申込書の食い違いは、相手に確かめてから処理する
申込書が商談の記録と違っていても、すぐに記入ミスとは決められません。相手の意図を確かめ、必要な訂正と社内確認を済ませてから処理します。
- 食い違う項目を見つける 申込書と商談の記録を照合し、何が違い、何を相手に確かめるかを決めます。
- 直す内容と方法を決める 相手の意図と自社で対応できる範囲を確認し、直す書類と訂正方法を決めます。
- 処理前の確認手順を決める 訂正後に確認する項目、経緯の記録先、提案書と申込書の見直し方を決めます。
食い違いを残したまま処理すると、手配や請求の内容も違ってしまう
申込書の記載をそのまま処理すると、相手の希望と違う商品や数量で手配するおそれがあります。手配や請求を始める前に、食い違いを確認します。
- 手配内容を確かめる 商品や数量の違いを残すと、希望した内容で利用できなくなるおそれがあります。
- 請求対象を確かめる 利用対象や開始時期が違えば、相手が想定していない対象や期間の請求になるおそれがあります。
- 訂正の手間が広がるのを防ぐ 処理が進むほど、手配内容や社内の登録内容まで直す必要が生じます。処理前に食い違いを解消します。
食い違いを残した場合の影響
| 起きること | 相手に起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 違う商品を手配する | 相手が希望する用途では使えないおそれがあります。 | 商品名と仕様を照合します。 |
| 違う数量で手配する | 手配した数量が、相手に必要な数量に対して過不足になります。 | 数量と単位を照合します。 |
| 請求対象が違う | 想定外の対象や期間について確認が必要になります。 | 利用対象と開始時期を確かめます。 |
| 後から訂正する | 内容の再確認や利用準備のやり直しが生じます。 | 食い違う項目に関わる処理を保留します。 |
申込書を受け取ったら、商談の記録と照合する
申込書だけでは、商談で決めた内容と一致しているか判断できません。相手と確認した提案書や商談後の連絡を使い、項目ごとに照合します。
- 照合する項目を決める 商品、数量、利用対象、開始時期を確認します。名称だけでなく、仕様や数量の単位も見ます。
- 確認済みの記録を使う 申込書の作成日が新しいというだけで申込書を正しいと判断せず、相手と内容を確認した記録かどうかを確かめます。
- 照合する人を決める 商談の経緯が分かる人が照合します。受領する人が別なら、処理前に確認を依頼します。
申込書と照合する項目
| 照合する項目 | 見るもの | 注意 |
|---|---|---|
| 商品・仕様 | 相手と確認した提案書を見ます。 | 似た名称でも仕様が同じか確認します。 |
| 数量・単位 | 数量を確認した連絡や商談記録を見ます。 | 個数と組数など、単位の違いも確認します。 |
| 利用対象 | 対象部署や拠点を確認した記録を見ます。 | 申込者と実際の利用対象を区別します。 |
| 開始時期 | 開始時期を確認した連絡を見ます。 | 希望段階の予定と、確認済みの内容を区別します。 |
食い違いの原因を、記録の照合と相手への確認で分ける
同じ記載の違いでも、原因によって直すものが変わります。記入ミスと決めつけず、相手の意図と商談から申込書作成までの経緯を確認します。
- 原因を決めつけない 申込書の記載だけでは、記入ミスか意図的な変更かは分かりません。まず違う項目を相手に示します。
- 記録の誤りも確かめる 商談の記録に、聞き違いや転記の誤りがないか確認します。記録が正しいとは限りません。
- 伝達の経緯を確かめる 商談に参加した人と申込書を作成した人が違う場合は、商談で決めた内容が作成した人に伝わっていたかを確かめます。
食い違いの種類と対応
| 種類 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 記入ミス | 希望は商談の内容のままで、記入時に誤ったか確かめます。 | 申込書の訂正を相談します。 |
| 意図的な変更 | 商談後に希望する内容を変えたか確かめます。 | 変更内容と自社で対応できるかを確認します。 |
| 商談記録の誤り | 相手と確認した連絡と商談記録を照合します。 | 誤った記録を直し、訂正理由を残します。 |
| 社内の伝達漏れ | 双方の社内で、誰にどの内容が伝わったか確認します。 | 伝わらなかった内容を共有し、必要な書類を直します。 |
食い違う項目は、処理を進める前に相手に確かめる
確認するときは、申込書の記載と商談の記録を項目ごとに示します。どちらが正しいかを問い詰めるのではなく、現在希望している内容を確かめます。
- 違う内容を具体的に示す 対象の項目と、それぞれに記載された内容を示します。確認してほしい点を絞ります。
- 現在の希望を確かめる 商談時の内容を希望しているのか、申込書の内容へ変更したいのか、どちらとも違うのかを確認します。
- 急ぐ場合も確認を省かない 連絡が取りやすい方法で確認し、回答を記録します。未確認の項目に関わる処理は保留します。
場面別の確認方針
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 違いが明確な場合 | 異なる記載を示し、現在の希望を確認します。 | 記入ミスと断定しません。 |
| 記録が曖昧な場合 | 手元の記録では判断できないことを伝え、希望を確認します。 | 記憶だけで訂正を求めません。 |
| 作成者が別の場合 | 商談の内容と申込書の作成経緯を確認します。 | 作成者個人の希望なのか、会社としての申込内容なのかを確かめます。 |
| 処理を急ぐ場合 | 回答を得たい時点と、確認待ちの処理を共有します。 | 返答がないことを了承とは見なしません。 |
相手の意図を確かめて、申込書と記録の訂正を決める
商談の記録に合わせること自体が目的ではありません。相手が希望する内容を確認し、申込書、商談の記録、提案書のどこを直すか決めます。
- 申込書を直す 商談で決めた内容を希望していて、申込書だけが違う場合は、申込書の訂正を相談します。
- 記録や提案書を直す 申込書が現在の希望を表している場合は、記録の誤りか変更かを分け、必要な訂正を決めます。
- 訂正する箇所を項目ごとに決める 希望する内容がどちらとも違う場合は、申込書、商談の記録、提案書のそれぞれについて項目ごとに訂正箇所を決めます。変更は社内でも確認します。
相手の意図と訂正対象
| 相手の意図 | すること | 記録 |
|---|---|---|
| 商談どおりを希望 | 申込書の食い違う項目を訂正します。 | 食い違いの原因(記入ミスや伝達漏れ)と確認した経緯を残します。 |
| 申込内容へ変更 | 社内確認後に、商談記録へ変更を追記し、提案書を更新します。 | 変更前後の内容と確認日を残します。 |
| 申込書の内容が本来の希望 | 商談記録の誤りを直し、提案書への影響も確認します。 | 記録の誤りと判断した根拠を残します。 |
| どちらとも違う | 希望を項目ごとに整理し、申込書・記録・提案書それぞれの訂正箇所を決めます。 | 希望する内容と未確認事項を残します。 |
希望する変更に対応できるか、社内で確かめる
相手が変更を希望していても、その内容で提供できるとは限りません。在庫、提供条件、開始時期、承認の要否を社内で確認してから対応を決めます。
- 提供できる範囲を調べる 変更後の商品や数量が在庫や手配で対応できるか、利用対象がサービスの提供条件に合うかを確認します。
- 開始の準備を確認する 希望する開始時期に、設定や利用準備を終えられるか確認します。未確認のまま対応を約束しません。
- 承認の要否を確かめる 変更に承認が必要かと、承認する人を確認します。対応できない場合は、可能な内容を整理して相談します。
変更を受ける前の社内確認
| 確かめること | 確認先 | 確認できなかった場合 |
|---|---|---|
| 商品・数量 | 在庫や手配を管理する部署に確認します。 | 対応可能と伝えず、確認待ちであることを共有します。 |
| 利用対象・条件 | 商品やサービスの提供条件を管理する部署に確認します。 | 条件を満たすか分かるまで、変更の処理を保留します。 |
| 開始時期 | 設定や利用開始の準備を行う部署に確認します。 | 準備の見通しを確認してから、相手と再調整します。 |
| 社内の承認 | 変更の承認を担う人(営業責任者など、自社で決めた承認者)に確認します。 | 承認が必要な処理は、判断が出るまで保留します。 |
訂正する内容と方法を、相手と決める
訂正対象が決まったら、どの書類を、誰が、どの方法で直すかを相手と確認します。訂正前後の内容が分かり、社内でも受け付けられる方法を選びます。
- 受け付ける方法を確認する 再提出が必要か、訂正箇所への相手の了承を記録すれば受け付けられるかを社内で調べ、相手と方法を決めます。
- 訂正箇所を共有する 対象の項目と訂正後の内容を確認します。申込書の原本を相手に無断で書き換えません。
- 訂正の経緯を残す 訂正前の書類、相手の確認内容、訂正後の書類を関連づけて保存し、使用する版を明示します。
訂正方法の選び方
| 訂正の方法 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 申込書の再提出 | 確認した内容で申込書を作成し直してもらいます。 | 以前の申込書と取り違えないよう、使用する版を示します。 |
| 訂正箇所の確認 | 対象項目と訂正後の内容について、相手の了承を記録します。 | 社内で受け付けられる場合に選び、申込書と一緒に保存します。 |
| 記録・提案の訂正 | 商談記録や提案書を直し、相手への共有範囲を決めます。 | 申込書が正しい場合は、不要な再提出を求めません。 |
訂正後の内容を再照合してから、処理を進める
訂正後の申込書や了承の記録を受け取っただけでは、確認は終わりません。相手と確認した内容、社内で対応できる内容と一致しているかを再照合してから、社内の処理担当者に引き渡します。
- 訂正結果を再照合する 訂正箇所が確認した内容どおりかを見ます。再提出された場合は、ほかの項目の変更も確認します。
- 処理に使う版を渡す 使用する申込書と確認記録を処理担当に渡し、以前の版で処理しないよう明示します。
- 相手へ確認結果を伝える 訂正内容を確認できたことと、次に進める処理を伝えます。未確認事項があれば、その範囲を伝えます。
処理を再開する手順
| 手順 | すること | 記録 |
|---|---|---|
| 申込書を再照合する | 訂正箇所と、ほかに変更された項目を確認します。 | 確認日と確認者を残します。 |
| 社内確認と照合する | 提供内容や開始時期が、社内で確認した範囲と一致するか見ます。 | 対応可否と承認の記録を示します。 |
| 処理担当へ渡す | 使用する版と訂正の経緯を伝えます。 | 引き渡した書類と、引き渡した処理担当者を残します。 |
| 相手へ連絡する | 確認結果と、この後に進める処理を伝えます。 | 連絡日と伝えた内容を残します。 |
経緯を記録し、提案書と申込書の項目を見直す
訂正が終わったら、何が違い、どう確認して処理したかを残します。同じ食い違いを防ぐため、提案書と申込書の名称や記入欄も見直します。
- 判断の根拠を残す 食い違った内容、相手の意図、社内の確認結果を記録します。後から判断の理由をたどれるようにします。
- 項目の違いを直す 提案書と申込書で異なる商品名や数量の単位を見直します。利用対象や開始時期の記入欄も確認します。
- 伝達手順を見直す 変更を誰に伝え、どの記録を更新するかを決めます。確認できなかった原因は、推測であると分かる形で残します。
残す記録と見直す項目
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 食い違いの内容 | 対象項目と、申込書・商談記録それぞれの内容を書きます。 |
| 原因 | 確認できた原因と、その判断に使った記録を書きます。 |
| 相手への確認 | 確認した相手、確認日、現在希望している内容を書きます。 |
| 社内確認と対応 | 対応可否、承認結果、訂正方法、処理を再開した経緯を書きます。 |
| 書類の見直し | 名称、単位、利用対象、開始時期について、直す欄を書きます。 |
| 伝達の見直し | 変更を共有する相手、更新する記録、見直しを担当する人を書きます。 |
照合表に確認した内容と記録先を書く
申込書を受け取ったときに確認した内容を、照合表に書き込みます。違いがない項目も照合済みと残し、未確認の項目と区別します。
- 違いと種類を書く 食い違う項目には双方の記載と原因を書きます。原因が分からなければ、未確認と記入します。
- 相手と社内の確認を書く 相手の希望、社内の確認先と対応可否を書きます。回答待ちの場合は、誰が誰に再確認するかを決めます。
- 訂正と処理の記録を残す 直す書類と方法、保存先を書きます。再照合の結果と処理担当者への引き渡しは、備考欄か営業管理表に残します。
申込書の食い違いを確認する照合表
| 照合する項目 | 食い違いの種類 | 相手への確認 | 社内の確認 | 訂正の方法 | 記録先・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 商品・仕様 | 違い・原因: | 希望・確認日: | 確認先・可否: | 書類・方法: | 保存先・再照合: |
| 数量・単位 | 違い・原因: | 希望・確認日: | 確認先・可否: | 書類・方法: | 保存先・再照合: |
| 利用対象 | 違い・原因: | 希望・確認日: | 確認先・可否: | 書類・方法: | 保存先・再照合: |
| 開始時期 | 違い・原因: | 希望・確認日: | 確認先・可否: | 書類・方法: | 保存先・再照合: |
