既存顧客との面談は双方の了承を得て調整する

利用中のお客様に話を聞きたいと言われたら、まず聞きたい内容を確かめます。協力を頼めるかを確認してから、双方と面談の条件を決めます。この資料では既存顧客の会社を既存顧客、話をしてもらう人を既存顧客の担当者と呼びます。

  • 聞きたいことを確かめる 商談先が確かめたいことを具体的にし、既存顧客への相談内容を決めます。
  • 協力の条件を決める 話せる範囲と負担を確認し、形式・参加者・自社の同席について双方の了承を得ます。
  • 面談後の確認と断られた場合の対応を決める 面談後に双方へ確認する内容と既存顧客への礼、記録の残し方を決めます。協力を断られた場合の商談先への対応も決めます。

面談を引き受ける前に双方の条件を確かめる

営業担当者がその場で承諾すると、協力できるか未確認のまま商談先に面談への期待が生まれます。聞きたい内容と協力の条件を確かめるまで、実施の約束をしません。

  • 確認してから返答する 聞きたい内容を伺ったうえで、協力を頼めるかを確認してから連絡すると伝えます。
  • 協力する負担を考える 面談だけでなく、質問の確認や社内相談にも時間がかかることを考えて打診します。
  • 話せる範囲を確かめる 希望する質問に答えてもらえるとは限りません。回答できる範囲を確認してから調整します。

承諾を急ぐと起きる行き違い

起きること誰に起きること防ぎ方
負担が増える既存顧客に準備や対応の負担が生じます。準備内容と所要時間の目安を伝えます。
期待と違う商談先が、聞きたかった話を聞けない場合があります。質問と面談の目的を先に確かめます。
回答に迷う既存顧客が話してよいか判断に迷います。話す範囲と話さない範囲を決めます。
調整をやり直す営業担当者が、日程や参加者を調整し直すことになります。条件への了承を得てから日程を決めます。
表は編集部作成の例です。

商談先が聞きたいことを先に具体的にする

使っている会社の話を聞きたいという希望だけでは、誰に何を頼むかを決められません。導入判断で迷っている点を聞き、既存顧客の担当者に聞く必要がある質問を整理します。

  • 迷っている点を聞く どの点を確かめられれば検討を進められるかを商談先に聞き、質問を具体的にします。
  • 資料で答えられるか見る 仕様や対応手順など、自社の資料で説明できることは先に案内します。
  • 聞く順番を決める 質問に優先順位を付けます。既存顧客の担当者の経験を聞く質問と、自社で回答する質問を分けます。

面談を頼む前に質問を具体化する

聞きたいこと確かめること資料で代えられるか
使い勝手どの業務や操作での使い勝手を知りたいか操作手順は資料で説明できます。
導入時の作業どの準備や社内調整が気になるか標準的な導入手順は資料で説明できます。
運用の負担どの担当業務の負担を知りたいか日々の運用で感じている負担は、自社の資料だけでは答えにくいです。
自社の対応問い合わせ対応の何を確かめたいか窓口や対応手順は資料で説明できます。
資料の説明資料のどこが分かりにくかったか補足説明で足りるか商談先に聞きます。
表は編集部作成の例です。

協力を頼める相手かを社内で確かめる

質問に合う利用経験があっても、今の関係や業務状況によっては頼みにくい場合があります。自社でその既存顧客を担当する営業や支援担当に、打診してよい状況かを確認します。

  • 今の関係を確かめる 未解決の不満や、対応中の大きな相談がないかを確認します。ある場合は、その解決を優先し、打診を見送ります。
  • 過去の協力を確認する 以前の了承を今回の了承と扱わず、依頼が続いていないかや過去の負担を確かめます。
  • 頼まない判断をする 繁忙期や担当変更の直後など、負担が大きい状況では打診を見送ります。

社内で打診の可否を判断する

確かめること確認先頼まない場合
関係の状態自社でその既存顧客を担当する営業未解決の不満への対応が続いています。
利用経験導入や運用の支援担当質問に関係する利用経験がありません。
過去の協力過去の依頼担当と記録依頼が続き、負担が懸念されます。
業務の負担最近の状況を知る担当繁忙期や担当変更で余裕がありません。
連絡の窓口自社の顧客対応を管理する担当既存顧客側の相談先が確認できていません。
表は編集部作成の例です。

目的と質問を伝えて協力できるかを聞く

最初の連絡では、誰が何を聞きたいのかと、想定する負担を既存顧客の担当者に伝えます。既存顧客が社内で協力の可否を検討できるよう返答までの時間を確保し、断っても通常の対応は変わらないと伝えます。

  • 依頼の内容を伝える 商談先の共有可能な情報と質問を伝えます。回答を急がせず、協力できるかを聞きます。
  • 準備と時間を伝える 想定する形式、所要時間の目安、事前にお願いしたい確認を伝えます。
  • 断ってよいと伝える 難しければ断ってよいことと、理由の説明は不要なことを伝えます。日程調整は了承後に進めます。

協力の判断に必要な情報を伝える

伝えること内容注意
依頼の目的商談先が導入判断のために確認したい点推奨や好意的な評価を求めません。
相手の情報共有できる会社情報と参加予定者の役割判断に必要な情報が足りるか聞きます。
質問の内容事前に整理した質問と優先順位答えにくい質問は外せると伝えます。
形式と負担面談方法、所要時間の目安、準備内容資料の新規作成を前提にしません。
返答の時期返答してほしい時期と、断ってよいこと返答時期は相手と相談し、催促を重ねません。
表は編集部作成の例です。

話す範囲は既存顧客が決める

面談への協力は、すべての質問に答えるという了承ではありません。話せることと話さないことを既存顧客の担当者に決めてもらい、必要なら既存顧客の社内で確認してもらったうえで、その内容で調整します。

  • 回答しない範囲を決める 答えにくい話題は外します。当日も、回答を控えたり話を止めたりできることを確認します。
  • 社名の共有を確認する 商談先へ社名を事前に知らせる場合は、既存顧客の了承を得ます。数値の共有も個別に確認します。
  • 回答を誘導しない 既存顧客の担当者に、好意的な話や推奨を求めず、経験に基づいて話してもらいます。回答内容の指定はしません。

共有できる内容と控える内容を決める

範囲決める人自社がすること
話せる経験既存顧客の担当者答えられる質問を確認します。
話さない内容既存顧客の担当者対象外の質問を外します。
社名の共有既存顧客(担当者が社内で確認)事前共有の可否と共有先を、担当者を通じて確認します。
数値の共有既存顧客(担当者が社内で確認)共有できる項目と表現を、担当者を通じて確認します。
既存顧客の社内情報既存顧客(担当者が社内で確認)既存顧客の社内で確認が済んでいない内容は扱いません。
表は編集部作成の例です。

協力の条件を商談先に伝えて了承を得る

協力できるとの返答を得たら、話せる範囲と面談の条件を商談先に伝えます。その範囲で聞きたいことを確かめられるかを確認し、実施するかを決めます。

  • 回答できる範囲を伝える 対象外の話題と、当日も回答を控える場合があることを伝えます。協力の条件として了承を得ます。
  • 質問を事前に共有する 追加や変更があれば、既存顧客に対応できるかを確認します。未確認の質問への回答は約束しません。
  • 記録の扱いを決める メモの共有先と利用目的を決めます。録音・録画や発言の引用・転載を商談先が希望する場合は、既存顧客から別に了承を得ます。

面談前に商談先の了承を得る

伝えること内容確認すること
話す範囲回答できる話題と対象外の話題商談先が、既存顧客の回答できる範囲を了承しているか
面談の形式協力可能な方法と所要時間の目安希望との違いがないか
事前の質問共有する質問と変更時の相談方法事前に共有していない質問には、既存顧客が回答を控えることがあると商談先が了承しているか
メモの扱い利用目的、共有先、保存先双方の了承した範囲で扱えるか
録音と転載録音・録画や発言を引用する希望の有無商談先の希望ごとに、既存顧客の了承があるか
表は編集部作成の例です。

形式と参加者と自社の同席を双方と決める

話す範囲への了承を得たら、形式・参加者・進行方法を双方と決めます。自社の同席は、進行の支援が必要かと、既存顧客の担当者が話しやすいかを踏まえて相談します。

  • 形式と参加者を決める オンラインか訪問かを相談し、参加者の所属と役割を共有します。参加者の追加も事前に確認します。
  • 同席の有無を相談する 同席する、冒頭だけ入る、同席しないという選択肢を双方に伝え、双方の意向から決めます。
  • 進行と終了を決める 進行役と終了時刻を決めます。同席しない場合も、困ったときの連絡先を伝えます。

双方が参加しやすい進め方を決める

決めること選択肢決め方
面談の形式オンラインで行う/商談先が既存顧客を訪問する移動や接続準備の負担を踏まえて相談します。
参加者既存顧客の担当者だけ/必要な関係者も加わる質問に必要な役割を確認し、双方の了承を得ます。
自社の同席同席する/冒頭だけ入る/同席しない双方の希望と進行支援の必要性で決めます。
進行役自社が進める/商談先が進める同席の有無に合わせ、双方が相談して決めます。
時間の扱い予定時刻で終え、残った質問は持ち帰る延長を前提にせず、質問を優先順に扱います。
表は編集部作成の例です。

断られたら代わりを約束せず対応を相談する

協力が難しいとの返答を受けたら、検討への礼を伝えて打診を終えます。商談先には調整できなかったことを伝え、資料や説明で補えるかを相談します。

  • 理由を求めない 断った理由の説明を求めたり、条件を変えて何度も頼んだりしません。検討してもらったことに礼を伝えます。
  • 確認前に別の相手を約束しない 別の既存顧客の協力を確認できるまで、商談先に別の面談や実施時期を約束しません。候補がいても、社内確認と新たな打診が必要です。
  • 別の方法を相談する 未解決の質問を確認し、資料の補足や自社による操作説明で答えられるかを相談します。

協力が得られないときの対応を決める

場面することしないこと
打診を断られた検討への礼を伝えて打診を終えます。断った理由を聞き出しません。
返答がない相談した返答時期を踏まえて状況を確認します。了承とみなして日程を決めません。
途中で辞退された中止を受け付けて商談先へ連絡します。当初の了承を理由に協力を求めません。
別の相手を求められた再調整できるか未定と伝えます。代わりの相手や時期を約束しません。
質問が残った資料や自社の説明で補えるか相談します。既存顧客の回答を推測して伝えません。
表は編集部作成の例です。

結果を双方に確認して礼と報告を記録する

面談後、営業担当者は商談先に確認できたことと残った疑問を聞き、既存顧客の担当者には礼を伝えます。話した内容の認識は商談先に、負担は既存顧客の担当者に確認します。

  • 理解した内容を確かめる 商談先が理解した内容と面談中の発言が食い違っていると思われる場合は、該当部分を既存顧客の担当者に確認します。発言を都合よく言い換えません。
  • 礼と報告を届ける 時間と協力への礼を言葉で伝え、共有できる範囲で面談の結果を報告します。
  • 負担と次の希望を残す 準備や当日の負担、今後の依頼への希望を聞きます。今回の了承を次回に引き継がず、改めて相談します。

面談後に確認した内容を残す

記録項目書くこと
商談先の理解確認できたこと、残った疑問、自社で回答することを書きます。
話した内容了承された範囲で要旨を書き、既存顧客の担当者に確認してもらったかを添えます。
礼と報告礼を伝えた日と、既存顧客へ報告した内容を書きます。
協力の負担準備や当日の負担と、今後の依頼への希望を書きます。
追加の対応追加質問などに対応する人と、既存顧客が追加の対応を了承しているかを書きます。
記録の扱い保存先、閲覧できる人、共有を了承された範囲を書きます。
表は編集部作成の例です。

面談の調整内容と了承状況を書き残す

面談の依頼を受けたら、営業担当者が確認した内容をこの表に書き込みます。未確認の項目には確認先と次の対応を書き、了承を得た内容と区別します。

  • 質問と社内確認を書く 商談先の質問と、協力を頼めると判断した根拠を書きます。社内確認だけで日程を約束しません。
  • 双方の了承を書く 誰に何を確認し、いつ了承を得たかを書きます。条件が変わった場合は、変更内容を改めて確認します。
  • 結果か打診終了を書く 面談後の確認、礼と報告、負担を記録します。断られた場合は、打診を終えた日と商談先への対応を記録します。

既存顧客との面談を調整する確認表

確認する項目自社で記入する内容
聞きたいこと質問:/優先順位:/資料で答えること:
相手と社内確認協力を頼む相手:/社内確認先:/関係と負担:/未確認の点と確認先:
話す範囲話せること・話さないこと:/社名・数値の共有条件:/了承者・日付:
伝えた条件商談先に伝えた条件:/質問・記録の扱い:/了承者・日付:
形式と参加者形式・日程:/参加者:/自社の同席・進行役:/双方の了承者・日付:
結果と礼・記録先双方への確認:/礼と報告:/負担と今後の希望:/断られた場合の打診終了日と商談先への対応:/記録先・共有範囲:
確認表は編集部作成の例です。