商談先に頼む作業と進め方を決める

現状の確認や社内への問い合わせを頼んでも、判断に必要な回答が届かないことがあります。この資料では、営業担当者が依頼前に整理することと、相手と相談して決めることを説明します。

  • 回答の使い道を決める その回答で何を判断するかを決め、相手に確認してもらう必要がある情報を選びます。
  • 頼む作業の範囲を決める 自社でできる準備を済ませ、相手が何を読み、誰に尋ね、何を返すのかを書きます。
  • 完了までの進め方を決める 作業できる人、完了の条件、予定と連絡方法を相手と確かめます。

回答がそろわない原因を頼み方から確かめる

確認する対象や回答の使い道が曖昧だと、作業の範囲を相手に判断してもらうことになります。窓口で対応できる作業かどうかも、依頼前に確かめます。

  • 対象を明らかにする 何を見るのかが不明な依頼では、作業を始める前に対象を探す負担が生じます。
  • 使わない情報を外す 使い道が決まっていない情報まで頼むと、今回の判断に不要な確認も増えます。
  • 作業できるか確かめる 具体的な依頼でも、権限や時間の都合で対応できない場合があります。

依頼が止まる原因を点検する

依頼の問題相手に生じる負担防ぎ方
対象が伝わらない相手は、何を調べればよいかを判断するところから始めることになります。確認対象と見てほしい箇所を示します。
不要な確認が増える相手は、今回の判断に使わない情報まで調べることになります。次の判断に使う情報だけを選びます。
窓口で対応できない窓口の担当者が、別の人に確認し直すことになります。作業できるかを依頼前に尋ねます。
表は編集部作成の例です。依頼を具体化しても、回答が得られるとは限りません。

回答で何を判断するかを先に決める

集めたい情報から考えると、確認項目が増えやすくなります。まず次に判断したいことを書き、その判断に必要な情報を選びます。

  • 次の判断を書く 提案する業務や商品を選ぶのか、自社が相手の要望に対応できる条件を確認するのかを明確にします。
  • 必要な情報を選ぶ 回答の内容によって判断がどう変わるかを考え、必要な情報を特定します。
  • 用途がない情報は外す 回答を何に使うか説明できない項目は、今回の依頼に含めません。

判断から必要な情報を選ぶ

判断したいこと必要な情報頼まないもの
提案する業務を選ぶ相手が改善を検討している業務と、困っている点を確認します。検討対象に含まれない業務の詳細は頼みません。
自社が対応できるか決める自社の対応可否を左右する、相手側の必須条件を確認します。判断に関係しない設備の一覧は頼みません。
相手の検討時期を知る相手が提案内容の検討を始められる時期と前提条件を確認します。検討時期に影響しない社内予定は頼みません。
表は編集部作成の例です。必要な情報は、商談で判断したいことに応じて変わります。

自社で済ませられる準備を先に行う

相手に確認を頼む前に、受け取った回答と自社で用意できる情報を整理します。そのうえで、相手の確認が必要な部分だけを切り出します。

  • 既存の回答を読み直す 商談の記録や受領済みの資料を確認し、回答済みの内容を再び尋ねないようにします。
  • 説明や選択肢を用意する 確認に必要な用語の説明や候補は自社で用意し、相手が比較できる状態にします。
  • 未確認の部分を分ける 事実として確認できた内容と自社の推測を区別し、相手に確認してもらう必要がある点を残します。

相手に頼む前に準備を済ませる

準備の種類自社ですること相手に残ること
受領済みの回答記録を読み、回答済みの項目を整理します。相手は、不足している内容を確認します。
説明と選択肢用語の意味や比較する候補を用意します。該当する内容を選びます。
未確認の内容事実と推測を分け、確認箇所を示します。相手は、示された箇所の事実を確かめます。
表は編集部作成の例です。過去の回答を再確認する場合は、変更の可能性などの理由を添えます。

確認する対象と行う動作を書く

確認という言葉だけでは、何を見て何を答える作業かが伝わりません。相手が何を読み、誰に尋ね、何を返すのかを分けて書きます。

  • 見るものを特定する 資料や画面の名前と対象箇所を示し、どの項目を読むのかまで書きます。
  • 尋ねる内容を書く 相手の社内への確認が必要なら、相手が誰に何を尋ねる作業なのかを明らかにします。
  • 返すものを区別する 回答だけで自社が判断できるのか、判断の根拠として相手の既存資料も必要なのかを決めて伝えます。

依頼に含める動作を点検する

避ける頼み方代わりの頼み方理由
対象を省略する見る資料と箇所を特定し、読む項目を書きます。相手が、探す対象を判断せずに済みます。
確認先を省略する尋ねる相手と、尋ねる内容を書きます。相手の社内で必要な確認作業が、相手に分かります。
提出物をぼかす回答する項目と、添える資料を区別します。相手が不要な資料を作らずに済みます。
表は編集部作成の例です。依頼文の文面例ではなく、作業の書き方を点検する観点です。

次の判断に必要な作業だけを今回頼む

商談が進めば必要になる作業を、最初からまとめて頼む必要はありません。今回の判断に必要な回答を得るための作業と、その後に依頼を検討する作業を分けます。

  • 今回の作業を選ぶ その作業を頼まないと次の判断ができないかを確かめ、今回の範囲を決めます。
  • 後で頼む作業を分ける 提案内容が決まってから必要になる作業は、頼む条件とともに別に記録します。
  • 頼まない範囲も共有する 今回外した作業と理由を社内で共有し、必要かどうかを確かめずに別の人が追加で頼むことを防ぎます。

依頼する時点を分ける

作業の区分扱い記録
今回必要な作業次の判断に必要な範囲で依頼します。判断の目的と対象範囲を残します。
後で必要な作業必要になる条件を満たしてから相談します。再検討する条件を残します。
今回は頼まない作業依頼から外し、社内で共有します。外した理由を残します。
表は編集部作成の例です。後で必要になる作業も、実施が決まったものとして扱いません。

作業できるかを確かめてから依頼を確定する

商談の窓口であっても、必要な資料を見たり、社内の情報を確認したりできるとは限りません。実際に行える作業と、別の人の確認が必要な部分を尋ねます。

  • 作業できるかを尋ねる 対象の資料を見られるか、内容を判断できるか、対応する時間を取れるかを確かめます。
  • 別の確認が要るか尋ねる 他部署への問い合わせや社内の了承が必要かを確認し、依頼の範囲を見直します。
  • 了承を得て確定する 引き受けられる範囲について了承を得てから、頼む作業を確定します。

窓口で対応できる範囲を確かめる

場面確かめること対応
窓口で確認できる必要な資料を見て回答できるか。対応できる範囲について了承を得ます。
別の確認が必要誰の確認が、どの部分に必要か。相手に必要な手順を聞き、頼む作業を見直します。
引受先が未定作業できる人を確認できるか。引受先が決まるまで、自社は依頼を確定しません。
表は編集部作成の例です。自社は、窓口の了承なしに、相手の社内の別の人へ依頼することを決めません。

どこまで答えれば作業が終わるかを伝える

必要な回答項目だけでなく、どこまで調べれば作業を終えてよいかを依頼時に伝えます。分からない項目がある場合も、際限なく調べなくてよいことを伝えます。

  • 必要な回答項目を示す 何が分かれば判断できるかを示し、回答に必要な詳しさを決めます。
  • 不明も回答に含める 分からない項目は不明と答えられる形にし、未回答との違いが分かるようにします。
  • 追加作業の境界を決める 合意した範囲で回答できれば完了とし、追加調査が必要になった場合は改めて相談します。

完了と判断する条件を決める

伝えること内容注意
必要な回答項目判断に使う項目と必要な詳しさを示します。背景説明を必要以上に求めません。
不明の扱い相手が、確認しても分からない項目を不明と答えられる形にします。空欄のままの項目と区別します。
調査の範囲合意した対象まで確認すれば完了とします。自社は、追加調査を当然のように求めません。
資料の要否回答だけか、既存資料も必要かを示します。新しい資料の作成が必要なら、相手が対応できるかを別に相談します。
表は編集部作成の例です。作業の完了と、商談の判断に必要な情報が得られたことは区別します。

答える内容に合わせて回答の形を用意する

何を答えるかが決まっていても、書く場所や答え方が不明だと記入に迷います。必要な項目を整理し、内容に合った回答の形を用意します。

  • 項目と記入欄を対応させる 質問事項の近くに記入欄を置き、どの欄に何を答えるかが分かるようにします。
  • 自由記述を絞る 選択肢で足りる項目は選べる形にし、説明が必要な箇所だけ自由記述にします。
  • 記入が難しければ話す 口頭で確認する方法も相談します。聞き取った内容を記録し、認識が合っているか確かめます。

回答する負担に合わせて形を選ぶ

回答の形向く場面注意
選択式で答える該当する状態を候補から選べる場合に向きます。自社が、該当なしや不明も選べる形にします。
短く記入する名称や状況を簡潔に答えられる場合に向きます。何を書く欄かを明記します。
自由に記述する選択肢では事情を表せない場合に向きます。説明してほしい点を絞ります。
口頭で答える記入より会話で説明しやすい場合に向きます。自社が聞き取った記録を、相手と確かめます。
表は編集部作成の例です。回答形式の都合で、実際の状況と異なる選択を求めないようにします。

完了予定と、予定日までに終わらない場合の進め方を相手と決める

回答が必要になる理由を伝え、社内確認や準備を踏まえて完了予定を相談します。予定どおりに進められない場合の連絡方法も、あわせて決めます。

  • 必要になる理由を伝える 回答を受けて何を判断するのかを説明し、その判断を予定している時点を共有します。
  • 相手の準備を踏まえる 社内確認に必要な手順や準備を聞き、対応できる完了予定を相手と決めます。
  • 終わらない場合の進め方を先に決める 予定日までの完了が難しいと分かったときの連絡先と方法を先に決めます。難しくなったら、範囲の縮小や口頭確認を相談します。

完了予定を決め、変更に備える

場面すること記録
予定を相談する回答の用途を伝え、必要な準備を聞きます。判断する時点と準備の内容を残します。
予定に合意する対応できる完了予定を相手と決めます。合意した作業と予定を残します。
予定日までに終わらない難しいと分かった時点で相手から連絡してもらえるよう、連絡先と方法を先に決めます。自社の連絡先と連絡手段を残します。
作業を見直す範囲の縮小や口頭確認を相談します。変更した範囲と予定を残します。
表は編集部作成の例です。自社の希望だけで、相手の完了予定を決めないようにします。

頼む作業と相手に確かめる条件を書き出す

実際の商談を選び、依頼前の整理として各欄を自社の言葉で埋めます。相手と確認していない条件は未確認と記し、相談してから確定します。

  • 判断と作業を結び付ける 何を判断するために、どの作業が必要なのかを書き、使わない情報を外します。
  • 準備と範囲を確認する 自社で済ませた準備を記録し、今回頼む作業と後で検討する作業を分けます。
  • 合意した条件を残す 引き受ける人、完了の条件、予定と連絡方法は、相手と確かめた内容を記録します。

相手への依頼シート

整理する項目書くこと自社の記入欄
目的と判断回答で判断することと、必要な情報を書きます。
頼む作業対象と動作、自社で済ませた準備、今回頼まない範囲を書きます。
担当できる人作業できる人と、別の人の確認や了承が必要な部分を書きます。
完了の条件回答項目、資料の要否、不明の扱い、回答形式を書きます。
完了予定と連絡方法回答が必要な理由、合意した予定、変更時の連絡先と方法を書きます。
難しい場合の進め方予定日までの完了が難しい場合に今回の依頼から外せる作業と、口頭で確認できる部分を書きます。
シートは編集部作成の例です。依頼文として送る前提ではなく、準備と合意内容の整理に使います。