します。

  • 作業の切れ目を探す 工程や担当が変わる場所で作業を分け、それぞれを質問の対象として整理します。
  • 結論をまとめすぎない できる作業とできない作業が混在する場合は、全体をまとめて可否で答えません。
  • 回答済みの範囲を示す どの作業まで答えたかを相手と確認し、残った作業がないか確かめます。

質問に含まれる作業の分け方

質問の形分け方確認すること
工程をまたぐ準備、実行、完了後の作業に分けます。各工程で必要な作業が含まれているか確認します。
担当をまたぐ自社と相手が行う作業に分けます。引き渡すものと担当が変わる時点を確認します。
全体をまとめる含まれる作業を列挙して個別に答えます。回答済みと未回答の作業を確認します。
表は編集部作成の例です。

回答と未回答を分けて残せば引き継ぎで誤解が残らない

質問と結論だけの記録では、どの範囲に答えたのかが残りません。営業管理表に、対象の作業、相手に伝えた実行の条件、まだ回答していない内容を記録します。

  • 質問の意味を残す 相手の言葉に加えて、確認した作業と求めていた答えの種類を記録します。
  • 回答の境界を残す 答えた内容と適用する条件を残し、できないと伝えた作業も記録します。
  • 未回答と予定を残す 未確認の範囲と、確認済みでもまだ伝えていない内容を分け、回答予定を記録します。

営業管理表に残す項目

記録項目書くこと
質問相手の言葉と、確認した対象の作業を記録します。
答えの種類と背景求めていた答えの種類と、判断したいことを記録します。
答えた範囲伝えた結論、条件、できない作業を記録します。
未確認確認が必要な作業や条件を記録します。
未回答相手にまだ答えていない範囲を記録します。
回答予定確認する人、回答する人、回答時期と方法を記録します。
表は編集部作成の例です。記録欄を分けられない場合も、本文で区別します。

同じ質問が続くなら説明資料の項目が足りない証拠になる

同じ広い質問が続く場合は、説明資料で作業の範囲が伝わっていない可能性があります。商談の記録を読み、言葉と項目の順番を見直します。

  • 質問が重なる箇所を見る 似た言葉の質問でも、指す作業と求める答えが同じかを確かめてからまとめます。
  • 作業から説明する 機能名だけでは範囲が伝わらない場合は、業務の場面と対象の作業を先に示します。
  • 足りない項目を補う 繰り返し確認される条件や対象外の作業を、関連する説明の近くに加えます。

質問の記録から資料を見直す

気づき見直すこと注意
対象が伝わらない機能名の前に対象の作業を示します。実際の対応範囲より広く受け取られる表現は避けます。
答えが見つからない可否、条件、手順、限界のどれを説明しているかが分かる見出しにします。求められる答えと見出しを対応させます。
範囲が広く受け取られる対象外の作業を関連する説明の近くに示します。離れた注記だけに重要な条件を置きません。
表は編集部作成の例です。個別の条件を、すべての商談に当てはまる説明へ変えません。

確認表を埋めれば回答できる範囲と未確認の点が分かる

範囲の広い質問を受けたら、相手の言葉から回答予定までを記入します。作業が複数ある場合は、作業ごとにこの確認表を使います。

  • 相手の言葉から書く 相手の言葉を自社の機能名に置き換える前の形で書き、確認できた作業と答えの種類を書き添えます。
  • 条件と限界も書く 確認済みの欄には、必要な条件とできない作業も書きます。未確認の内容は別欄に残します。
  • 記録先まで決める まだ答えていない内容と回答予定を書き、営業管理表の保存先を記入します。

範囲の広い質問を整理する確認表

確認項目記入欄確認項目記入欄
相手の言葉指している作業
求める答えの種類判断したいこと
確認済みの範囲未確認の範囲
未回答の内容と回答予定記録先
確認表は編集部作成の例です。確認済みでも未回答なら、その旨を同じ欄に書きます。